線 線 線
P企画
RAFT(東京都)
2009/08/08 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
単調にならない工夫アリ
6組出演によるパフォーマンスライブ。コンテンポラリーダンスや比較的オーソドックスなダンスパフォーマンスにお絵描き+オブジェ製作や一人芝居風なものも挟んで単調にならないよう工夫した構成もなかなか。
とかなんとか
コロブチカ
RAFT(東京都)
2009/08/08 (土) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
次々と変容
オープニングとエンディングがダンスで、それに挟まれたパートが一人芝居…というか、やはりこれも「パフォーマンス」というのが適切?
エッシャーの「メタモルフォーゼズ」のように1つのイメージから連想ゲームのように次々と異なったフェーズに変容してゆく、みたいな感覚。
で、アレは歯医者の待合室でまどろんでいる状態ってところかしら?
カスパー彷徨
unite d'Habitation
ギャラリーLE DECO(東京都)
2009/08/04 (火) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
講釈師、観てきたような嘘をつき
現場に「カスパー」という血文字を残す連続殺人犯と家族を殺されながらも彼に同行する少女、彼らを追う刑事コンビを中心とした物語…でありながらもサスペンスではなく人間ドラマ。
「講釈師、観てきたような嘘をつき」とはよく言ったもので、生々しいというか臨場感があるというか、会場のサイズも相俟ってまるでその場に居合わせているような感覚。
また、瑞々しく不安定さと危うさを持つ「未成年側」とオトナのふてぶてしさを持つ「成人側」の対比がクッキリしている上にキャストも設定年齢に近いために非常にわかり易い。ステロタイプではなく、たとえば碁盤の目のような京の街の如くスンナリとのみこめる、みたいな?(←かえってわかりにくい表現にしてしまったか(爆))そんな「潔さ」はやはり「女流劇作家」というより男性的と言えるかも?(笑)
来来来来来
劇団、本谷有希子
本多劇場(東京都)
2009/07/31 (金) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
満足度★★★
フルスロットルの「本谷節」…
…どころかそこに水溶き片栗粉をたっぷり加えて熱処理しました、みたいなドロリとした感触。(笑)
男性作家では女性たちのこういう関係をこんな風にドロリとしがらもユーモラスに描くことは難しいのでは?(鬼才K氏なら可能か?…でもちょっとタッチは違いそう)
しかも主人公と義姉・義母がりょう、松永玲子、木野花という「超」がつくほど強力な布陣で、そこに『腑抜けども…』映画版で演技開眼した(←私見)若手実力派の佐津川愛美(実は今回の一番の目当て)も加わっているのだから女優系としてはタマラン。(本谷作品常連の吉本菜穂子は今回はワキに徹していた感じ)
で、実は内容的にはその「ドロリ」がやや苦手ではあったものの、『カッコーの巣をこえて(あるいは巣の上を)』のチーフ・ブロムデンが脱走するラストを想起させる結末でスッキリ。終わりよければすべてよし、といったところか?
バッシュとコルガの森
劇団やったるDAY!
