君といつまでも
バジリコFバジオ
駅前劇場(東京都)
2010/06/17 (木) ~ 2010/06/21 (月)公演終了
満足度★★★★
前作と異なりハジケまくり?(笑)
実在のモデルがいた前作と異なりハジけまくり?(笑)
が、文字通り物語を紡ぐように「どう繋がるの?」な「話の糸」を関連付けて布に織り上げてゆく構造が巧み。
また、ナンセンスな笑いに「神」を絡ませるあたりに以前のケラ作品を連想。
それにしてもアクションまで観ることができるとは予想だにしなかったわさ。
00ルパン
GENKI Produce
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディタッチのスパイアクション
荒唐無稽なスパイアクション(?)をコメディタッチにすることで「それならアリ」に仕上げた上に、「夢を見ること」についても語るのはさすが。
また、組織の略称(「なかう」だの「すきや」だの)やメンバーのキャラ、「ゴールドフィンガー」の腕の装備などバカバカしくも愉快。
あと、客入れ・客出しのBGMが懐かしの主題歌集なのも内容に合っていて◎。
組曲「空想」
空想組曲
OFF OFFシアター(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/22 (火)公演終了
満足度★★★★
一粒で二度オイしい
今までに観てきた作品群と異なる笑いの多いタッチに「こんな引き出しもあったのか」的に楽しむも、ムソルグスキーによる「展覧会の絵」の「プロムナード」のように差し挟まれるレストランでのエピソードたちが関連付けられる終盤に漂う薫りはまさしく空想組曲の持ち味で、「一粒で二度オイしい」な感じ。
The Heavy User
柿喰う客
仙行寺(東京都)
2010/06/19 (土) ~ 2010/06/19 (土)公演終了
満足度★★★★
究極のリミックス
「音」というものを最大限にフィーチャーするために2月のお披露目版からストーリー部分をバッサリそぎ落として煮詰めに煮詰めた結果、あるいは原曲のごく一部だけ残した究極のリミックス、的な。
言葉としての台詞がないという点において先日観たユーフォリアの朗読劇『SAKURA』と対極を成しているのも面白く感じる。
なお、キャストも含めほぼイスタンブール版とのこと。
エラーメッセージ
tea for two
「劇」小劇場(東京都)
2010/06/17 (木) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★★
オムニバスならではの味
3編の三人芝居。
コミカルに始まり途中からさらに加速して大いに笑わせる1編目、若干苦しい部分があるも次第にコワくなりつつ軟着陸を示唆する2編目、劇中のあるシーンと芝居自体のスタイルをカブらせる構造で締めくくる3編目という構成が上手く、オムニバスならではの味を堪能。
サウイフモノニ・・・
劇団チョコレートケーキ
テアトルBONBON(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★★
膨らませ方が上手い
賢治の1作品を核にしながらあるアイデアにより原典の主人公が遺した人々に与えた影響や後日譚まで語ることでテーマを掘り下げる一方、他作品関連のネタもちりばめた(よって知っていればいるほど楽しめるハズ)脚色が見事。
あらはん~ARAHAN~
ACファクトリー
ザ・ポケット(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディのちアクション
前半では片鱗を見せながらもほぼ封印していたアクションが炸裂するクライマックスは圧巻。
それがあたかも劇中のある現象にカブるようなのも上手い。
さらにラスボス的なものの設定も見事だし、劇中で披露される「ある歌」には大笑い。
裂躯(ザックリ)
乞局
笹塚ファクトリー(東京都)
2010/06/16 (水) ~ 2010/06/21 (月)公演終了
満足度★★★
比類なき世界に幻惑される
夢の中のような突飛な設定・展開ながらヘンにリアリティもあり、あたかも異文化の世界に迷い込んだように幻惑させられる。
また、幅のある廊下(だったり食卓だったり)を中央に配し桟だけの障子戸を繋いだようなものを組み合わせた装置の使い方も面白い。
なお、ご覧になる場合は、対面式客席の奥の側をお勧めします。あるシーンで振り返らずに済みます。
『アタシが一番愛してる』
バナナ学園純情乙女組
ART THEATER かもめ座(東京都)
2010/06/15 (火) ~ 2010/06/20 (日)公演終了
満足度★★★★
「急流下りのラフティング」的な?(笑)
良い意味で(←ココ重要)「柿喰う客を悪い方向に(爆)進化させた」感覚で、一言で表現すれば「急流下りのラフティング」、スタートしたら怒涛のイキオイにただ乗って流される、的な?(笑)(時折緩やかなところがあって一息つけるがまた急流に、なんてところも似てね?)
あるいは「演技(なのか?)のシャワー」を浴びる、みたいな?
台詞を聴きとって理解しようとか、舞台で起こるすべてを受け止めようとせず、「どん・しんく、ふぃぃぃぃ〜る」的に舞台からの気迫(違うか?)を浴びてイキオイに身を任せれば心地好いと言うか愉快と言うか。
そんな風にアクが強いので初めて芝居を観る方に向かないどころか観る者を選ぶ作品ではあるが、個人的にはハマりそうでヤバいかも?(爆)
よせあつめフェスタ
プロジェクトあまうめ
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2010/06/13 (日) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
ミラクルで観た奇蹟
櫻井作品は終盤で泣かせるのがいかにもだし、関村作品は初見であった『ミツバチか、ワニ』同様、会話のズレ方が実に可笑しく、三谷作品は初見ながらやはり会話が巧み、とそれぞれ作家の特色が出て楽しい。
もちろんオールスター戦的キャストにも満足。
で、コトの起こりからここまで2週間にわたって twitter 上で追いかけたり茶々を入れたりして、やっと本番会場に足を踏み入れた時におぼえた「何かに似ているゾ」な感覚は、『ダイ・ハード』(88年)においてマクレーン刑事とパウエル巡査が最後に顔をあわせるシーンのソレだったのね…(笑)
SAKURA
ユーフォリア
ザ☆キッチンNAKANO(東京都)
2010/06/12 (土) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★
オーソドックスな「朗読劇」は逆に新鮮
大なり小なり動きを伴うリーディング公演が大半の昨今、オーソドックスな「朗読劇」は逆に新鮮。
また、淡々と伝えられる戦況や戦死広報が出された後の生還例などから改めて「戦争の悲劇」について考えさせられる。
カナリアの心臓【公演終了・ご来場誠にありがとうございました!】
キコ qui-co.
