恋する、プライオリティシート
コメディユニット磯川家
王子小劇場(東京都)
2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了
満足度★★★★
ビアノの生演奏がミソ
終盤で将棋倒しのように諸々が一気に丸く収まって行くシーンにビアノの生演奏をかぶせたのがミソで、そのイントロ的なサックスとホルンを加えての三重奏も素敵。
また、ホテル高層階のバー・ラウンジを再現した装置も見事。
イエスタデイズ ヒーロー
SPANK YOUR MONKEYS
d-倉庫(東京都)
2011/02/09 (水) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
旗揚げからクオリティ高し
ヒーローものやマスコミ報道を茶化しながらも思いもよらぬ元ネタをヒーローものの王道的に仕立てて愉快。
また、前説も愉しいし、オープニング映像や衣装のセンスも良く、旗揚げからクオリティ高し。
※ より詳細なものはmixi日記をご参照下さい
ピッキングストーリー
天然工房
ザ・ポケット(東京都)
2011/02/09 (水) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★
奇想天外な発想
霊や転生をネタにしながらも、奇想天外な発想がユニークなコメディ。
まさに思いもよらぬ方向から弾が飛んできて「そう来られちゃあ仕方ない」みたいな?(笑) 一体どこからそんなアイデアが浮かんで来るのやら?
バレンタイム・パラドックス
演劇配合サプリメンツ
荻窪小劇場(東京都)
2011/02/08 (火) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★
タイトル通りの時間もの…
…で、歌あり、アクションあり、どんでん返しありと盛り沢山。
主人公の努力(?)にもかかわらずかも過去は変えることができないという結末も『時をかける少女』(2010年版)と比べて説得力あり。また、梶尾真治作品もチラリと連想。
ロクな死にかた
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
死の受け止め方
死に方というよりは死の受け止め方、な感覚。
あるシーンでは自分の死後の友人たちのことなど考えてしまう。
また、弱点の1つである生死関連ではない意外な部分で涙腺を刺激されて堤防決壊。
それに続くあの台詞はもはや「凶器」!(笑)
※ より詳細なものはmixi日記をご参照下さい
ひとひらの犯罪
ジ~パンズ
銀座みゆき館劇場(東京都)
2011/02/07 (月) ~ 2011/02/13 (日)公演終了
満足度★★★
静馬主宰の得意分野
チラシなどに「ブラック・コメディー」とあったが、そう謳うほどにはブラックではなく、むしろラブコメディに近い感じ。
その意味では静馬主宰の得意分野で、晏子のワケアリな部分を中心としてバラ撒いておいた複数のピースを組み上げるようにまとめてハッピーエンドに導くのは鮮やか。
がしかし、椋一(豊永伸一郎)が連続婦女暴行未遂事件の犯人であったかどうか明らかにせず、連行された彼のその後がどうだったか明らかにされないのは片手落ち気味。
リ:ライト
トツゲキ倶楽部
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★
余韻を残す幕切れもイイ
同じ時間の中をループして事態をより良い方向に導こうとするパターンのバリエーションだが、予知夢としたことで肝心の部分が思い出せない、なんてあたりが上手い。
また、語り過ぎずに余韻を残す幕切れもイイ。
ますく
劇団言葉座
タイニイアリス(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★★
中・上級者向け?
言葉座を名乗るだけに時に文語に近くなることも含めて台詞・会話が巧く、凝った照明や各人物の心理を象徴するかのような軋み音なども良い。
が、過去に何があったのかを「寸止め」状態にとどめて明確にせず、事後も観客の想像に委ねるスタイルは中・上級者向けか?
マッチ売りの少年だった男の結末の最後の幸せ
劇団40CARAT 【第36回公演『ダーリン×ダーリン×ダーリン』9月15日[金]~9月17日[日]阿佐ヶ谷アルシェ】
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★
期待が裏目に
「40CARAT版クリスマス・キャロル」という惹句に期待したのが裏目に出てしまい、原典と比べるまでもなく後ろ向きで自己完結的なストーリーが好みに合わず。
さらに中日で気が緩んだのか言い直すほど露骨に噛む(それも2~3回)役者がいて気持ちが折れる。
ただ、少なからざるすすり泣きも聞こえたのであくまで個人的な好みの問題かと思われる。
仮面音楽祭
江古田のガールズ
「劇」小劇場(東京都)
2011/02/03 (木) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★
平均年齢22歳の人々
合コンでいかにもありそうなあれこれを組み合わせた展開が愉快(時にはコワい?(笑))な上に既製曲をそのままだったり歌詞を付けたりな選曲も的確(あの曲と山手線ゲームの取り合わせは絶品!)で、130分の長さを全く感じさせないのが見事。
スロウ
劇団820製作所
テアトロ ド ソーニョ(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/06 (日)公演終了
満足度★★★
詩的で幻想的な近未来の物語
今までに観た3本の中では一番解り易いものの解釈の余地は非常に大きく、観ながらあれこれ考えを巡らすのが楽しくもあるがちょっと疲れる(爆)。
また、併走する2本の軸に直接的な接点がないのも少々残念。
コドモもももも、森んなか
マームとジプシー
STスポット(神奈川県)
2011/02/01 (火) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★★★
懐かしくも切ない
前々作『しゃぼんのころ』でも使った角度だけでなく視点も変えて繰り返し見せる「重ね塗り手法」により各人物の心境が染み込んでくるよう。
それによって心の底に眠っていた幼少期のキモチが揺さぶり起こされて、懐かしくも切ない。
ここは世界の果てっぽい。【ご来場ありがとうございました!!】
バジリコFバジオ
OFF OFFシアター(東京都)
2011/02/02 (水) ~ 2011/02/07 (月)公演終了
満足度★★★
内容やキャラに人形が見事にフィット
まるで悪夢のように現実と幻想の境界が曖昧で、そんな内容やキャラに「キモカワイイ」あるいは「可愛いが毒気のある」人形が見事にフィット。
また、装置の暗い色彩で閉鎖的な感覚、遠近法をズラしたことで非現実性を現したのか?と思ったり思わなかったり。
雨と猫といくつかの嘘.