TACCS1179(東京都)
2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
こういう路線もイイな
地球によく似たどこかの星あるいは神話的世界の森で、かつて一つにまとまっていたが力での解決を主張するバッシュ派と言葉で説得すべきとするコルガ派に分かれてしまった両陣営が、時を同じうして相手の様子を探るスパイを送り込み…という物語。
主張は違えど実は似た者同士ということで、双方ほぼ同時に似たような状況になり、鏡像のような演技でところどころ台詞がユニゾンとなる演出が楽しい。ユニゾンと言えば、かなり多い出演者による群読もキチンと合ってちゃんと聞き取れるのも見事だし、その群読があるプロローグの部分では舞台が黒一色なのにわずかな暗転の間にカラフルな森を出現させる転換も鮮やか。
FAKE
劇団伍季風 ~monsoon~
アイピット目白(東京都)
2009/08/06 (木) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
「家族とはどうあるべきか」を説く
父と娘3人息子2人の6人家族が長女の交際相手から家族ぐるみでの食事に誘われ、その予習にと揃って出かけた留守宅に怪しい3人組が侵入し…というところから始まる物語。
前半は懐かしき「昭和のホームコメディ」で、個人的には楽しいが一般的には「何故にイマドキ」的な批判もあるかも?な不安もあったものの、後半で「家族であるがゆえの甘え」を俎上にあげてチョイ辛な、しかし「家族とはどうあるべきか」を説く展開になり、そのテに弱い身としてホロリ。
終盤で亡き母の代わりを務めてきた長女が思いのたけをぶつける場面では「家族だからといってわかったつもりになってはイケナイ」「言葉にしなければ通じないこともある」なんてことにあらためて気付かされたし、それが原因で交際相手とその母に迷惑をかけた責任を一家の代表として素直に詫びる父、そしてそれまではイヤミな金持ち夫人でありながらその意気を感じ取り許す相手の母がイイ。
で、長女もそんなになる前に気持ちを家族に訴えればイイのに、と気付いたのは観て1日経ってからだったり…(爆)
「/.jp」 ~幕末月光傳~
しゅうくりー夢
笹塚ファクトリー(東京都)
2009/07/30 (木) ~ 2009/08/03 (月)公演終了
満足度★★★
「幕末庶民傳」なオモムキ
ここ1ヶ月ほどでも3~4本目の幕末もの、最近は本当に多いと思って臨んだら何と新撰組も龍馬も登場人物としてどころかウワサ話にすら名前も出て来ないという。(生前の龍馬は無名だったそうなので庶民の話題にのぼらないのは当然か?)
がしかし、前半はともかく後半の展開には幕末という時代背景が色濃く反映されており「幕末庶民(←ちょっと違うか)傳」といったオモムキ、なかなかにユニークな「幕末もの」としてその発想に感心。
しかも、前半の展開は助っ人として見込んだ清志朗が実はダメダメなことを筆頭に半ばお約束的なものながら、女親分側のナンバー2が「志のため」と反旗を翻して以降は先が読めず、一念発起して剣術を身につけた(ただ、急に上達しすぎの憾みアリ)清志朗が事態を収拾すべく走り、2人の元オヤブンがサポートする痛快時代劇なクライマックスにはワクワク。
肩の上で踊るロマンシングガール
「佐藤の、」
新宿眼科画廊(東京都)
2009/07/31 (金) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
満足度★★★★
ディテールがリアル
同棲中のカップルの男性がある朝目覚めると女性に変身していたという「突拍子もない」設定ではありながらディテールがリアルなので全体が絵空事にならず、説得力さえあるのが巧い。
2人のちょっとした会話とか「クラムボンの手書きPOP」のエピソードとか、ホントに自然と言うか、リアリティがあると言うかで見事。
さらに、
「映画、面白いといいね」
「面白くなくても2人なら「つまんなかったね」って盛り上がれるじゃん」
なんて会話もイイんだなぁ。(ホロリ)
また、根岸絵美の演技も、「カラダは女でもココロは男」ってか「元・男」な感じがモロで(笑)、これまた説得力アリ。
で、2回ほど(ソロ&デュオ)ダンスっぽい部分があったのはいかにも広田淳一演出。(笑)
終盤の別れは、仲が良くて「ケンカしたワケでもないのに何でアイツら…?」なペアにも似て…。(そういうカップルを比喩で描いたということではなかろうが)
あと、小屋造りつけの「物入れ」を装置としてうまく使ったアイデアとか、冒頭の朝の白みや途中での切れかかった電球を表現した照明効果などもナイス。
次回はどんな顔合わせでどのような内容になるのかわからないが、早くも期待。
喜劇工房 あちらのお客さまから
produce unit 大森そして故林
駅前劇場(東京都)
2009/07/30 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
満足度★★★
夢の顔合わせ
コントのような二人芝居三場で下地を作っておき、全員が揃っての第四場で人情噺的に締めくくる構造が巧み。オチが若干甘い気もするが劇団離風霊船、ペテカン、and Meそれぞれのファンとして松戸俊二、本田誠人、笹峯あいという「ゴールデントライアングル」もしくは「夢の顔合わせ」に免じて片目をつぶっておこうか…(爆)
ねずみの夜 【公演終了・御来場御礼】
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/04 (火)公演終了
満足度★★★
ヤられたァ!
