「Ⅹ4~10の銃と10の自由~」
tea for two
小劇場 楽園(東京都)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
疑問符のちゾクゾク
不条理っぽい前半は疑問符の嵐だが、拳銃が登場してからは国際紛のモデルケースと言おうか根本的な部分をワカり易く提示してゾクゾク。
また、いくつかの言語をミックスしたという「外国語」もソレっぽくて◎。(台詞として覚える方は大変だったでしょうが)
なお、拳銃によるパワーの差があっても面白かったのではないか?などとも思う。(え?ソレを見ただけで察するのは一部のマニアだけ?(笑))
西暦2222年2月22日の22時22分22秒
劇団鋼鉄村松
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★
SF+サスペンス+ロマンティック
時間を戻す能力やコールドスリープなどSF的要素に殺害予告を受けた女性科学者を護るボディーガードというサスペンスを加え、さらに複数の家族愛も盛り込みそれらをバランス良く組み合わせて漱石の「夢十夜(第一夜)」を想起させるロマンティックなラストに落とすのは上手い。
が、笑いの部分に多少浮いた感があり、むしろ全編シリアスで通した方がスッキリしたのでは?
なお、主人公の能力の不自由さに梶尾真治の「クロノス・ジョウンターの伝説」に通ずるモノを感じる。
milk
ウィルチンソン
ギャラリーLE DECO(東京都)
2011/12/09 (金) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
もう少し賢治ネタが欲しかったか?
コントと言うよりは「短編喜劇」の方が的確?
シベ少気味な4編目にそれまでの断片も混ぜ込んだのが気に入りニヤニヤしていたらラスト1編はさらに凝った趣向で、締め括る生歌は画龍点睛を打つ、な感じ。
欲を言えばもう少し賢治ネタが欲しかったかな?
浮世の値段
劇団熱血天使
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2011/12/08 (木) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
2編目が上手く、1編目は楽しい
女優のみによる3編オムニバス。
姉妹3人の会話からそこにいない志よう(与謝野晶子)がくっきり浮かび上がる2編目が上手く、イントロ的でブッ跳んだ1編目は楽しい。
各編の合間をダンスで繋ぐのもイイ。
たゆたう曾祖父
さるしげろっく
テアトルBONBON(東京都)
2011/12/08 (木) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
コメディだが随所に家族愛
基本的にはコメディだが娘を想う父の気持ちや姉妹三人の想いなど随所に家族愛が織り込まれていてホロリ。
また、上部の太い梁の質感を筆頭に古い木造家屋を再現した美術もアッパレ。
あと「小麦粉」の使い方も上手い(謎)。
トーキョービッチ,アイラブユー
オーストラ・マコンドー
サンモールスタジオ(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
一長一短だがコレはコレでアリ
原典の翻案ではなく「その遺伝子を受け継いで現代に生まれ変わらせた」あるいは文字通り「新たな命を吹き込んだ」物語に実験的な手法を加えて一長一短だがコレはコレでアリ。
東京タワーをフィーチャーした背景もステキ。
Oi-SCALE企画公演オムニバスof Oi Oi vol 3
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/07 (水)公演終了
満足度★★★★
Bプログラム
タイプの異なる3編であったAに対してこちらは(作家3人の競作なのに)「いかにもOi-SCALE」な3本。
中でも3編目の林作品は多面的・多角的で、ハートウォーミングにもライトホラーにも受け取れるのが面白い。
Oi-SCALE企画公演オムニバスof Oi Oi vol 3
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/07 (水)公演終了
満足度★★★★
Aプログラム
正統派で観客を集中させ、異色作で和ませておいて、Oi-SCALEの真骨頂的作品でケムに巻いて終わる流れ全体もやはりOi-SCALE的と言えようか?
1編目のパンチライン、2編目のブッ跳びぶり、3編目の「お馴染みのアレ」がそれぞれツボ。
乙女ごころ三人姉妹【閉幕いたしました】
直子あんりタイタイ
CCAAアートプラザ ランプ坂ギャラリー ランプ3【四ツ谷】(東京都)
2012/06/02 (土) ~ 2012/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★
新旧の融合
恐らく原作映画(未見)に起因するであろういかにもモノクロ映画っぽい雰囲気や歌舞伎的な演出(一部)の「旧」と、オーストラ・マコンドーの JORDI TOKYO での公演でも見せた会場の外及び「会場との境界」を使う演出を筆頭とした「新」との融合具合が面白い。
そして文字通り「かしましい」(笑)。
今後、第2・3回公演へと続くとイイな。
ちなみに原作としている同名映画のそのまた原作である川端康成の「浅草の姉妹」も2008年に映画化(短編4編のうち1編)されていたそうで、波瑠、韓英恵というキャストも含めて気になる。
【全日程終了!】鬼畜ビューティー【ありがとうございました!】
ロ字ック
サンモールスタジオ(東京都)
2012/06/06 (水) ~ 2012/06/10 (日)公演終了
満足度★★★★
「他人の不幸は蜜の味」的?(笑)
今回も「おんな」丸出し、オトコの身として「そんなトコまで見ちゃってイイの?」ではあるが、コワいというより「他人の不幸は蜜の味」的な(笑)。
また、終盤でのある人物の「逆襲」に溜飲を下げる。
さらに壁の落書きや掲示された習字、劇中のテレビ番組などもアソビがあって楽しい。
愛想笑いしかできない
and Me
OFF OFFシアター(東京都)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/06 (火)公演終了
満足度★★★★
「二枚飛び道具(爆)」
「非婚社会」を時には溺かけながらも泳ぎ続けるキャラの立った女性たちの姿に誇張もありつつリアリティを感じる。
また、二枚看板ならぬ「二枚飛び道具(爆)」に今後の新たな方向性も見る(笑)。
DaReDa?
