じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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東京ノ演劇ガ、アル。#2「BAR女の平和」

東京ノ演劇ガ、アル。#2「BAR女の平和」

オフィス上の空

東中野バニラスタジオ(Vanilla Studio)(東京都)

2019/05/03 (金) ~ 2019/06/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/05 (日)

原典(比較的忠実なものを以前レティクル座で観た)の「あの設定」を持ってきてのほぼオリジナル、
13時の【A】チーム(3ステージ目)
16時の【B】チーム(3ステージ目)
19時の【C】チーム(2ステージ目)
を続けて観劇。

その結果、チョコチョコと違う部分があったり、その後を知っているから気付いたことがあったりと楽しめた。
総じて言えば【A】【B】【C】3チームはそれぞれ基礎編、若手版、誇張版といったところか?

いいヒト

いいヒト

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2019/05/15 (水) ~ 2019/05/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/15 (水) 19:30

価格3,800円

父・母・娘のちょっとした論争で始まりやがて娘の交際相手が訪れることや複数の職人を抱える歴史ある人形工房であることが明かされる出だしは「昭和の大家族系ホームコメディ」の味わいだったが、すぐに新たな要素が加わり物語が複雑化するのがトツゲキ倶楽部のトツゲキ倶楽部たるところ?

ネタバレBOX

特に印象に残った人物は金井(演・SUMIO)と野口(演・小森健彰)

金井は終盤、妻に自分の存在を知らせないストイックさを見せる。
「俺のことはもう割り切って、自分の幸せだけを考えて生きろ」と伝えるのはヤボ……ってか自己満足的なカッコつけかも、と気付いたり。
さらにそのあと、霊が見える佐倉が躊躇して言い出せなかったことを口にできるよう背中を押したり、オイしいトコを続けてさらうとは……(笑)

野口は実は霊であるのだが、本人がそれを自覚していないという設定なため観ている側からも「どちら側」の存在なのか曖昧に見えてしまうところが上手い。

あと、エピローグ的な最終場で「目玉焼きにはソースか醤油か」という冒頭での論争のその後を見せて対をなすようにした構造も巧い。
「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★

鑑賞日2019/05/12 (日) 14:00

【中野坂上デーモンズの憂鬱/IDIOT SAVANT theater company】(4ステージ中2ステージ目)
中野坂上デーモンズの憂鬱「No.12」
登場人物たちが高校生(「役」+α)であり出だしもメタ気味で楽しそうであったが、音の反響の多いこの会場で大きめの声で早口なため台詞が聞き取りにくいことがストレスとなり脳が?気持ちが?拒絶してしまい途中から思考停止に陥ってしまったのは残念。

IDIOT SAVANT theater company「忠恕。放る。線上。」
前年の「ハムレットマシーン」は面白かったが今回は薄暗い明かりの中での抽象的表現に苦手意識が先立つ。また、憲法との関連も見出しにくかったのはこちらの憲法に対する意識がまだ薄いということか?

納期が私にもっと働けと囁いている

納期が私にもっと働けと囁いている

怪奇月蝕キヲテラエ

新宿眼科画廊(東京都)

2019/05/10 (金) ~ 2019/05/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/05/10 (金) 15:00

価格1,500円

社長の方針で女性しか採らないアニメ製作会社に途中入社した元・漫画編集者を中心に描いた「お仕事もの」の快作。
冒頭(後でリフレインもあるが)こそ胃が痛くなるような切迫感だが、以降は痛快というか小気味良いというか、心地好く観ることができた。
話の展開が理想的過ぎる気味もあるが所詮フィクションだし(←おい)人物の設定とそれを活かしての会話(ワカった上か天然か皮肉をそのまま誉め言葉のように受け取るのに対してツッ込むとか、職場の同僚の親密さ(?)がサラッと描かれるし)などがそれを上回って余りある、的な。
また、「アニメ業界豆知識」的な部分もあり、たとえば業界用語としての「原画」と「動画」など、本作の後に朝ドラ「なつぞら」の土曜日午前の集中放映を視て役立ったりも。

尾を咥えたり愚者の口

尾を咥えたり愚者の口

電動夏子安置システム

駅前劇場(東京都)