龍馬が暗殺された夜の近江屋の隣の民家を描いた(=グワィニャオンの『池田屋・裏』を連想)ということは事前情報で知っていたものの、会場に入って装置を見たらさらに捻りが加わっていることがわかってニヤリ。
舞台上にあるのは資料館的な施設に忠実に再現された民家という設定で、本編にあたる部分は劇中劇というシカケ。イントロダクションはその施設を見学している観光客と施設のスタッフによる会話で、それによって本編の状況を観客に知らしめるというアイデアがユニーク。
その本編は近江屋事件とはほとんど無関係でありながらもごくかすかにリンクしているのが面白い。やはり直前に wikipedia で予習したのは正解。
あと、タイトルの「ねずみ」が意味するものが判明する瞬間には「ヤられたァ!」と…(笑)
盗賊だか義賊だかの文字があったのでてっきりアノ「ねずみ」のことかと思ってたわさ。
リボルバー
劇団M.O.P.
紀伊國屋ホール(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
コクのあるオトナのドラマ
一言で表現すれば「コクのあるオトナのドラマ」。そういえば、こういうスタイル・傾向ってσ(^-^) がよく観る中では少ないかも? そう考えるとあと1作品を残すのみというのは非常に惜しい。観るまでは最終公演がまだ1年も先なのであまり実感が沸いていなかったのに、いざ観るとやっぱり感ずるところのものが…。
当日パンフによれば初期作品『ピスケン』(未見)をリメイクしたものだそうで、しかし時代設定が大正末期から明治初期に変わったことで内容はかなり異なる様相。
幕末は芝居やドラマ・映画でよく取り上げられているが、その少し後の明治初期はあまり観たことがなかったので「幕末のあれやこれやの余波がまだそんなにあるんだ…」という感覚で新鮮。
また、三上市朗が『サニー・サイド・ウォーク』(99年)で演じたミフネっぽい浪人を想起させる役どころだったのは嬉しい。
聖者の行進/reprise
劇団820製作所
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
満足度★★
今ひとつ理解できず
「東京バビロン演劇フェスタ#1「神なき夜に…」…現代犯罪フィールド 参加作品」ということで、たとえば人を殺めるに至る気持ちであるとか、部分部分は何となくワカるものの、抽象的あるいは比喩的な表現が多くて、全体を通しては今ひとつ理解できず。
冒頭でまず「小鳥」が見当たらないというシーンを見せた直後にストーリーテラーを務める「コトリ」がいないシーン(ほとんど同じなのだ)を続けて見せ、その次の三巡目にやっと先に進むという、アナログレコードにキズがついた時(若い方にはワカらんかもなぁ…)を想起させる手法を使ったのは面白い。
ミートボールの花束を
天然工房
劇場MOMO(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
満足度★
没入できず
「闇の職安」なるサイトで集められた面々が互いを色で呼び合うという事前情報から「和製レザボア・ドッグス」かと思いきや、冒頭で5人がすでに囚われの身であるという…
5人全員を捕まえるだけの警備力があるなら何で侵入を阻止することができなかったのか、という点と、運ぶブツが「像」ではなく「象」だと知っても(報酬が魅力だとはいえ)犯行を継続しようとした、という点に説得力がなく、今ひとつ没入できず。
前者については終盤で明かされる「ウラ」によって納得はできるのだが、全体がキッチリしている中で後半にちょっとひっかかるモノがあって、それが実は…、というのならともかく、序盤から90分近くもモヤモヤしたままというのはいかがなものか。
さらに出演者6人のうち5人がほぼ終始「お面」をつけており、表情を見せないというのも不満。
結果論だが、こんなことなら見逃した方が良かったかも。
溺れる家族
アロッタファジャイナ
タイニイアリス(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/27 (月)公演終了
満足度★★★★
「家族のカタチ」を多面的に提示