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2010/06/11 (金) ~ 2010/06/14 (月)公演終了
満足度★★★★
観応え十分
ゆるやかでほのぼのとさえしている出だしから各場のラストで毎回暗転間際に捨て台詞のように(笑)謎を残し、クライマックスではその核心に触れるという構成に引き込まれる。
式神のみる夢
劇団 STEPLESS SPEED
萬劇場(東京都)
2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★★
ダイヤの原石っっ!!!
荒俣宏や夢枕獏的に通ずる世界を、彼ら模倣するのではなく消化吸収して自分のものとして昇華させており、基本設定、ストーリーテリング、キャラ設定、数々の名台詞、時折入るマンガチックあるいはアニメチックな笑い、衣装センス、手を抜かない小道具などあれこれ見事なのにサンプリングのズレも含みアクション場面が稚拙なのが珠に疵。(よってご覧になる場合はそこのところは悪しからず)
がしかし、そこも向上したら鬼に金棒、今は「ダイヤモンドの原石」状態か?
≒LOVERS 【6月12日はポストパフォーマンスLIVE付き!】
タムチック
d-倉庫(東京都)
2010/06/10 (木) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★★
「異種格闘技戦」的な?(笑)
アクター、ダンサー、シンガー、キーボディスト、DJらによる「総合舞台芸術」、各種パフォーマンスを松花堂弁当のように取り合わせ、時に「異種格闘技戦」的セッションもあり楽しさ満載。
特にランダムに選んだ4音だけの即興演奏とインプロを組み合わせるアイデアがイイ。
また、冒頭で7組14人が同じ振付で踊る場面ではバックグラウンドの違いにより異なる動きに『ホワイトナイツ』でのM.バリシニコフとG.ハインズを連想。
PINK
劇団K助
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2010/06/08 (火) ~ 2010/06/14 (月)公演終了
満足度★★★★
張りめぐらせた伏線が巧み
わかり易いものからさりげないものまでいろいろと張りめぐらせた伏線を使い、安アパートで20年前に起きた出来事と現在まで残された謎を徐々に解きほぐして行く構造は推理モノに匹敵するか?
また、弱点である家族ネタを含む2つのシーンに泣きのツボを突かれる。
北村メーカー
劇団虎のこ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2010/06/02 (水) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★
Queen北村
5人でルデコなのにスケールでかっっ!!!なSF。
状況が明かされるまでは冗長な感があるが、中盤以降は尻上がりに面白くなり最終場は感動的ですらある。
ただ、「ロボット三原則」を知らないと中盤も冗長に感じられてしまうかも?
『MIMICRY』 ミミクリ(終演いたしました。御礼申し上げます!!)
anarchy film
新宿アシベ会館B1(東京都)
2010/06/01 (火) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★★
とりあえず速報(後日加筆予定)
いかにも映画監督の作品、な雰囲気を漂わせつつ映画や小説では難しい世界感を独特の手法を駆使して表現。
バラバラに提示した素材をかすかにリンクさせておき、一気に真相を明かすシーンのスピード感・昂揚感は「面白い」でも「見事」でも「上手い」でもなくただただ「スゴい」。
とりあえず速報にて、語りつくせない部分は後日加筆予定。
なお、130分あるし、ちょっと見わかりにくいかも知れないので初心者向けとは言い難く、中・上級者向けと言ったところか。
ラストコーラス
昭和芸能舎
赤坂RED/THEATER(東京都)
2010/06/01 (火) ~ 2010/06/09 (水)公演終了
満足度★★★★
羽原大介ド真ん中
『フラガール』九州編に『パッチギ!』ネタもチラリと取り入れ羽原大介ド真ん中?(笑)
成長期の日本が置き去りにした(踏み潰した)ものを中心に、いくつかの愛もちりばめて見事。
また、何曲か披露される合唱曲に「歌の力」を感じる。(合唱経験者だけになおさら?)
ただ、ジロウが実は喋ることができる、など投げっ放しの部分もあるのは何だかなぁ…
真夜中の取調室
演劇集団アーバンフォレスト
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2010/06/04 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了
満足度★★★★
ミステリーとして一級に近い?
「事件編」は従来通りのパターンだが、「解決編」が秀逸。
「基本的なことだよワトソン君」な概要(よって想像に難くない)に肉付けを行い人間ドラマとして深い陰影を与え、さらに…(ネタバレ自粛)…とは。
ミステリーとして一級に近いか?
恋女房達
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2010/06/03 (木) ~ 2010/06/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
各編の完成度が高く構成も絶妙
全体にユーモアを漂わせながら、シュール、シニカルときてイイ話の3段重ねで締める構成が絶妙。
もちろん各編の完成度も高く、阿刀田高、筒井康隆など「短篇の名手」たちの作品群や漱石の「夢十夜」の切れ味を連想。
また、装置や各編の間の転換も面白く、満足度高し。