2019/05/07 (火) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/07 (火) 19:30

価格3,700円

昭和の真っ只中、とある出版社の文芸部を中心に、当時起きた事件や訪れる人々が織り成す物語。
いつもながら構成が緻密。「さっきの場でウワサに出ていたのはこの人?」とか「あの人って実はその人の〇〇じゃないの?」とあちこちが結びついたりそう思わせて実は違ったりとかのバランスが巧み。もう「This is 電夏!」な感じ。
また、出版社が舞台だけに表現の自由、検閲、自粛などイマの現実にもチクリとすることが含まれているのもいかにも。
大好きな「胡蝶の夢」モチーフもイイ。そう言えば冒頭場面、当日パンフレットにある役の説明・配役と異なる人物たちで始まるのもトリッキーで面白い。

私の娘でいて欲しい

私の娘でいて欲しい

劇団皇帝ケチャップ

浅草九劇(東京都)

2019/04/27 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/28 (日)

28日に15時30分のヒマワリ(G列15番)と19時30分のバラ(F列14番)を観劇。

正直に言えば吉岡作品の良い所と悪い所が如実に顕れた感じ。
良い所は会話の巧みさで、初めて観た「水面の月、揺れる、揺れる」(2014年9月)以来お馴染みのウイットに富み、なおかつ自然なやりとりはいかにもありそ。
が、その会話にあまり間がないため、ただ流れてしまうのが非常に惜しい。ところどころ微かにでも間を取ってメリハリを付ければもっと良いのに。
(何だかこれ、ほぼ毎回感じているような……)

また、構造として時制が3つあり、その中でも多少の前後があることと、人間関係がちょっと込み入っていて、当日パンフレットの人物説明に目を通して臨んでも覚えきれずに「あれは誰だっけ?」になってしまうのも欠点と言えば欠点。(え、σ(^-^) の記憶力・理解力の問題?(爆))

とはいえダブルキャストの両方を観たので。2回目にはきちんと把握できたので結果オーライ?

その結果、クライマックスでの14歳の主人公の試煉(?)と決断にかつて読んだ児童文学(山中恒とか)に通ずるものを感じた。

あと、改めてコメディには状況設定自体が可笑しいもの(いわゆるシット・コム)と会話の妙で笑わせるものがあるのだな、と認識した。(皇帝ケチャップのコメディは後者ね)

りさ子のガチ恋♡俳優沼

りさ子のガチ恋♡俳優沼

バードランドミュージックエンタテインメント

新宿シアターモリエール(東京都)

2019/04/19 (金) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/26 (金) 19:00

座席L列12番

価格6,000円

2.5次元舞台の出演者の1人に入れ込むあまり勘違いと思い込みから暴走した熱狂的ファンの顛末。

程度の違いはあれりさ子が抱いたような妄想は少なからずあると思われ、また、りさ子の観劇仲間の言動やSNSの投稿(舞台上での表現方法も巧いしかつ愉快)などまさしくそのまんま、みたいな?

さらに2.5次元舞台の内幕(と言うかバックステージ?)もさもありなんな描かれ方をしており虚実ない交ぜ。

開演直前のちょっとした仕掛けや終わり方も現実世界と劇中との境界線をぼかす効果をあげていたと思う。

なお、りさ子のキャラクターにバーベット・シュローダー監督「ルームメイト」(1992年)のジェニファー・ジェイソン・リーやジョナサン・カプラン監督「不法侵入」(1992年)のレイ・リオッタを思い出した。

ガチ勢とは対極の一線(いや、破線か?)を引いた接し方をしている身ゆえ本作も冷静かつ客観的に観ることができた。

「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★

鑑賞日2019/05/09 (木) 19:00

【bug-depayse/Super D】(2ステージ中2ステージ目)
bug-depayse「彼について知っている僅かな事柄」
隠喩の意図するものを探りながら観るも、結局何が何だかさっぱりワカらず。

Super D「新日本国憲法」
前文(?)や条文を音声にしながら(朗読や群読、音読ではない)それを身体で表現したり、条文の内容を例示するスキットを演じたりのパフォーマンス。
表現法としては面白いが、時として音声が聞き取れないのはどうだろう?
まさか観客が諳じている前提ではあるまいな。

きく

きく

エンニュイ

SCOOL(東京都)

2019/05/08 (水) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/08 (水) 15:00

価格2,500円

元気がなさそうなことに気付き「仲間なんだから話してみろ」と促された男が「実は……」と語るところから始まる「一種の」「特殊な」会話劇(?)。
前回公演では観ているうちにことばがゲシュタルト崩壊してゆくような感覚を味わったし、今回は「言葉ってこういうモンじゃないの?」という提示をされたような印象。
「言葉を遊ぶ(地口などのボキャブラマジックではなく言葉というものの本質について)」のが得意なのかしらん?

