ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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ヒューマンエラー

ヒューマンエラー

青年団若手自主企画田上企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/08/20 (水) ~ 2014/08/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

建築現場の人たちを・・
デフォルメし過ぎてるんじゃないかなーって感じはあったけど、
凄く完成度が高い作品だと思った。

時間も短くて描写もあちこちバッサリカットされていて
観ていて気持ち良い。

割と重い鴨ってハナシをサクッと書いている所もGOOD。

ネタバレBOX

良くみるとさりげなく母子家庭が二組出てくるようだ。
施工主と施主。

・・いや、ひょっとしたら描写されていないだけで
全員そうなのかもしれない。

立場は全く違う二組だが、子どもの描写もだいぶ違う。
施工主の息子は子どもっぽく、もう一人の施主の方は繊細。

後に施主の息子は娘であることが分かる。

どうもお金持ちで放っておかれた息子の方は我儘になり、
逆に苦労して育った娘の方は父親不在の家庭の中で男のような外見をするようになったのかと推測してみた。

もしくは、将来一緒に住もうって言って先にバイク事故で死んで風になったっていう女友達(幽霊として登場?そのへんも描写は定かじゃない)が好きで男の子の格好をしていたのかもしれない。
思春期の女の子たちは、時に自分の好きな人間に合わせて自分自身を大胆にカスタマイズしてしまうことがある。
少し痛々しくもあるが、そういった若さも自分は好ましいと思った♪

これだけだとちょっとしんみりする話だが、物語の描写は全然しんみりしていない。
むしろ明るくサクサク進む。

何でかなって思うと、多分そんな文学的でない感じの現場の人たちが登場しているからかなって思う。
実際には新橋で飲んでるオッチャンたちより、現場のひとたちの方がよほど文学的であったりすることは疑問の余地が無いのだが。

ともかく、見かけ体育会系で内面は実は繊細であるような発言をするオッチャンたちが鋭い発言を繰り返すことで物語はテンポよく進む。

下らない話かもしれないが、美しい筋だと思った(笑

学校生活で演劇や読書に励んできた人たちには、
是非、土方とかで人生の研鑽を積んでほしいなぁと思った。
安全第一で。
キープレス

キープレス

劇団森キリン

アトリエ春風舎(東京都)

2014/08/02 (土) ~ 2014/08/07 (木)公演終了

満足度★★★

登場人物の誰に対しても・・
親の影響が大きそう、というのがちょっと・・まどろっこしいと言うか(苦笑

ネタバレBOX

見る限り、登場人物の5人中3人、心のどこかで親の愛情を渇望しているのではないかと見える気がする。

あと一人は愛情を渇望している。

もう一人は・・良く分からない(笑
逆に隠れマザコンっぽい弟君に何故惹かれるのかが良く分からない。あとなんであんなに鈍いのかも。

3人は幼少期に親の愛情を受けられなかったことがトラウマで幸せに踏み出せないように見えるんだが、そうだろうか?
描きたい主題はあくまで行間で、心理ではないと言われそうなんだが、
多少、物語の骨組みがシンプルすぎると、
行間も生まれにくいようにも感じる。

両親が不在でも感情の優しさを手に入れる人間は大勢いる。
物語の中に作者の希望が多く含まれすぎているようにも思う。
もっと素直に感じるままを描いた方が良いのではないかとも思う。
色彩をもっと増やした方が良いように思う。

ものごとは捉え方だと思う。
両親や周りに心配されない方が、
どの橋の下ででも野垂れ死にできるという気楽さもあるように思う。

5人のうち4人の若者の捉え方が悲観的過ぎるように思う。

きのう家族を失った人にでも、
爆発するような勢いで未来を指させる躍動感が若い人には欲しい気がする。
繊細さではなく。
交互に光る動物

交互に光る動物

ブルーエゴナク

王子小劇場(東京都)

2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

(ソフト)ヤンキー?っぽい登場人物たち・・
が出るところが面白い、と思う。

ネタバレBOX

舞台を観ていて感じたけれど、
やっぱり主宰の穴迫氏の演技、台詞がダントツに面白いと思う。

あとはやっぱり河原のホームレス?家はあるらしいのだけど一生フジロック気分でいたいオバサン?ボヘミアンの女役の平嶋氏。

舞台を観ていて感じたけれど、
作・演出の穴迫氏がこの二人の登場人物・キャラに特に魅力を感じたのだな、というのが伝わってきた。

まだ発展途上なのかなぁ、とも思ったけど、
最終進化形がこのあたりにあるのかな、と思えば、
他にあまり似た舞台が無いので好感が持てる。

ボヘミアンの女は独特。

こういった感じのホームレスっぽいオバサンは割とどこの町にでもいるんだけど(横浜のメリーさんとか、自分の町にも・・)
みんな一見似ていて全く違うようで、
自分からはどうしてそういった感じになるのか、
全く想像がつかないだけに余計に面白い。

