colorchild compact
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LIVE HOUSE GRAFFITI(東京都)
2008/06/07 (土) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★
普段とは趣を異にする
タイトル通り出演人数、作品サイズともコンパクトで、アクションやアドベンチャー要素は控えめながら、その分ハートウォーミングおよびロマンティックな要素が割増で、普段とはオモムキをコトにする感じ。
一方、ありとあらゆるものを演じてしまう手法はいつも通りふんだんに使い、アメリカの片田舎に住む老夫婦のちょっとしたケンカから仲直りまでを若い頃のロマンスも交えて語る語る。
また、「愛しているとは何度も言ってきたが、これは言わなかったな。ありがとう。」というラストの台詞にはホロリ。
想い出のグリーングラス
鈴舟
シアターサンモール(東京都)
2008/06/04 (水) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★
ストライクゾーンど真ん中
霊(昏睡状態の生者もいるので「魂」の方が的確か)が集まる公園を舞台にした魂たちと彼らを見ることができ会話もできる女性を中心とした物語、鈴置洋孝プロデュースの旗揚げ公演作品であった『煙が目にしみる』へのオマージュ的な部分もあり、「遺された想い」をテーマにした作品が好きな身としてストライクゾーンど真ん中。
鈴置P 時代のレギュラーメンバーと新たなメンバーの顔合わせや、適度な笑いと適度なホロリの取り合わせも上手く、今後にも期待十分。
おいしいタイミング
演劇集団アーバンフォレスト
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2008/06/04 (水) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★
2時間20分の長さは全く感じず
ある事情による多額の借金返済期限日、馴染み客で融資の可能性もあるジュエリー社長がパーティーを開くというのに冷蔵庫が故障して食材がダメになってしまったフレンチレストランの物語。
基本的にはドタバタコメディながらたとえば亡き初代オーナーシェフの娘であるスーシェフの味を守ろうとする心意気や妹の結婚について思いやる兄の気持ち、ジュエリー社長のレストランに対する愛着など、しっとりとしてホロリとさせる部分も上手く配して休憩なし2時間20分の長さは全く感じず。
また、厨房側、客側その他合わせて出演者が総勢30人もの大所帯ながら、登場人物それぞれにキチンと役割が分担されてうまく整理されているのも見事
THE SIZZLER
ART STYLE 円盤長嶺NJT銀行
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2008/06/04 (水) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★
客席まで香りが漂う調理シーン
CO2 削減のためサミットの東京宣言により火の使用が禁止され、栄養補給はサプリメントによって行うようになった近未来の「闇レストラン」を舞台にした物語。
どことなく既視感のあるストーリーながら、掛け合い漫才のようなテンポ良い台詞の応酬に加えて、客席まで香りが漂ってくる調理シーンもあって非常に楽しい。さらに、兄弟や親子の再会ネタも織り込んだ後、日替わりゲストが試食して勝敗を決定するチャーハン対決というクライマックスを経て、こじれていた兄弟・父娘の関係が丸く収まるというオチのつけ方も巧みで感心。
黒子ノ譲志
グワィニャオン
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/06/04 (水) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
いつもながらお見事
『音小僧』の発展版というか、世の中には密かに(?)人助けをする黒子がいる、というおハナシ。 冒頭、その人助けのパターンをいくつか目撃者の証言でササッと見せた後に今度は黒子チーム側の主観で仕事ぶりを見せてツカミはオッケー。
その後、黒子チームが抱えている内面の悩み・哀しみや出自に関して掘り下げてドラマ性を深め、併行して大衆演劇の座長公演やバーゲンセールに懸ける女性たちも描いて「黒子・大衆演劇・バーゲンセール」な三題噺の様相となり「どう関連付けるんだ?」という興味まで持たせて引き付ける引き付ける。
また、関田豊枝によるアクションもハンガーラック(!)を使った立ち回りからフライングまで新ワザを繰り出して、特にフライングは『ピーターパン』も真っ青、みたいな?(笑)
で、大衆演劇座長や黒子の親子関係で泣かせた後、バーゲンセールネタが最後の1ピースの如くピタリとハマって終幕。いやぁいつもながらお見事。
おっと書き忘れ。ソラトビのメンバーも含め出演者数が多い上に複数役を演じるケースも少なからずあり、キャラクター数はかなりのものになるというのに、混乱せずに観ることができたのはキチンと描き分けた脚本と演じ分けの上手さによるものか、はたまたよく観ていて出演者を識別できるからか?
