Paranoia Papers〜偏執狂短編集Ⅳ〜
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2018/06/09 (土) ~ 2018/06/18 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/13 (水) 13:00
価格3,500円
【赩の章】
歴史に(罪人としてではなく)名を残す女性を中心に描き健全な印象だった黈の章に対してこちらは犯罪者が主人公なためインモラルかつグロ気味。その意味で前年の「血糊を使わない虚飾集団廻天百眼」に近いノリ。
1編目の「俺はアンドレイ・チカチーロ」はお得意の(爆)シリアルキラーもの。一部のスプラッタシーンを映像で見せていたが、そこを舞台で見せたらまるで虚飾集団廻天百眼?(笑)
2編目の「切り裂きジャックたるために」も血や臓物が出るスプラッタバイオレンスだが、どこかユーモラスでもあるのは常川さんのキャラか?(笑)
「ウェスト夫妻の偏り尽くした愛情(闇)」は初演のバイオレンスコメディを踏襲した黈に対し奇妙で妖しいフェティシズムバージョン?アガリスクで言えば時かけと2.0どころではなく紅白と卒業式以上に異なる(台詞も)。宇野主宰によれば口だてで作ったとのこと。
そう言えば台詞で「自動小銃」と言いながら、手にしているのはリボルバー、というシーンがあった。「そんな大口径の銃、当時はまだないだろ」というレベルなら「記号としての拳銃」としてとらえれば許容範囲内だが、リボルバーを自動小銃と呼称するのは自転車をオートバイと呼称するようで抵抗がある。
Paranoia Papers〜偏執狂短編集Ⅳ〜
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2018/06/09 (土) ~ 2018/06/18 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/12 (火) 13:00
価格3,500円
【黈の章】
昨年の「血糊を使わない虚飾集団廻天百眼」に対して今年(再演作品除く)は「歴史的事実のVoyantroupe流解釈(あるいはアレンジ)」的にしてかなり健全(笑)な印象。
前半の「レディ・ゴダイヴァとピーピングトム」は大岡裁き……というより一休さん的?なアイデアによって権力者に一杯喰わせるのがユーモラスで痛快。
前半と後半に分割された「毒妃クレオパトラとアルシノエ」は多少の残虐場面はあるものの史劇の薫りすら漂う。
考えてみるとクレオパトラについては虫プロの「セクシーアニメラマ クレオパトラ」で得た知識くらいたったので帰宅後にwikiで調べてあれこれ確認&納得。
再演の「ウェスト夫妻の偏り尽くした愛情(風)」は昨年のキャストを思い出したり赩の配役を想像したり(当日パンフレットにはあったがきちんと覚えていなかったので)しながら楽しんだ。
3編の中ではこれが一番過激ではあるものの、コメディ仕立てになっているしエロでもなければグロでもないのでホント穏やか。(笑)
ゲイシャパラソル
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/11 (月) 19:00
座席LA列4番
【墨バージョン】
初演が記憶の片隅に残っている身からすると、初演メンバーも多い紅は「基本形」、それに対して墨は「新版」あるいは「応用編」な印象。
そして、前日某有名戯曲との共通点(?)に気付いたために「アレ」について序盤からもちょくちょく触れていたのだな、と気付いたりも。
ということで二夜続けてダブルキャスト両編を観たのは正解、より面白く感じた。
ピース
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2018/06/13 (水) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/13 (水) 19:30
価格3,500円
まず最初に大事なことを。空きっ腹で観てはいけない、最低限コンビニのおにぎり1個くらいは食べてから臨むべし。
国家プロジェクトで21日間の船上生活をすることになった6人の男女(と関係者)。
