INDEPENDENT:NGY
INDEPENDENT:NGY
損保ジャパン人形劇場ひまわりホール(愛知県)
2013/06/06 (木) ~ 2013/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
「最強の一人芝居フェスティバル “INDEPENDENT:NGY”」Aブロック 観ました
以前、津で開催された「“INDEPENDENT:TSU”」の時は、時間の都合で1ブロックしか観れなかったので、今回は二日に分けてですが、地元・名古屋でがっつり堪能しました!(A・B合間のDJタイムを味わえなかったのが心残り…)
まずは、Aブロックから。
『カンコンバス』
(出演:川上珠来 脚本・演出:平塚直隆(オイスターズ))
仮想の人に託した、田舎からのせつない脱出願望。
たたみかける台詞群。でも、本人はそこから一歩も動かれない。
『趣味』 (招聘作品 from ギャラクシアンエクスプロージョン2)
(出演・脚本・演出:中内こもる)
フリップコントがえんえん続くと見せかけて、最後にホロリといかせる、とてもズルい大人の作品(笑)。
『糸子』 (劇場推薦作品)
(出演・演出:ゆみだてさとこ(PuppetTheaterゆめみトランク) 脚本:鏡味富美子 美術:森文子)
無国籍幻想的な人形劇。幼い日のおぼろげな思い出にも見える…。少々不気味なビジュアルが、東南アジア版のろくろ首・飛頭蛮を連想(汗)
『はやぶさ(MUSES-C)~星に願いを』(招聘作品 from INDEPENDENT:10&SSS)
(出演:谷屋俊輔(ステージタイガー) 脚本・演出:美浜源八(シアターシンクタンク万化))
無限の旅路を見せる、比類なき声と身体の制御。緩急激しくドラマチック。
こうなったら次はもう、一人スターウォーズしかないでしょう(キリッ)。
Aブロックは、演劇の枠に挑むようなバラエティに富んだラインナップでした。ドキドキを持ち越しつつ、翌日のBブロックを楽しみに家路へ。(続く)
ナナサイサ 1st stage
ナナサイサ
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2013/06/01 (土) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★
ナナサイサ「ナナサイサ1st stage」観ました
名古屋演劇教室(講師・小熊ヒデジ)出身の演劇初心者が、どうしても公演したいと実現させた、一回限りのユニット。
女性二人が二本づつ書いた短編に、それぞれの傾向が見える(物語を展開させたり、そのまま進めたり)。男だとあまり外に出せないような、なかなかえげつない内容のものも。
公演としてみると、台本・演出・演技等、いっぱいいっぱいに見えて、必ずしもうまい舞台ではないけれど(汗)、初心者が、まがりなりにも戯曲を書いて演出をつけて公演までもっていった情熱を称賛。なかなかできないよ、自分でやって最後までやりきるのは…(`Д`)
ユニットは今回のみだけど、彼らの演劇活動は今後も続きます。自ら公演を起こせるようにするのが趣旨の名古屋演劇教室としては、目論みどおりの成果が出たかと。
ミーツ
ロロ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/05/23 (木) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
ロロ「ミーツ」観ました
「20年安泰。」で初めて観てから2年…やっと本公演を観ました。あの中でも、私にとってはかなり特異な演目でした。
子供や大人、様々な妄想の交錯。夢の中のような掴み処のなさ。
としか、言いようがない…
やはり、パーツひとつ一つは単純に楽しめるけど、全体を統合して解釈するのが難しい(考え過ぎ?)。私の中で、ロロを観て語る文脈がいまだ欠けているらしい…(名古屋・B級遊撃隊や演劇組織KIMYOに対しても言える) 素直に観れば分かるもののかしらん…
クローゼットの使い方がいい。障害物、隠れ家、高い場所。
着ぐるみも、一発で非現実的な存在と分かっていい。
関係性、間、場の変化など随所に目を見張るところあり。何気なく古典的所作をさらっと出したりと、懐が深い(昼に観た木ノ下歌舞伎を彷彿とさせる)。
今回も分からない事は多かったけれど、機会があればまた観てみたいものです。(範宙遊泳みたいに、名古屋公演やらないかなー)
黒塚
木ノ下歌舞伎
十六夜吉田町スタジオ(神奈川県)
