じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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劇団

時代空間 遊庵 ねこじゃらし(東京都)

2008/12/05 (金) ~ 2008/12/08 (月)公演終了

満足度★★★★

「朗読」では括りきれない
前回公演『春の朗読まつり』ほどではないにせよ「朗読」では括りきれない内容のパフォーマンス、ほとんど民家のような会場と相俟って独特の味わいあり。特に殺陣とのコラボ「燃えよ剣」で読み手が殺陣担当者の刀を扇子で受けたりする演出には感服。

スーザンナ・マルガレータ・ブラント

スーザンナ・マルガレータ・ブラント

劇団再生

Asagaya / Loft A(東京都)

2008/12/06 (土) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

オモロー!
初見であった前作『Symphony#09 罪と罰、マジで大迷惑!』が原典のリミックス…どころかサンプリングの素材に使った、的な再構築具合で原典を知らないとわかりにくそうだったのが、本作は原典にアレンジものをかすかにオーバーダブさせたレベルなので非常にストレートでわかり易く、そこに得意の(?)メタフィクション風味も加えているのが面白い。

鬨、唾棄すべき

鬨、唾棄すべき

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/12/05 (金) ~ 2008/12/08 (月)公演終了

満足度★★★

「殺人」という行為とその罪深さ
1930年代の話なのに当時は無かった銃器や当世若者言葉が出てくるのは気になるが、テーマについては全面的に肯定ってか、好きなテーマの1つである「憎しみ・恨みの連鎖を断ち切る」系なので評価が甘くなりがち…(笑)
主人公が妹のカタキとして復讐を遂げた(と思った)相手は手を下した前首領を殺した男で、その彼も主人公が自分を殺しに来るのを待っていた、などというのは「殺人」という行為とその罪深さを物語るのに適した設定。
さらに、敵方は「首領を殺した者がその後を継ぐ」のが習わしになっていて、これが「殺しの連鎖」というテーマや幕引きの台詞にうまくつながるんだな。
ただ、もう少しそのテーマを早めに提示して、もっと前面に出しても良かったんじゃないかな?な感あり。
ま、そのじれったさ(?)があるから終わり近くの「16代で終わりにしような」という力強い台詞(これ、イイよなぁ)がより活きるのかもしれないんだが…。

鈴木家 の はなし#00

鈴木家 の はなし#00

and Me

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2008/12/05 (金) ~ 2008/12/10 (水)公演終了

満足度★★★★★

絶品と言おうか完璧と言おうか
いつもながら…いや更に磨きのかかった会話が見事。 
全体的な緩急のバランスや間の取り方から細かい言い回しまで含めてリアルだしほど良く笑いもまぶしているし、絶品と言おうか完璧と言おうか…。 
さらに終盤で立った波を思いもよらぬオチでまとめるストーリー展開も巧みで、完成度高し。 
また、一見ぐうたらそう(?)な長女が四女を叱るシーンは個人的にツボ。

レモンスター

レモンスター

散歩道楽

シアタートラム(東京都)

2008/12/04 (木) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★

「変り玉」スタイル
ホムペなどの情報から「出る」と知ってはいたものの、ちょっと変わった出方な上に「それ」らしからぬキャラだったりしてコメディ風味なのが新鮮。
さらにシュールな要素も加わり独特の味わいがあり、終盤ではトーンが変わって立ち回り(けっこう本格的)まであるという「変り玉」スタイルなのでちょっとしたおトク感まであり?
奇しくも8日前に観た空ゼの日替わりゲストであった柴田あゆみと保田圭が中心的な役どころだったことからも察せられるように、通常の公演とは若干異なるらしいけれど、これはこれでアリな感じ。
その柴田演ずるヒロイン(でいいのか?)の存在としおつかこうへい演ずるところの「もう1人の(または真の?)主人公」の記憶が何のメタファーであるかいろいろ解釈する余地があるのも上手い。

アキストゼネコ

アキストゼネコ

チェリーブロッサムハイスクール

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2008/12/04 (木) ~ 2008/12/09 (火)公演終了

