電氣っ娘
劇団 EASTONES
駅前劇場(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/22 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
まるでガザの若者のような絶望的な表現が並ぶ説明文だが、無論、ガザの若者たちほどには悲惨でない。博士課程迄出て工場労働者をせざるを得ない若者、高校の成績証明書の平均点が、97.3点という驚異的な秀才がエジプトから奨学金を支給してもらい大学医学部に受かっていながら、封鎖でガザから一歩も出ることができず、奨学金を受け取る権利も、滞在許可も失う。イスラム大学(名門大学)を卒業して3年、まともな就職口がない。繋ぎで務めた国連機関などでも一日12~13時間働いてわずか30シェケル、数ドルの給料だ。
病床700もある大病院でも前回のガザ侵攻では、携帯電話の明かりでオペをせざるを得ない。などなど、他にもあげればキリがない。イスラエルの砲撃によって発電所が破壊された。
復旧には何年も掛かる。その間、綺麗で安全な飲み水の確保もできず下水処理ができない為、井戸水をくみ上げる地下水脈が汚染される可能性が極めて大きい。すぐに汚染状況が現れなくとも、飲料数として使えなくなることが懸念されている、などなど。国際法に違反した多くのことを実行しているイスラエルは度重なる国連決議にも拘わらず、懲罰をうけないのをいいことに、人道に悖ることを積み重ねている。
ガザほどひどくはないが、日本にも占領地、ガザに似た状況を強いられている地域がある。その代表が沖縄だ。被差別地域としては福島も入る。そして今作で描かれるような見世物小屋に売られる人々もその多くが、貧困と差別に悩む、地域の住人であった。
雨と猫といくつかの嘘
青☆組
アトリエ春風舎(東京都)
2017/05/23 (火) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
終のすみか
cineman
APOCシアター(東京都)
2017/05/24 (水) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
GK最強リーグ戦2017
演劇制作体V-NET
TACCS1179(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
テーマが酒ということであるが、酒に関してはオマルカイヤームの「ルバイヤート」ボードレールの悪の華の中で詠われたLe Vin アポリネールの「アルコール」、李白の詩歌等、傑作がすぐさま思い出されるが、このテーマを巡って、どれだけ優れた作品が上梓されるか楽しみである。
寝る子を起こせ
ユーキース・エンタテインメント
STUDIOユーキース(東京都)
2017/05/18 (木) ~ 2017/05/25 (木)公演終了
ズルい奴ほどよく吠える
雀組ホエールズ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
当に安倍 晋三! 嘘を平気で吐きまくり、ISの日本人人質を死に追いやった責任も、取らなければ、教育に参与しておきながら、国会議員を辞めるという気勢を吐いた! だったら昭恵を召喚したらよい。日本会議との黒い関係も明らかにすべきだし、原発被害の矮小化も即座にやめさせるべきである。他にもいくらでも批判すべきことはある。アメリカのパシリは即刻止めるべきだし、アベノミクスとはアベノミ屑の間違いだろう。
TOUCHABLE
STEPS Musical Company
STスポット(神奈川県)
2017/05/20 (土) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
浮かれた渋谷は、実はアリジゴクの構造をした地獄巡りの地でもある。カミユがダンテの「神曲」の舞台設定を「転落」でアムステルダムに置いたように、今作の作家が渋谷に置いているとするととても興味深いのだが。
祖国は我らのために
マコンドープロデュース
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2017/05/18 (木) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
寺山 修司ではないが、我らに祖国と呼べるだけのものはない。それに引き替え、ロシアは良くも悪くも祖国と呼べるものが存在するのは確実である。チェルノブイリ後の対応にしても、我ら植民地住民とは質が異なる対応を見せた。翻って我が故郷、そして地域の下々の意識の低さはどうだ。革命は愚か、民主主義すら担うことができない。そして、この事実を認識している者が余りにも少ない。居るのは下種と奴隷と畜人ばかり。独立国でないことに慣れ切り、矜りを失った我らに未来がある訳もない。さて、この現実をどう作品化してくれるか。
PLAY ROOM
ピウス
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2017/05/17 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
めくる、くる、くる。
インプロカンパニーPlatform
上野ストアハウス(東京都)
2017/05/12 (金) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
インプロビゼーションのアモルフな欠陥を、コンセプトを明確に打ち出し、座標とそこに描かれる定型として措定することで、大きな筋を通す。創作上の大枠は、こういうことのようだ。インプロのセンスとコンセプトのせめぎあいを観たい。
疚しい理由
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/05/12 (金) ~ 2017/05/16 (火)公演終了
期待度♪♪♪♪
