じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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『すべての風景の中にあなたがいます』『光の帝国』

『すべての風景の中にあなたがいます』『光の帝国』

演劇集団キャラメルボックス

新宿FACE(東京都)

2009/03/05 (木) ~ 2009/03/29 (日)公演終了

満足度★★★

『すべての風景の中にあなたがいます』
梶尾真治のロマンティック系作品として典型的なタイムスリップもの。
主人公1人を中心に描いた原作をどう舞台化するのかと思っていた上に、いざ装置を目にしたら「山の中が大半なのに何で?」状態で「もしかしてタイトルと内容を取り違えて記憶していたのか?」とさえ思ったら、なるほどそうきましたか、な工夫あり。
そうすることによって、原作では地の文で語られている主人公の状況などを舞台に「乗せる」のはお見事。
とはいえ「いかにもキャラメル」なギャグが浮き気味…と言うよりはウザく感じる。

12人のそりゃ恐ろしい日本人

12人のそりゃ恐ろしい日本人

劇団チャリT企画

OFF OFFシアター(東京都)

2009/03/03 (火) ~ 2009/03/08 (日)公演終了

満足度★★★

シリアスなテーマをシュールやブラックな笑いで
裁判員制度の導入によって起こりうるシリアスなテーマをシュールやブラックな笑いで包みこみ、さながら「その食材とその味付け(あるいはその2つの食材)って合わないのでは?」と恐る恐る食べてみたら意外にも美味かった、みたいな…(笑)
がしかし、やはり別々に食べた方がそれぞれの旨みが引き立つのでは?な気もしないではない、的な?(←緩和しすぎか?(爆))
また、それまでのリアルな下宿屋の装置が終盤のある状況によって一変することを簡単に表現するアイデアがナイス。

DOG'S

DOG'S

LIVEDOG

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/02/26 (木) ~ 2009/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

完全ダブルキャストの面白さを満喫
雑種と純血種、飼い犬と野良犬などの気持ちをバックグラウンドにした犬界の覇権争い、基本的にはコミカルながらロマンスあり感動あり、さらに人間のエゴ(安易に捨てたり、外見的な僅かな奇形だけで冷遇したり、はては養鶏場のような悪条件下で仔犬を「生産」させたり)についてチクリと刺す部分もあり、なかなかに見事。
また、2つのチームでストーリーの細部や一部シーンの立ち位置はもちろん、登場「犬」物のキャラまで違う(演者に合わせてキャラをカスタマイズした?)ので完全ダブルキャストの面白さも満喫…どころか同一演出家によるのにここまで印象が異なるのは記憶にないくらいで。(単に忘れているだけだったり?(爆))

マチネ(J):B列11番
ソワレ(B):C列6番

恋人としては無理(JAPAN TOUR)

恋人としては無理(JAPAN TOUR)

柿喰う客

STスポット(神奈川県)

2009/03/05 (木) ~ 2009/03/09 (月)公演終了

満足度★★★★

ストイックに変身
前年4月の凱旋公演では会場の長辺側が演技エリアだったのに対して今回は短辺側が舞台という構造上の違いからステージ両サイドにも壁があることとキャラクターを識別するためのアイテム類が舞台になく後方の壁の陰に隠れていること(このスタイルは横浜公演のみとのこと)が開演前に気付いた違い。
始まってみると「識別アイテム」がピンクで統一されていたり、前回いなかったところの唯一「黒くない」(笑)単一キャストの「ツアーコンダクター」がいたりもして、それらの違いによってかなり趣を異にする。3方を囲む壁が白一色なこともあって、ストイックな印象?
さらに、わかりやすくするため&劇団競泳水着に感化された(笑)(アフタートークでの発言より)ために恋愛色を強めたとのことで、内容的にも変化したもののどちらがより良いということではなく、劇団四季の『JCS』のエルサレム、ジャパネスク両バージョンの如くそれぞれに特色があってどちらも面白いモンだから始末が悪い…(笑)
で、本作は柿の劇団としての特質が端的に出ているそうで、「ツアコン」はその「異様さ(笑)」を外からの目で見てより際立たせるための存在とのことだが、終盤ではストーリー全体をより高いところから俯瞰しているように見えたり、使徒たちを導きながらもいつの間にかいなくなってしまう存在のように見えたりして、「もしかするとアノ人の象徴?」「あるいは神の意思?」などといろいろな解釈ができて、深みも加わったか?
また、終盤で使徒たちの殉教も語られるのでやや重くなった感もアリ。
今後も2年ごとくらいに劇団状況を反映させつつ演を重ねる構想もあるそうで、それにも期待。