満足度★★★

ハイブリッド系
同窓会ものの1バリエーションかと思いつつもホムペやチラシにそれらしからぬ情報もあり、どんなんかなぁ?という興味と共に観たら…
かつての仲間の結婚前夜、今は廃校となり個人所有である学び舎に集結した面々…という状況は確かに同窓会系ながら、うっすらと不穏な空気(?)が漂っていて、それが次第に「封印された記憶」「秘められた儀式(的なもの)」などに結実して行き、何ともフシギな味わい。
そもそもチラシやチケットに血判らしきもの(劇中で血判そのものと判明する)があるし、そしてそれが “逆「座敷童子(ざしきぼっこ)のはなし」” 的状況につながるあたりは淡いホラー風味でさえあるし…
一定のジャンルにひとくくりにできないハイブリッド系(?)の作品でありました。

何処かのオムニバスのための四重奏

何処かのオムニバスのための四重奏

ニットイット

千本桜ホール(東京都)

2008/11/29 (土) ~ 2008/12/01 (月)公演終了

満足度★★★★

やったモン勝ちのアイデア勝負
同棲中のカップル、捕虜と軍人、女性記者と科学者、引きこもりの青年、の4つのエピソードから成るオムニバスで、各エピソードの出だしを個別に見せた後、複数のエピソードが同時並行的に演じられるというユニークなスタイル。
内容がリンクするオムニバスは多々あれどこれは逆の発想で、内容はリンクしていないのに同じSEが複数のエピソードに共通だったり、電話中の会話(相手の声は聞こえない)と別エピソードの独り言がかみ合っていたり、PCのキーボード早打ちが銃撃音に聞こえたりと、事象がリンクしているワケ。
終盤での「世界はつながっていても人はつながっていないのだよ」という台詞はその総括あるいは作者のエクスキューズ?(笑)
アイデア勝負と言おうか、何度も使えるテでないが、やったモン勝ち。

玉青の行方

玉青の行方

地球割project

ギャラリーLE DECO(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

一言で表現すれば立体リーディング?
役者が手にした明かりや「光るアイテム」を消すと本当の闇となる空間での「立体リーディング」。鐘と鈴の音を全体の句読点のように使いながら、闇のあちこちから声が聞こえ、時には演技も伴うという他に類を見ないスタイルが独特。

ネタバレBOX

内容は生まれる前の胎児を中心としたもので、時空を超越して知覧基地の宮川三郎少尉のエピソードや岡田以蔵の句なども出てきて、夢野久作の小説内の「胎児の夢」を連想。
また、最後に上手奥のドアが開かれた時に射し込む光に浮かび上がる構図も美しい。(後で気付いたら非常口のサインのようでもあったんだが(笑))
フライパンと拳銃

フライパンと拳銃

フジテレビジョン

東京グローブ座(東京都)

2008/11/28 (金) ~ 2008/12/15 (月)公演終了

「評価しない」のではなく「星無し」
何でそう安易に登場人物の命を奪うのか? それ相応の悪事を重ねた人物に対してであっても「死」は軽々しく与えるべきではない、と思っている身にとって、ほとんど罪のない人物を殺す意味がわからず違和感どころか腹立たしさまで憶えてしまう。
そこまでの展開もスラップスティックに徹しきれず、生温かくて気の抜けたビールか氷が溶けきって薄まった上に室温くらいになってしまった水割りのようにヌルい笑いがダラダラ続くだけで締まりがなく、せっかくの出演者たちが飼い殺し状態。
満足度は「評価しない」のではなく「星無し」。

SOLITUDE (本年度劇作家協会新人戯曲賞最終候補選出作品)

SOLITUDE (本年度劇作家協会新人戯曲賞最終候補選出作品)

SPIRAL MOON

「劇」小劇場(東京都)

2008/11/29 (土) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

結局、大楽も観ることに…
(伏字部分はネタバレBOXに)
いきなり***という幕開けと20年近い歳月を経て*******設定は意外だったが、根底に流れるのは************************系なのがやはりここの作品。ラストシーンの照明の色合いのあたたかさも象徴的。
あと、下手に「現場」、上手に居間、その間に屋外を配した装置は昼と夜が同居しているルネ・マグリットの「光の帝国」の如く、異質のものがシームレスに融合しているような気がする。