飛び降りたらトランポリン
なるせゆうせい
ベニサン・ピット(東京都)
2008/06/03 (火) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★★★
一気に見せる
幕末の日本によく似た架空の世界で、投獄されていた発明家・平賀伴内(白川侑二朗)が、はびこる伝染病を一掃するために釈放されるところから始まる物語、反幕府グループの暗躍や、感情を持ってしまった機械人形(堀田ゆい夏:好演)の恋、平賀の旧友で今は幕府のイヌ的存在の男(弓削智久)なども描いてなだれ込むクライマックスまで、どこか既視感のある部分もありつつ、言葉遊びやアクション(殺陣)も交えて一気に見せる、な感じ。
また、途中で神様が出てきて「願いを叶える3枚のお札」をある人物に与えるのだが、その願いが叶う場面の見せ方が上手いっちゅうか愉快っちゅうか、よくできている。最初の2つはその表現で十分に笑わせ、最後の1つはクライマックスの後どうなったかをエピローグで明かしてホロリとさせるという…。
それと、和服が基調でありながら、白いスーツなどもアリという衣装も架空の世界を巧く表現していて○。
男節
劇団BOOGIE★WOOGIE
アイピット目白(東京都)
2008/06/02 (月) ~ 2008/06/02 (月)公演終了
満足度★★★★
確かに「another world」
2人の優男が褌一丁の「男塾」的な集団に入門するプロローグに導かれ、メンバーの1人が恋をして困難を乗り越え結ばれ披露宴を経て去るまでを描いた1時間余の作品、古今東西の名言、格言、諺をこれでもかと言わんばかりに盛り込み音楽はクラシック主体のピアノ曲、と知的な(?)雰囲気も漂わせつつお約束に近い「ポロリ未遂」(爆) もあったりするというのは、確かに「another world」。
若干悪ふざけ気味の部分もありつつ、起承転結をふまえたストーリーや観客参加型のビンゴ…もとい、男ビンゴのコーナーで「15から40まで全部!」「左2列全部!」などというムチャで時間を短縮するワザなどに感心。
ザ・クレージーファンタジー
いれずみベービー
シアターブラッツ(東京都)
2008/05/27 (火) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
「だいじなもの」を思い起こさせる
前回公演同様、基本的にはコメディタッチで終盤は熱血感動系というスタイルながら、今回は亡き父が遺したおもちゃ屋にあった古いボードゲームからゲーム界(あるいはファンタジー界)に引き込まれた主人公のおハナシ。
最終的に集結する仲間の人数が2桁に及ぶので力を合わせるまでが長すぎて肝心の戦いがアッサリしすぎる…という見方をしてはイケナイ、むしろ各キャラクターの個性を観るための芝居である、と気付いた時には遅かったとはいえ(爆)、終盤、復活した破壊神クトゥルとの戦いをダンス中心に表現し、主人公とクトゥルの一騎打ちシーンはブラックライトを使う(武器がライトセーバーなこともあって『SW VI』のクライマックスっぽい感覚)という演出がステキ。
さらに主人公がファンタジー界を去る時に残す言葉は自身の成長を示すとともに「だいじなもの」を思い起こさせる名台詞でまさに画竜点睛を打つ、的な?