騙される者も騙す者も両方とも良いわけにゃいじゃん! 騙されるのは”みむめも”だからだし、騙すのは倫理と人としてのプライドに欠けるからだろう。何れも理由は異なるが悪いことに変わりはにゃい。然しこれも勝手にヒトが決めたことに過ぎにゃいから、大したことではにゃい。問題は、支配者共が騙すことにゃのだ!! 大衆は彼らの餌にゃ。而も支配者は恬として恥じにゃいにゃ。疚しさのある時、彼らはSMバーなどで、女王様に傅いていたりするにゃ。
絶句するコンテクスト
劇団なのぐらむ
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2017/05/11 (木) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
大人子供みたいなガキしか居なくなってしまったような昨今、ホントにそこまで計算しないガキが居れば面白いのだが。自分らが中学の頃には、キャバ嬢をやっていた同級生が居たし、出席日数なんて年間10日かせいぜい2週間程度だったにも関わらず学校側は卒業させた。番超グループ同士の喧嘩で、大けがを負った奴もいた。当然、みんな自分のスケは持っていたから、ハラボテ問題も時に起き、尾崎の歌詞のような心細さも味わった。そんなガキが今居たら、それは面白かろう。
「市と惣左の恋ひ慕ふ」
OG-3works
遊空間がざびぃ(東京都)
2017/05/10 (水) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
粋でいなせな江戸の渡世人を気取っていた宿場町の力関係がグラリ。若い者の恋の行方と色と欲とに両股かけた代貨し。賽子コロコロ賽の目七つは四三の半、さあさあ張った張った! 丁半駒が揃いました、参ります。
morning sun 晩夏/初春
第27班
テアトルBONBON(東京都)
2017/05/10 (水) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
如何にも関西のセンスをフライヤーに感じる。道頓堀といやあ、自分も関西の学生やった頃、夏の間アルバイトをしに行っていた。道頓堀川の淀んだ水に映るネオンサインの滲む姿は忘れがたい。
りんぷん手帖
やみ・あがりシアター
王子小劇場(東京都)
2017/05/12 (金) ~ 2017/05/16 (火)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
何気を装った説明文だが、今回はどんな驚愕を齎してくれるか? 実に愉しみなやみあがりシアターの新作。今自分が最も期待している若手劇団だ。大き目の小屋での公演、更に観客動員が増えることにも期待しよう。
想い出を消しながら君は恋をする
inlandsea インランドシー
ザムザ阿佐谷(東京都)
2017/05/12 (金) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
Off-Broadway MUSICAL LIVE5
Score
ミュージックレストラン・ラドンナ(東京都)
2017/05/05 (金) ~ 2017/05/06 (土)公演終了
期待度♪♪♪♪
ブロードウェイでミスサイゴンを観たことがある。良くできた作品だったが、アメリカのイデオロギーに都合よく単なる恋愛問題に狭小化された、いわばベトナム戦争惹起の責任を逃れる為の作品でもあった。印象としては歌舞伎、派手な分金も掛け舞台装置も見事で、ベトナム戦で多用されたヘリコプターが会場内に降りてくるシーンなどの迫力は圧倒されるほど凄まじいものであったが、所詮、体制擁護に堕したエンターテインメントであって芸術作品ではなかった。アメリカの映画にもそれは言える。ハリウッド作品はいつの頃からか、体制迎合、ポピュリズムに陥り芸術性が無くなった。オフブロードウェイには芸術性があることを期待したい。アメリカのB級と言われる映画に時として実に芸術的な作品が存在するように。
Die arabische Nacht|アラビアの夜
shelf
The 8th Gallery (CLASKA 8F)(東京都)
2017/06/02 (金) ~ 2017/06/05 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
毎回レベルの高い問題意識で作品作りをするShelfだが、今回はドイツの現代作家の作品、それはムスリムとの関係を現実としつつ幻想的な空間が溶融するという作家の原体験をもとにしているのだろう。いわば現在ドイツにおける千一夜物語と解することができるかも知れない。何れにせよ、移民の多いヨーロッパの中でもドイツはEUの実質的リーダー。その社会で巻き起こされる様々で微妙な事象は、言語と身体、更には洋の東西の差異やギャップを検証しつつ、共通項を探る冒険でもある。矢野氏の知的で本質的な演出にとっても大きな課題であるに違いない。その争闘をぜひ拝見したい。
犬は吠えるがキャラバンは進む
スズキプロジェクトバージョンファイブ
小劇場B1(東京都)
2017/05/09 (火) ~ 2017/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪
SDF sans domicile fixeの略であるが、ヨーロッパのSDFは日本のホームレスよりインセンティブが高い者も多い。有名な人では、「1984年」を書いたオーウェルやアメリカの作家であるが「最後の物たちの国で」や「空腹の技法」で知られるポール・オースターも一時期SDFをやっていた。社会観察には適した位置である。問題は、そのような意識を持ってSDFをやっているか否かなのである。実態のない中流に憧れを抱く多くの日本人の発想には、このような視点が欠けている。
僕は僕する
劇団天動虫
要町アトリエ第七秘密基地(東京都)
2017/05/03 (水) ~ 2017/05/07 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
寺山の言葉の鋭さはその質問と歌人としての切り取りの妙にあるのではないか? 何れにせよ、頭の回転の早い人であったし、ロートレアモンが好きだったことでも趣味が一致した。宿命を根こそぎ変えようとしていた点にも、彼の魅力が潜んでいよう。