じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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別役実「正午の伝説」フェスティバル

別役実「正午の伝説」フェスティバル

die pratze

d-倉庫(東京都)

2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/25 (火) 19:00

【アムリタ/P-Farm】
作品初見ながら当日パンフレットに掲載されたあらすじを読み概要を踏まえていたので、そしてアムリタはよく観ているので前半のアムリタ版は「そこをそう変えましたか」であったり「あぁ、いかにもアムリタらしい奇策!(笑)」であったり。
休憩を挟んだP-Farm版は例えば演劇集団円、文学座、俳優座など老舗団体を思わせる(私見)オーソドックスな「これぞ別役」という演出につき、あたかも「答え合わせ」をしているよう(笑)。
ということで前半はアムリタの芝居、休憩後は別役の芝居、な印象。通し券であとの4組・8団体も観るので、それぞれどうアレンジするかが楽しみ♪

空と雲とバラバラの奥さま

空と雲とバラバラの奥さま

クロムモリブデン

吉祥寺シアター(東京都)

2017/04/20 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/24 (月) 19:30

座席H列14番

(作品の私的解釈になるのでネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

最初は山野を「悪魔的な存在」と思っていたが、ねこを妻と瓜二つキュウリ三つと言って過去を明かすあたりからその過去と現在起きていることとの相似性に気付き始め、起こっている大半のことは山野の「内的世界」あるいは「心象風景」なのではないか?と推察。
そんな風に内的世界と外的世界がクラインの壷の如く継ぎ目なく繋がっているのが「ドグラ・マグラ」を想起させる。
ラストシーンの赤子は何だろう?いろんなものに思えるようでもありよくワカらないようでもあり、そんなつかみどころのない終わり方がやはりクロム風?
LiTERaLY WoRKs

LiTERaLY WoRKs

劇団やぶさか

高架下スタジオSiteーD集会場(神奈川県)

2017/04/22 (土) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/23 (日) 14:30

価格2,000円

古典あるいはスタンダード級の小説2編(宮沢賢治・志賀直哉)と戯曲1編(沙翁)、それに書下ろし1編というおトク詰め合わせ。
がしかし、そんな構成でも劇団の個性(演出・衣装のセンスなど)が溢れているのがスゴい。
「予告編」と銘打ち、森での騒動が始まったところまでを30分弱で見せた「夏の夜の夢」だって笑いの入れ方や台詞回し、衣装など見事なほどに「やぶさか色」だったもんなぁ。
ところで雷THUNDER……もとい雷三太……もといライサンダーを女優が演ずるの、トレンド?(笑)
なお、スペースの真ん中に太い柱が1本あって、どのように使ってもそれが演技エリアに存在して死角ができてしまうこの会場で、(一部が時々)見えないことにストレスを感じさせない(極私的な印象です)演出も鮮やか。

場違いの一日前

場違いの一日前

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2017/03/29 (水) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/30 (木) 19:30

座席C列13番

パラレルワールドも絡めた末に実はバックステージものというアガリスクの時かけと異なり純然たる(笑)時間もの(BTTFとかね)。
初日に流れた「ある情報」を知っていたのでより「ヤラれたぁ!」感が大きかったかも?
序盤の複数の会話のクロスぶりや中盤以降の認識の誤りによる会話のズレの可笑しさはお家芸的なものだね。

ネタバレBOX

とある方の出演を知り「いつ登場するのか?」と思いながら観ているうちに引き込まれてすっかりそのことを忘れてしまい、最後のオチ的に登場した時には「あ、そうだった、ヤラれたぁ!」と
独立愚連飯店

独立愚連飯店

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2017/04/19 (水) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/19 (水) 19:30

価格3,900円

ユーモラスな中に「こんな世界になってはイヤだ」「こんなことになってはいけない」というテーマが見え隠れするのが「マイルドな井上ひさし」な印象。(あれほどはテーマを押し出す部分がなく控えめなのが「マイルド」を附す所以)
キャラクター造形も登場した時点から「いかにも!」な方や終盤で正体が明かされた時に「あー、確かに!」な説得力がある方を筆頭に鮮やか。
が、あのラストの解釈は二つに分かれるかもなぁ。希望的には「あの映画」的ではない方を望むが(謎)。……できればあのラストシーンから始まる続編を観たいものです。