ギザギザのお月様

ギザギザのお月様

劇団EASTONES

駅前劇場(東京都)

2009/02/26 (木) ~ 2009/03/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

本格的娯楽時代活劇
長屋で貧乏暮らしをしている職人3人組が千両箱をまんまとせしめる計画を持ちかけられて実行するが、思わぬ展開になり…という物語。
この規模の小屋でここまで本格的な娯楽時代活劇を、しかも「小劇場的な値段」で観ることができようとは。
そもそも昨今の小劇場的時代劇では髷をつけないのみならず、衣装も現代的にアレンジしていることが多く(それが悪いと言っているワケではない:念のため)、こんな風にキチンとした和装に髷をつけた人物が登場しただけで「ここは紀伊國屋ホールか?」などと思ってしまうワケで…(笑)
そこへもってきてストーリーは起承転結がキチンとしていて、笑い、スリル、泣かせドコロもバランス良く配され、殺陣・アクションは安売りせずに「ここぞ」というところで効果的に使う、と基本に忠実というかどっしり安定しているというか、危なげないどころかツッコミどころすらないほどの完成度。
で、「殺陣・アクション」と書いたのは、剣術の達人の刀捌きの美しさや、力量の差をクッキリと見せる殺陣に加えて G-Rockets メンバーの身のこなしが見事なアクションまであるから。
早くも第2回公演が待ち遠しい。

人間園

人間園

角角ストロガのフ

王子小劇場(東京都)

2009/02/26 (木) ~ 2009/03/02 (月)公演終了

満足度★★★★

文字通りの「ブラックユーモア」
観たことのないトコロも含めて個性的な劇団・ユニットのメンバーを中心に、主にドラマや映画で活躍する女優まで加えた多彩なキャストで演ずるブラックコメディ、猛毒あるいは一篇の悪夢のようなドス黒い内容なのにどこか可笑しさが漂って重たくならないのは鈴木聖奈の癒しオーラ効果か?(笑)
また、「そっち系」のもう1人、栗原瞳は龍騎の編集部員よりも555のスマートレディ的な魅力をふりまいておりステキ!
あ、いや、もちろん小劇場系の個性派勢揃いな面々も皆さんそれぞれステキでしたが…(笑)
ところで立浪先生が「みんながストレスのない学校生活を送ることができるように」と前置きして「いじめ推奨」と板書するところなど笑うトコロでは? ってか、文字通りの「ブラックユーモア」なのだからもっと笑い声があってしかるべきでは?
また、4つ(+α-β)の異なった箇所をうまく組み合わせた装置と、その構造・配置ゆえ時として空間を超越する演出(コワれた後、職員室に突如現れる密花先生とか、レイプシーンを撮影する犬塚とか)が面白い。
これもまた、「アクセルを踏みながらブレーキも踏んでいる」というか、相反する要素(毒と笑い)が混在している独特の世界。
あと、当日パンフに掲載された舞台での基本的な位置&似顔絵付きの出演者紹介は有難い。またこの似顔絵がよく特徴をとらえていて見事。

爆走!大爆笑!

爆走!大爆笑!

MK-Box

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★★

記憶の虫干し状態
06年11月の『人生大爆走』の改訂版で、近付いた卒業まで問題を起こさないようにとワケありの社長から私立探偵に預けられたガングロ令嬢(?)が依頼人のトラブルを「みんなまとめてメンドーみたヨ」な物語、上演時間が初演時(約100分)の3割増の130分というのはこの小屋ではちょっとキツいか?
とはいえ、程よく昔に観たので、よく覚えている部分、観ながら「あぁそうだった」と思い出せた部分、全く記憶にない部分(改訂によって加わった部分であって欲しいが)などいろんなパートがあって記憶の虫干し状態。(爆)
で、栗コーダーカルテットによる「ダース・ベイダー・マーチ」「ハイウェイ・スター」などはよ~く覚えており、個人的なツボ。
あと、クライマックスの「爆走」シーンでのムーヴィングライトの使い方もほぼ初演のまんまで、これも上手い。