どんなに想像してもそっちがチープになりそうで・・(苦笑

でも、ああいうのは出来たら、
男に遊んで捨てられた的な安易な描き方はしないで(若い男性っぽい発想かも
自分のことより大事にして愛していた子供が同級生に殺されたショックで家を出た、
とか、そんな風に描いた方が誰にでもダイレクトに伝わると思う。

そういう風にエッジにすると、地方の観客はそこで思考停止するかもしれないけれど、
東京の小劇場好きの観客にはその位しないと伝わらないのでは・・とも思う。
賛否両論があるくらいでないと。
挑戦しなければ。
東京用に少し変えないと、すぐに埋もれてしまう気が・・。

主宰のような台詞運びを全員が出来れば確変するのは間違いないと思うんだけど・・。
地方の(ソフト)ヤンキー演劇ってのは、記憶にないから。

全員ヤンキー、あとボヘミアンでも良いと思うんだけど・・。
まぁ、そうすると全く違う作品か。

地方には東京より良い素材がたくさんあるのは分かるけど、
それをプレーンに描くだけじゃなく、
荒くザラザラとエッジに描くようにした方が。

音楽が良かった。
妹の歌

妹の歌

ガレキの太鼓

王子小劇場(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

もうちょっと救いがあれば良いような・・
でも、ちょっと重そうな主題?を軽く扱っているっぽいところは好感が持てたり。

ネタバレBOX

最後の夫婦の離婚問題に唐突に突入するところが面白い。

それまでなんとなく
「この二人合わないんだろうな」
と、感じさせるところが急に鮮やかに浮かび上がってくる。

こういうのはガレキは本当に巧い。
凄い。
だから逆に切なくもある(苦笑

二人とも一生懸命なんだろうけど、
どうしようもない二人の溝が、はた目から見ると哀しい位に明らか。

最後の奥さんの晴れやかな表情に一瞬救いを感じるが、
妹の眼からすると、
もう取り返しのつかない道を選んで戻れないことが見て取れる。

それはもう高校生には引き返せないことを暗示している。

「ダメ男」
という誰にでも読み解きやすいキーワードが
なんか上手く使われていないっぽい(女性にはこれだけで十分なんだろうが
感じがちょっと残念かなぁ。

男性はこういうの見ても割とピンと来ないかも。

優秀ではあるが夕日に共感できない(たとえだけど
夫のような観客が多そうな印象だからだろうか、男性には。
【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

なかないで、毒きのこちゃん

王子スタジオ1(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

一見、王子スタジオだけかな、と思うんだけど・・
実は会場の外まで含めての公演なのかとも思ったり。


・・演劇公演って言うと、演出家の憧れっていうのかあるのか分からないんだけど、
才能のある人、変わり者の人生とかに焦点が当たったりするんだけど、
ル・クレジオなんかを読めばすぐ分かると思うんだけど、
優れた文学って言うのは意外と
田舎の、才能なんて欠片も無い、でも誠実な人間がさらりと
あちらこちらに登場するものだ(苦笑

変わり者が美しい凡人の人生を描く、それが文学。

自分の親にしたって、
才能とパワーのある目立つ甘い父親より、
どちらかというと、才能なんてないかもしれないし自分に厳しい母親の方が、
愛着が出てしまう気がする・・。ナイショだが(苦笑

でもまぁ、休日とか、よくお袋の手伝いしながら
こども電話相談室とか一緒に聴いてるんだけど、
こどもを心から(損得抜きで)可愛がるって、
結構な才能だと思うんだけどなぁ・・みんな口ではキレイなこと言うんだけど。

直木賞やノーベル賞なんかより価値はあると思うよ(笑

ネタバレBOX

あくまで「稽古」の公演だからね。

その稽古がリアル稽古のていなのかはともかくとして。

休み時間の会場前の感じ、向かいのコンビニの並び(笑

「カオが怖い」とダメだしされてちょっとしょんぼり並んでいる感じも含め公演なのか、リアルダメ出しなのかと想像してしまった♨

余計な小道具?を持ってきてのダメだし(苦笑

ラストの方、近所の花火大会の影響なのか道行く人のたまに見える浴衣姿、バスのライト、色んなものを含めて、ライブっぽさが滲み出ている。

凄く面白い。

物語が、というよりか、
出演者、演出家それぞれの母親像が
瞳の中に一瞬垣間見えるところとか。

ああいうのは数メートル先じゃないと見えない気がする。

・・届いたかな、届いたかな、いや、今回もムリだったのかもしれない。

でもまたもう一回頑張る。若さ。

ファン・ペルシみたいにはなれないかもしれない。でも跳ぶ。
朝日を抱きしめてトゥナイト

朝日を抱きしめてトゥナイト

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

あれ、自分としては・・
別に☆5でも良いような・・。

どうとらえるかは人それぞれだけど、
アニメーションに物語のすべては凝縮されていると自分は想像してみた。

一瞬?十か月?
の朝日を待ち続ける間の夢。

そんなんで良いんじゃないのかなぁ。

まちまち子。待たれていた子。待って待って待ち焦がれていたあなたのおばぁちゃん。

もう死んじゃったけれど、天国であなたのこともっと待っていたと思う。あなたのひいおばぁちゃん。

でも、私たちがみんな死んじゃったら、今度は私たちがあなたの心の一部になるの。まち子。

じゃあ、一人しかいなくても、子どもの心の中には「まち」があるみたいなもんさね。

人の生と死。

待って待たれて、生まれたと思ったら、親たちはもう子どもの心の中。

マトリョーシカみたいなもんかね。

でも、どっちもどっちに含み含まれ。不思議な円環。

シンプルだけど、なかなかない発想で面白いな、と思った。

こういうのは楽しめるかは人それぞれだけど。

宇宙ピラミッド

宇宙ピラミッド

超歌劇団

タイニイアリス(東京都)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ゆるっと始まって
そのままゆるゆる。最後はちょっと良い感じ。