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2011/01/30 (日) ~ 2011/02/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
原典を知っているとより楽しい
モチーフとした「百万回生きたねこ」のテーマに猫の死に関する俗説も絡ませた逆方向からの解釈に眼からウロコが落ちるよう。(=原典を知っていたのでより楽しめた)
また、別の時空のシーンに移る時のモーフィングの如き滑らかさや、時空を超えて登場する共通のアイテムや2役に持たせた意味なども巧み。
そんな内容に加えて ehon の葛木主宰を迎えての「女流劇作家対談」なアフタートーク(35分弱)も、本編をより深く掘り下げる内容で非常に有意義。
ソムリエ
靖二(せいじ)
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/01/28 (金) ~ 2011/02/01 (火)公演終了
満足度★★★★
丁寧な作劇に好感
きちんとしたデッサンを重ねて造り上げたように丁寧な作劇に好感を持つ。
また、さりげなく流れるS.E.により舞台となっている書店の外の景色まで見えるような気もする。
さらに最終場では「親子ネタ」+「優霊譚」と好みのパターンの複合にダブルでツボを突かれる。
13人のスピード!
マグズサムズ
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/01/26 (水) ~ 2011/01/31 (月)公演終了
満足度★★★★
これまでに観た3作の中でも断トツ
お馴染みの「あの状況」をうまくコメディに仕立てただけでなく「終わっているかどうかは周囲の評価ではなく自分自身が決めるものだ」的な名言も織り込み、さらに装置のアイデアも良く、これまでに観た3作の中でも断トツ。
もう一つのシアター!
Theatre劇団子
紀伊國屋ホール(東京都)
2011/01/27 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
全く違和感なし
実在の劇団への取材を元に書かれた小説の少し先の出来事を作家自身の脚本により取材された劇団が上演するというループ構造が独特な上に小説のファンの身から見て全く違和感もない(当然か?)ので、若干無茶な「犯行の動機」には片目をつぶることにする。(笑)
明るい表通りで― On The Sunny Side Of The Street―
文月堂
シアタートラム(東京都)
2011/01/27 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
平成の人情噺
昔懐かしい日本家屋を再現した装置の醸し出す雰囲気やオープニングアクト的な「昭和編」の余韻も加わり、現代が舞台ながらそこここに昭和の薫りが漂って、「平成の人情噺」な印象。
また、屋内だが開放感のある装置も前週のミナモザと対照的で、そういう意味でも面白い。
コイツらありき。
電動夏子安置システム
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了
満足度★★★★
10周年に相応しい
劇団員のみで演ずる「電」「動」「夏」「子」の文字を冠した短篇集で、脚本は竹田主宰のほか、殿様ランチの板垣雄亮、ホチキスの米山和仁が提供する(あと1編は文字縛り(とモチーフ)のある即興芝居)という豪華版。
その4編以外にも一人芝居や二人芝居が演じられるほか、開場時から生解説付きの過去作品の映像が投射されていたり、本編の合間には団体名命名の再現フィルム(!)も映写されたりと、「10周年記念事業の一環 電動夏子博覧会(仮称)」に相応しく、かつ楽しいイベント。(「(仮称)」というのは当日パンフにも書いてあるのでこれを含めて正式タイトルらしい)
開場時からの親近感あふれる劇団員の対応とトークも好印象。
くちびるぱんつ
ぬいぐるみハンター
王子小劇場(東京都)
2011/01/27 (木) ~ 2011/01/31 (月)公演終了
満足度★★★★
SFナンセンスコメディ
複数の流れが次第に加速して行き1つにまとまるクライマックスは快感。
また、ロマンティックだったり哲学的だったり、天文学を語ったりなダイアログで鎮めて静かに着地する終わり方も心地良い。