じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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肩の上で踊るロマンシングガール

肩の上で踊るロマンシングガール

「佐藤の、」

新宿眼科画廊(東京都)

2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★

ディテールがリアル
同棲中のカップルの男性がある朝目覚めると女性に変身していたという「突拍子もない」設定ではありながらディテールがリアルなので全体が絵空事にならず、説得力さえあるのが巧い。
2人のちょっとした会話とか「クラムボンの手書きPOP」のエピソードとか、ホントに自然と言うか、リアリティがあると言うかで見事。
さらに、
「映画、面白いといいね」
「面白くなくても2人なら「つまんなかったね」って盛り上がれるじゃん」
なんて会話もイイんだなぁ。(ホロリ)
また、根岸絵美の演技も、「カラダは女でもココロは男」ってか「元・男」な感じがモロで(笑)、これまた説得力アリ。
で、2回ほど(ソロ&デュオ)ダンスっぽい部分があったのはいかにも広田淳一演出。(笑)
終盤の別れは、仲が良くて「ケンカしたワケでもないのに何でアイツら…?」なペアにも似て…。(そういうカップルを比喩で描いたということではなかろうが)
あと、小屋造りつけの「物入れ」を装置としてうまく使ったアイデアとか、冒頭の朝の白みや途中での切れかかった電球を表現した照明効果などもナイス。
次回はどんな顔合わせでどのような内容になるのかわからないが、早くも期待。

喜劇工房 あちらのお客さまから

喜劇工房 あちらのお客さまから

produce unit 大森そして故林

駅前劇場(東京都)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★★

夢の顔合わせ
コントのような二人芝居三場で下地を作っておき、全員が揃っての第四場で人情噺的に締めくくる構造が巧み。オチが若干甘い気もするが劇団離風霊船、ペテカン、and Meそれぞれのファンとして松戸俊二、本田誠人、笹峯あいという「ゴールデントライアングル」もしくは「夢の顔合わせ」に免じて片目をつぶっておこうか…(爆)

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】

殿様ランチ

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了

満足度★★★

ヤられたァ!
龍馬が暗殺された夜の近江屋の隣の民家を描いた(=グワィニャオンの『池田屋・裏』を連想)ということは事前情報で知っていたものの、会場に入って装置を見たらさらに捻りが加わっていることがわかってニヤリ。
舞台上にあるのは資料館的な施設に忠実に再現された民家という設定で、本編にあたる部分は劇中劇というシカケ。イントロダクションはその施設を見学している観光客と施設のスタッフによる会話で、それによって本編の状況を観客に知らしめるというアイデアがユニーク。
その本編は近江屋事件とはほとんど無関係でありながらもごくかすかにリンクしているのが面白い。やはり直前に wikipedia で予習したのは正解。
あと、タイトルの「ねずみ」が意味するものが判明する瞬間には「ヤられたァ!」と…(笑)
盗賊だか義賊だかの文字があったのでてっきりアノ「ねずみ」のことかと思ってたわさ。

リボルバー

リボルバー

劇団M.O.P.

紀伊國屋ホール(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★

コクのあるオトナのドラマ
一言で表現すれば「コクのあるオトナのドラマ」。そういえば、こういうスタイル・傾向ってσ(^-^) がよく観る中では少ないかも? そう考えるとあと1作品を残すのみというのは非常に惜しい。観るまでは最終公演がまだ1年も先なのであまり実感が沸いていなかったのに、いざ観るとやっぱり感ずるところのものが…。
当日パンフによれば初期作品『ピスケン』(未見)をリメイクしたものだそうで、しかし時代設定が大正末期から明治初期に変わったことで内容はかなり異なる様相。
幕末は芝居やドラマ・映画でよく取り上げられているが、その少し後の明治初期はあまり観たことがなかったので「幕末のあれやこれやの余波がまだそんなにあるんだ…」という感覚で新鮮。
また、三上市朗が『サニー・サイド・ウォーク』(99年)で演じたミフネっぽい浪人を想起させる役どころだったのは嬉しい。

聖者の行進/reprise

聖者の行進/reprise

劇団820製作所

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2009/07/29 (水) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度★★