前半は「あること」の羅列にも見えまとまりに欠ける感が無きにしもあらずだし「どこへ向かうの?(←劇中の船でなく物語自体が)」な疑問も生ずるが、それらが次第にまとまって行きSPIRAL MOONど真ん中な世界に仕上がるのはさすが。
笑いあり緊張あり優しさありと盛り沢山なのも良かったし、珍しく抽象だがなるほど船だわ(仕掛けもアリ)、な装置もイイ。
ところで、序盤の状況説明から近未来の話かと思ったが、その後の台詞からイマであると判明してビックリ。うん、きっとパラレルワールドなのだろう。(笑)
ゲイシャパラソル
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2018/06/09 (土) ~ 2018/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/10 (日) 19:00
座席G列18番
【紅バージョン】
「あるもの」が売買されるようになっている30年後の日本を舞台にした物語。
2年前にはこれがサンモールスタジオに収まっていたの?と思うほどに見事なスケールアップ。黒い床が印象的な美術は踏襲しているけれど。
美術と言えば、舞台上方の「アレ」が「外国映画に出てくるアジア全般ごちゃ混ぜで時代錯誤的なヘンな日本」に通ずる感覚で、内容的にも合っているような。
また、ラストが「ある有名戯曲」の裏返し的にも感じられてニヤリ。
レイニーレディー
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2018/06/06 (水) ~ 2018/06/12 (火)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/06/09 (土) 14:00
価格4,000円
葉チームを観劇。
2年前の雨の日の交通事故によって人生が変わってしまった2人(加害者・被害者)の女性を中心とした物語。
最終的な落とし所を筆頭としたストーリーテリングや会話の端々など随所に「藤吉みわイズム(笑)」が感じられてよくできているが、序盤の1つの場において台詞のやりとりに現実の会話なら生ずるであろう間がないため「会話」ではなく単なる「台詞の音読」になり(その場が)白々しくなってしまったのが珠に瑕。
なぜそんなに先を急ぐのか?(※) それさえなければほぼ満点なのに惜しい。
脚本に関しては、ある人物の身勝手さが諸悪の根元(笑)のように思えるが、脳内で設定を補うことで納得。
また、終盤の「夕暮れの屋上」場面の照明表現がステキ。
あと、加藤大騎さんのダンスって貴重では?
※ 会話というのは相手の発言を聞いて、自分なりに咀嚼して、考えをまとめて返事をするので大半の場合は「間」が生ずる筈。
尺を気にするのか、早口になるのはまだ良いとしても、この「間」をなくしてしまうと薄っぺらく白々しい虚構丸出しの単なる台詞の音読になるのでやめていただきたい。
芝居において序盤の前振り、人物や状況の説明、伏線などの場面は早めに済ませて本筋に入りたい、という心理はワカらないでもないが、そういう「マクラ」をおろそかにすると、後がどんなに良かろうと大なり小なり「虚構」っぽさが尾をひいてしまうんだな。頼むよ。
ねぇ、聞いてよ、ウォンバット!
カミグセ
くすのき荘(東京都)
2018/06/08 (金) ~ 2018/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/08 (金) 16:00
価格2,500円
引っ込み思案気味のねむみのもとに(自称)ウォンバットが現れて……というシュール系な状況から始まる45分の中編。
つくに主宰によると会場の窓(と小さなベランダ)と柱に惹かれて書きたくなったそうで、確かに会場の機構(?)を活かしていたな、と。
で、「くだらないもの」にしたかったそうだが「あと一歩で飛べなかった主人公が一歩踏み出す」的なキチンとした小品になってしまったのは作家のサガか?(笑)
がしかし、その旨を伝えたら「必ずしもそういう結末ではない」と返され、そういえば異なる解釈もできるな、と思ったのだった。
また、窓の外が夜だと最後の場の意味合いが違って見えるとも言われてなるほど納得。
ところで質問し損ねてしまったが「トイレの壁」のエピソードは創作?それともつくにさんの実体験?