若干類型的な部分もありつつ、複数の家族を同時併行的に描き、悲劇や軟着陸など様々な「家族のカタチ」を多面的に提示して観応えアリ。
また、序盤において直前の場の登場人物のうちの1人が次の場にも出てくる「しりとり」のような展開にすることで、各人物の相関関係を示すのはクレバー。その部分を観ているだけでアタマの中に「人物相関図」が描かれ、その後も脳内の相関図は補完されて行くシカケ。
さらにクライマックスで和郎の金沢時代の「真実」を3つの時空をクロスさせた証言によって浮き彫りにするのも極めて演劇的で好み。
ただ、音楽で泣かせようとするのはズルい?(笑)…ってか、序盤から「音楽の使い方がちょっと映画っぽいな」という気はしており、「観たい!」コメントに「園子温監督の『紀子食卓』的なものを勝手に漠然とイメージ」と書いたのはある意味アタリ、みたいな…(笑)
ところで、「美緒が美和にもっとキチンと説明しておけば…」なんて言うのはヤボ?(笑)(ま、ここんトコは軟着陸するからイイのだけれど)
刻め、我が肌ニ君ノ息吹ヲ
amipro
アイピット目白(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/27 (月)公演終了
満足度★★★★
初々しい「白夜」・熟練の「紅蓮」
ヒロイン・静の独白に「恋の話だ」というフレーズが度々出てくる通り、4月に上演されたASSHによるオリジナル版と比べて「恋の話」に特化してシンプルかつストレートに生まれ変わった感じ。
そのシンプルさから観ている最中にオリジナルを刈り込んだのかと思って終演後に確かめたら実は逆に15分ほど長くなっていたというのも面白い。
一番の目当てであった鎌田奈津美は、これが2度目の舞台出演とのことながら落ち着いたイイ演技で、終盤の「何で私全部忘れちゃうんだろう」という台詞では切なさもたっぷり表現して見事…って、これは贔屓目か?(爆)
若々しい、あるいは初々しい「白夜」チーム(=設定年齢に近い配役と言えるか?)に対して「紅蓮」チームは熟練したメンバーというオモムキで安定しており落ち着いて観ることができる。
「白夜」では舞台が狭い分、窮屈で不自由そうに見えた冒頭の8人での立ち回りもスピード感をもって演じており、そんなところはさすが。
舞台が狭いと言えば、装置も祠を下手に据える形でオリジナル版のものをトリミングしており、「その者…」という文が彫られているのは洞窟の壁ではなく(そもそもこちらには洞窟がない)祠の側壁という工夫もこらされていて、なるほど、と…。
そんなこんなを踏まえれば、ツウ好みのASSH版、万人向けのami/KEN版といったところか?
盗聴されてるッ
グワィニャオン
萬劇場(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
やっぱりテッパン
アイデアを凝らした新商品を開発しながらも他者に先を越されてしまうことが多くどうやら機密が漏洩しているらしい女性下着メーカーが、社長の別荘で社内プレゼンを行う中、そこでさえも盗聴されていることが判明し…というワンシチュエーションのコメディ。
まずはユニークな機能をもった3種類のブラにニヤリ。また、盗聴されながらもバレないようにコトを進めようと開発者の親類に喩えて商品説明を行うのが何とも愉快。
また、観客として被盗聴側の視線で観ているものの、盗聴側が会話を分析して商品説明が始まっているのではないかとことに気付く場面では「おぉ、盗聴側の分析力、スゲぇ」と感心してそっち寄りの視線になったり、盗聴側が内通者に指示を送るあたりでは「誰が内通者か?」と読み取ろうとしたり、もう西村主宰の掌の上を転がされているよう…。
ん~、σ(^-^) ってイイ観客だ。(爆)
盗聴されているために言いたいことも言えない状況から、なにかと気を使ったりしてハッキリ物が言えない社内の空気を反省する社長(深読み?)のパートがやや教訓臭いのと、リピートがちょっと多いかも?な気はするものの、アイデア勝負の傑作、やっぱりここってテッパンだなぁ。
いってきますの、あと
空晴
OFF OFFシアター(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