今ひとつ理解できず
「東京バビロン演劇フェスタ#1「神なき夜に…」…現代犯罪フィールド 参加作品」ということで、たとえば人を殺めるに至る気持ちであるとか、部分部分は何となくワカるものの、抽象的あるいは比喩的な表現が多くて、全体を通しては今ひとつ理解できず。
冒頭でまず「小鳥」が見当たらないというシーンを見せた直後にストーリーテラーを務める「コトリ」がいないシーン(ほとんど同じなのだ)を続けて見せ、その次の三巡目にやっと先に進むという、アナログレコードにキズがついた時(若い方にはワカらんかもなぁ…)を想起させる手法を使ったのは面白い。

ミートボールの花束を

ミートボールの花束を

天然工房

劇場MOMO(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了

満足度

没入できず
「闇の職安」なるサイトで集められた面々が互いを色で呼び合うという事前情報から「和製レザボア・ドッグス」かと思いきや、冒頭で5人がすでに囚われの身であるという…
5人全員を捕まえるだけの警備力があるなら何で侵入を阻止することができなかったのか、という点と、運ぶブツが「像」ではなく「象」だと知っても(報酬が魅力だとはいえ)犯行を継続しようとした、という点に説得力がなく、今ひとつ没入できず。
前者については終盤で明かされる「ウラ」によって納得はできるのだが、全体がキッチリしている中で後半にちょっとひっかかるモノがあって、それが実は…、というのならともかく、序盤から90分近くもモヤモヤしたままというのはいかがなものか。
さらに出演者6人のうち5人がほぼ終始「お面」をつけており、表情を見せないというのも不満。
結果論だが、こんなことなら見逃した方が良かったかも。

溺れる家族

溺れる家族

アロッタファジャイナ

タイニイアリス(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/27 (月)公演終了

満足度★★★★

「家族のカタチ」を多面的に提示
若干類型的な部分もありつつ、複数の家族を同時併行的に描き、悲劇や軟着陸など様々な「家族のカタチ」を多面的に提示して観応えアリ。
また、序盤において直前の場の登場人物のうちの1人が次の場にも出てくる「しりとり」のような展開にすることで、各人物の相関関係を示すのはクレバー。その部分を観ているだけでアタマの中に「人物相関図」が描かれ、その後も脳内の相関図は補完されて行くシカケ。
さらにクライマックスで和郎の金沢時代の「真実」を3つの時空をクロスさせた証言によって浮き彫りにするのも極めて演劇的で好み。
ただ、音楽で泣かせようとするのはズルい?(笑)…ってか、序盤から「音楽の使い方がちょっと映画っぽいな」という気はしており、「観たい!」コメントに「園子温監督の『紀子食卓』的なものを勝手に漠然とイメージ」と書いたのはある意味アタリ、みたいな…(笑)
ところで、「美緒が美和にもっとキチンと説明しておけば…」なんて言うのはヤボ?(笑)(ま、ここんトコは軟着陸するからイイのだけれど)

刻め、我が肌ニ君ノ息吹ヲ

刻め、我が肌ニ君ノ息吹ヲ

amipro

アイピット目白(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/27 (月)公演終了

満足度★★★★

初々しい「白夜」・熟練の「紅蓮」
ヒロイン・静の独白に「恋の話だ」というフレーズが度々出てくる通り、4月に上演されたASSHによるオリジナル版と比べて「恋の話」に特化してシンプルかつストレートに生まれ変わった感じ。
そのシンプルさから観ている最中にオリジナルを刈り込んだのかと思って終演後に確かめたら実は逆に15分ほど長くなっていたというのも面白い。
一番の目当てであった鎌田奈津美は、これが2度目の舞台出演とのことながら落ち着いたイイ演技で、終盤の「何で私全部忘れちゃうんだろう」という台詞では切なさもたっぷり表現して見事…って、これは贔屓目か?(爆)
若々しい、あるいは初々しい「白夜」チーム(=設定年齢に近い配役と言えるか?)に対して「紅蓮」チームは熟練したメンバーというオモムキで安定しており落ち着いて観ることができる。
「白夜」では舞台が狭い分、窮屈で不自由そうに見えた冒頭の8人での立ち回りもスピード感をもって演じており、そんなところはさすが。
舞台が狭いと言えば、装置も祠を下手に据える形でオリジナル版のものをトリミングしており、「その者…」という文が彫られているのは洞窟の壁ではなく(そもそもこちらには洞窟がない)祠の側壁という工夫もこらされていて、なるほど、と…。
そんなこんなを踏まえれば、ツウ好みのASSH版、万人向けのami/KEN版といったところか?