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
しもきた空間リバティ(東京都)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
実は受付の時点から物語が
お得意の短編とそれらを結び付けるタテ軸的なストーリーというスタイルに一工夫加え、実は受付の時点から物語が始まって最後にそれが明かされるシカケが今回のキモ。
次にオムニバス形式を演る時はこれを上回るサプライズを期待。
二手目8七飛車成り戦法
劇団鋼鉄村松
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/05 (月)公演終了
満足度★★★★
さすが17年のベテラン
将棋には門外漢な身にとっても十分引き付けられるエンタメ性と、ナンセンスな方向に行ってもきちんと本筋に戻る安定性はさすが17年のベテラン。
主人公の再起(?)をチラリと見せてフッとフェイドアウトするような終わり方も心地良い。
大葬祭
江古田のガールズ
相鉄本多劇場(神奈川県)
2011/11/30 (水) ~ 2011/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
一粒で二度美味しい
バックステージもの+ショーの「一粒で二度美味しい」構造。
全体の2/3を占めるバックステージ部分はほとんど素の舞台で地味ながら観客をしっかり引き付ける物語の力があり、その後に繰り広げられるきらびやかなショーは賑やかで楽しい。
ともだちのそうしき
RONNIE ROCKET
大吉カフェ(東京都)
2012/05/26 (土) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
百花・中谷組
これまでに観た2組と異なり未だ酩酊状態の中島に感情が昂ぶると関西弁になる小林など「応用編」のオモムキで、新たな息が吹き込まれた感じ。
こりゃあ7月もいくつか観ることになりそうだな。
ともだちのそうしき
RONNIE ROCKET
大吉カフェ(東京都)
2012/05/26 (土) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
秋澤・菊地組
前月に観た蒻崎・中山組に比較的近いがもちろん細部は異なり、まだ記憶に新しい前月版を脳内で再生してそれと比べながら楽しむ。
そういえば前月観た版とこの回でJACROW出演経験者が3人…なるほどぉ(妙に納得)。
軍鶏307・改訂版
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/28 (月)公演終了
満足度★★★★
Bバージョン
初演から時を経て観たAバージョンと異なり、先の展開が鮮明に思い出せる分、泣きがフライング気味(笑)。
また、キャストの違いも甲乙付け難く、むしろ折にふれ様々なさくらやメンドリさんを観てみたいと思う。
容疑者χの献身
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2012/05/12 (土) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
哀しさに泣けた
映画ではトリックの斬新さに、初演では舞台化の巧さにそれぞれ気をとられ、今回やっと内容をじっくり味わう。
その結果、事件の当事者たちの運命(的なもの)があまりにも苛酷で哀しく、胸を潰されそうに感じる。
キツネの嫁入り
青☆組
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/05/25 (金) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
まさに「未来の昔」
民間伝承に妖しさをブレンドした趣が味わい深い。
また民話や伝説が歴史的事実を踏まえているように、未来に起こり得ることが下敷きになっていると深読みできるのも◎。
さらに八角形の土俵のような主舞台と吊り下げられた小物たちが醸し出す和風感もステキ。
憧れと衝動
小松台東
高田馬場ラビネスト(東京都)
2012/05/30 (水) ~ 2012/06/03 (日)公演終了
満足度★★★★
前作とことごとく対照的
前作とは舞台設定も装置も物語の味わいもことごとく対照的だが、これはこれでまた面白い。
今回の主役はアラサー三人娘よりも彼女たちを悩ませる「憎まれ役」の面々ではあるまいか?
そのイヤらしさやダメっぷりが強烈であればあるほどラストが爽快なワケで。(まさに往年の東映任侠映画の系譜?(笑))
なお、ラストシーンの風のSEに「風に逆らう三姉妹」なんてフレーズを思い出したりも…(笑)