『Faith~再演』
A Ladybird Theater Company
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2012/09/02 (日) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
期待度♪♪♪
再考
江戸時代の見直しが既に大分前からあちこちで、様々なジャンルで行われているが、そういう流れの一つという意味では、新鮮味に欠けるが、まあ、大切なことだから、価値はあろう。但し、国家などというレベルだけではなくて、もっと普遍性に傾いた考えの中で国家という無責任体制そのものを問うべきだろう。ヒトが、地球上で唯一、自然に改変を迫る力を持って既に長い以上、国家などという擬制は、少なくともアートの中では越えてゆくべきだろう。
太 陽
アカネジレンマ
劇場HOPE(東京都)
2012/08/22 (水) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
終わりの始まり
当に我々の日常だろう。決定づけられたのは、無論、3.12である。3.11ではない。3.11は自然災害であり、甚大な被害は多くの人々に今なお深い傷を残している。然し、我が国は、世界で最も地震の多い国の一つであり、大地震に至っては、当にトップクラスの地震国なのであるから、これまでにも地震による被害は散々経験してきた。だが、なんとか立ち直ってきたのもまた事実である。然し、3.12は、完全な人災であり、その影響は、放出された放射性核種を物理学的に考えれば、発表されている核種だけから判断しても25万年以上、更に、未発表ではあるが、考えられる核種を計算に入れれば数億年から数十億年の長きに亘る。
我々に残された日常とは、即ち見えない死の汚染の中でDNAを日々刻々破壊され乍らの日常である。DNAが破壊されるので癌や白血病のみならず遺伝子疾患にまつわる総ての症状が疑われるのは明らかである。このような日常は、我らヒトのみの問題ではない。バクテリアからヒトまでありとあらゆる動植物を含む生命体に影響があるのである。更に、生物と無生物の間に位置するウィルスなどへの影響も考えねばなるまい。ウィルスがどのように変化し、生物にどのような影響を与えるか。現段階では、誰も明確な答えは出せまいが、影響が無いと言い切れる保証もない。
このような状況で、祖父の帰還で何がどう変わるのか。未来は、見えてこないだろう。それなら、どのようにヒトは夢見るのだろうか?
フリル
アマヤドリ
王子小劇場(東京都)
2012/09/08 (土) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
凄い
流石である。原点は自分の肉体のみを所有する夫と総てを所有した妻との最終闘争という所だったはずだが、その向こうに行こうとしている所に、この劇団の真骨頂がある。0次元に還って、そこから何をどのように再結集し、プログラムするのか。或いは、もう少し進んで創発レベルに達したか更に先に進んでいるか。楽しみな限りだ。
【番外公演 とりささ!】 退魔師・裏
とりにく
テアトルBONBON(東京都)
2012/08/30 (木) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
すっとぼけた感じ
どこか、そんな感じのする紹介文だ。すっとぼけは面白い。すっとぼけはヤバイ。すっとぼけは無責任だ。そしてすっとぼけこそ人生の要諦である、ナンチャッテ! 面白そうだ。
ゴミくずちゃん可愛い
ぬいぐるみハンター
王子小劇場(東京都)
2012/08/22 (水) ~ 2012/08/27 (月)公演終了
期待度♪♪♪
ゴミ
蛆だよ蛆っていう落書きが、ペイントしてあったのを見たのは族が走り回っていた1980年頃だ。族メンバーがスプレーで描いたものだと思う。何れにせよ、実際、我々は地球の塵だろう。他の生物に迷惑を掛け続けている核廃棄物をどうにもできない塵なのだ。そのことを真剣に考える感性さえ、為政者は忘れているようだ。その結果、心配している人々も塵である。可愛さもその辺りを汲んだ上で演じて欲しいものだ。
砂の女
mizhen
atelier SENTIO(東京都)
2012/09/01 (土) ~ 2012/09/02 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
戯曲化の難しさ
「砂の女」は岸田を思い出すが、公房の原作に何処まで迫れるか、何処をどう突き放せるか。女優の力量がもろに問われる作品だろう。が、3人で競演なのか共演なのか、或いは饗宴、更には協演なのか、共同の仕方が分からないが、何れにせよ、間違いないことは、女優の力がもろに試される、ということだ。力のある演技を期待する。
鏡花夜想曲
オフィス櫻華
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2012/08/24 (金) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
第14帝國 ラフォーレ原宿連続式典
第14帝國
ラフォーレミュージアム 原宿(東京都)
2012/08/25 (土) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
ライト・リライト
翠組 midori-gumi
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/08/23 (木) ~ 2012/08/28 (火)公演終了
期待度♪♪♪♪
身につまされる
七転八倒をコミック仕立てで見せる、というコンセプトが面白い。作家の自嘲や編集者との騙し合い、腹の探り合いなどのほかに、「登場人物」達が、本から飛び出すという発想はレイモン・クノーばりである。ぜひ観たい。
【御来場ありがとうございました!】『M ACT QUEST』
M ACT CREW
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2012/08/16 (木) ~ 2012/08/17 (金)公演終了
期待度♪♪♪
秘密めかし
内容はさっぱり分からないのだが、偉く気取って秘密めかしているようだ。本当に歌舞けるのか? 恐らく、怖いもの知らずのパフォーマンスだろうが、
正体を暴くのは趣味に適う。
貧乏が顔に出る。
MCR
サンモールスタジオ(東京都)
2012/09/20 (木) ~ 2012/09/24 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
屈折率
MCRは、一見投げやり風なこの屈折率が何とも言えない味を出し、深みを持つ。最も、MCRらしい作品ということであれば、期待しない方がおかしい? だろう。
ヨーロッパ企画 イエティ 「ウイークポイントシャッフル」
ヨーロッパ企画
駅前劇場(東京都)
2012/09/01 (土) ~ 2012/09/03 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪
宣言
感動的にはならないという宣言が何ともユニークではないか。果物を本当に食べられないのか否かはともかくとして、或いは、具体的にそれに似た何かがあるのかも知れない。何れにせよ、知らんぷりで挑発的な面白さを感じる。
アッカ村の狼
エンタテインメント・プロダクション LUCK-UMU
下北沢studio AKAT(東京都)
2012/08/18 (土) ~ 2012/08/18 (土)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
自己触媒モデル
面白い。不確定要素が入ったというより、それが、必要条件として組み込まれている中で、単純な規則で無限おバリエーションが可能な生存競争ゲームではないか。どのような進化を見せるのか、何百回も繰り返すと安定的な構造を自らのシステムで生み出すのか?