ツヤマジケン
日本のラジオ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/06/05 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/06/07 (木) 14:00
価格2,500円
初演はこんなに笑えたっけ?と思うほどにコミカル(この回は特に客席の笑いが多かったらしい)な女子校文化部合宿あるある。その中の「ちょっとヘン」な部分が次第に拡がってのあの結末。うん、ムツオは○○だね。
また、あるあるをあるあるたらしめる各人物(男性含む)の「いそー♪」感も見事。今回のキャストに合わせて演出(キャラ設定?)もアレンジしたのではなかろうか?
あと、初演時の自分の「観てきた!」コメントには「ダークな櫻の園」とあったが、正確には「裏・櫻の園」かもなぁ。(笑)
氷雨丸 -常花の青年遊廓-
レティクル東京座
新宿村LIVE(東京都)
2018/06/06 (水) ~ 2018/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/06/06 (水) 19:00
座席C列7番
価格4,500円
第三次世界大戦終結から時を経た未来の日本(?)を舞台とした伝奇アクション。
30人を超えるキャストがいながらも単に話を進めるためだけの駒=モブキャラがいず、それぞれに大なり小なりのドラマ(=劇中での人生)を背負い、物語での役割を担っている作劇が見事。
ストーリー的には劇団☆新感線、台詞回し的にはX-QUESTを想起させるも似て非なる作劇、白塗りや時に字幕を伴った歌の使い方を筆頭とした様式美さえ感じさせるそのスタイルは確立された、どころか絶好調と言えるのではあるまいか?
また、クライマックスの氷雨丸(たち)の殺陣の1対1なのに「そうでない」見せ方も妙案。
寿
やまだのむら
スタジオ空洞(東京都)
2018/06/02 (土) ~ 2018/06/09 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/03 (日) 17:00
Aチーム「サーディン」
中学教師たちと1人の生徒によるドラマはどこか懐かしい感覚もあり、中盤では昨今の実在の事件なども想起してヒヤリとしたりも。
また終盤に思わせ振りな部分が2つあったが本筋とさほど密接ではないような……(読み取れなかっただけか?)
あと、ダンス練習場面の各人の個性の出し方(巧かったり見よう見真似であったり)が秀逸!
寿
やまだのむら
スタジオ空洞(東京都)
2018/06/02 (土) ~ 2018/06/09 (土)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/03 (日) 13:00
Bチーム「ふじみちゃん」
アクションあるいはファンタジー系の作品でサブテーマとして時々出る、そしてσ(^-^)の好きな「アレ」を中心に据えるとはお見事。コミカルに始まりやがてシリアスに転じる流れや途中でイイなと思った台詞を伏線としての幕切れも巧み。
で、アレが食べたくなりこらえきれずソワレまでの間に某コンビニで3個200円のアレを買ってイートインコーナーで食したり。(笑)
SANTA!
TEAM空想笑年
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2017/12/16 (土) ~ 2017/12/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/12/22 (金) 13:00
価格5,500円
22日にマチソワでダブルキャスト両チームを観劇
13:00 🎀チーム
ファンタジックのちムネアツで最後は泣かせる。これまた新境地なんでないかい? それでいてクオリティ高めだしアフターイベントのサイコロトークのアイデアや進行も巧い……お見事!