ネタバレBOX

無口・無愛想でコワく感じてしまう店主や皇族っぽさがある皇太子を筆頭に、配役が的確でニヤニヤ。
ラストには(不本意ながら)「明日に向って撃て!」を連想。彼らが蜂の巣にされていないことを証明するために(ロッキーシリーズのように)本作のラストシーンから始まりあの状況をいかにすり抜けその後どんな活躍をしたかを描く続編を熱望!(笑)
祇園

祇園

大統領師匠

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/04/04 (火) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/04 (火) 19:30

価格2,800円

演劇的な「真面目なコント」あるいは「コントへの演劇的アプローチ」。
今回は特に前半の(ある意味「知的な」)着想が良く、そこからおバカ・ナンセンス系に転じて行くのが構成の妙?

代役!

代役!

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/23 (木) 14:00

座席F列9番

価格2,800円

男性アイドルグループのリーダーの出身地でのコンサート当日、メンバーたちが食あたりで開催が危ぶまれるがスタッフ陣はリーダーに瓜二つな父親を代役に立ててコンサートを決行しようと企て……な物語。
バックステージものにハズレ無し……なところに「いつものアレは?……(しばしの時間経過)……あぁ、そう来たか!」や「ソレはそこで使うのね」も加わったコメディ。
劇中ステージのフィナーレであたかもその舞台の観客であるような錯覚があり、しかも(劇中の)スタッフの苦労を知っている分、劇中の客よりも感動は大きいのではないか?とも思ったり……
劇中現実の部分には時々現実が混じるメタ構造もあり、メタって「絵の一部が額からはみ出しているだまし絵」的でもある、と今さら気付いたりも。

ネタバレBOX

開演前にいつもの前説がなく、どうしたのかな?と思ったら劇中序盤でコンサートの進行担当が前説の稽古をするカタチで行われ、常連客ならニヤリとでき、もちろんお初のお客さんにも楽しめるという趣向もさすが。
すかすからす

すかすからす

ムシラセ

RAFT(東京都)

2017/03/23 (木) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/26 (日) 14:00

価格2,000円

教師が手を焼く問題児・えりだったが実は……な物語。
ツイッターで流れていた感想を思い出しながら「それな」「なるほどこのことか!」などと納得しながら観たりして。
いやしかしこういうド定番ネタをちゃんと見せてしまう温故知新スタイル、この少し前に観たpeachboysもそうだったけれど、イイね。

おぼろ

おぼろ

ゲキバカ

新宿村LIVE(東京都)

2017/04/05 (水) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/04/05 (水) 19:00

座席F列16番

ピカレスク・ロマンでありアクション時代劇な力作。
軽さやSFファンタジー的テイストからダーク&へヴィーまで含むスタイルは劇団☆新感線に通ずる感覚?
もちろんこれもアリで諸々の必然性も納得した上で言えば「ある部分」により「痛快」「娯楽」などの語で表現できなくなってしまったのが惜しい。(私見)

ネタバレBOX

ゲス吉は復活するからまだしも、お花を殺してしまうことが「個人的には」残念。
それ以降、おぼろ小僧をより一層奮起させる原動力であるのは十分すぎるほど理解するし「ストーリー構造として」否定する意図はないのだが、そこに至るまでの「痛快時代劇」もしくは「娯楽時代劇」な愉しさが一転してしまう落差の大きさが承服しかねる。

劇中の「人死に」について、悪役側・主人公側あるいは一般人を問わず、必然性の有無や適切・不適切を問わず(必然性がなかったり不適切だったりなら論外だね(笑))批判的になりがちなσ(^-^)、根底には「虚構なんだからハッピーにしてよ」な気持ちがあるのかも?

なお、上手側の通路を花道的に使うことが何度かあったので後方でその通路に近いF列16番は絶好のポジションだった。
第十五夜『盲獣ーあなたの世間に唾を吐くー』

第十五夜『盲獣ーあなたの世間に唾を吐くー』

有末剛 緊縛夜話

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/04/08 (土) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/08 (土) 14:00

価格3,000円

2人の女優(+α)が朗読(+α)する乱歩の「盲獣」に合わせて緊縛師と3人のモデルによる緊縛ショウが繰り広げられる趣向にして小劇場系のトレンドになりつつある(私見)「光学効果」満載(しかも最近観たいくつかとはまた異なるパターン)で想像力を刺激しまくる朗読緊縛劇。
脚本・演出がオフィス再生の高木尋士さんだけに入場した時点で目に入る舞台両脇のアレに「それな」(笑)だし、以降も再生色が随所に。