盗聴されてるッ

盗聴されてるッ

グワィニャオン

萬劇場(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

満足度★★★

やっぱりテッパン
アイデアを凝らした新商品を開発しながらも他者に先を越されてしまうことが多くどうやら機密が漏洩しているらしい女性下着メーカーが、社長の別荘で社内プレゼンを行う中、そこでさえも盗聴されていることが判明し…というワンシチュエーションのコメディ。
まずはユニークな機能をもった3種類のブラにニヤリ。また、盗聴されながらもバレないようにコトを進めようと開発者の親類に喩えて商品説明を行うのが何とも愉快。
また、観客として被盗聴側の視線で観ているものの、盗聴側が会話を分析して商品説明が始まっているのではないかとことに気付く場面では「おぉ、盗聴側の分析力、スゲぇ」と感心してそっち寄りの視線になったり、盗聴側が内通者に指示を送るあたりでは「誰が内通者か?」と読み取ろうとしたり、もう西村主宰の掌の上を転がされているよう…。
ん~、σ(^-^) ってイイ観客だ。(爆)
盗聴されているために言いたいことも言えない状況から、なにかと気を使ったりしてハッキリ物が言えない社内の空気を反省する社長(深読み?)のパートがやや教訓臭いのと、リピートがちょっと多いかも?な気はするものの、アイデア勝負の傑作、やっぱりここってテッパンだなぁ。

いってきますの、あと

いってきますの、あと

空晴

OFF OFFシアター(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

満足度★★★

姉と弟の会話が白眉
弟と二人暮らしをしている姉のもとに、弟の勧めに従って家出した小学生の担任教師と父が押し掛け…という状況から始まる物語で、前半がコミカルで後半があたたかいという構造。
娘を心配する父(上瀧昇一郎)の姿に、認知症となり田舎暮らしをしている父のかつての面影を見出した姉(岡部尚子)と弟(平本光司)の想いがにじみ出る会話が白眉。
その前の会話で父は存命ということは薄々想像はついていて「あ、やっぱりそうか」と思わせるが、それを明かした後にこれ、という二段構えなのが巧み。
また、最後の台詞が「いってきます」で、風鈴の音で全体を締めくくるのも巧い。

まゆつば

まゆつば

バッカスカッパ

中野スタジオあくとれ(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★

前半はコミカルで後半はあたたかい
「閻魔庁」へ連れられる途中で迷ってしまった「はぐれ魂」の案内所を中心に描いたファンタジックコメディ。
終盤で小川(岡部光祐)が妻(菅川裕子)に会うシーン(「遺した想いを相手に伝える」パターンってσ(^-^) の最大の弱点かも)を筆頭に後半はほのぼのとしたあたたかさが満載。
戦没して天国行きが確定していながらも特例的に会いたい相手を待ち続けることを許されている大島(成田沙織)の相手が篠崎(大見遥)の祖父だったというのも巧い。
この、前半はコミカルで後半はあたたかいという切り返し・対比が鮮やか。

アルバトロス

アルバトロス

ホチキス

王子小劇場(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

珠玉の会話に正統派漫才まで
リストラされた元サラリーマンがひょんなことから漫才コンビの相方となっての1週間、キッチリと組み上げられたコメディであるばかりか6日目の夜の二組の会話は珠玉の台詞多数でホロリとさせ、最後のネタ合わせでは正統派の漫才(これがまたテンポも良くて笑えるんだ)まで披露して見事。
また、電柱のミニチュア(?)の精巧さにも感心。
それにしてもヒゲなしで七三分け、スーツ姿の加藤敦には違和感が…(笑)
いや、似合っていないのではなく、妙にキマているので最初に出てきた時なんて「え、誰?」だったくらいで…(爆)

Tower of Sugar

Tower of Sugar

ドリームプラス株式会社

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

上演中に通路を直立歩行するスタッフに呆れる
開演後間もない頃、3~4回にわたって遅れて来た客を誘導する男性スタッフが終始直立状態(客は腰をかがめていた)という珍しい光景を目にする。このスタッフ、どこかの御曹司か何かで世間知らずだったんでしょうかね? 
 
