『ウェディング、ラン!』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
劇場MOMO(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
王道コメディ
ドタバタやイキオイではなく計算された展開と会話で笑わせる王道コメディで、全般的にはもちろん、細かいくすぐりやイキな仕草など「小ワザ」も利いて上出来。(タイトルの由来も◎)
鈴木主宰、これで作家としては筆を置くとは残念。
なお、アフターイベントも楽しくて、満足度さらにアップ。
ハネ品レジスタンス
劇団YAX直線
遊空間がざびぃ(東京都)
2012/05/17 (木) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★
改訂版での再演希望
イジメをテーマにした力作(上演時間155分)だが、前半は盛り込み過ぎ気味な上に異様に濃いキャラがいたりもして物語が「線」になりきれないのがもどかしい。
対して後半は2つの主な流れがうまく絡みあい、また「90年代のアイドル映画」(後述)的なニオイもして好み。
よって前半をもう少し線が繋がるようにした改訂版での再演希望、的な。
しかしイマドキ熱血教師系を登場させるとギャグかパロディになってしまうというのは創り手にとっては辛いのではあるまいか?などと考えさせられたりも…。
(補足)「90年代のアイドル映画」については、女性アイドルグループの部分にMAX、フリースクール生徒たちにジャニ系のコが起用されたモノのニオイを感じた。具体的に似ているのではなく、漂う雰囲気的なものが、なのだけれど。
ミルキーウェイ・ストレンジャー
シノハラステージング
アトリエフォンテーヌ(東京都)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★
「銀河鉄道の夜」から20年後のジョバンニ
「あれから20年…」な設定、原典の引用のしかた、意外な「20年前の真相」など、諸々良くできてはいるものの、原典と異なり「乗車中」のジョバンニとミライの「現実界での状況」が想像できないのは惜しい。
あと、音楽・SEを強調し過ぎている部分があるのが珠に疵。
edit
shelf
atelier SENTIO(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
個人的には前回の方が好み
前回と比べて「ことば」が大幅増量で「コラージュ演劇」(?)の度数アップ。
一方、相対的に動きなどの動的要素が減じて全体がスタティックな印象となり、個人的には前回の方が好みか。
使われた原典をよく知っていたらまた印象が異なったかもなぁ?
人まがい
カラーひよこ協会
新宿シアターモリエール(東京都)
2011/11/10 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★
まさに「両刃の剣」?
ストーリーの基本となる設定、全体の構成、5人の演出家の起用など発想がユニークで全般的に面白いが、エピソードが細切れで雑然とした感が無きにしも非ず。
が、それらが積み重なってのラストでもあるので、まさに「両刃の剣」か?
Lullaby
進戯団 夢命クラシックス
SPACE107(東京都)
2011/11/09 (水) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
娯楽アクション時代劇
群雄闊歩の戦国時代を台詞・擬闘などに現代的な要素も取り入れて描いた娯楽アクション時代劇。
前半は比較的史実に沿い、後半は思い切り大胆な展開にする二段構えの構成も含めて上出来。
ただ、OPクレジットがほとんど読めなかったのは残念。
業に向かって唾を吐く
elePHANTMoon
サンモールスタジオ(東京都)
2011/11/09 (水) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
elePHANTMoonの真骨頂
不気味にして滑稽、オカしコワい、的な。
エセ宗教を皮肉る一方で宗教(あるいは心のよりどころ)とは何ぞや?な問いも投げかけ、さらに後の作品に繋がる表現もなどもあり、まさにelePHANTMoonの真骨頂な感じ。
いつも誰かのせいにする
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2011/11/03 (木) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
新章突入?
出だしは従来通りの業界内幕覗き見系だが、次第にそのワクが外れて「ソコはドコ?」「いつのハナシ?」な時代・場所とも現実から遠く離れた異世界あるいは迷宮に引きずり込まれる、みたいな?
また、優れたデザインの装置と、それを上手く使ってのシーン転移も◎。
ウェディング・マーチ
チーム1110 舞台美術部
ART THEATER かもめ座(東京都)
2011/11/03 (木) ~ 2011/11/07 (月)公演終了
満足度★★★★
泣かせ逃げとはズルい!
老(?)父の再婚の日、式場での親族・関係者の人間模様。
基本はコミカルながら、「あのテのネタ」で終盤に泣かせ、そのまま逃げるとはズルい!(笑)
また、冒頭で登場人物が興じているダウトも伏線として上手い。
説教強盗
劇団ダミアン
アサヒ・アートスクエア(東京都)
2011/11/06 (日) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
がっちりした人間ドラマ、な感じ?
説教強盗を狂言回しあるいは背景とした昭和庶民(?)伝。
いくつかの文学作品の引用やメタ系など知的ゲームっぽい感覚はあるも勝手に思い描いていたほどアングラ臭は強くなく、がっちりした人間ドラマ、な感じ…と謀っておいてのいかにもアングラな終盤にニヤリ。
さらに、電車のガードを再現した装置のリアルなことといったら!