アフタートークで出た有末さんの「海外のもの(あるんだって!)と較べて日本の緊縛は多様性がある 」との言葉に風呂敷や折り紙に通ずる日本の伝統文化か、などとも思う。
また、欲情を促進するものがカストリ雑誌のエロ小説→画像(=挿絵・イラスト→写真)→映像(ポルノ映画・アダルトビデオ)と次第に具体的なものに変遷して行くのにつれて想像力・妄想力が衰えてしまったのではないか、とも考えた。

ネタバレBOX

ステージは白い幕で遮られており、その手前両サイドに電気スタンドが乗った机が1つづつ。オフィス再生の読書劇で「前科」がある手口だね。
その幕は結局終演まで落ちたりせず、奥での緊縛の影や画像(版画(?))映像(緊縛の様子の生撮影しているビデオ)を投射するスクリーンというシカケ。
光源に近い位置にあるものの影は大きくなるという「影の遠近法」を利用して人の全身と同じくらいある大きな手が人物を愛撫する……などの「SFX」も使うのも面白い。

また、アフタートークで「すべて見せないことによるエロス」などの話も出たのもこの手法に合致しており納得。
3年B組金玉先生

3年B組金玉先生

Peachboys

シアター711(東京都)

2017/03/24 (金) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/24 (金) 20:00

価格2,000円

大のオトナの本気の悪ふざけ、カカフカカ企画と同じくらいヤバくてカカフカカ企画よりオトナでカカフカカ企画より大人気(おとなげ)ない。
ネタがてんこ盛りで次から次へと繰り出されて一つ一つを反芻する余裕を与えないのは「ネタのわんこそば」状態?(笑)
あと、使い方を誤ると「反則!」とのそしりを浴びかねないテで「綺麗に一本取った」と思わせてしまうのは何?(爆)

その団体への初参加の役者であっても(経緯はどうであろうと)その個性・特性を活かした使い方でちゃんと溶け込ませるのが演出家の手腕か?などとも思った前日に観たたすいちと本作。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

株式会社トゥービー

シアター風姿花伝(東京都)

2017/03/19 (日) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/22 (水) 19:30

まずは当日パンフレットの配役表を見て「そう来るかぁ」とニヤリ、それ以降は「これが、カクシンハンの、やり方かぁ~っ!」な「確信犯的犯行」。
とはいえ「あそこ」を「そう変えた」ことと大幅につまんだ以外は一応原典に忠実で、ラストも変更というよりは「ある解釈」に基づいた感じ?(ちょっと違うか)

で、観ながらσ(^-^)にとって「夏の夜の夢」というのは音楽におけるヴィヴァルディの合奏協奏曲「四季」みたいなモンかな、と思ったり。本来の編成以外にソロがフルートのものや中国の古楽器によるもの、ポップなレッド・ブリースト版からエレクトリック・ギターの多重録音のものなどそれぞれ違った面白さがあると思うもの。
その喩えで言えば本作はパンクアレンジなのかも知れない(爆)。

なお、ごく一部(うんと引いた画を見せるところ)で惑星ピスタチオの手法を思い出した。あと、舞台美術(装置ならびに「光学効果」)が好みだったな。

ラボ4~こおりおに~

ラボ4~こおりおに~

ノアノオモチャバコ

小劇場 楽園(東京都)

2017/02/21 (火) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/21 (火) 19:30

とある自治体で行われた「貨幣経済から脱却(?)するために将来導入することが検討されている新システム」の実地試験の顛末。
副題をつけるなら「便利な制度の導入に関する考察、もしくはルールの抜け道やそれに伴う本末転倒について」か?
序盤でのこおりおにの場面に象徴させたもの(=例外的に設けたルールをみんなが使うと行き詰まる)が「こういうことか」とあとから納得できるのも上手い。本来自発的にするべきことを制度によって推進しようとするとその裏をかく輩が現れるとか、報奨で釣っていると一般化して報奨がなくなった時に揺り戻しが来るとか、「落とし穴」を判りやすく描いていることに感服。

『こんこん』 『跡』

『こんこん』 『跡』

世田谷シルク

さくらWORKS<関内>(神奈川県)