\(・_\)ソレハ (/_・)/コッチニオイトイテ… 
 
心霊スポットと言われる廃病院に、肝試しのカップル、そこをお化け屋敷のアトラクションに改装しようとする関係者たち、連続バラバラ殺人事件を捜査している刑事コンビなどが集まり…というホラーコメディ、前半は伊丹ドンキー流の(って、本作は穴吹一郎名義なんだが)ドタバタ系、後半はホラー色が濃くなるも馬場巧がコメディリリーフとなって絶妙のタイミングで笑いも挟む構造が巧み。
また、このテの作品ではおなじみの「実は霊だった」というパターンも、割と早いタイミングで読めるものあり、終盤で明かされて「あ、そっちもか!」と納得させる(←伏線が利いている)ものありで上手い。
ってか、早いタイミングで読ませるものが「おとり」となってもう一方を読ませないのかも。
通山愛里が降板したのは残念(代役の黒木マリナも悪くなかったがかつて観たことがあるんだもん)ではあったが、総じて満足。
ただ、140分という上演時間も「ちょっと長め?」程度にしか感じなかったとは言え、もう少し刈り込めたんじゃないかな?

満足度については非常識なスタッフと本編で相殺。(むしろマイナスか?)

猫目倶楽部2

猫目倶楽部2

アップフロントエージェンシー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2009/07/22 (水) ~ 2009/07/27 (月)公演終了

満足度★★★★

椎名法子と村上東奈が○
先日の『UNO:R』とは脚本・演出各担当が同じながらコンセプトをガラリと変え、敢えてベタなところを狙った娯楽作、シリーズ2作目とはいえ前作の焼き直しではなく、新たな設定や新メンバーを加えて3作目への伏線かも?な部分まで盛り込んだのが見事。
映画だと2作目は1作目と大同小異にしておき、3作目でそういう趣向にすることが多い(←私見)のに、2作目でこうするなんてゼイタクかも?(笑)
また、「暴力は暴力しか生まない」なんてあたりはツボ。
出演者では一番の目当てであった椎名法子がやはり上手く、キャラクター勝ち的な部分もあってかなり満足。
一方三好絵梨香は、演技(とくびれ(爆))は悪くないのにアクションのキレに欠けるのがちょっと残念。
残念と言えば、以前より頬がコけ、メイクも変えたのか「不自然なオトナ顔」になっていたのもやや残念。
ノーチェックだった新メンバーの村上東奈(てれび戦士出身だったのね)はツッパってるあたりがツンデレ系(ただし9割以上が「ツン」(笑))で良いことに加えて表情の変化もイイし動けるのが◎。今後注目か?
あと、深寅芥、阿部イズムのお二方は、少ない出番ながら出ると場をさらってしまうオイシイ役どころで、さすがっちゃさすが、ズルいっちゃズルい。(笑)

風を継ぐ者

風を継ぐ者

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2009/07/11 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

非常に満足
キャラメルを観るようになって間もない頃に初演版をTV放映で観て刷り込まれ、再演版は当然生で観て、ともに感銘を受けた思い入れのある作品だけに「期待半分、不安半分」だったが、若手主体の新キャストでも全く違和感がないばかりか「そのポジションをこの人が務めるようになりましたか」な嬉しさ(?)もあり、内容も当然良くて非常に満足。

ネタバレBOX

全体では各キャラクターの「それぞれの優しさ」を描きながら、クライマックスで一気に緊張感のあるものに転じ、しかし、斬り合いを経ても人死にを出さずに終わるなんてのが巧い。
旅がはてしない

旅がはてしない

アマヤドリ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/21 (火)公演終了

満足度★★★

管弦楽編曲版、的な。
初演の脚本を刈り込んだサナギ版がピアノ・ソロとすればこちらは管弦楽編曲版(←「展覧会の絵」のイメージ)、メロディと使っている和音は同じなのにスケールが大きくきらびやか、的な。
また「人と人とのつながり」「意識とは」などを描いた内容は多分に散文的・哲学的で解釈の余地が大きく、人によって受け止め方が異なりそうなのが面白い。…ってか、自分でも受け止めきれなかった感がある(爆)ので何年か後にまた上演して欲しいモノです。
そんなCoRich的に「初めて演劇を観る人に」は「勧められない」内容な上にサナギ版の90分を60分も上回る150分という長尺にもかかわらず、体感的にはそんなに長く感じられなかったのは時折乱舞が入ってアクセントになっているからか?
あと、舞台を広くとり、奈落にミラーボールを仕込んだ装置がステキ。舞台前面を覆わず、スキマがあったのはアレを見せるためだったのね。