2013/05/24 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
木ノ下歌舞伎「黒塚」観ました
愛知芸文20周年記念「金の文化祭 in AICHI」(構成・演出 おーじ)に出演させていただいた縁で、横浜まで足を運びました。
前回の「義経千本桜」と違い、会場の場所が地図を見てもよく分からず、建物の裏に回ったら人がいたので聞いてみると、主宰の方でした(笑) 木ノ下先生に会場案内をさせてしまった。。。
安達ケ原の鬼女をベースにした元の本自体が短いためか、前半の導入はやや間延びの印象。旅の山伏一行というより、13日の金曜日系ホラーで迷い込んでくるキャンパーみたい(笑)
鬼女の出自を丹念に見せた上での第二景、激しいダンス・アクションシーンが特に見もの。山伏と鬼女のギャップが、現代人と過去の人外の遭遇みたい。山伏も、原点に忠実な衣装にしたらどうなるだろう…
終演後の演出×主宰のアフタートークでは、納得いく点多数。
元の本がまるで書いてない点を大量に創作する苦労。原点を完コピしてから崩す誠実さ。変化の存在の悲しみ。美術のコンセプも、オリジナルを参考にした上で独特(抽象ー具象の行き来)、深い。
元の伝説等の予備知識がない方が、むしろ引き込まれるかもしれない…。本編→アフタートーク→本編 と観るのが理想かも「w
ぼくはにんじゃのあやし丸
劇団うりんこ
名古屋市名東文化小劇場(愛知県)
2013/05/23 (木) ~ 2013/05/24 (金)公演終了
満足度★★★★
うりんこ「ぼくはにんじゃのあやし丸」観ました
うりんこの、新しい学校公演用演目。
お盆に帰省した家族の子供と祖父の、虚実がレイヤーのように重なる、少し変わった交流。家族、土地、信念…わが身にも引き寄せていろいろ考えさせられる。
ラストの別れはちょっと尻切れ感があるけれど、それもまた佃さん的か(笑)
ドリフ的な笑いあり、歌や踊り、殺陣も楽しめる情操エンタテインメント。子供達には、ぜひ夏休み前に観てほしい。
PLAN-02『クラッシュ・ワルツ』 PLAN-03『マイフェイバリット・バーーーーーージン』
刈馬演劇設計社
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2013/05/17 (金) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★
刈馬演劇設計社「マイフェイバリット・バーーーーーージン」観ました
新作「クラッシュ・ワルツ」から続けて、7年前の作品の再演を観ました。
さすがに新作に較べれば、複数ある軸の主軸が分かりにくく、台詞も決めた感があって、若書きの印象。
「見える能力」や、やって来る男の、展開上での必然性は弱かったか。物語的には必要だけど(終盤の「障害、無くなってた」という台詞にはちょっとシビれた)。
「身障者向けデリヘル」という題材は、いま観ても秀逸(商売とボランティアの葛藤とか)。周辺のサブテーマも含め、「性愛と身体の関連」は、さらに掘り下げて見てみたい。刈馬さんならではのテーマかと。
役者では、キョウタ役の宮谷達也さんの、自然体に見える飄々とした存在が映えた。主宰している劇団のスタイリッシュな舞台に「つくりもの」感をつよく感じるだけに、意外で印象的。これも、刈馬さんの舞台だからこそか…
なお、宮谷さんの劇団・演劇組織KIMYOは、次回公演「スィーティドム」で初の、名古屋・東京2都市公演!名古屋は7月下旬に七ツ寺共同スタジオで、東京は8月上旬に王子小劇場!興味の出た方はぜひご覧ください。
PLAN-02『クラッシュ・ワルツ』 PLAN-03『マイフェイバリット・バーーーーーージン』
刈馬演劇設計社
ユースクエア(名古屋市青少年交流プラザ) (愛知県)
2013/05/17 (金) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
刈馬演劇設計社「クラッシュ・ワルツ」観ました
刈馬カオスさんによる舞台は、昨年の劇王・塚田奏一郎名義「シュガーレスガール」、本公演ではテラ・インコグニタ「十人姉妹」以来です。
デス電所やiakuを思わせる、緻密に計算して人物たち(二組の夫婦+女性)の世間体を脱がし、その人格や事情を少しずつむき出しにしていく展開に、観客の集中の度合いも高まる…。それぞれが有機的に他者の事情を暴いていく。欲望、依存、加虐、許し…。
かなり陰惨な光景が出てきながら、そこからあのラストに持って行く、刈馬さんならではの叙情力…。