18:00 🔔チーム
結末を知った上で観ると中盤の伏線を張る場面で泣けるし、しかもラストで印象的な2つのことをその近辺で一度言っていることにも気付いて巧妙な脚本だな、と。
中心となるサンタ関連の部分は往年のキャラメルボックスを想起させるが、演出/表現スタイルが異なるので既視感の正体に気付くまで時間を要した。しかもあちらがまず演らないであろうアイドルパートが組み合わされているからなおさら。
なお、劇中のライブ場面でギター/歌が録音で弾いている/歌っているふりをしているが、途中で本人が動作をやめることで録音であることを明かすという小劇場シンクロニシティあり。
ケレン・ヘラー
くによし組
王子小劇場(東京都)
2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/31 (木) 14:00
価格2,800円
定刻にいきなり客電が落ちて「おかしいな……」と言いながら懐中電灯を持った人物が登場するというトリッキーな始まり方をして以降、ゆるふわ気味に進行するも次第に芝居の内外の枠が崩壊して迷宮に踏み込んだような感覚になり、哲学っぽくなったりコワくなったりビターだったりといろいろな面を見せるのが独特。
Last Night In The City
シンクロ少女
ザ・スズナリ(東京都)
2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/06/02 (土) 14:30
座席H列5番
価格3,800円
以前の「未亡人の一年」と同様に異なる時期の互いに関連するエピソードを併行して見せる構造だが1つ「層(時期)」が増えた分、より深みが増した感じ。
その3つの「場(時期)」の前後関係など考えているうちに引き込まれ、それらが組みあがり新たな事実を明かされることで人生のほろ苦さを味わい、最後の歌の訳詞を見て「あぁなるほど」と納得。
確かに噂にたがわず体感時間は短かかった。
1001100000110101000100101
しあわせ学級崩壊
ART THEATER 上野小劇場(東京都)
2018/05/30 (水) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2018/05/31 (木) 19:30
価格2,700円
開演間もないタイミングでの台詞から「ある特別な日」を中心に据えたパフォーマンスだと察する仕組み。
そうして、前回はアクセントとしていたマイクパフォーマンスをほぼ全編に使いリズムにのせて繰り出される台詞によって躍動感を生み出しておき、「その時」を迎えて静寂に包まれるのが鎮魂の意を表して見事。
その前のある人物の行動も、その後を知っている身としては「止めろぉ!」なのがやるせない。
また、その事後、すべてを受入れて再起する(再起動する?)ラストもイイ。
とはいえ読み取りきれない部分も少なからずあったのが残念……。
Q学
田上パル
アトリエ春風舎(東京都)
2018/05/25 (金) ~ 2018/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/06/01 (金) 19:30
価格2,800円
表現選択科目に演劇を選んだ8人の女子高生(と非常勤講師ら)の物語。
もうベタなほどの学園青春ものの王道(どころか凝縮版?)で「女性版20歳の国」か「演劇版ROOKIES 」か、みたいな?(笑)
劇中の「メロスの発表」のアイデアも愉しくて満足満足ぅ♪
しかし当世女子高生ってあんななの?指導にあたる方々の苦労がしのばれます。(笑)
Y FUTAMATA vol.2
ロ字ック
小劇場B1(東京都)
2018/05/09 (水) ~ 2018/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2016/05/10 (火) 14:00
価格3,300円
もしも上演順を知らずに観ても各編アタマの1分でどの作家のものかワカるほどに個性丸出しの3編、□字ックによる「30 minutes made」みたいな。(笑)
「ぼんやりした話/セプテンバー(鳥山フキ)」、ワワフラミンゴでお馴染みのすっトボけたあるいはシュールな会話が炸裂。初見だと戸惑いもありそう。(笑)
「Re:(堀川炎)」、冒頭のシアターゲーム的なパートからもう世田谷シルクっぽく、その後の同じ状況で最初はビター、2度目はハッピーなスキット集もいかにも。
「カラオケの夜(須貝英)」、変化球2つの後はど真ん中の直球?(笑) 離婚前の夫婦のカラオケボックスでのひととき。あれ、ちょっと古傷が……(爆)
なお、カラオケボックスに男女がいて、延長するかどうかの確認が入る、という状況、この前夜に目と鼻の先のザ・スズナリでも目にしており……(驚)
あたしのあしたの向こう側
トツゲキ倶楽部
「劇」小劇場(東京都)
2018/05/30 (水) ~ 2018/06/04 (月)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/30 (水) 19:30
価格3,800円
ある街の交番に現れた瓜二つの女性、が、同じ顔の女性は増えてゆき……な物語。
初演時にも思ったが、全編ほとんどがポジティブシンキング万歳(笑)な流れで前向きなのが何ともステキ。
その一方で本作を含めここ半年ほどで戦争関連に警鐘を鳴らしている作品の再演を何本か観たが、ことごとく現実がそれに近づいていて初演時よりも生々しく感じるとはホントに変な世の中。言霊か???