明けない夜

明けない夜

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★

外伝~それぞれの事情
本編の登場人物たちによる5分ほどの一人芝居12本。
本編で描かれた「その日」の1年前のエピソードから始まり次第に「その日」に近づいて本編の内容との関わりが強くなり、「その日」の3日後までを描いて葬儀の日の母の後に「その日その時」の娘で締めくくるのがインパクト大。
他にもその場に他の人物もいる設定のものでは、誰がいてどんなことをしているのか?を想像する面白さがあるし、「一人芝居見本市」的な?

明けない夜

明けない夜

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★

本編
娘を誘拐された会社社長自宅客間での一夜(と回想場面)を描いており、昭和中期の「社長宅」の客間をリアルに再現した装置(ステレオやテレビはどうやって調達したんだろう?)での緊張感にあふれた息詰まるドラマに往年の黒澤映画…ってか誘拐を描いた昭和の日本映画や警察ドラマ全般を思い出す。
95分というコンパクトな上演時間に娘を誘拐された親の事情や所轄と本庁の軋轢など人間ドラマをギッシリ詰め込み、回想シーンも交えて進めながら冒頭のシーンを再現して終わる構造も巧み。

荒野のようしんぼー

荒野のようしんぼー

劇団阿佐ヶ谷南南京小僧

明石スタジオ(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

「TK」「リア王」「派遣村」の三題噺
かつて人気を博した音楽プロデューサー(&アーティスト)TKがてがけた楽曲(生歌もアリ)に彩られた「TK」「リア王」「派遣村」の三題噺、意外な取り合わせでありながらそれらがごく自然にしっくり馴染んでいる様は「カノッサの屈辱」(歴史的出来事ではなく深夜番組の方:念のため)の如し。
また、TK関連情報をかなり覚えており、リア王のストーリーも知っている上に、ちりばめられた小ネタ(ビリー・ヒューズの「とどかぬ想い」や宮沢りえのデビュー曲「ドリームラッシュ」、某女性ヴォーカリストのグラドル時代&2度の改名などなど)の大半がワカっちゃった身としてあちこちウケまくり。
さらにお馴染みの「そんなものまで!?」な段ボールによる舞台美術も見事だし楽しい。(着ぐるみの戦車には恐れ入りましたぁっっ!!!)
あと、ダンスやアクションまであり、今まで観てきた中で一番広い舞台であることを活かしたことにも感心。

- 初恋

- 初恋

世界名作小劇場

シアター711(東京都)

2009/07/15 (水) ~ 2009/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★

いかにも土田英生な感じ?
微妙に理屈っぽいところと、特定の「主人公」がいるのではなく強烈なキャラの登場人物たちによる群像劇っぽいところがいかにも土田英生な感じか?(…ってそんなに沢山観ているワケではないので知ったかぶりなんだが(爆))
また、その個性の強いキャラたちをさらに「濃く」した(笑)出演陣(&演出)もスゴい。
特にこいけけいこのパワフルなキャラには圧倒される。
もともとガタイが大きい上に今まで彼女の演技を観たどの小屋よりも小さなここなので、ガリバー旅行記か?みたいな…(大袈裟)
また津留崎夏子のちょっと気弱そうな管理人に一刻館の響子さんを連想。小劇場版のキャスティング、考えてみようかしら?(笑)
また、男優陣のおカマちゃんたちも「カラダはオトコでもココロはオンナ」タイプから見目麗しいタイプまで取り揃えてリアリティあり。
そういえばここ1ヵ月ほどでおカマちゃんたちが出てくる芝居は3本目(この日もマチネにも1人いたし)。これもまた最近のトレンドなのか?
あと、吹き抜けになっているダイニングと2階廊下の「ショーマ風ねじれ方」も演劇的で印象に残る。

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