マチルドハイタワー
トリのマーク(通称)
ザ・スズナリ(東京都)
2008/05/31 (土) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★
「ふんわり」「ほわん」
前回は「街」を主役にしたオムニバス系作品であったのに対して今回はストーリーの中心となる人物がいて、1本スジが通った感じ。
で、その中心となる人物以外はそれぞれどこか変わっていて、そんなキャラ達がかもし出す雰囲気が独特。なんだか「ふんわり」というか「ほわん」というか良い意味でゆる~い空気が漂って心地良く、しかも笑える部分が少なからずあって楽しい。
あと、当日パンフの役者名に劇中衣装のイラストが添えてあるのはナイスアイデア。
バンク・バン・レッスン
“STRAYDOG” Seedling
東演パラータ(東京都)
2008/05/31 (土) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★
ラストのスローモーションが特に見事
ショーマ新人公演で観てから11年以上経っているので新鮮…というよりもほとんど新作を観るような感覚で楽しむ。
警官などが外から犯人を説得するシーンや中から夕陽を見るシーンの照明効果と、ラストのスローモーションが特に見事。
青海に踊る
DANCE COMPANY ドルフィンブルー
シアター代官山(東京都)
2008/05/29 (木) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★
殺陣やアクションまで取り入れて
基本的にはダンス公演だが、ダンスによってストーリーを語るというスタイル。オムニバス風なためにSOULPROJECTなどと比べて物語性は薄いがダンスのみならず殺陣やアクションまで取り入れて表現の幅を広くしているところは面白い。
なお、「観たい!」に書いた幼稚園児出演は勘違い。
ひととせ
LiveUpCapsules
ギャラリーLE DECO(東京都)
2008/05/27 (火) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★
イギリスの戯曲を連想
明治中期、画家への夢を持った若者たちを中心に描いたストーリーで、ある者は夢を叶えまたある者は夢破れるのだが、大半が悲劇的な結末を迎えるというのはその時代性ゆえか。その古風な感じと悲劇性にイギリスの戯曲(シェイクスピア含む)を連想。
Dear My Hero
LIVES(ライヴズ)
ザ・ポケット(東京都)
2008/05/28 (水) ~ 2008/06/01 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディ+感動系
ボクシング興行中の控え室を描いたコメディ+感動系。敗者に向けるまなざしのあたたかさが心地よく、また、クライマックスでの主人公と父との対話シーンにはホロリ。息子に背を向けたまま語る父の半独白に父親としての様々な感情・心情が込められていて白眉。
味噌は赤味噌
PADETRE
Studio twl(東京都)
2008/05/24 (土) ~ 2008/05/24 (土)公演終了
満足度★★★
キャラクター造形と演技が絶妙
2月に立ち上がったコントユニットの4thライブ。今回はカノジョに強く出られない後輩に先輩が指南するという1本目のキャラクター造形と演技が絶妙。また、ファーストガンダムの名台詞ネタシリーズはランバ・ラル編で、コンビニでの応用にウケる。
が、その2編がなかなか良かったので、若干長めな後半の2編はちょっとキレが良くないような感もアリ。
IRDX-F
リブレセン 劇団離風霊船
ザ・スズナリ(東京都)
2008/05/21 (水) ~ 2008/05/27 (火)公演終了
満足度★★★★
今までとはちょっと違った作風?
家庭用家族ロボットを試用(&学習させる)することとなった開発者一家の物語、カレル・チャペックの『RUR』と共通するブキミさも漂わせつつ、もっとずっと近い将来、もっとずっと身近で親しみやすい設定で、笑える部分も多く、さらに家族のホンネに関するちょっと皮肉な考察も配合するところなどいかにも離風霊船流。(終盤でいくつか挙げられる事件もそうか)
その一方で、笑いのとり方から全体の雰囲気から、今までとはちょっと違った作風になっていて、25周年を迎えても常に進化し続ける、な感じ?
今までとは違うといえば「ちょっと」どころではなく違うのが装置が崩れたり(笑)大きく変化したりしないということ。が、装置は動きませんがいつもと変わらず観客の心は大きく動きます、なんつってな~。
なお、26日にC列10番で再見。
マッハ・レコーディング a GoGo!!