2017/02/11 (土) ~ 2017/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/11 (土) 18:00

両編とも「光学効果」あるいは「超小規模プロジェクションマッピングもどき(笑)」が独特にして面白く、それ以外にも(堀川主宰によれば偶然の)共通点がありニヤリとした。

「跡」
1人の男性の一生を軸として100年近くに亘る年月を定点観測的に40分余に圧縮して見せるが、幼年からの加齢が見て取れるし、その一方で「ある手法」により観客の想像に委ねる部分も大きいのが上手い。

「こんこん」
複数の昔話をメドレーのようにうまく繋いでいて楽しい。
pit北/区域での初演を観ていたがそれとは印象がガラリと異なり上書き保存されてしまうほど(笑)なのは装置による部分もあるかしら。

青春の延長戦

青春の延長戦

冗談だからね。

王子小劇場(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/03/23 (木) 15:00

価格2,500円

各論賛成総論反対と言うか細部はそれぞれよく描けているが全体の構図がイマイチな絵と言うか、な印象を受けた。
複数のエピソード/ストーリーが並行して語られる作品も好きだけれど、一見無関係に見えてもいずれ何らかの関係が示されるあるいは暗示されることを期待しながら観ているようだ。なので結局バラバラなまま終わるのはもちろん、関係が察せられるタイミングが遅いと「何だかなぁ」と思ってしまう。
で、あの終わり方、そういえばうんと昔、石ノ森章太郎がまだ石森章太郎だった頃に描いた、世界の複数箇所での出来事を同時平行的に語り、最後に「あること」で締め括る作品があったのを思い出した。アレも各エピソードには関連性がなかったもので。

あと、本作だけでなくここまでに観た何本かの芝居も含めて、「語り過ぎず、説明不足にもならず」で「あとは察してよね」な芝居って、程度にもよるけれど、作家と近いセンスを持っているか、とか好きなものが一致するかどうか、とかによって「ワカる・ワカらない」が分かれるのではないかしらん?……なんてことも考えた。

ある犯罪者の遺言

ある犯罪者の遺言

即席ユニットアバルブ

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2017/04/06 (木) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/06 (木) 14:00

価格1,800円

某有名作品の女性版的でその作品と対を成すとも言える中心部分とタイトルの意味が判明しメッセージが示されるラストが上出来で、「それを芝居で演りますか!?」な仕掛けが芝居本編に対しては両刃の剣で微妙(賛否両論かも?)ながら芝居構造という部分に考えを巡らせるとメチャ面白い。

※初日初回の実測上演時間は72分余

ネタバレBOX

想起したのは「ウインズ・オブ・ゴッド」。両編ともに現代の若者2人が戦時体験をするのが中心だが、あちらは特攻隊員、こちらは「銃後」の一般女性であるので「対を成す」と。

映画やドラマを見ていた人物がその世界に入り込むのは「現実では起こり得ないこと」なのに対して本編は上演中の芝居に入り込むワケで、これは(櫂スタジオなどの小さな会場では特に)「やろうと思えばできてしまう」ことなのが微妙。
で、そうして客席にいた2人が入り込んだのは趣旨的には(劇中劇の元となった)過去なのだろうが、「劇中劇に入り込んだ」という誤解・曲解もできてしまうのでその微妙さに輪をかけることに。

なので、芝居の趣旨との関係で言えばどちらかと言えば減点要素なのだが、芝居構造について考えてみると実に面白く、本編を観ながら同時にそのことにも考えを巡らすことに……(爆)
思うに一般的なメタフィクションが劇中現実と劇中劇の二層構造であるのに対して本作はさらに一層(=劇中劇の元となった過去の事実)加わった三層構造で、劇中劇(中間層)を超えて一気に過去に跳ぶのが独特なのではないか?
(そう言えばかつて観た劇団SEINの「孤哀子」も三層構造で層を進んで行くのは一層ずつ順だったのがラストで中間層を飛び越して一気に劇中現実に戻るのでインパクトがあったな、などと思い出したりも)

ということで、評価に迷ってしまったりもするのだが、少なくとも個人的には大いに楽しめた。←おい
幸福の黄色い放課後

幸福の黄色い放課後

キ上の空論

スタジオ空洞(東京都)

2016/05/11 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2016/05/11 (水) 19:30

