パラデソ
タカハ劇団
小劇場 楽園(東京都)
2010/05/02 (日) ~ 2010/05/11 (火)公演終了
満足度★★★
空腹で観たら拷問?(笑)
緩急自在、硬軟取り混ぜ、笑いとシリアス、直球に変化球(ビーンボール?(笑))、大波小波など様々な要素の心地好いリズムに乗ってアッと言う間に終演。
しかし事前情報があったからイイようなものの、もしも空腹で観たらアレは拷問だったかも?(笑)
ココロ
ココロ舞台化計画
シアターサンモール(東京都)
2010/05/08 (土) ~ 2010/05/09 (日)公演終了
満足度★★★
サイバーパンクSFの王道
脚本・演出が舞台向きでなく客席の笑いが鎮まる前に先に進むがために聞き取れない台詞が少なからずあるのにストレスを感ずるも、ヒトの脳の働きをロボットに持たせるというサイバーパンクSFの王道として楽しむ。
とはいえ、隔靴掻痒の感があるのは免れ得ず、しかしそれはもしかして世代間ギャップによるものかも、などと思ったりも…(爆)
2LDK
ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★
Eキャスト
おそらくは全5組の中で1、2を争う舞台経験者であろう2人の顔合わせにつき(…と思ったが小林夏子の方が多いかも?)安定感は抜群、むしろ観るのが4回目ということもあってかスリルに欠けるような気さえするほど。
なお、終演後に堤幸彦(原案・演出)、三浦有為子(脚本)のリードによる全出演者の舞台挨拶あり。
ピテカントロプス・エレクトス
劇団古今和可集
萬劇場(東京都)
2010/05/02 (日) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★
最後の台詞が心に響く
シニカルな幸福論として既視感や教訓臭満載だが、オチを知っている古典落語の滑稽噺に笑えたり人情噺に泣けたりするのと同様、最後の「進化したピテカントロプス・エレクトス(直立猿人)になります」という台詞は心に響く。
彷徨う翼
劇団パラノイア・エイジ
「劇」小劇場(東京都)
2010/04/28 (水) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★★★
ズシリとした観応え
個性豊かな5人の「特攻隊員という名の若者たち」を美化もせず批判もせず等身大に描くことで彼らを死に追いやった戦争というものの罪深さを考えさせると同時に生き残った者の心に残した傷をも描いて見事。
2LDK
ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★★
Dキャスト
演者は違えど観るのが3度目ということもあってか細部まで目が届き、それでも観た3組の中では一番まとまりが良かった気がする。
また、女性客の比率が高かったが、何故かしら?
あと、観る4組8名で唯一知らなかった小林夏子も収穫の一つ。
ビヂテリアン大祭
ピーチャム・カンパニー
シアターPOO(東京都)
2010/04/30 (金) ~ 2010/05/03 (月)公演終了
満足度★★★★
ニヤリのちギャフン
まずは大祭に参加した「ケンゾー」の帰国報告会という設定にニヤリ、続いて原典のページ欠落部分の処理にニヤリ、さらに反対派が登場して議論になることにニヤリ、それが仕込みであるというオチにはギャフン。
他の2編を取り込んだのも上手い。
KIND
劇団伍季風 ~monsoon~
アイピット目白(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/04 (火)公演終了
2LDK
ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★
Bキャスト
前日の爬虫類顔(失礼!)vsおっとり系と異なり、正統派美女2人(大谷澪、瀬戸早妃)のバトルなのでナマナマしい感じ。
が、殺伐としないのは演出の手腕か演者の持ち味か?