姉と弟の会話が白眉
弟と二人暮らしをしている姉のもとに、弟の勧めに従って家出した小学生の担任教師と父が押し掛け…という状況から始まる物語で、前半がコミカルで後半があたたかいという構造。
娘を心配する父(上瀧昇一郎)の姿に、認知症となり田舎暮らしをしている父のかつての面影を見出した姉(岡部尚子)と弟(平本光司)の想いがにじみ出る会話が白眉。
その前の会話で父は存命ということは薄々想像はついていて「あ、やっぱりそうか」と思わせるが、それを明かした後にこれ、という二段構えなのが巧み。
また、最後の台詞が「いってきます」で、風鈴の音で全体を締めくくるのも巧い。
まゆつば
バッカスカッパ
中野スタジオあくとれ(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
前半はコミカルで後半はあたたかい
「閻魔庁」へ連れられる途中で迷ってしまった「はぐれ魂」の案内所を中心に描いたファンタジックコメディ。
終盤で小川(岡部光祐)が妻(菅川裕子)に会うシーン(「遺した想いを相手に伝える」パターンってσ(^-^) の最大の弱点かも)を筆頭に後半はほのぼのとしたあたたかさが満載。
戦没して天国行きが確定していながらも特例的に会いたい相手を待ち続けることを許されている大島(成田沙織)の相手が篠崎(大見遥)の祖父だったというのも巧い。
この、前半はコミカルで後半はあたたかいという切り返し・対比が鮮やか。
アルバトロス
ホチキス
王子小劇場(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/28 (火)公演終了
満足度★★★★★
珠玉の会話に正統派漫才まで
リストラされた元サラリーマンがひょんなことから漫才コンビの相方となっての1週間、キッチリと組み上げられたコメディであるばかりか6日目の夜の二組の会話は珠玉の台詞多数でホロリとさせ、最後のネタ合わせでは正統派の漫才(これがまたテンポも良くて笑えるんだ)まで披露して見事。
また、電柱のミニチュア(?)の精巧さにも感心。
それにしてもヒゲなしで七三分け、スーツ姿の加藤敦には違和感が…(笑)
いや、似合っていないのではなく、妙にキマているので最初に出てきた時なんて「え、誰?」だったくらいで…(爆)
Tower of Sugar
ドリームプラス株式会社
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2009/07/23 (木) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
上演中に通路を直立歩行するスタッフに呆れる
開演後間もない頃、3~4回にわたって遅れて来た客を誘導する男性スタッフが終始直立状態(客は腰をかがめていた)という珍しい光景を目にする。このスタッフ、どこかの御曹司か何かで世間知らずだったんでしょうかね?
\(・_\)ソレハ (/_・)/コッチニオイトイテ…
心霊スポットと言われる廃病院に、肝試しのカップル、そこをお化け屋敷のアトラクションに改装しようとする関係者たち、連続バラバラ殺人事件を捜査している刑事コンビなどが集まり…というホラーコメディ、前半は伊丹ドンキー流の(って、本作は穴吹一郎名義なんだが)ドタバタ系、後半はホラー色が濃くなるも馬場巧がコメディリリーフとなって絶妙のタイミングで笑いも挟む構造が巧み。
また、このテの作品ではおなじみの「実は霊だった」というパターンも、割と早いタイミングで読めるものあり、終盤で明かされて「あ、そっちもか!」と納得させる(←伏線が利いている)ものありで上手い。
ってか、早いタイミングで読ませるものが「おとり」となってもう一方を読ませないのかも。
通山愛里が降板したのは残念(代役の黒木マリナも悪くなかったがかつて観たことがあるんだもん)ではあったが、総じて満足。
ただ、140分という上演時間も「ちょっと長め?」程度にしか感じなかったとは言え、もう少し刈り込めたんじゃないかな?
満足度については非常識なスタッフと本編で相殺。(むしろマイナスか?)