ネタバレBOX

夫殺害という幕開けと20年近い歳月を経て死者の声が届く設定は意外だったが、根底に流れるのは時空を超えて肉親の声や想いが届く肉親愛・親子の絆系なのが
約三十の嘘

約三十の嘘

演劇ユニット ぶるどっく☆けちゃっぷ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★

映画版より数段面白い
大谷健太郎監督の映画版(04年)を観た時は「期待したモノとは違った」な印象だったが、その内容を知った上で観たこと以外に、やはり舞台がオリジナルだけにこちらの方が数段面白く感じる。
往路と復路の間に休憩が入るというのも舞台ならではでちょうどいいブレイクになる(映画はコレができないことも不利?)し、モロモロ考えるに「密室系」舞台劇の映画化はけっこう難しいのでは?
列車のコンパートメントが舞台となっているだけに、縦に長い演技エリアを挟んで対面式の客席が2列あるというスタイルで、天井に張られたテープが走っている列車をイメージさせたり、開幕ベルが列車の発車時の電子音だったりで、劇場内ではありながらけっこう臨場感があったりもする。
また、終盤でトラブルによって舞台の照明が落ちた時に「またトンネルか?」「真っ暗だと誰を指名しているかわからないな」などと即興のセリフを入れてカバーしつつ演技を続けたキャストの機転もお見事。

マクベスがいっぱい!

マクベスがいっぱい!

CAPTAIN CHIMPANZEE

ザ・ポケット(東京都)

2008/11/26 (水) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

ほぼ絶賛状態
終盤での「的を得ていて」という誤表現(上演台本でも確認)が珠に瑕ながら、バックステージ系、親子もの、程度をわきまえた楽屋落ち、と好きなもの3点盛り状態でほぼ絶賛状態。「演劇ワールドカップ」予選での「マクベス」バリエーションに大笑い、先輩や自称ライバルの応援や生前わが子を抱くことができなかった守護霊の気持ちなどにホロリ。
その内容に加えて舞台上に(劇中の)舞台を作り、時として場転にもそれを使うなんてアイデアや、時には客席後方の通路や2階席(?)の舞台寄りの部分でも演技する演出も○。

風待雑歌

風待雑歌

O-MATSURI企画merrymaker

シアター風姿花伝(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/12/01 (月)公演終了

満足度★★★★

大学内ギャンブル王決定戦
様々なゲームによる「大学内ギャンブル王決定戦」の様相。ゲームの理論・必勝法なども語られ「それってホントか?」とか「自分がその登場人物だったら次の手は…」などと思わせて引き込むのが上手い。
メフィストフェレスも登場するだけに後半はかなりブラックなムードとなり、ユーモラスな持ち味にそぐわないのでは?と思っていたら、あるシーンで方向が見え、結局予想とは違ったものの当たらずとも遠からずな結末だったので納得。

なお、27日にノワール、29日にルージュと、両バージョン観劇。

猫目倶楽部

猫目倶楽部

空間ゼリー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

コンパクトなサイズ
女子大生(とは限らない?)を泣かせた悪いオトコを暴力は使わずに懲らしめる「絶世の美女3人組」の活躍譚。
序盤で基本パターンを見せて後半はより大きな悪と対決する構成、欲を言えば基本パターンをもう少し手際よく見せ、後半に重点を置いた方がよりバランスが良いような気もしつつ、テンポ良く進む(とはいえ、ちょっと暗転が多いか?)のでダレることなく80分というコンパクトなサイズなこともあって楽しく観る。

ナリスマス

ナリスマス

劇団K助

ウッディシアター中目黒(東京都)

2008/11/26 (水) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

レイ・クーニーばりのファルス
ハートウォーミング系コメディが得意なここ、今回はレイ・クーニーばりのファルス(笑劇)で、セオリー通りとはいえ苦し紛れの嘘や勘違いによって事態がどんどんこじれたり、奇跡的にピンチをすり抜けたりするのに大笑いすると共に、序盤で巧みに仕込んでおいた伏線が、いざ作用し始めると連鎖反応のように次々ととっさの嘘と組み合わさって行くのに感心。ホントによく計算されているんだ。
さらに騒動の元凶である主人公が周囲の人々をとりあえず丸め込んでまんまと逃げおおせそうになりつつ、しかしドタンバでバレて(ここでの相原美奈子の出方、オイしいなぁ)、それでもさらにスリ抜けようとする急ハンドルの連続のような終盤の展開が見事。終着直前に左右に大きく揺さぶるジェットコースターが如し。
ほかに出演者では中国人風日本語がリアルだった(日常生活でもついあんな喋り方になってしまっていたのでは?)広澤草と、主人公の企みに巻き込まれ、振り回されて大慌てな大竹浩一が特に印象的。
さらに、「戦国居酒屋」だけに壁のメニュー短冊の料理名もよく考えられていてウケる。