また、あるシーンで一方の影が映像投射用のスクリーン一杯に映る演出に気付く。
オムニー
劇団K助
野方区民ホール(東京都)
2010/04/30 (金) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
クオリティ高し
6人の作家による7編オムニバス(+α)、普通これだけあると1本くらい「あちゃー」がある(爆)のに全てウェルメイド。
「控室」という縛りがありつつコメディ、サスペンス、楽屋オチ気味(笑)、ハートウォーミングと各種取り揃えてクオリティ高し。
2LDK
ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/05 (水)公演終了
満足度★★★★
Aキャスト
生の芝居を観るのは3度目で爬虫類顔(笑)からしてもバトれそうな(どころか「キューティーハニー」で実際バトっている)水崎綾女はともかく、声・口調ともホンワカ・おっとりな和希沙也はど~よ?と思っていたがああいう設定ならあり得るかと容認。
また、過剰なS.E,否定論者として終盤には抵抗を憶えたものの、一種の「芝居のウソ」だし、ともすれば殺伐としそうなバトルシーンを戯画化するにはむしろ的確か、と思い直し7:3ないし8:2で肯定。
パラリの魔法のおいおーい
劇団人の森ケチャップ
松戸市民会館(千葉県)
2010/05/01 (土) ~ 2010/05/01 (土)公演終了
満足度★★★
子供の頃に観た懐かしい感覚
手作り感満載で本の中に入り込むメルヘンチックな内容も併せて子供の頃に学校行事として観た「おしばい」な感覚が懐かしい。
また、障害者たちの演技に「学芸会でのわが子を見守る親」な心境になったりも…(笑)。
二千人級の広い会場ゆえ客席通路を練り歩いたりする演出も○。
15 Minutes Made Volume8
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
6編の配置が絶妙
前半は動きのある絵2枚の後に静物画、後半はコメディ、コント、本格短編、という6編の配置が絶妙。
もちろんそれぞれ特色があって各編とも面白かったが、トリである印象深さもありTPC(じゃなくてトープレ、トーコレ?)が特に好きかも。
In The PLAYROOM
DART’S
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/04/27 (火) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇中虚構と劇中現実がシームレスにつながり観客を幻惑
劇中虚構と劇中現実が(いや、本当の現実までもが)クラインの壷の如くシームレスにつながり観客を幻惑させ、一旦謎解きをしてから複数回どんでん返しがあるのに破綻しないストーリーが鮮やか。
リピートしたいがコマがないのはつくづく残念。
初演を見逃したことも今さらながらに悔やまれる。
7の椅子 6
7の椅子
劇場MOMO(東京都)
2010/04/28 (水) ~ 2010/05/02 (日)公演終了
満足度★★★★
三編の取り合わせが絶妙
ちょっとコワい&ちょっと切ない、な、かすかにリンクした2編の後に嘘を重ねる王道コメディという取り合わせが絶妙。
また、王道コメディとはいえ終盤に一瞬ホロリとさせるのも巧い。
緑壁
public doc
ギャラリーサイズ(東京都)
2010/03/31 (水) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★
ジワジワと追い詰められる感覚
比較的近くにある2つのマンションの部屋での出来事を描いた物語、会場が「ギャラリー」ながら古いマンションの一室を改装したものなので臨場感たっぷりなのはイイが、何も変えないままで2つの部屋の様子を見せるので最初は同じ棟の違う階なのかと誤認してしまうのが珠に瑕?
そんな中での過去や現在にキズや悩みのある人物たちのザラついた日常スケッチ風、ジワジワと追い詰められる感覚が面白い。(決して「心地好い」ではない(笑))
また、「関西を中心にエキセントリックな映像・音楽を創作し続ける」(チラシより)umbrella film によるイメージ映像的なものが時に装置内のテレビに、時に後方の壁(&カーテン)いっぱいに映写されて不安感を煽る、な感じ。
で、新たに同居することになった男の分身かと思われた謎の男を、登場人物それぞれの心の暗部なのでは?とも思わせる(誤読かも)ラストも○。
復讐回帰
劇団銀石
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2010/03/30 (火) ~ 2010/04/04 (日)公演終了
満足度★★★
内容的には好きなタイプだが
「太陽系を作り出す」ハナシを縦軸に「復讐」に関するいくつかのネタを絡ませ、野田秀樹チックな(いや、もう少し地口寄りか?)言葉遊びをまぶした作品、内容的には好きなタイプながら、手法に既視感があるというか、何か借り物のような、板についていない感覚があるのはちょっと残念。
たとえば早口の台詞の部分、その手法の先達であるアソコなどと比べるまでもなく歯切れよさに欠けるために聞き取りにくいとか…。
とはいえ、内容については先述のように好き。「キラー・オブ・ゴッド」が「吉良上野介」、「朝の神さん」が「浅野内匠頭」に転じての「忠臣蔵」や「四谷怪談」、「アンネの日記」に「さるかに合戦」など、タテ軸から連想ゲーム的に横にも展開して行く構造は好みだし。
また、アフタートークで主宰から「当初は『ハムレット』もネタの候補にあげながらも使えなかったと思っていたら、亡霊が装置の下段から登場するシーンがあたかも先代王の亡霊の登場のようなので「後付けで」ト書きで指定した」というエピソードが披露されて「なるほどぉ」みたいな。
で、これって後付けと言うより、使おうと思っていたので無意識的に出たのでは?
