紙片の王国
PocketSheepS
TACCS1179(東京都)
2014/02/06 (木) ~ 2014/02/09 (日)公演終了
満足度★★★★
いつもながらお見事
ラスボスの正体を筆頭に伏線の張り方とその回収が巧みな上に全編に程よく笑いがまぶされていて約2時間の尺を感じず。
本を沢山使わずに書店などを表現する装置のアイデアもイイ。
ただ、遅筆系のモノ書きには耳が痛い部分があるかも?(笑)
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青春事情
ザ・ポケット(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★
基本に忠実な人情コメディ
往年の松竹映画の精神を継承したような基本に忠実で手堅い人情コメディ。
大いに笑ってちょっぴりホロリ。
それぞれの落とし所に若干の甘さはあるがスイーツだしね(笑)。
悪人は出て来ないし、子供に見せづらい場面などないし、笑ってホロリとしてハッピーエンドでワカり易く、老若男女問わず楽しめるファミリー劇場といったところか、お見事!
ダークナイトライジング
カプセル兵団
ワーサルシアター(東京都)
2014/02/13 (木) ~ 2014/02/18 (火)公演終了
満足度★★★★
アクションを封印してもイケる
特撮ヒーローものの悪役たちが新組織結成のため何者かに呼び出され…な会話劇。
そのテのネタ満載な上に劇場版のスーパーヒーロー大戦批判(?)から社会風刺までさりげなく盛り込んで日替りゲストコーナーでは即興性で笑わせたりも。
早くもトッキュウジャーまで盛り込むとは恐れ入る(笑)。
得意のアクションを封印しても十分イケますな。
で、会話劇シリーズ第1弾にして惜しくも観逃した「アベンジャーズ」も再演予定とのこと、ありがたやぁ♪
幸福レコード
Bobjack Theater
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2014/02/06 (木) ~ 2014/02/17 (月)公演終了
満足度★★★
よく出来た作品であることは認めた上で
三演目になるそうだが今回が初見。
なるほど演が重ねられるだけあって各種設定も物語の運びも機知に富んだ台詞も巧みで良くできている…と思いながら観ていたが、終盤がこれでもかと盛り過ぎで鼻白んでしまう。過ぎたるは及ばざるが如し?
もっとさりげないが泣ける作品複数を観て間もなかったので余計そう感じられたのかも?
ブラック西遊記~ステッピン・イントゥ・ユア・ダークサイド・ワールド
X-QUEST
王子小劇場(東京都)
2014/02/05 (水) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
トクナガ流「ビューティフル・ドリーマー」?
馴染み深い元ネタに違和感なくさりげなくSF設定を盛り込み、アクションと詩的で美しい台詞でコーティングする手法の真骨頂。
天竺への道中があまりに思い出深く、到着後にも繰返したがるあまり暗黒面に堕ちた三蔵によりパラレルワールドで天竺への旅を何回も繰り返すなんざ差し詰め「トクナガ流ビューティフル・ドリーマー」?(笑)
また、キャスティングが的確と言おうか、衣装も相俟って「あぁ、そのキャラってまさにそういうイメージ!」で説得力があるのも◎。
あと、同じ「ロープ無きリング」式の舞台でも1010ミニシアターより狭い分、迫力増。
眠りの森-Boy's Side Adventure-【閉幕御礼】
劇団やぶさか
相鉄本多劇場(神奈川県)
2014/01/31 (金) ~ 2014/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
単品としてのクオリティも十分なるも
昨年夏の Girl's Side の断片も取り入れながらあれこれを回収する手際が鮮やかで、単品として観ても十分なクオリティだったのではあるまいか?
が、過去に観た2作と比べてオーソドックス気味だったのがやや残念?
38mmなぐりーずのハッピーハッピーバレンタイン! だっだから、あなたに会いたいんだってばぁぁぁぁ!!!!照
38mmなぐりーず
新宿ライブハウス&イベントスペースLEFKADA(レフカダ)(東京都)
2014/02/14 (金) ~ 2014/02/14 (金)公演終了
満足度★★★★
はっぴぃばれんたいん♪
経験を積むに従って場慣れしてきているのはもちろん、今回は迎えた2組のゲストの個性を巧みに活かした構成・進行が特筆モノで、アンコールでの3組コラボなどその真骨頂。
メンバー交代を経ても振り出しに戻ったりはしないよね、きっと。
電磁装甲兵ルルルルルルル
あひるなんちゃら
OFF OFFシアター(東京都)
2014/01/28 (火) ~ 2014/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★
巨大ロボものと駄弁芝居の邂逅
まさかの(笑)巨大ロボットもの!