ネタバレBOX

大半は語り始めた男の言葉に被せるように違うことを語り始める者がいたりして次々と違う語りが時には重なり時には最初の男の続きになったりで、あたかも「言葉による交響楽」の様相。
そして終盤で「Wikipediaのハイパーリンク」というキーワードが出たことで、普段(主に雑談で?)話題がある部分から関連したものに枝分かれしてゆく状態を模したものか?と思う。
さらにその後、最初の男が「ねぇ、聞いてる?」と訊ねることで冒頭部分の続き的になることで「もしかしてここまでの各自のパフォーマンスは最初の男の話を聞きながらそれぞれがそれぞれが思い描いたもの?などと思ったり。
「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

鑑賞日2019/05/06 (月) 19:00

石川雷太 a.k.a. Erehwon「原発・ノイズ・日本国・憲法」
ビキニ環礁の核実験映像や舞台に並べられた放射性廃棄物の表示があるドラム缶から核関連、序盤と終盤のパフォーマンスから戦争や暴力に関するものは感じ取れたが憲法関連は全く感じられず。アフタートークで石川氏としての狙い・想いを伺えたがそれでもあまり理解できず。
美術家にしてノイズミュージックによる表現をする方とのことなので、そちら方面に慣れていればともかく、演劇側からの視点では無理もないことか?
とはいえパフォーマンス自体は(多少の冗長感はあれ)興味深く観ることができた。

「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/04 (土) 14:00

【Ammo/ノアノオモチャバコ】(4ステージ中2ステージ目)
Ammo「墨を塗りつつ」
新憲法に一行だけ附加することを許された弱小野党の策は?な物語。
奇しくも本作を観る前に史上最凶(狂?)の宰相が「2020年に新憲法施行」とぶちあげたニュースを目にしたために焦燥感・無力感が劇中人物たちと重なってまるでわが事のよう。
そんな中、彼らがそこから導き出した結果は痛烈な皮肉で「ヤラれたぁ……」あるいは「その手があったか!」でニヤリ。

加藤航平と八谷しほ「VOTE!」も「第98条・緊急事態」について例え話で語っており、それを踏まえた上で観た本作では具体的な条文で触れており、もはやそれは戦慄に近かった。
そして前者は高校生たちの議論(?)、後者は政治家たちの議論なのでそれぞれの精度も的確ではないか、とも。
しかし本当にあの首相に緊急事態など与えたら文字通りの「ナントカに刃物」ではないか、剣呑剣呑。

ノアノオモチャバコ「かてーのけんぽー(仮)」
憲法を家庭の問題に落としこんだとのことで、大日本帝国憲法から日本国憲法に替わるのはワカったが、他はあまりピンと来ず。
ま、大日本帝国憲法をあまり知らないので仕方のないことか?
そしてやはりσ(^-^) とノアノオモチャバコって相性が良くないのかもなぁ。

漆黒双六悪徒錦絵 『闇の黒蟲』

漆黒双六悪徒錦絵 『闇の黒蟲』

(有)オフィス パラノイア

「劇」小劇場(東京都)

2019/05/01 (水) ~ 2019/05/06 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/02 (木) 14:00

価格4,000円

名称だけは聞いたことがある藪原検校をモチーフとしたピカレスクもの。
とはいえ、主人公・杉の市がさほど「悪人」には見えず(といって義賊というワケではなく、それどころか強盗殺人なども犯している)終盤の負の連鎖により破滅に向かう展開は典型的な悲劇(ギリシアあるいは講談などの)に見えてしまう。
さらに、獄門の前の市中引き回しがゴルゴダの丘に向かうジーザスのように感じられてしまい、これ、くちびるの会「疾風のメ」から引きずっているな、と。(笑)
また、そこに限らず歌舞伎や大衆演劇などの表現法も取り入れた作風はまさしく「ハイブリッド時代劇」だな、とも。

ミラクル祭’19(ミラフェス’19)

ミラクル祭’19(ミラフェス’19)

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/04/20 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/27 (土) 14:00

【B ver.】
「名前の無い名前を呼ぶ冒険」、転校経験が複数あったことに加え、当日に本作にまつわる目崎さんのツイートを目にしたこともあり、内容が手に取るよう。また、イイ話的に終わるのもイイ。

