じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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「三島由紀夫を読む!」

「三島由紀夫を読む!」

横濱・リーディング・コレクション

相鉄本多劇場(神奈川県)

2009/02/21 (土) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

トリッキーな「美と…」が面白い
COLLOLの田口アヤコ「劇作」による「美と…」は討論ものゆえ三島役を舞台、学生役2名を客席に配する他、音効や動作など「バックグラウンド」を担当するメンバーがいるというトリッキーなシカケが面白い。一方、「わが友…」は洋モノに弱い身(爆)としては今ひとつピンと来ず。

鬼姫

鬼姫

虚飾集団廻天百眼

タイニイアリス(東京都)

2009/02/20 (金) ~ 2009/02/23 (月)公演終了

満足度★★★

でぃす・いず・あんぐら
神社などにテントを張って巡業していた見世物(「六尺のイタチ」(笑)とか「狼少女」とか…っていつの時代だよ!)を想起させる「多少の胡散臭さを伴う妖しさ、不気味さ」が漂いまくる、吸血姫たちを中心とした百鬼夜行的物語、チラシのデザインや掲載内容からの予想通り「でぃす・いず・あんぐら」。
時として散文詩のような美しい台詞はあるわ、耽美的かと思えばグロだったりもするわ、白塗りやどぎついメイクのキャラも登場するわ、ホントに「アングラの王道」みたいな?
その一方で、殺陣にバレエをとりいれたり、ポールダンスならぬ「ポールエアリアル」があったりと斬新な部分もあり、「ほほぅ!」と感嘆。
また、永劫に仇討ちのための闘いを続けるという部分に佐藤敏宏監督の『今昔伝奇 剣地獄』(02年公開)を連想。

うぐいすっ

うぐいすっ

KUSARE芸道R

シアターブラッツ(東京都)

2009/02/20 (金) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

σ(^-^) 的には原点回帰
短編コント(連作もアリ)と中編パロディドラマの組み合わせで、劇団名に「R」がついて(=σ(^-^) が観始めて)から3回ほど上演した「ぼんやり劇場」シリーズと似たスタイル。
そんな刷り込み効果もあってか、σ(^-^) 的には原点回帰のような感覚もあり、ナンセンス満載、おバカ万歳な内容を満喫。
もうホントに「しょーもねー」以外のナニモノでもないのに、時には非常に滑らかで自然な、時にはしゃべくり漫才のようにテンポの良い台詞回しで引き込んで、笑わせて、気付いてみれば「え、もう終わり?」みたいな。
また、影絵(前説用は一部リニューアルされてるし…(笑))の使用もいつもながら見事で、時として小道具というか装置というか、その役目まで果たすなんてアイデアもイイ。

闇に咲く華

闇に咲く華

劇団伊達組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

それぞれの人物にキチンとドラマ
意外な部分も含めて顔合わせの妙と言うべきキャスティング(「座長まつり」的でもある?(笑))は劇団名と異なり「伊達」ではなく、五右衛門のみならず、捕り手側や遊郭、市井の人々などそれぞれの人物にキチンとドラマがあって見応え十分。しかもそれを110分で収めているワケで。
また、殺陣にしても一般的なものはもちろん、歌舞伎風あり、実際には対峙している2人を1人は手前、1人は奥に配してともに正面から見せる、映画で言えばマルチスクリーン的な見せ方(かつてショーマがこのテの手法を得意としていたっけ)ありといろんな手法で見せてくれるし、そっちの面でも充実。
あと、クライマックスで焼け落ちる建物の梁などを布で表現するのも○。S.E.や照明と相俟ってちゃんとその場面が目に見えるようで、これぞ舞台芸術の神髄!
なお、五右衛門の装束とラストシーンから最近ヒットした日本映画をちょっとだけ連想。

宇宙花火師

宇宙花火師

宇宙食堂

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

マンネリ回避に成功
過去3回の公演と比べて今回は1番現在に近く、得意の(?)宇宙空間ネタもありながら地球上でのドラマが中心となるのが特色で、マンネリ回避に成功。
さらに今回は「和のテイスト」を謳っており、本編に先立つアヴァンのパートは主人公がまだケンカに明け暮れていた頃で2049年の未来でも「火事とケンカは江戸の華」は変わらないところを見せて、もうそれだけでニヤリ。
以降、宇宙と花火という一見接点のあまりなさそうなネタをうまく結びつけたストーリーが展開。前半はちょっとテンポが良くなく、散漫な印象もあったものの、「宇宙花火」の計画が起案されるあたりからはグンとスピードアップ。アクションやサスペンスも交えて結末までは一気に走り抜ける、みたいな。
ただ、「星村庵」の従業員制服はいくら和テイストといえども往年のアメリカ映画に描かれた「ゲイシャガール」のようであまりといえばあんまりなのでは?(笑)
が、そこはともかく、舞台美術全体に漂う「レトロフューチャー感覚」は面白かった。