アイズ[aiz]

アイズ[aiz]

One on One

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/02/26 (木) ~ 2009/03/02 (月)公演終了

満足度★★★★

記憶ネタって最近のトレンド?
劇団初の再演もの(初演は未見)で、角膜の移植によって記憶も受け継がれる説が実証された近未来の物語。
「ブラックジャック」中の挿話「春一番」で角膜のドナーが最後に見たものがレシピエントにも見えるとか「キイナ 不可能犯罪捜査官」の第1話で移植された心臓によって記憶が継承されるとかのネタを目にしていたので基本設定については全く抵抗がなかったものの、角膜移植による拒否症状によって死に至る(ことがある)という部分はちょっと引っかからないでもない。
心臓移植による拒否症状なら心臓そのもののトラブルだし、蜂の毒によるアナフィラキシー症状なら「毒」によるショックだし、ということで納得できるのだが、たかが(?)犬の角膜移植、せいぜい失明レベルなんじゃないの?とか思ってしまって…。人間のカラダって、そこまで繊細なのか?
とはいえ、結局2巡くらいする「鈴のついたペンダント」の行方や「依頼人」の正体や目的も含めてストーリー本体はシッカリしているし、それを「いかにもミュージカル」な重唱を含む楽曲や「盲導犬の記憶」担当者を筆頭とした優れたダンスで彩って、いつもながらお見事。
ホント、大手のミュージカルに引けをとっていないのでは?
それにしても、前日のマチネも記憶を共有したりするハナシだったし、記憶ネタって最近のトレンドなのか?
さらに、落語「犬の眼」なども思い出す。いや、ちゃんと共通点があるのよ、これが。
あと、タイトルはダブルミーニング(「eyes」&「合図」)だったのね。

ワンダーランド2400 ★グリーンフェスタ2009「Box in Box THEATER賞」受賞作品★

ワンダーランド2400 ★グリーンフェスタ2009「Box in Box THEATER賞」受賞作品★

マグズサムズ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2009/02/25 (水) ~ 2009/03/02 (月)公演終了

満足度★★★

「新・大衆演劇」みたいな?
個人経営のネットカフェでの人間模様、ベタというか既視感アリアリというか、意外性は全くと言っていいほどないけれど、オチを知っている古典落語を何度聴いても笑えるのと同様、キャラ設定と演技によって客を笑わせてしまうのはある意味「新・大衆演劇」みたいな?

ピューパルメモリ

ピューパルメモリ

DMF

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★★

休憩なし160分を走り抜ける
前作同様単純な勧善懲悪ではなく、中盤までは誰が正しいのかすら見えにくい展開なので実時間より長く感じても不思議はないのに休憩なし160分という長尺をダレさせずに走り抜けるのはスゴい。
アクションもいろんなバリエーションがあって単調にならないからか?
ただ、至近距離にしては射撃の命中精度が低過ぎる上にたとえ被弾(あるいは斬られたり刺されたり)してもかなり元気(ターミネーターかいっっ!!!)なのはど~よ?(笑)
その一方、「観たい!」コメントでの懸念は幸いにしてハズれ、最終作へつながりはするものの単品としても一応の決着はついており、一安心。

K

K

K Dash Stage

赤坂ACTシアター(東京都)

2009/02/25 (水) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★

やはりハコが大きすぎ
殺人事件モノながら起きた事件以降の出来事を主に描く「フーダニット」ではなく、冒頭で事件の概要を伝えた後、遡って以前の状況を描き、最後に殺人場面に至る「ホワイダニット」、その趣旨はよくわかるし、ドラマとして良く出来ていることも認めるが、殺人にいたる人物の内面をジックリ描いて殺人場面に説得力を持たせるにはやはりこのハコは大きすぎ。せっかくの主人公の心情吐露の演技もおそらく客席の隅までは届いておらずもったいない。
そんな中、桑原裕子や水谷あつしなどはさすがに慣れているというか、ポジションを心得て見せるところでは見せて、ある意味オイシイ役どころ?
この出演メンバーでは難しかろうが、できれば笹塚ファクトリーとか、せいぜいシアターサンモールあたりで観たかった。小劇場系のキャストのみで再演してくれないかしら?