それでありながら特有の駄弁芝居のまんまで、その邂逅は手術台の上のミシンと傘の如し。
毎回出来の良さが評判の主題歌もまさにロボットアニメのソレでニヤニヤ。
また、サラウンドのS.E.が(特に冒頭で)効果抜群。
うわつら
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2014/02/07 (金) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
名作ふたたび
人の死を扱っていながら重くならずもちろん不謹慎にもならずユーモアを交えながらあたたかく描いて秀逸。
劇中人物と一緒に1人の人間味ある作家を看取ったような感覚。
初演と琴線に触れる部分が違ったりもしたのでまたの再演を熱望。
さん吠えめ 「明日は天気」「わたしのお父さん」
コマイぬ
森のテラス(東京都)
2014/02/08 (土) ~ 2014/02/11 (火)公演終了
満足度★★★★
会場の活かし方も見事
岸田作品は日本間でオノマ作品は洋間で、と会場の特質を十二分に活かして見事。
特に後者は客席前方以外、上演スペースの3方向に上下(!)まで立体的に使って効果抜群。
また、準・古典(?)と現代作家作品の対比も◎。
雪が降ってるのなど見たことないが気のせいか
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2014/01/23 (木) ~ 2014/02/03 (月)公演終了
満足度★★★★
旅先の駄弁
いわば「旅の宿・ダージリン編」な駄弁芝居にして臨場感あり。
旅先で同宿となった男女5人が酒とクスリでハイになりながら交わす会話が続くのみでストーリー性はないが、まさにその場に居合わせて成り行きを窺っている感覚があり105分間惹き付けられた。
選んだ位置によって印象が変わりそうなことから1年チョイ前にここで観た某公演も思い出す。ま、あっちは上演中に移動したりもできたけれど…。
ジュウ
劇26.25団
新宿眼科画廊(東京都)
2014/01/24 (金) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
満足度★★★
作風が男女で対照的
4人の劇団員がそれぞれ作・演出を務める短編集。
男性メンバー作品が比較的現実味のあるもの、女性メンバー作品がファンタジー寄りやシュールなものとくっきり分かれたのが面白い。
ウチの親父が最強
梅棒
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2014/01/23 (木) ~ 2014/02/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
パフォーマンスそのものに目が潤みそう
前作が過去の短編も交えながら1つの流れを作っていたオムニバス寄りなのに対し今回はいわば「書き下ろし長編」。
ゆえに、より筋の通った感じとなり(注:前作を否定する意図はない)新たなワザも加わってグレードアップ。
ストーリーではなくパフォーマンスそのものに目が潤みそうになる。
ストーリーがシンプルであるとはいえ、台詞をほぼ使わず身体表現によってハナシを理解させてしまうのがスゴいよな。
多少は曲の内容や歌詞がリンクしているものの、日本語を全く知らない観客にもかなり通じるだろう。
しかしアフタートークの質問コーナーで「片岡K監督に伺いたいのですが、今後、梅棒とコラボレーションしてみたいというような気持ちは生じましたでしょうか? いやむしろ是非コラボをして頂きたいのですが…」と言えなかったのは失策であった。
かなわない夢ガール
タイマン
スタジオ空洞(東京都)
2014/01/22 (水) ~ 2014/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
さりげなくも手が込んで見事
中心となるある女性の半生の見せ方は立て板に水の如く滑らかでありながら、実は言葉遊び、小道具、照明などさり気なくも手が込んでいて見事。
また、「頭山」を想起させるシュールさを筆頭に随所に落語的なセンスがあり大いに楽しい。
1/25にリピート。
「Reverse Historica」 リバース・ヒストリカ
BIG MOUTH CHICKEN
サンモールスタジオ(東京都)
2014/01/30 (木) ~ 2014/02/04 (火)公演終了
満足度★★★★
差別化した姿勢に好感
得意技(?)の物真似などを取り入れて(よもや那珂村たかこさんの物真似まで観ることができようとは!(笑))人気の傑作脚本を自分達のものとして差別化した姿勢に好感。
そのギャグがやり過ぎになる直前の寸止めなのも巧み…いや、たまに踏み外していたか?(笑)
とはいえ「憑かれる」面々が憑依前後をきっちり演じ分けていたので安心して観ることができたのは幸い。
しかしオープニングクレジットのバックが「女王蜂」なのはどうも…。
また、制作まわりが未熟だったのは惜しい。今後の課題かと思われる。
ファンレターズ
ユニットマミカ
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2014/01/19 (日) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
なかなかにオソロシイ
若年層に大人気の恋愛小説家とその熱狂的であるがゆえのストーカー気味ファンを描いた朗読劇。
が、「ラブレターズ」のように二者の往復書簡ではなく、小説家側は編集者への相談などの手紙なのが二者の関係を端的に表していて、さすがじんのひろあき。
また、作家とファンではありながら、直接の接触は終盤のみなので「ミザリー」とは根本的に異なり、むしろ徐々に間合いをつめてゆくコワさは「電話のメリーさん」風。
さらにはブリジット・フォンダ主演の映画「ルームメイト」も想起。
そんな内容に加えてマミカのお二方が役になりきって演ずるモンだからなかなかにオソロしい。
次回公演はどんなものになるのか、早くも期待。
AMAZING!