また、「太陽系を作っているその場も太陽系内にあるのでは?」という質問もあったという話からは、自宅のミニチュアを友人に見せて「音も聞こえるんだ」と超小型マイクを模型の窓に入れたら実際の窓からマイクが入ってきた、という広瀬正(だったと思う)のショートショートや夢野久作の「ドグラマグラ」を連想。
轟然~GO-ZEN~
ACTOR’S TRASH ASSH
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/30 (火)公演終了
満足度★★★★
ドラマ性が深いあるいはコクがある
修行のために寺に預けられている多田源氏の嫡男・美女丸は聾唖の娘・真名に一目惚れするが、彼女は雨乞いのため龍神様への生贄として白羽の矢が立ち…な物語。
生贄を要求する九頭龍も過去に恋人・伊月が(自ら)龍神様に身を捧げるという経験をしているし、いわゆる「悪役」というものが存在せず(強いて言えば龍神様が悪役か?(笑))勧善懲悪ではないのでカタルシスはないが、その分、因習に囚われる人々の哀しさや辛さ、それに美女丸の真名に対する想いなどが前面に出ていてドラマ性が深い(あるいは「コクがある」?)感じなのがオトナ向け?(笑)
ただ、老いた(?)主人公の回想的な構造はシリーズ(と言ってイイのか?)共通ながら、ストーリーの途中で最初に源賢(=美女丸のその後)が登場した時に時制がつかみにくいのが惜しい。
夢野久作 少女地獄
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2010/03/25 (木) ~ 2010/03/29 (月)公演終了
満足度★★★
観た甲斐はあったと思いたい
タイトル通り夢野久作の「少女地獄」をベースにしつつ他の作品をも混ぜ込んでいる(劇中でもそう言っているし(笑))とのことで、夢野久作は数えるほどしか読んでいない身として「元ネタを知っていればもっと面白かったんだろうなぁ」というクヤしさあり。
がしかし、「少女歌劇」(某メジャー少女歌劇団と違って男優も出演するが)の独特の様式美(?)やキッチュな感覚はそれだけでも観た甲斐はあったと思いたい。(爆)
立体文学 『笑ふ漱石』
ストーリーテラーズ
ぎゃらりい茶屋町三番地(東京都)
2010/03/26 (金) ~ 2010/03/28 (日)公演終了
満足度★★★★
親しみやすさも感じる
漱石の「坊っちゃん」「吾輩は…」「夢十夜」(の抜粋あるいは中の1編)を中心に随筆などでつないだ構成、1編毎に区切るのではなく音楽で言えばメドレーのようにほぼシームレスにつないでいるのが面白いし、中心となる3編はいずれも読んだことがあったので親しみやすさも感じる。
また、猫に関する随筆の中の「黒猫」で全体を挟むスタイルも上手い。
もちろん、お得意の(?)鳴り物や折り紙の「顔」も登場し、「今回はそう使いますか」な楽しさもアリ。
しかし、鍵盤ハーモニカ(ピアニカとかメロディオンとかは商品名で一般名称はコレ)を楽器としてではなく、猫の胴体と尻尾に使うとは…(笑)