それぞれが今までもこれからも抱える人生の時間を考えさせられる、濃密な役ばかり(特に、展開の軸となる、ある夫婦の子供を交通事故で死なせてしまった女性・チハル役の切り替えが大変)。
全員が振り幅大きく醜さも美しさも持った、でも当たり前の人間。
公演は、この新作と7年前の作品の再演が続けて観られる興味深い構成でした。そこにも時間の流れが…(笑)
刈馬さんは、この「クラッシュ・ワルツ」で旅公演ができないかと検討しているそうです(とくに仙台、北九州に関心高い)。
どこか興味を持って、声がかかるといいなあ。ぜひ多くの人に観てほしいです。
月光カノン
劇団ジャブジャブサーキット
三重県文化会館(三重県)
2013/05/11 (土) ~ 2013/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
ジャブジャブサーキット「月光カノン」観ました
ジャブジャブサーキット初の三重公演。各地で巡演、名古屋でも9月にやるそうですが、この時点では知らず…(でも、早く観れる方がいい)
いつも以上に、役者同士の身体のあり方や台詞の間が、まとまりさらさらと流れる清流の音のように感じられた。当日パンフで、はせさんのクラシック音楽への傾倒を知り、納得。(そうか、そうだったのかw)
基本設定はすこしSFだけど、全て分からなくても回収できなくても、舞台上の空気をじゅうぶん味わえる。中盤の、位相の違いが外れた逢魔ヶ時のような場面が好き。
セットもあいかわらず、具象と抽象のはざまに漂うようで不思議。
辛さとやさしさを湛えた舞台。
土曜夜の回のアフターイベント、はせひろいちさん×佃典彦さん(B級遊撃隊)×平塚直隆さん(オイスターズ)のアドリブ文士劇、観たかったけど、予定が入って観れませんでした。残念。。。
あ、あと、ラスト近く、はしぐちしんさんの華麗なステップが見物ですw
ドレミの歌
オイスターズ
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2013/04/19 (金) ~ 2013/04/22 (月)公演終了
満足度★★★★
オイスターズ「ドレミの歌」(女子校バージョン)観ました
三年前の初演で、男子校バージョンを観ました(男子って、バカばっかりwww)
今回は稽古の都合で、日曜11:00公演の女子校バージョンのみ。
平塚さんならではの構成された言葉力に、オーディションで厳選されたビジュアル力が結合w、そしてクライマックスでは、やみくもな肉体力に乗って、オイスターズ的歌唱が大爆発ww
台詞が受け手の中で解釈される暇も与えず畳み掛ける、バカバカしい言葉の嵐に翻弄される…(劇中歌にも言える事)
異様な説得力の男子版に比べ、女子たちはバカでなさそうな分、欲望とプライドのせめぎ合いがよりいっそう生々しい…男子としては、見てはいけない物を見た気分。。。
しかし、クライマックス直前ではなぜか泣きそうになる一瞬も。
美術も、初演以上に抽象度が増し、不思議…壁、仕切り…
受け手のこちらも、何か感性が変わったのか…
男子校バージョンが観れなかったが残念(田内さんの「納品業者ーーーッ!!」聞きたかった…)ですが、オイスターズにとって非常に有意義な全国ツアーになったと思います(なぜかジョジョ第三部を連想したw)
オイスターズの皆さま、お疲れ様でした!
迷子の部屋
劇団あおきりみかん
名古屋テレビ塔 三階秘密の部屋(愛知県)
2013/03/22 (金) ~ 2013/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
あおきりみかん「迷子の部屋」観ました
休み無しに続くクセックACT稽古、観れないだろうと覚悟していましたが、日曜11:00の回があると知り、あわてて予約しました(その日のうちに完売。ヒ~)ビバ日曜朝公演。さすが一ヶ月ロングラン。
上演場所は名古屋・栄のTV塔、おそらく昨年の「怪談×階段」と同じフロア。
有名ファンタジーを題材にした仕掛けの部屋と、ごく普通の部屋。
ファンタジーと現実の重なる人物達の、物理法則に捕らわれない出入り。
渦まく迷宮、理不尽。誰かを殺した主人公、そのゴール。傷は、隠していてもいつまでも引きずる…向き合わないと…。
主演女優がハマり役。劇団鹿殺しの菜月チョビさんを彷彿とさせる風貌が印象的(笑)。
ラストの、主人公の一動作で全てを伝える演出が素敵。
できれば、せっかく劇場ではない公演なので、もっと、あちこちの部屋へ(「怪談×階段」のように、TV塔外部の階段を15分かけて昇るとか←今にして思うとスゲエw)移動してみたかったです。演劇以外のお客さんの都合もあるけれど…。
そして、初のネタバレBOX使用!