軍艦島~負けないみんなの鎮魂歌~

軍艦島~負けないみんなの鎮魂歌~

村松みさきプロデュース

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/11/21 (金) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度

終盤が安易かつ非現実的
ドキュメンタリー番組の取材でかつて暮らしていた軍艦島を再訪することになった旧島民たちとTVクルーを描いて終盤まではそれなりに良くできている人間ドラマだったが、詰めを誤ったというか終盤が安易かつ非現実的なため全体がブチ壊しになったのは惜しい。
島に残ると言う2人を容認する元島民って、ただの見殺し、どころか場合によっては自殺幇助だし(2~3日後に迎えに来る心づもりだったのかもしれんが)、プロデューサーの甘言によって放火するタレントも、人が残っていることを知っていてやるんだから(未必の故意による)殺人行為だよね。いくら落ち目で藁にでもすがりたかろうが、そこまでバカじゃないでしょ?
同じ悲劇にするにしてもどうして「人がいることに気付かずに火を点ける」設定にしなかったんだろう?

MAKOTO

MAKOTO

演劇ユニットスーパーコンプレックス

シアターブラッツ(東京都)

2008/11/21 (金) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★★

家族愛系の1つのバリエーション
おカマバーを舞台に性同一性障害もからめており、今まで想像だにしなかった家族の理解を得ることができないおカマちゃんたちの気持ち・悩みに改めて気付かされ、その道に進もうと決めた青年に自分と同じ後悔をさせないよう気遣うママや先輩たちの姿勢に感動。
特に終盤でホステスの1人が青年の父にくってかかるところからママの長台詞までは涙なしには観られない名場面。
考えてみるとかなりの変化球ではあれ、家族愛系の1つのバリエーションだったりもするワケで、感動するのもほぼ当然?
また、性同一性障害については理解しているつもりとはいえ、現実問題となったらやはり青年の父親のようなリアクションになってしまうだろうなぁ、などとも考えさせられる。

Ark.-アーク

Ark.-アーク

SHAFT

新宿シアターモリエール(東京都)

2008/11/22 (土) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★

VR的風味の「臨死界」
この世とあの世の間の「臨死界」を描いたものはよくが、本作はそこにVR界的な風味を加えているのがユニーク。
科学的にその位置も特定できそうという設定は軌道エレベーターが実現していたり効率化によって短縮した時間を「時間貯蓄」できたりする未来故か?(笑)
その「臨死界」には「なりたかった自分」たる分身がいて、現世に戻るにあたって「それまでの自分」との選択を迫られるというのは面白い着想で、他に映画並みのオープニング映像やごく短いものとはいえ擬闘もなかなか。
ってことで、それなりに満足。

夕暮れ放課後ひみつきち

夕暮れ放課後ひみつきち

ペテカン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/11/15 (土) ~ 2008/11/24 (月)公演終了

満足度★★★★

あの頃は二度と戻って来ないんだ…
現在進行形の女子高生と過去完了である担任教師の高校生活に対する想いの独白から始まる高校生活回顧系、そもそもタイトルだけでも琴線に触れるようなのにこの内容なので、もうココロのど真ん中直撃?(笑)
単なる「昔は良かった」「懐かしきあの頃」ではなくて「あの頃は二度と戻って来ないんだ…」なホロ苦さもあり、さらにその真っ只中にいる時はそれに気付きもしないなんてところまで描いているのがニクい。
だもんで、観終わって、当日パンフにあった出演者のコメントが胸に突き刺さる。

黄金の猿

黄金の猿

劇団桟敷童子

ベニサン・ピット(東京都)

2008/11/21 (金) ~ 2008/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★

「総力公演」な感じ
ベニサン・ピットでの公演は最後ということもあってかベテラン山本亘や松田賢二も迎えての大作、笑える部分が従来比で増量気味だったのは休憩込み2時間半超という長さゆえか?
ダイナミックで土着的な力強さを感じさせる演出も、大きく張り出した装置の上方の空間まで演技エリアに使ったりして従来比増量気味で、前週に観た某公演の謳い文句同様「総力公演」な感じ。
また、追う側と追われる側(攻める側と守る側?)を赤と青にクッキリ分けた衣装もステキ。
それにしても、ほとんどオープニングの段階から大量の本水を使うのにはビックリ。

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