劇団ヘロヘロQカムパニー
シアターサンモール(東京都)
2008/05/21 (水) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
音楽業界版『ショウ・マスト・ゴー・オン』
短時間で楽曲を仕上げざるを得なくなった三流レコード会社スタッフに襲いかかる幾多のトラブル。絶妙のキャラクター配置により困難を乗り越える姿は最初はコミカルながら次第に熱血系に転じ、最後のトラブルに諦めなずに立ち向かう主人公と、それに共感して支える2人の姿は感動的ですらある。
ステージ
劇団K助
ウッディシアター中目黒(東京都)
2008/05/22 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
ストライクゾーンほぼ真ん中
死を迎えた者にその生前の「分岐点」をステージとして見せる劇団の演出家(と演出助手)が主人公に見せる3つの分岐点…というストーリー、「予期せず逝った者が遺した想い」をテーマにした作品が好きな身としてストライクゾーンほぼ真ん中。
さらに『ワンダフル・ライフ』、「クリスマス・キャロル」、「カラフル」などの要素も取り入れつつ独自の物語を繰り広げており、これらの作品も好きなので、こりゃあもう盆と正月が一緒に来たような…(笑)
主人公が既に死んでいるという設定ではありながら、序盤は思いっきりコメディタッチなので暗さなどは感じる余裕もなく、このあたりは上手く図っており、劇団「死期」だけにミュージカルで、なんて場内大爆笑。
その一方、DM にあった「あの日からの母ちゃんの物語」はどこ?もしかして当初のプランと変わったの?とさえ思っていたパートは後半の劇中での「第3場」で展開され、若い頃の主人公が旅立った日の夜、現在の主人公がその日の母と会話する場面はしっとりとして涙モノ。先述の「遺した想い」がここに集約されていて、タマラン。
ただ、後半で若干ツジツマが合わないというか、物語の軸がズレたというか、そんな感覚がなきにしもあらず。
メゾントーレ203
Premier☆Million☆Carats
ザ・ポケット(東京都)
2008/05/21 (水) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★
前半と後半の対比が鮮やか
04年3月に上演された作品の再演で、その初演がこことの出会いであったので、多少の思い入れもありつつ、ディテールは記憶から飛んでおり、けっこう新鮮な感覚で観る。
下北沢のアパートの2室で繰り広げられる物語、前半のドタバタ系の笑いと、コワい人の登場以降の緊迫感(もちろんその中にも笑いはある)の対比が鮮やか。
また、本郷・小林・菅川というレギュラーメンバーの演技も巧み。(『ラフカット』出身ということでちょっと贔屓気味かも?)
「和」
ヒゴト
RAFT(東京都)
2008/05/21 (水) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★★★★
パフォーマンス版ショート・ショート
長方形の会場の入口側の短辺に2列、奥側の短辺に1列客席を設け、その間の六畳の畳敷き(&周囲)のスペースを使って3人の「えんじ人」によって繰り広げられるパフォーマンス。約1時間の中に30くらいの演目を詰め込んで、パフォーマンス版ショート・ショートの様相、時には「同時多発的」に演じられたりもして、それぞれユニーク。
金ダライは打楽器的に使うのかと思ったらアレと組み合わせてあんな風に使うし、半紙をかぶったかと思えばそれで覆面をしたりもするし、硯で墨をすっているので何かを筆の代わりに使うのかと思っていたらアレをダイレクトに使って作品にするし、もう、一部を除いてことごとく予想が外れ「そう来ましたかぁ!」の連続。
また、映像も(スクリーンもよく見れば1枚ではなく6枚の長方形を六畳間のカタチに接ぎ合わせたもの)なかなか凝っており、そちら方面も充実。
莫大小猫奇譚(メリヤスネコキタン)
Office《RELAX》
六行会ホール(東京都)
2008/05/14 (水) ~ 2008/05/18 (日)公演終了
満足度★★★
昭和の薫り満載
昭和20年代前半、カストリ雑誌の編集部を中心とした物語、帝銀事件や後に国民的大歌手となる少女(とその母)なども登場して昭和の薫り満載。終盤で複数の人物が命を落とすのもその時代の暗さを象徴しているようで(偏見?)、人死にが多い作品には批判的なことが多いσ(^-^) も何故か納得。
また、上下二段の上段手前に紗幕を付け、場面によっては後方から光を当ててシルエットを浮かび上がらせる装置が効果的。