笑劇SUMMER
W-Speak
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪
実力
さて、スターシステムに乗った人達の饗宴という形らしいが、実力のほどを拝見したい。評価するにせよ、それほどでもないにせよ、観ておかなければ話にならないから。
それはエデンの東か西【ご来場ありがとうございました!】
Bobjack Theater
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/09/05 (水) ~ 2012/09/12 (水)公演終了
期待度♪♪♪
ユルそう
神など呪うべき「存在」であろう。少なくとも、本当に果てのない苦悩に引き裂かれた者たちにとっては。神学的な問答にも向かう必要が無く、生ぬるい日常にどっぷり浸かりながら、嘆きのポーズを取って見せる。そんな日常にSFと言えば言えなくもない微妙、曖昧な世界観を構築できるのだろうか。その点に興味がある。
春までの距離
LIPS*S
萬劇場(東京都)
2012/08/16 (木) ~ 2012/08/19 (日)公演終了
石棺~チェルノブイリの黙示録
劇団昴
座・高円寺2(東京都)
2012/11/08 (木) ~ 2012/11/14 (水)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
IAEAとWHO
IAEAは背景に安保理がある。然し、WHOにはそれが無い。そのことが、核に関する被害でWHOが、IAEAの傘下にあることの実態だろう。チェルノブイリでも既に少なく見積もって100万人以上が、その影響を被ったというデータが存在するにお関わらず、WHOの発表人数はIAEAと同数である。内部被曝を問題にしていないからだ。ICRPの基準を採用しているのは、無論、核大国が総て背景にあるからであろう。これら、健康と人民の敵の正体を暴かねばならぬ。この観点で描かれている作品だと思う。観ておきたい。
レイラの手紙
メガバックスコレクション
ART THEATER かもめ座(東京都)
2012/08/19 (日) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
核爆発後
今や、核の暴走は何時、何処で起こってもおかしくはない、というリアリティーを持って迫ってくる。実際、箍が緩み始めた昨今、超大国アメリカは、既に凋落傾向を露わにし、中国は途上、インドも然り、ロシアにも往年に力はない。ブラジル他の諸国は言うまでもない。火種だけはいくらでもある。イスラエルのパレスチナ占領はかつてのナチと似ている。パレスチナ人に対して日々行われている、差別や残虐行為ばかりではない。多くの国が、その不当に否と言わない構図がである。そのような無茶苦茶が通る、通ってきた国際関係の力学の中で箍が緩んだらどうなるか、説明する必要などあるまい。そのような危機感と共に観ることができそうである。
大麦入りのチキンスープ/ぼくはエルサレムのことを話しているのだ。
東京演劇アンサンブル
ブレヒトの芝居小屋(東京都)
2012/09/06 (木) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪
視座
革命も保守もいわば視座の違いだろう。無論、具体化する中では、戦略、戦術、軍略などは必然的な付帯事項だが、根本は、やはり視座である。宇宙感と言い換えても良いかもしれぬ。即ち、時空に座標軸をどうとるか、という問題だ。革命的浪漫だの高揚感だのは、本当はどうでもよい。大切なことは、不測の事態を含めてどう未来の予測不可能性を評価するかである。このような冷静な視座で作っていてほしい。
不思議の国の内蔵助
LOVE&FAT FACTORY
シアターブラッツ(東京都)
2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了
期待度♪♪♪
ルイス キャロルの数学
さて、気になるタイトルは、この国を揶揄したわけではなさそうだ。ところで、キャロルは大好きな作家なのだが、彼は大学で数学を教えていた学者でもあるから、数学的論理があちこちで顔を出す。どこまで、キャロルの数学と格闘できるか。楽しみである。