ハイバネカナタ
エビス駅前バー(東京都)
2014/01/16 (木) ~ 2014/01/20 (月)公演終了
満足度★★★
なんだかいろいろ勿体ない
場が時系列的に配置されていなかったり「3人いたり」とトリッキーにしたことは理解するも、それをさほど活かせていないばかりでなくそのためにワカりにくくなっているのが残念。
また、会場に比してテンションが高過ぎないか?
なんだかいろいろ勿体ない。
終盤でのメールの見せ方、それに小道具であるノートPCやギターなどは巧いし好きなんだがなぁ。
少年の日の思い出
こゆび侍
新宿眼科画廊(東京都)
2014/01/17 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
題材がニクいし、演出案もイイし
内容的には似た…までは行かないが、あい通ずる経験がある(男子たるものだいたいそうでは?)身として懐かしいと言おうか切ないと言おうか。題材の選択がニクい。
また、脚本的には元が小説なだけに独白部分がリーディング風だったりして独特の味わいアリ。
最近、「芝居に近いリーディング」が多いが、本作の独白部分はその逆、みたいな。
あと、演出面では黒い装置にチョークで蝶や蛾を描き込むだけでなく、消えないように描いた捕虫網に蝶を描いて捕虫を見せるとか消えない蝶・蛾を使って展翅の着脱を表現するとかのアイデアに唸らせられる。
セントエルモの灯は揺らめく
劇団みどり
北池袋 新生館シアター(東京都)
2014/01/18 (土) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
瑕もあるが総じて珠で満足
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の少年たちを男女高校生に置き換えた作品。
原作から部分を抜粋したリーディング風な冒頭に続く「地上パート」は原作を巧みに翻案して見事で(←ザネリによるイジメとかバイト先とか)期待が膨らむ。
がしかし、銀河鉄道内のパートは(割愛はあるものの)原作に忠実で、人物を置き換えたことが全く活かされていないのが残念と言うか勿体ない。
せっかくなのだから車内で出逢う人物たちも翻案すれば良かったのに。(←幼い命を救うために自らの命を犠牲にした人物とか自殺した高校生とか)
さらに冒頭の下校時の電車にしても銀河鉄道にしても「走っている車輛内」に思えないのが惜しい。
(余談だが「銀河鉄道の夜」の舞台化でゴトンゴトンというS.E.を使うことが多いが、幻想四次空間を走る鉄道もそんな音を立てるのだろうか?(笑))
そうして迎えるラスト、原作では「止め」にあたるカムパネルラの父の語りがなく、どう着地させるのかと案じていたら卒業式の日に飛び、灯籠を流して和解するジョバンニとザネリで締め、これまた見事。これ、ある意味原作の補完じゃん?
あと、銀河鉄道内の鳥捕りを見てジョバンニが「(バイト先の)店長に似ている」言う楽屋落ち的なところも実は好み。
…と、以上のように観ている時点で好きなところと個人的に「勿体ない」ところとがじゃんじゃん涌いてきて我ながらビックリ。
そんな風にいろいろ考えながら観ることができたので、その意味では大変面白く、次回公演も観たいと思わせて頂けたワケさ。
夢も希望もなく。
月刊「根本宗子」
駅前劇場(東京都)
2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
2014年の初泣き
カレと同居している主人公の「あの時」と「今」。
それを対比…というより併行的に見せるシカケによりかなり残酷な印象。
がしかしそれがクライマックスで実に効果的で「今年の初泣き」を奪われる。
偏見も含めた個人的な価値観、好みなどから言えば「1本の芝居としてのまとまり(あるいは「完成度」?)」は前年の『今、出来る、精一杯。』に軍配を上げるが、本作は装置も含めた見せ方と構成がそれを補って余りある、的な。
それにしてもダメ男の描き方、容赦ないなぁ(笑)。
が、その一方で、ある行動の理由(?)をきっちり解析して(本人の口から)説明させているのがまたスゴい…ってかお見事!