期待度♪♪♪♪♪
まるでガザの若者のような絶望的な表現が並ぶ説明文だが、無論、ガザの若者たちほどには悲惨でない。博士課程迄出て工場労働者をせざるを得ない若者、高校の成績証明書の平均点が、97.3点という驚異的な秀才がエジプトから奨学金を支給してもらい大学医学部に受かっていながら、封鎖でガザから一歩も出ることができず、奨学金を受け取る権利も、滞在許可も失う。イスラム大学(名門大学)を卒業して3年、まともな就職口がない。繋ぎで務めた国連機関などでも一日12~13時間働いてわずか30シェケル、数ドルの給料だ。
病床700もある大病院でも前回のガザ侵攻では、携帯電話の明かりでオペをせざるを得ない。などなど、他にもあげればキリがない。イスラエルの砲撃によって発電所が破壊された。
復旧には何年も掛かる。その間、綺麗で安全な飲み水の確保もできず下水処理ができない為、井戸水をくみ上げる地下水脈が汚染される可能性が極めて大きい。すぐに汚染状況が現れなくとも、飲料数として使えなくなることが懸念されている、などなど。国際法に違反した多くのことを実行しているイスラエルは度重なる国連決議にも拘わらず、懲罰をうけないのをいいことに、人道に悖ることを積み重ねている。
ガザほどひどくはないが、日本にも占領地、ガザに似た状況を強いられている地域がある。その代表が沖縄だ。被差別地域としては福島も入る。そして今作で描かれるような見世物小屋に売られる人々もその多くが、貧困と差別に悩む、地域の住人であった。