カブ太が嘘をついた

カブ太が嘘をついた

劇屋いっぷく堂

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

例えば線香花火のように
人気マンガのキャラクター・カブ太をシンボルとして「カブ太の街」を宣言する商店街のセレモニーに呼ばれたマンガ家は、実はストーリー担当で画が描けず…という物語。前回とはやや趣を異にしていたが、また別の味わいがあってこれはこれでアリ、な感じ。
例えば線香花火のように、トラブルが次第に大きくなって行くがそれぞれ落ち着くべきところに落ち着いて静かに終わる構成は安定感があると共に終わってしまう一抹の寂しさのようなものがあって巧み。

メガネに騙された

メガネに騙された

箱庭円舞曲

OFF OFFシアター(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

いたたたたっっ!!!
前2回と違ってかなりのビターテイスト。それをリアルな装置と(得意の?)リアルな会話で演るのでかなりヘヴィー。
ほとんどの人物がワケありの過去を持ち、いろんな意味で騙したり騙されたりしているし、第一場と第二場で暗転直前に心の底の「悪意」的なものが表出する瞬間があったりするし…(ちょっと身につまされたりもするのだ)
さらに尾辻のだらしなさが「今のオマエの姿だぞ」と自分自身を見せつけられているようで、居心地の悪~いことといったらありゃあしない!(笑)
ちょうどこれの1週間前に観た芝居の「何かすると言いながら何もしないじゃない!」も耳が痛かったが抽象的な分まだ傷が浅かったのに対して、こちらは具体的なだけに傷口を広げて塩をすり込むように感じられ…(いたたたた(爆))

ネタバレBOX

そんな中、終盤の乾夫妻の姿がわずかな救い?
あと、今回は栃木を舞台にした農業関連の物語なので「あくまでフィクション」と一線を引いて観ることができたのも幸いか?
逆に今までのような比較的身近な物語でこんな風にビターだったら耐えられないかも?(爆)
また、いつもながらに楽しい前説の後にあるサンダーバードの発進シークエンスのようなサプライズがステキ!
テーブル・マナー

テーブル・マナー

AGAPE store

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2009/02/06 (金) ~ 2009/02/16 (月)公演終了

満足度

「笑いの不発弾」?
アラン・エイクボーン作品ということに加えてワン・シチュエーションのコメディしかも笑劇系との情報もあり、期待が膨らんでいたのに結果から言えば肩透かし、的な?
序盤は状況説明&人物紹介的なもので特に笑えるワケではなく、「そのうちどっかんどっかん笑えるようになるのだろう」と期待しながら観ていたら、結局大笑いできる部分は皆無で、さながら「笑いの不発弾」?
いや、大笑いどころか、普通に笑える部分もそんなになく、これが何でコメディなの?な感さえあり…。
また、不倫的三角関係もドロドロではなく、良く言えばマイルド、悪く言えばツッコミ不足なのでいずれにしても中途半端という感は免れ得ず。

那須ノ物語

那須ノ物語

演劇ユニット 金の蜥蜴

ブディストホール(東京都)

2009/02/12 (木) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

キレイに一本取られましたわ
出だしはコミカルでありながら次第に人の心の弱さ・醜さのようなテーマにシフトして行き、「九尾の狐は人のココロに巣食う邪悪なモノの象徴のように扱い、それが引き起こすシェークスピア悲劇的な結末を迎えるも元凶はダメダメな藩主なのが極めて日本的」などというコメントを浮かべて観ていたら、終盤で韓国ドラマか「もう誰も愛さない」(91年、フジテレビ)か、な驚愕の展開(笑)があってド肝を抜かれる。(コメントまで考えていたモンだからなおさら…(爆))こりゃあキレイに一本取られましたわ。
また、タイトルに「異聞」とある通り、玉藻が九尾の狐ではないというヒネリにもぎゃふん。(笑)
なお、寸劇系の前説での吹き矢や手裏剣の使い方も楽しい。

eat,egg,east

eat,egg,east

タムチック

シアターブラッツ(東京都)