夜の来訪者

夜の来訪者

シス・カンパニー

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/02/14 (土) ~ 2009/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

通算5回目
75年のドラマ版から悪名高い『インスペクター・コールズ』も含めて通算5回目となるが、終盤で「彼ら」が追い詰められて行くあたりは毎度ながらワクワクし、最後の電話の内容は「キターーーッ!」みたいな。(笑) ただ、内容と若干そぐわない時代設定にしたことには疑問が残る。

人~サラン~

人~サラン~

CAP企画

劇場MOMO(東京都)

2009/02/24 (火) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

なかなかの出来
在日コリアン女性と日本人男性(2組)の交際に関する問題を軸に家族愛、人間愛や相互理解のためのヒントなども絡ませた上に程良く笑いもまぶしてなかなかの出来。
 
性同一性障害のケインが元・警官の彼に理解されるあたり以降が特に良く、かつて日本が犯した罪への批判のみならず、コリアン側の受け止め方に対しても批判し、その中から「じゃあ、どうしたらいいの?」まで言及していて考えさせられたりホロリとさせられたり。
 
ただ、そのケインのパート、終盤で「性同一性障害であっても同じ人間である」=「国籍が違っても同じ人間である」とメイン部分とカブらせるところはイイのだけれど、そこに至るまではほとんどクロスしていず、水と油のような印象がるあるのは惜しい.
さらに、冒頭でケインが「看護士になれたのはあの人のおかげ」と口にしていながら終盤で「それはまた別の話」とはぐらかすのもどうも…

オンリー・ユー

オンリー・ユー

鈴舟

シアターサンモール(東京都)

2009/02/24 (火) ~ 2009/03/01 (日)公演終了

満足度★★

内容的にも「小粒」な感じ
片田舎(だと思う)の小さな郵便局に強盗が押し入り…という犯罪コメディ、鈴置洋孝プロデュース時代から通じて一番コメディ寄りなのはともかく、ハートウォーミング要素が少ないのはやや不満。
それに加えて内海賢二が声だけの出演というのは事前に知っていたけれど、麻生美代子も比較的出番が少なく、90分という上演時間だけでなく内容的にも「小粒」な感じ。
そもそも強盗立てこもり系のコメディではショーマの『バンク・バン・レッスン』など傑作があるワケで…。
とは言え、コンパクトなサイズでそこそこ笑えたから、まぁよしというところか?

「三島由紀夫を読む!」

「三島由紀夫を読む!」

横濱・リーディング・コレクション

相鉄本多劇場(神奈川県)

2009/02/21 (土) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

トリッキーな「美と…」が面白い
COLLOLの田口アヤコ「劇作」による「美と…」は討論ものゆえ三島役を舞台、学生役2名を客席に配する他、音効や動作など「バックグラウンド」を担当するメンバーがいるというトリッキーなシカケが面白い。一方、「わが友…」は洋モノに弱い身(爆)としては今ひとつピンと来ず。

鬼姫

鬼姫

虚飾集団廻天百眼

タイニイアリス(東京都)

2009/02/20 (金) ~ 2009/02/23 (月)公演終了

満足度★★★

でぃす・いず・あんぐら
神社などにテントを張って巡業していた見世物(「六尺のイタチ」(笑)とか「狼少女」とか…っていつの時代だよ!)を想起させる「多少の胡散臭さを伴う妖しさ、不気味さ」が漂いまくる、吸血姫たちを中心とした百鬼夜行的物語、チラシのデザインや掲載内容からの予想通り「でぃす・いず・あんぐら」。
時として散文詩のような美しい台詞はあるわ、耽美的かと思えばグロだったりもするわ、白塗りやどぎついメイクのキャラも登場するわ、ホントに「アングラの王道」みたいな?
その一方で、殺陣にバレエをとりいれたり、ポールダンスならぬ「ポールエアリアル」があったりと斬新な部分もあり、「ほほぅ!」と感嘆。
また、永劫に仇討ちのための闘いを続けるという部分に佐藤敏宏監督の『今昔伝奇 剣地獄』(02年公開)を連想。