※【要注意!】前回、前々回公演の内容にも触れてます→
かぜごっこ
劇団B級遊撃隊
姫池052スタジオ(愛知県)
2013/04/04 (木) ~ 2013/04/07 (日)公演終了
満足度★★★★
B級遊撃隊「かぜごっこ」観ました
二週間ぶりの観劇です(グエヘヘヘ←禁断症状)
休みなしに続くクセックACT稽古が、奇跡的に急遽休みになりました。
(一本だけ何か観劇できる…!)
あおきりみかん「迷子の部屋」、KIMYO「ジョナサン」、柿喰う客「発情ジュリアス・シーザー」と迷ったあげく、個人的知り合いが多く出てて、オイスターズ・平塚さんがアフタートークに出て、久しぶりに行く劇場(B級遊撃隊アトリエ)であるこれを選択。
イエスの方舟を連想させる集団の異様な連帯感が、終始狭い劇場内に充満。キモい(笑)
「社会から閉じた集団」と受け止めたけど、対外的なその辺について、台本描写がいまいちあやふやだったため、その点は効果が弱かったか…。
「かぜごっこ」とは、実際は風邪を引いてないのに、それぞれの思惑であの集団に参加しようとした、あの二人のことなのだろう…。
共通言語に則った、無自覚だった心の隙間・傷を満たされる不気味な癒し・充足感と、渇望しながら得られない孤独感との対比が、最後になって突然、ぐっと来た…。
小さな空間だけあって、こちらまで風邪引きそうな空気感が充満。アトリエ公演ならでは。
佃さんの咳が変にリアル。佃さんが妙に色気あり。佃さんと三人娘(こやつらも、個人的に知ってる手ごわい輩w)の絡みが、特に見ものでしたw
罪と罰
劇団うりんこ
うりんこ劇場(愛知県)
2013/03/22 (金) ~ 2013/03/23 (土)公演終了
満足度★★★★★
うりんこ「罪と罰」観ました
2月に、古典戯曲を読む会@名古屋で、うりんこ制作の方をホストにお招きし、台本の一部を読みました。もうその時点で、独特のギミックを知って期待大!
「タイトルは知っていても読んだ事がない」という人も多い、読みにくく重い名作文学を、分かりやすく楽しく(意外とジョジョばりの展開もw)、そして心に突き刺す、演劇ならではの演出。
想像力を刺激するほどよい空間、入れ替わり立ち替わりする人物たち(もういないはずでも)。全ては、シベリアでラスコーリニコフが観ている夢だったのかも…
超越した視点からの笑いと、渦中でもがく心理サスペンスの対照。 主人公の歪んだプライド故の捻れた苦しみに、共感できる現代の若者は多いはず。
終演時には、客席のあちこちからすすり泣き。カーテンコールが三回も!
翌週(もう今週)には、栄の芸術創造センターで、4月には三重・四日市でも公演。これは、全国ツアーになってもおかしくない名作です!
犬殺しターくんと非実在チーちゃん
オレンヂスタ
千種文化小劇場(愛知県)
2013/03/15 (金) ~ 2013/03/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
オレンヂスタ「犬殺しターくんと非実在チーちゃん」観ました
こりっち舞台芸術まつり・名古屋エントリー(&残念。。。)組、第二段!