また、「全く同じ顔の女性」を別々の女優が演じており、この少し前に観たフロトポ×ヒノカサ「纏者の皿」と「登場人物の見かけと中身(?)が異なる場合」の演劇的表現が対照的なのも面白かった。
纏者の皿
フロアトポロジー×ヒノカサの虜
ギャラリーLE DECO(東京都)
2018/05/22 (火) ~ 2018/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2018/05/27 (日) 13:00
価格5,500円
それを食べればその人になれるという夭逝したアイドル/女優・杏仁京子の肉にまつわる中編・短編各2本、千穐楽の赤・白通し上演(休憩込み3時間弱)を観劇。
基本設定があまりにもブッ跳んでいるために(笑)具体的なイメージが定まらずあれこれ想像(妄想?)を強いられる上に脳を損傷した患者に身体を失った患者の脳を移植した時のアイデンティティ問題、人魚伝説、ルパンvsクローンなどがアタマの中を駆け巡り、さらに時制が前後するので脳内で時系列的に並べ直したりでアタマの大運動会、みたいな?(笑)
こんな風にあれこれ考えながら観るのもまた楽しい。
最後を飾る短編・白は「愛する人を蘇らせたい」という切ないオンナゴコロがフィーチャーされてイイね、と思ったが、考えてみればそれ、ホラーやモンスター物の定番だったという。(笑)
なお、5月に上演された芝居のうち観た範囲内の2本にアイドルグループの解散ライブ場面が入るという小劇場シンクロニシティあり。
(以下、ネタ集(爆))
【笑ゥせぇるすまんver.】
喪黒福造「貴方、あれほど心臓だけは残しておきなさいと申し上げたのに食べちゃいましたね。それほど好きなら今後は杏仁京子として生きなさい、ドーーーン!」
【「ルパン三世 ルパンVS複製人間」的考察】
オリジナルの杏仁京子の心臓を食べた新・杏仁京子、の心臓を食べた3人目の杏仁京子、の心臓を食べた4人目……と続けているうちに次第に劣化したりしないだろうか?(笑)
【養殖杏仁京子】
なんならチンパンジーとかに心臓を喰わせて作った「養殖杏仁京子」とかも出てくるのではないか?(爆)
翼の卵
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2018/05/29 (火) ~ 2018/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2018/05/29 (火) 19:00
価格2,800円
桟敷童子お得意の弱者庶民伝にしてある共同体の崩壊劇、そして「純和風悲劇」。
先日観たオフィスパラノイア「幕末異聞 明治悪党奇譚」、昨年観た野生児童「純惑ノ詩」とも歌舞伎を元ネタとするアレンジ物ながらシェイクスピア的な部分とギリシア悲劇的な部分があり、悲劇のルーツはやはりあのあたり?と思ったのに反して本作はそういったものが感じられず、極めて日本的ではないか(後から改めて考えるとギリシア悲劇に通ずるものはあったがさほど強くない)、強いて言えば伝統芸能的な部分もありつつ、自らの弱さに負けた人物によってもたらされる悲劇というのは独特ではないか?と思ったのだった。
そういえばシェイクスピアにしてもギリシア悲劇にしても「運命に操られるように」という要素が色濃いのではないか? それに対して本作はその要素よりも特定の人物によるものが大きいのではないかと。
そして悲劇でありながら終わってみると思ったほど重さが残らないのは元凶である人物が本当にダメ人間で、自分はあそこまでは堕ちないという安心感のようなものがあるからではあるまいか?
そんなこんなでクライマックスの装置の仕掛けも含めて桟敷童子の世界を堪能。
ところで「財布のエピソード」が半端で浮いてはいまいか?そこだけちょっと引っかかった。