「ルージュド・ガールと落下傘」、「ねっとりした」感覚の会話劇。進行して行くにつれて過去と今との間に横たわる「時の流れ」が浮かび上がってくるのが味わい深い。

そりゃあ、まあ、ええ、

そりゃあ、まあ、ええ、

なかないで、毒きのこちゃん

駅前劇場(東京都)

2019/05/02 (木) ~ 2019/05/04 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/02 (木) 19:30

価格3,300円

ふとしたことで知り合い、その後に再会した男女はそれぞれ訳ありで……な恋愛系物語。
前回公演「とはいうものの。」同様ストレートプレイ寄りだが、笑いもふんだんにあり途中に思わぬ展開もありでさらにクライマックスのチェイスの迫力はハリウッドのアクション映画並み(個人の感想です(爆))。
そんな中でも特に負の方向にグッと引っ張ってから迎える結末のあたたかさがイイ。(これもハリウッド映画っぽいか?(笑))

ネタバレBOX

男は実は17年間一緒に暮らしている相手がある(実は幻想で、17年前に死別したことが後で明かされる)し、女はストーカーと化したかつての婚約者から逃れてきたのだし、という2人がふとしたことで知り合い、その後、男の職場に女がアルバイトとして加わるというベタと言えばベタな展開。
そして男も女の元婚約者も心を病んでおり、悲劇方向に向かいながら終盤で大逆転してハッピーエンドになるのがイイ。

チェイスで車を追い抜くのをどう見せるの?と思っていたら、その場で反対方向を向くだけという演劇ならではの見せ方で「そのテがあったか!」と喝采!(笑)
「日本国憲法」を上演する

「日本国憲法」を上演する

die pratze

d-倉庫(東京都)

2019/04/30 (火) ~ 2019/05/13 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/05/01 (水) 19:00

【身体思考/加藤航平と八谷しほ】(2ステージ中2ステージ目)
身体思考「九条小町」
ノンバーバルの身体表現とのことで「考えずに感じるヤツ」と思って臨むも、タイトルからテーマが見えているのによくワカらず。
最後に第1条から第9条までを読み上げる時に「内閣」を「内角」、「国会」を「黒海」のイントネーションで読んだ意図も読めず。
やはりこのテは観慣れていないとダメなのか?

加藤航平と八谷しほ「VOTE!」
コミカルなタッチながら改憲に関する国民投票で起こりそうなことや現憲法と改訂案の特色を戯画化して見せて鮮やか。(ある意味コワい)
それこそ高校を巡回して上演してはどうか?(それでもワカらんヤツにはワカらんか?)
なお、導入部の「学園祭で上演する芝居は憲法に関するものと国から指定される」という状況にAga-risk Entertainment「ナイゲン」を連想したりも。

死ぬ気はなかった。

死ぬ気はなかった。

新宿公社

小劇場 楽園(東京都)

2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/25 (木) 19:30

価格2,800円

不時着した円盤に搭乗していた異星人を保護し研究している施設の総務課の女性たちを中心にした物語。
番外公演だけに新宿公社らしからぬドタバタ気味のSFコメディがコペルニクス式転回を経て本格SF(星新一や広瀬正の短編に通ずる味わいか?)となりさらに意外なオチがつく異色作であり「へぇ、こういうのもアリなんだ」的な佳作。

ネタバレBOX

後半でいよいよ登場した異星人が地球から来たと明かす「猿の惑星」の逆バージョン的オドロキ、その地球人が「この星では定時に退勤するのか」と驚く現代日本の社蓄社会への皮肉、その地球人が実は食用肉の調査のためにその星に行ったというブラックなオチなども良かった。
ミラクル祭’19(ミラフェス’19)

ミラクル祭’19(ミラフェス’19)

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/04/20 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/20 (土) 20:00

価格2,500円

【A ver.】
「ペルソナ・サークル」
演劇ならではの手法を使った映像化不可能作品。「ミステリーにおけるある手法を演劇に応用したらどうなるか?を考えた結果が本作」、と後から伺って大いに納得。
なお、鬼フェスでの初演とその後の「ディレクターズカット」版の自分の「観てきた!」コメントを再読し、「考えすぎでは?」と過去の自分にツッ込む。(爆)
そういえば、この手法を突き詰めるとアガリスクの「エクストリームシチュエーションコメディ(ペア)」になるのでは?とも考えた。

「海月は溶けて泡になる」
幕開けに提示される状況こそコミカルであるが、それが次第に人と人との繋がりとは何ぞや?という哲学的なテーマに変容してゆくのが面白い。
その展開から逆に考えると何とまぁ巧い状況設定であることよ!