厨二的に過激な妄想と、それを遥かに上回る酷い現実との錯綜が、後から響いてくる、鉛の玉を一個一個飲み込まされるような演出。特に、超越的存在・重力グラビティが出てくるあたりの、妄想と現実の切れ目ない交錯感が、ライブで観ていてたまらない…
まさに、ターくんは犬殺し、チーちゃんは非実在。あんな形でしか救いはないのか…。支配者、負け犬。最終的に現実を直視せねばならない彼らの、すでに崩壊が決定されていた世界…
心身ともにステージごとに燃え尽きる役者陣、円形劇場を余す所なく使い切った美術、照明の空間作りも素晴らしい。
負け犬たちがなぜ、ああも支配されてしまったのか、主役二人以外は少々分かりにくかったのは心残りだけど、それ以外はもう、完全燃焼…オレンヂスタ史上最も、怒りと悲しみに満ちた舞台でした。
※ オレンヂスタは現在、12ヶ月連続UST公演実施中(三月末まで)。
vol.6:9月『おやすみの朝、鈴虫は閑かに鳴いて』には私も出演しています!(通常公演と、かなりテイストは違いますが。一番怪物じみた顔が私(涙))→
http://www.ustream.tv/recorded/25811222
edit
shelf
七ツ寺共同スタジオ(愛知県)
2013/03/09 (土) ~ 2013/03/11 (月)公演終了
満足度★★★★
shelf[edit]観ました
昨年5月、東京・atelier SENTIOでの初演を観ました。輝く白い空間に下りてくる神託という、オーラ的なイメージで受け止めた…。
今回の名古屋・七ツ寺共同スタジオ版は、それとは対照的な漆黒の空間。
空間を仕切る照明の効果もあってか、輪郭がくっきりとして物質的な感じ。
与えられる神託ではなく、本棚の本を次々繰っている読み手が、自身から何かを引き出しているかのよう。次々想起されていく場面。
そして最初に手にした言葉をまた読み直す。自分を読み返すように。
繊細な照明や音響で、感覚が鋭敏に。灯りから外れた中を移動する人影や、どこかで不意にする物音にも、何かを見出したくなる。
事前に、1月の名古屋WSで、テキストを使った稽古をサワリだけ体験しました。名古屋入り初日の稽古も、6時間見学しました(今回shelf初参加の、名古屋の女優陣が苦戦していた様子も見てます)。
shelfは今後、名古屋での活動も増えると思われます。
集中力はかなりいるし、評価も分かれるかもしれませんが、この地域ではあまり見られない未知の世界を、ぜひ多くの人に体験してほしいです。
SKYROCKETS
妄烈キネマレコード
G/Pit(愛知県)
2013/02/28 (木) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
妄烈キネマレコード「SKYROCKETS」観ました
こりっち舞台芸術まつり、名古屋エントリー(&残念。。)組の一番手。
期限付きの拠点でノベルゲーム作りに取り組む若者たちの、、挫折多き青春群像。でも、あの日過ごした時間は、決して無駄じゃないと信じたい。ああ、心洗われる…世界も舞台も、懐かしい雰囲気。
作りこんだセットで、小細工の無いストレートプレイ。人の出入りで鮮明に見える関係性。基本をしっかり踏まえて好感。
現実とゲームのリンクがサスペンス。押さえられない感情の心象風景。
役者も、自分の役どころを押さえた演技。特に、昨年「金の文化祭」で共演した、なっかん(中村くん)の抑制→爆発が見ものでした。
BONE SONGS【本日23日(土)13時&18時開演、当日券あります!】
劇団鹿殺し
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2013/02/15 (金) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
鹿殺し「BONE SONGR」観ました
昨年どこかで(笑)オーディションチラシを手に入れて、気になってました(鹿殺し。。。)評判も何となく聞いていたので、「遠い夏のゴッホ」と合わせて観劇。
どうしようもなく不幸に、でも自分の物語の主役として生き続ける女の生きざまを、面白おかしく切ない音楽劇に。
主演女優のたたずまいが、あまりに役にハマりすぎで驚いた(笑)。
ダンスや歌、生演奏や殺陣もハイクオリティ。話題のサイドカー等しょうもない描写も手抜かりなし。衣装やら着ぐるみやら、なぜそこまでこだわるのか。。。可能なことをぜんぶやって、徹底的にお客さんを楽しませる事に奉仕した舞台。
…なのに、常に死を湛えた世界。黄泉の国を思わせる美術が、観ている者に終始闇を落とし続ける…
遠い夏のゴッホ
TBS
赤坂ACTシアター(東京都)
2013/02/03 (日) ~ 2013/02/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
「遠い夏のゴッホ」観ました
当初話題になった、イロモノ的な扱いとは真逆の、普遍的かつ圧倒的な生命讃歌。
限られた時間で何を為すべきか、或いは乗り越えるか。全てのキャラが特有に持っている、大地に根ざした多彩な死生観(自分の人生で身につまされるセリフ多過ぎ('Д`) )
主演の松山ケンイチさんも予想外にいい声、周囲の個性派ぞろいのベテランに負けない存在感。
役者の身体に昇華された「虫の動作」がいい感じ(ストローで樹液を吸ったり、槍でチャンバラしたり。トカゲがほとんど伝統芸能w)
後半は、生命の火が消えつつある主人公の身体に終始ハラハラ。
シャトナーさんには珍しい大仕掛けが、森の世界をぐいぐい転換させる(ヒロインのシーンは、名古屋の原智彦さんの舞台『姨捨』を想起 笑)。そして、壁の向こうへ…
ラストも、最後までごまかさずに、責任を持って物語る。
タイトなスケジュールにもめげず、名古屋から足を運んで観に行ってよかったです!