うぐいすっ

うぐいすっ

KUSARE芸道R

シアターブラッツ(東京都)

2009/02/20 (金) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

σ(^-^) 的には原点回帰
短編コント(連作もアリ)と中編パロディドラマの組み合わせで、劇団名に「R」がついて(=σ(^-^) が観始めて)から3回ほど上演した「ぼんやり劇場」シリーズと似たスタイル。
そんな刷り込み効果もあってか、σ(^-^) 的には原点回帰のような感覚もあり、ナンセンス満載、おバカ万歳な内容を満喫。
もうホントに「しょーもねー」以外のナニモノでもないのに、時には非常に滑らかで自然な、時にはしゃべくり漫才のようにテンポの良い台詞回しで引き込んで、笑わせて、気付いてみれば「え、もう終わり?」みたいな。
また、影絵(前説用は一部リニューアルされてるし…(笑))の使用もいつもながら見事で、時として小道具というか装置というか、その役目まで果たすなんてアイデアもイイ。

闇に咲く華

闇に咲く華

劇団伊達組

赤坂RED/THEATER(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

それぞれの人物にキチンとドラマ
意外な部分も含めて顔合わせの妙と言うべきキャスティング(「座長まつり」的でもある?(笑))は劇団名と異なり「伊達」ではなく、五右衛門のみならず、捕り手側や遊郭、市井の人々などそれぞれの人物にキチンとドラマがあって見応え十分。しかもそれを110分で収めているワケで。
また、殺陣にしても一般的なものはもちろん、歌舞伎風あり、実際には対峙している2人を1人は手前、1人は奥に配してともに正面から見せる、映画で言えばマルチスクリーン的な見せ方(かつてショーマがこのテの手法を得意としていたっけ)ありといろんな手法で見せてくれるし、そっちの面でも充実。
あと、クライマックスで焼け落ちる建物の梁などを布で表現するのも○。S.E.や照明と相俟ってちゃんとその場面が目に見えるようで、これぞ舞台芸術の神髄!
なお、五右衛門の装束とラストシーンから最近ヒットした日本映画をちょっとだけ連想。

宇宙花火師

宇宙花火師

宇宙食堂

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

マンネリ回避に成功
過去3回の公演と比べて今回は1番現在に近く、得意の(?)宇宙空間ネタもありながら地球上でのドラマが中心となるのが特色で、マンネリ回避に成功。
さらに今回は「和のテイスト」を謳っており、本編に先立つアヴァンのパートは主人公がまだケンカに明け暮れていた頃で2049年の未来でも「火事とケンカは江戸の華」は変わらないところを見せて、もうそれだけでニヤリ。
以降、宇宙と花火という一見接点のあまりなさそうなネタをうまく結びつけたストーリーが展開。前半はちょっとテンポが良くなく、散漫な印象もあったものの、「宇宙花火」の計画が起案されるあたりからはグンとスピードアップ。アクションやサスペンスも交えて結末までは一気に走り抜ける、みたいな。
ただ、「星村庵」の従業員制服はいくら和テイストといえども往年のアメリカ映画に描かれた「ゲイシャガール」のようであまりといえばあんまりなのでは?(笑)
が、そこはともかく、舞台美術全体に漂う「レトロフューチャー感覚」は面白かった。

カブ太が嘘をついた

カブ太が嘘をついた

劇屋いっぷく堂

新宿シアターモリエール(東京都)

2009/02/18 (水) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★

例えば線香花火のように
人気マンガのキャラクター・カブ太をシンボルとして「カブ太の街」を宣言する商店街のセレモニーに呼ばれたマンガ家は、実はストーリー担当で画が描けず…という物語。前回とはやや趣を異にしていたが、また別の味わいがあってこれはこれでアリ、な感じ。
例えば線香花火のように、トラブルが次第に大きくなって行くがそれぞれ落ち着くべきところに落ち着いて静かに終わる構成は安定感があると共に終わってしまう一抹の寂しさのようなものがあって巧み。

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