なお、この2編のタイプの異なる作品の組み合わせにオフィス上の空「1つの部屋の……【黄チーム】」を想起。

いつもの致死量

いつもの致死量

こわっぱちゃん家

王子小劇場(東京都)

2019/04/24 (水) ~ 2019/04/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/24 (水) 19:00

価格3,500円

舞台美術家を擁しているだけに会場に入った途端に「そう来ましたか」と思う装置で語られるのは3つの流れが併行して進みながら最終的に1つにまとまる物語。

まずは登場人物が皆マジメと言うか真っ直ぐと言うかで、しかも物語の中で生きている存在感があるのがイイ。
が、世の穢れを知らない若者(=こわっぱ?(笑))が理想を語っているような気もして穢れてしまったオトナとしてちょっと眩しい。
いやしかし、だからこそ「そうあって欲しい」「こんなだったらみんなが幸せになれるのでは?」な優しい世界がステキ。

また、劇中で1回時が跳ぶがそのことを会話からすぐに観客に伝えるだけでなく、その「跳んだ間」に「変化」が起きていることを早い段階で見せ、「その原因」が何なのかすぐには明かさないことで観客の興味を引っ張るのも巧い。

あと、ところどころ定番的と言うかベタと言うか既視感のある台詞もあるが、それが借り物っぽく浮いたりせず、ちゃんと話の流れの中で活かさているのもワザだね。

ネタバレBOX


「そう来ましたか」な装置とは、一般的な使い方の下手手前から上手奥までの対角線で舞台と客席を仕切ることで間口を最長にし、しかも2階建てで1回部分はオフィスを中心に両脇に別エリアを、2階部分はギャラリー部分にデスクを2つ設置して営業課の執務室と一般家屋の居間を、という5個所を表現したもの。
H&ERO

H&ERO

Peachboys

シアター711(東京都)

2019/04/23 (火) ~ 2019/05/06 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/23 (火) 20:00

価格2,200円

いつもながらの「いいオトナのホンキの悪ふざけ」。
もしも観ている途中にふと我に帰ったら「今、自分は一体何を観ているんだ?」な疑問に囚われる(爆)かもしれないが、そんな余地を与えないほどに数々のネタが押し寄せてくる。

パロディで実在の人物やマンガ、アニメ、ゲームなどのキャラが数々登場するが、マジで似ているもの・演劇表現として似せているもの・決して似てはいないがイキオイでそう見えてしまうもの(笑)などパターンが様々なのも面白い。

本作に限らず毎度のこと(爆)ではあるが、パロディのヤバさ加減はカカフカカ企画と双璧を成すのではないか?(笑)

「まさかのアレ」を伏線に使うクライマックスからのタイトルをキメるきれいなオチと思いきや、さらにもう一段落とす「三段締め」も見事。

ネタバレBOX

恒例の服部さんの前説を伏線としたクライマックスからタイトルの「H&ERO」を4人組のユニット名としてキレイにまとめた(?)あとに夢落ちを持ってくるって……(笑)
 「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」

「舞い上がれ、レジャーシート」「ばいびー、23区の恋人」

マチルダアパルトマン

すむぞう外苑前スタジオ(東京都)

2019/04/12 (金) ~ 2019/05/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/20 (土) 14:00

【ばいびー、23区の恋人】
東京23区に1人ずついる恋人に別れを告げに行くという女性と彼女を案じて同行するその友人のロードムービー的物語。
いや、ほとんど室内での別れ話だけなのに設定ゆえかロードムービーっぽい印象で受け取ってしまうのは不思議。池亀マジックか?
また、そういう内容ながら単調にならない構成の工夫が巧い。

ネタバレBOX

何人かとの別れ話を見せた後に急にスピードアップして恋人役の池亀さんの早替えなどで笑わせ、あげくに4~5人まとめて「ばいびー!」と言って済ませるのが可笑しい。
また、その後に冒頭で見せた「杉並くん」との場面が再開され、「クライマックスの一部を冒頭で見せてから時を遡りそこまでの顛末を見せる」パターンだったのか!とニヤリ。

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