牛乳地獄act.9 『かれる』
牛乳地獄
G/Pit(愛知県)
2013/02/15 (金) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
牛乳地獄「かれる」観ました
前作「冥土ダイバー」に比べ、物語が追いにくかった印象。
視点が多いせいか、序盤で小まめに切り替わるキャラや世界を掴みそこない、せっかくのユニークな開について行きそびれたか…。
それでも、場面毎の演出や役者の演技の切れ味、牛乳ダンスは相変わらずクオリティ高い。G/pitの空間にぴったりはまっている感じ(特にダンスは、G/pitフェスティバルの一番手を飾った「舞台版・絶体絶命都市」の劇団エリザベス(東京)にも、全く引けをとらない切れ味)。
主宰の物腰と好対照に(笑)地力の強い牛乳地獄に、今後も期待。
エゴサーチ
株式会社メインキャスト
千種文化小劇場(愛知県)
2013/02/08 (金) ~ 2013/02/09 (土)公演終了
満足度★★★
メインキャスト「エゴサーチ」観ました
物語は、NHK土曜ドラマあたりにありそうな、癒し系大人ファンタジー。
キャラや世界が観客の内で構築される前に、芝居が進んでいった駆け足な印象。
円形劇場をもてあましていたような使い方も残念(開演前の状態が、いちばん効果的に舞台を見せていた気が)。
役者は熱演(ただし演技にバラつきあり汗)、私と違うカタギなセンスの演劇ファンなら、気兼ねなく観れたと思います。
Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ 劇王X~天下統一大会
日本劇作家協会東海支部
長久手市文化の家 風のホール(愛知県)
2013/02/09 (土) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
「Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ 劇王X~天下統一大会」決勝プログラム観ました
約二週間強…やっと、決勝プログラムに辿り着きました。。。もう興味ないかもしれませんが、全プログラム観劇のけじめを!(汗)
(並びは上演順です。詳細は各プログラムの感想をご覧ください)
〈 柴幸男(第4代劇王) 『つくりばなし』 〉
Bプログラムよりも、演劇演劇した主張の強い空気に(私はあまり気づかなかったけど…)。結果、客席の笑いが少なくなってしまった…
〈 平塚直隆(第9代劇王 『イオン』 〉
Aプログラムから、ラストを大幅に変更。わちゃわちゃとぶれてしまったかも…元の終わり方のほうが切なくて好き。
〈 鹿目由紀(劇帝) 『上中下』 〉
Dプログラムに、細部を追加。身体表現がさらに鹿目ワールド離れ…なお、手島仁美さんは、「ここまでがユートピア」「大トラックメロウ」に引き続き、「あおきり一高い所が似合う女優」の地位を固めるw
〈 福田修志(九州地区代表) 『ノイジー』 〉
Cプログラムと、変更なし。全くぶれる事のない安定した芝居に好感。
なお、福田さんは投票の結果、観客投票1位となりました!
投票では、私は一番不可解さの多かった平塚さんに一票、そして結果は…
柴幸男さんが優勝、「劇天」となりました!
これで、平塚さんが劇王、鹿目さんが劇帝、柴さんが劇天という、劇王体制が完成しました!
各日程終演後の交流も劇王の楽しみ、今年もいろんな方にお会いできました。まさにお祭り(笑)
今後も、劇王に期待します!