2009/02/11 (水) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

群像劇系
小説家を目指していたが今はアイドルの連載コラムのゴーストライターにとどまっているフリーライターと仕事への力みが空回り気味のその担当編集者、「何かをする」と言い続けながら何もしない(=自分の方向性を決めることができない?)交際相手(だけでなくそれは即ち自分自身でもある)にイラだっているフリーターなどを中心とした群像劇系、かすかにリンクしたエピソードをスケッチ集のように重ね、そこからあぶりだしのように全体像が徐々に浮き上がって来る構造で、人物の心象を「影」(役名)のダンスで表現したり、エピソードのつなぎ目がダンスだったりするのが特徴的。
元々協力関係にあった演劇系とパフォーマンス系の2つユニットがタッグを組み昨年立ち上げ、それぞれ交互に作・演出を担当するシステムで、今回はパフォーマンス系側の作品なのでそういうスタイルになった模様。
ゆえにそのダンスも小劇場系の芝居としては難易度が高そうだし。
でもって「滞留」を抱えている各人物がある出来事をキッカケにそれぞれ方向性を見出すラストは語り過ぎず突き放さずのバランスが程良くて好み。
そのキッカケを与えるところの、大学の部室に何故かいて言葉を話さない(劇中での表現もダンスとマイムのみ)「フシギちゃん」はもしかすると今様座敷童子ではないかとか、本当は存在していなくて、各自の心の奥底に秘められた「変わりたい願望」の象徴ではないかとかそんな風に解釈の余地があるのも面白い。
また、紙ヒコーキを詰めたロケット(?)という部分に「銀河漂流バイファム」の最終話も連想。

Time Trouble 齢30

Time Trouble 齢30

劇団虎のこ

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/02/10 (火) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★

全4チームのうち3チームを観劇
07年の再演から通算して7~9回目となるが、作品自体の面白さに加えてすべてキャストが異なることによる個性の違いで毎回新鮮な感覚?
特に今回は2つのチームで冒頭の主人公の心理状態が真逆だったのが印象に残る

怪奇探偵丑三進ノ助 ~推して参る!~

怪奇探偵丑三進ノ助 ~推して参る!~

しゅうくりー夢

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2009/02/05 (木) ~ 2009/02/09 (月)公演終了

満足度★★★★

二重にワクワク
06年から07年にかけて上演された『大正探偵怪奇譚』三部作の現代編。前年に公開されたシリーズ第4作の某映画は舞台が現代に近づいた分、ややロマンに欠けてしまった感があったものの、こちらは化生(けしょう)と人類の共存を考えるというテーマそのものがいわばロマンなワケで全く問題なし。
今回は隠れ住んでいる化生たちを襲うグループ及びその後ろ盾と主人公・進ノ助の対立を中心として繰り広げられるストーリー、前シリーズと共通の3人(宮田彩子の猫っぷりは相変わらずイイ)はもちろん、子孫など縁のある人物も登場してかすかにリンクしていたり、新シリーズのレギュラーとなる(であろう)主人公の「弟分」も描いたりと、シリーズとしての面白さも加わって二重にワクワク。

怪盗ルパン 「コリアスタロの秘宝を奪え!」

怪盗ルパン 「コリアスタロの秘宝を奪え!」

ノーコンタクツ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2009/02/06 (金) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

原典を咀嚼吸収して昇華
前作同様、単なるパロディや模倣ではなく、原典を咀嚼吸収して自分の身にしみこませてからオリジナル作品として昇華させているのがイイ。
タイトルから想起される劇場版第2作の設定はもちろん第1作のキャラクター名なども取り入れつつ他の劇場版や2時間スペシャルを髣髴とさせるストーリーを展開させて「あるあるあるある」状態。また、炭酸ズノウプロジェクト時代からの舞台表現の巧みさも健在で今回は特にカーチェイスシーンが見事。
画面奥から手前に向けて走っている車列をやや俯瞰気味にとらえて、後方の車から先頭車までの間をカメラが移動したりズーミングしたりというスクリーン上の表現を舞台で見せるばかりでなくヘリから狙撃しようとしている人物までちゃんと見せるし…。

パイパー

パイパー

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2009/01/04 (日) ~ 2009/02/28 (土)公演終了

満足度★★★

野田地図としては異質?
なるほど、野田式SFってのはこういう風になるのね。8歳児を演ずる大倉孝二の味わいもあってか、どことなくナイロン100℃のSF系作品に通ずるような感覚?
ってか、今まで(=99年の『半神』以降)観てきた作品の中で一番ポップだしあれこれ他者の作品を想起させるしで、つまるところ異質な気がする。これもまた1000年も先の未来を描いたことによるものか?
また、得意の言葉遊び、今回はわかりやすい地口が多いというのもその一因か。

ネタバレBOX

あと、ベートーヴェン、ラフマニノフ、バーバー、ムソルグスキー、グリークなどクラシックを多様したのは『2001年宇宙の旅』を意識したのかしら?
なお、終盤の内容に武田泰淳の『ひかりごけ』をちょっぴり連想。
リーディング「一番の誕生日!」

リーディング「一番の誕生日!」

空晴

OFF OFFシアター(東京都)