ぱんだの集い
張ち切れパンダ
シアターブラッツ(東京都)
2011/12/09 (金) ~ 2011/12/12 (月)公演終了
満足度★★★★
各編の味わいの違いも含めて堪能
3人の脚本家によるオムニバス。
タイプの異なる各編それぞれ出来が良く、その味わいの違いも含めて堪能。
1編目のキャラの立ち方、2編目の現在から回想へのシームレスな移行、3編目のいかにも小学生な事件(?)が特に印象に残る。
ニュートンの青いリンゴ
タマコロ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
三太味
ドタバタ気味な中から崖っぷちアイドル(+α)たちの悲哀(?)が浮かび上がり「他人の不幸は蜜の味」的で愉快。
また、各キャラクターの設定や全体のノリ、冒頭のシーンなどに色濃く池亀三太スタイルが感じられてニヤリ。
次回は誰を作・演出に迎えるのかも楽しみ。
CIRCLE
発電NOTE
シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)
2011/12/10 (土) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
女優が加わると物語が生まれる
擬闘やパントマイム、手話風の動きなどを取り入れた身体表現が美しく、それだけでも雄弁なところに女優が加わると物語が生まれる、な感じ。
鳥取イヴサンローラン
ロ字ック
シアター711(東京都)
2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了
満足度★★★★
後味ふんわり
序盤は濃いキャラ合戦だがやがてこれでもかと言わんばかりに「おんな」を、それもオトコとして(ワカっていても)できれば見たくなかった面を見せつけてオトコの幻想を打ち砕き、さらにヤバいクライマックスへと進むものの、エピローグがふんわりと優しく後味は悪くないというのが上手い。
紗幕に投影されるオープニング映像がσ(^-^)がいたソファー席3列目下手端からだと紗幕を通過して上手の装置もにも投影され、相互の作用によって時々「奥行きのある映像」に見えたのも面白かった。
恋するゆりかもめ【全日程終了!ご来場ありがとうございました。】
劇団東京ペンギン
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2011/11/02 (水) ~ 2011/11/06 (日)公演終了
満足度★★★★
ナンセンスな発想に脱帽
近未来犯罪サスペンスを中心に恋愛名言(?)や映画のパロディなどもちりばめて「娯楽の王道」な感じで楽しい。
また、タイトル通りゆりかもめが恋するどころか「あんなもの」まで擬人化するナンセンスな発想に脱帽。
カシオ
ブルーノプロデュース
STスポット(神奈川県)
2011/10/28 (金) ~ 2011/10/31 (月)公演終了
満足度★★★★
極めて音楽寄りなパフォーマンス
ケチャ的な声に始まり、記録媒体・機器を使わない「生サンプリング」から「言葉による交響詩」に発展する極めて音楽寄りなパフォーマンスな印象。
なので極論すれば言葉は聞き取れなくても可(!)なところにいくつか完結する話が「足場」的にあるのも◎。
EXPO
乞局
スタジオイワト(東京都)
2012/05/18 (金) ~ 2012/05/23 (水)公演終了
満足度★★★★
マクロからミクロまで
大阪万博時に物心ついていた身としては冒頭の語りですっかり引き込まれる。
そうして始まる1編目は当時のニュース映像も交え、「あの出来事も同時期だったのか!」と懐かしさMAX。
一方、2編目は沖縄海洋博をめぐる夫婦の会話で、いきなりミクロな話になる落差にニヤリ。
以降はどちらかと言えばミクロ寄りの話で、しかし乞局でこんなに笑えるのが意外かつ愉快で時の経つのを忘れる。
それにしても「奇譚」ということでは1編目が一番奇譚っぽかったかもなぁ。
翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
逃げちゃダメだろ
パフォーマンス自体は観客の防水なども考慮したことも含めて毎度ながら楽しくかつ見事。
が、今回は「久々の芝居」を謳っていなかったか?
「闘争」で『飛龍伝』の一部を組み込んだ手法の応用として沙翁作品(+α)を多めに組み込んでいたとはいえ、通常(?)のおはぎライブとほぼ変わりなく、その意味では看板に偽りアリ、楽な方へ逃げたとの謗りは免れ得ないだろう。
よって満足度の星は1つ減ずる。
葡萄酒いろのミストラル
シアターキューブリック
ザ・ポケット(東京都)
2012/05/23 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
賢治の生涯を絡めたオリジナルストーリーを軸に据えたところが独特
賢治の作品のうちの1編を軸に他作品をちりばめたものはいくつか観たが、賢治の生涯を絡めたオリジナルストーリーを軸に据えたところが独特か?
また、各キャラのそのものズバリではないが漠然と想起させる衣裳・メイクもステキ。
花音~canon~
進戯団 夢命クラシックス
SPACE107(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
非戦の難しさをまざまざと
非戦派の主人公という好きなパターンの1つであり、本作の初演(とその次の作品)でファンになった身としては待ちに待った(しかもグレードアップしての)再演、みたいな。
で、将来的にはともかく、少なくとも劇中の終演時点ではビターな味わいなのが非戦の難しさを表現して見事。そのあたりは少し改訂したのかな?
また、キャストの違いがキャラの違いになっていたりもするあたりで再演の面白さも味わう。