再演版に先駆けて書きかけて放置していた初演のものの加筆修正版をまず……(爆)
なお、作品の構造に触れているのでネタバレBOXに収める。

ネタバレBOX

高校の教室での放課後スケッチ集的な?と思っていたら、リンクしている…と言うか実際にはほぼ同時に起きている会話を個別に見せているらしいことが察せられてくる。そうして、一通り見せたところで同時多発会話的な「本来の状況」を見せる構成がイイ。
かつて冒頭で同時多発会話を見せてから各会話を個別に見せる構成のものは観たことがあったけれど、こちらの方が観ながら推理して、その後に答え合わせがあるようで愉しい。
で、そんな中に当てはまらないピースがあるという仕掛けも面白い。
まさにジグソーパズルを解いていたら全く違うもののピースが1つ紛れ込んでいたような……。
また、終盤の照明がいかにも夕方の教室に射し込む夕陽に輝映のようで見事。
オセロ王

オセロ王

劇団鋼鉄村松

王子小劇場(東京都)

2017/02/01 (水) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/02/01 (水) 19:30

価格3,000円

20世紀末に起きた「あること」によりこの世界と分岐して別方向に進んだ世界の未来の人種対立を描いたコメディ。
一旦なくなった人種差がまた生ずる過程(?)がとてつもなくナンセンスではあるものの、そこから描かれる人種の対立は今の世界の箱庭的表現にして戯画的でもあり風刺であろう。

ネタバレBOX

奇しくもこの前日に観た劇団天動虫「うえをむいてあるこう」にもノストラダムスの「1999年7の月」に関する予言が出てきてその偶然にビックリ。
ま、あちらはアンゴルモアの大王が降りてこなかった(この)世界、こちらはある意味で的中して核戦争が起こってわずかしか人類が残らなかった平行世界だけれども。
うえをむいてあるこう

うえをむいてあるこう

劇団天動虫

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2017/01/28 (土) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/30 (月) 19:30

価格3,000円

とあるビルの屋上で1999年7の月に降臨しなかったアンゴルモアの大王を呼び寄せようとしているグループには急死したその仲間の霊も加わっており……な物語は幼馴染・恐怖の大王・霊媒師の三題噺的で、「心残り」ということについて示唆に富み含蓄がある優霊譚(←変換ミスに非ず、どなたかの造語)。

前半では舞台となる屋上への闖入者が霊媒師のカウンセリングを受けているサイドストーリーも並行して語られ、乱暴に言えばそちらは無くても物語は成立するが、後半で除霊すべく霊媒師が登場する時に唐突に感じさせない=前半と後半の繋がりを強化する脚本に「あ、なるほど」と納得。

ところで冒頭でラジオから流れてすぐに切られる曲、イントロだけだったと記憶しているが、世代によってはワカらないのではなかろうか?(謎)

ネタバレBOX

大切な相手との「訣別のとき」を迎えるのは切ないけれど、遅かれ早かれそれを受け入れて乗り越えなくてはいけない、というのが切なくてステキ。
あと、「何かをしようと思っていた者だけ」に「心残り」がある……という部分にはハッとする。
夢見る乙女じゃいられない

夢見る乙女じゃいられない

たすいち

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/03/23 (木) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/03/23 (木) 19:00

価格3,300円

※お願い:贔屓目もあるので何割か減じて、あるいは話半分で受け取ってください(爆)

伸長著しい劇団員はもちろん常連から初参加までの客演メンバーも含めて理想のキャスティングに二つの流れが交差してクライマックスか…と思いきや本当のクライマックスがその後に、という構成の脚本では鬼に金棒?

コミケやら腐女子やら初演時(7~8年前)も話題にはなっていたろうが今ほど一般的ではなかったろうに先取りして(し過ぎて?)いたよなぁ、と今さら。
先述の多段式ロケットのような脚本構造もあの頃に……と。

タイトルが利いているな、な場面が2回くらいあり、また、ここで終わりにしてカーテンコールもない「ダークver.」も面白いかも?なポイントも2回くらいあった。

また、初演時には、そしてその後観てきて一度も気付かなかったが、今回初めて(部分的に)某人気団体に通ずるテイストを感じたり(笑)、題材が題材だけに某団体の某公演での装置を想起したり。

あと「マンガ」を「観劇」に置き換えると身につまされる台詞もいくつか……(自爆)

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