2009/02/04 (水) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

ちょっとズルくないか?(笑)
第1回公演に先立って大阪のみで上演された旗揚げ作品とのこと。かつての仲良し3人組のうちの1人の妻が出産する直前のスケッチ風で、テキストを手にしてはいるものの動作(出ハケも含む)も伴うスタイル。
意外なオチで笑わせた後にキャスター(役)が読み上げる「いいことニュース」がまた微笑ましいというかあたたかいというか。
ただ、泣かせた後に笑わせて終わるのならともかく、その逆ってのはちょっとズルくないか?(笑)

引っ越しのススメ

引っ越しのススメ

空晴

OFF OFFシアター(東京都)

2009/02/03 (火) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

岡部流の優しさ満載
4年前にランニングシアターダッシュのダンディリーグで観ていたものの、程よく忘れていたのが幸いして、新鮮に感じたり「あぁ、そうだった!」と思い出したり…(爆)
で、男子独身寮的なアパートで2組の兄弟がそれぞれ和解(?)するストーリーは岡部(尚子:主宰・作・演出)流の優しさ満載。また観ることができてシアワセ。

汝、隣人に声をかけよ

汝、隣人に声をかけよ

コマツ企画

王子小劇場(東京都)

2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

台詞による交響楽
「コマツ企画がお送りする、自分が接した事の無いちょっと変わった人との接し方初級編」と銘打っており、まずいくつかの会話場面が提示されてそれらが時に関連付きながら次第に発展・変容して行くさまにM.C.エッシャーの「メタモルフォーゼス」を連想。
が、終盤のある場面でひらめいたフレーズは「台詞による交響楽」。
順次テーマが提示され、それらが時に同時に奏され、時に変奏され、時に再現されながら壮大なフィナーレ(大合奏)で締めくくられるのは交響楽なんじゃね?みたいな。
あと油断していると眠くなってしまうのも交響楽的?(爆)
そんなこんなで初見であった前回公演『動転』とはガラリと変わったタイプではあったが、これはこれでまた独特。

LoveLoveLove12

LoveLoveLove12

劇団扉座

六行会ホール(東京都)

2009/02/05 (木) ~ 2009/02/08 (日)公演終了

満足度★★★★

かなり満足
恋愛のみならず家族愛なども含んだ様々な「Love」に関するショートショートオムニバス、そのスタイルゆえにテンポが良く135分の上演時間もその長さは感じず。
恋愛エピソードの代表格として「ロミジュリ」の断片も差し挟まれているが、剣道部の先輩への告白に関するエピソードの次にジュリエットが道場から道着で出てきて(!)バルコニーのシーンになったり、「トゥナイト」(from 「ウエストサイドストーリー」)からそのままティボルト殺害の場になったりなんて融合があって楽しい。
他に6組の別離シーンのコラージュでは5組が対面で1組が携帯(なので舞台上には11人だけしかいない)だったり、女性の1人語り的なものではその相手とライバル(?)が時として人形的な動作になったりという演出が面白く、亡父(亡夫)の遺した手帳のエピソード(実話ベースなんだそうな)にはホロリとさせられたりもして、かなり満足。

UNDER

UNDER

劇団伍季風 ~monsoon~

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/02/05 (木) ~ 2009/02/09 (月)公演終了

満足度★★★

締めくくり方は鮮やか
火山の噴火により地下シェルターに避難した若者たちが強制労働させられており、しかも予想外の事故により食糧や水の貯えが乏しくなっており…ということで、前月に観た『DUST』にも通ずる重さ・暗さがあるが、本編で描かれているのは過去のことであり、それを調査に来た3人の研究員がコメディリリーフとなって(スベり気味なので賛否両論?)緩和しているのがちょっとした救い?
さらに重い・暗いなままではなく、終盤で矛盾点(シェルター内に残っていた日記になぜシェルターから出て行くところまで記されているか)を明らかにするメタフィクション的な部分から一気に希望を残す終わり方になるのは鮮やか。

噺劇と落語の会

噺劇と落語の会

北沢タウンホール

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2009/02/05 (木) ~ 2009/02/05 (木)公演終了

満足度★★★★

試みとして非常に面白い
桂九雀が企画して大阪では4年前から演っているという「噺劇」、東京での初上演とのこと。落語作品を舞台化したものはAGAPE Storeの『地獄八景亡者戯』(02年)やG2プロデュースの『地獄八景‥浮世八景』(07年)があるが、それらは装置を使って「演劇」にしていたのに対してこちらは装置はなく小道具も扇子と手拭いだけ、BGMも三味線と太鼓の生演奏とかなり落語寄り。
が、それだけにラストが落語本来のサゲの一言でスパンと決まる潔さに欠ける難点もあるものの、試みとして非常に面白い。
噺劇2本目の「芝浜」なぞ、3年の経過を語る地の部分をどうするのかと気をもんでいたら女房の1人語りにするというテを使っておりそのあたりの工夫も見事。

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