ちびっ子たちには結構ウケていた。良い子だなぁ・・♨

将来大人になっても、帰り道そこらへんで見かけた道端でキスしているホストたちみたいなクズにはならないに違いない・・(笑

いかん、またいらんこと言った(苦笑

夏といえば! に捧げる演劇儀式 〜愛と絶望の夢幻煉獄〜(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

夏といえば! に捧げる演劇儀式 〜愛と絶望の夢幻煉獄〜(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

pit北/区域(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

何だかよく分からなかった
・・んだけど、割と面白かった。

なんでかなー、って思うと、
「あれ、これって誰かの夢なんじゃないか」
と思った。

夢だったら支離滅裂なのは当然。

でも、個々のイメージが強ければ割と見れる。と、思う。

ネタバレBOX

子供が喜びそうなシークエンスがあったかと思うと、
途端に泥沼になる。

意外と真理を突いているようで、
偉人の名言を茶化したかのような出で立ちで、
急に世界の終わりのようなモードに切り替わる。

サッカーで言うなら、緩急しかない。
80分を通しての哲学のようなものは皆無。

でも、底に流れる不安はつながっているようにも見える。

それをうまく説明しようという言葉は無い。

でも、まぁそれで良いのかも。

世の中の、上手く状況を説明した大人たちの言葉のほとんど全てが的外れだ。
簡潔に何かを説明できるならわざわざ演劇をやる必要は無い。
詐欺師か政治家になれば良い。

ひょっとしたら台詞は必要ないのかもしれない。
舞台上で役者個々人が慰め合い、殴り合うきっかけの為に存在するにすぎないのかもしれない。
でも、それは日常の人間社会の中でもありふれた光景なのかもしれない。
大抵の会話が他人にとって不可解で無意味だ。
ただ、それぞれのグループがその約束を分かり合ったフリをして人生を消耗する。

地方に持っていったら、大抵のいい年をした大人たちが怒って途中で立ち去りそうだという意味で、
今最も東京らしい劇団と思って間違いないと思う。

これからも、「こんな舞台を観るのにお金を使うなんて」と言われる舞台を作ってほしいものだなぁ。
逆に作品を作り続けると言うことは、この作品以外のすべてが無意味と言う事にもなりかねないから(勘繰り過ぎか(笑

一見、フェリーニのようで、姿勢はパンクなんじゃないかなぁ・・要望を言うなら、もっともっとパワーを!
ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

王子小劇場(東京都)

2014/07/01 (火) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

ゆるふわ
・・と思いきや。

日本の演劇もこんなところまで来たんだなぁ・・

ある意味凄く日本的かもしれない。

非常に複雑な脚本だが、女優へのあて書きかもしれない。

つまり一期一会。

ネタバレBOX

最後はガンツ。

出てくる女性がみんな友達であり恋人であり敵であり霧。

対して出てくる男性は3人だが、うち二人は典型的な単純な男性。
二面しかないという意味で。

残る一人だけが、霧の中の寂しい殺人者。
夜が明けたらおそらくもうこの世にはいない。

登場人物はすべて、打ち解けたようでいて誰にも心を開いていない。

それを孤独と言うのか。

夜が更けるごとに女性たちは徐々に姿をかえ始める。夜叉のように。
「友達」とお互いを呼びながら、至る所で嫉妬の炎が燃える。

自分の恋が叶わなくても、
相手を墓場まで自分に縛り付ける秘密がほしい。

男性が何も考えずに「好き」と言うところの単語は舞台上では全く
発せられることは無く、
代わりにLOVELESS的な相手を拘束しようとする単語が矢のように飛び交う。

相手の一挙手一投足を、自分の感情を押し殺しながら冷静に観察しながら、
弱みを見せると直ちに襲い掛かる姿には容赦がない。

この女子らの言葉による野蛮で無慈悲な応酬を見ると、
隠れた殺人者の方が余程紳士に見える。

ラストがまた非常に興味深い。

銃声と思われる音が10回。
舞台に舞い戻るのは女子高生一人。

最後に生き残ったのは殺人者なのか、女子高生なのか?
銃声=死者の数だとするとどちらかが生き残ったはずだ。
この子が生まれ変わったらこうなりたいと思った姿なのか、実際の生きている姿なのか。
たぶん前者なんだろうなぁと思いながら、殺人者は姿を現さないので後者と言えないことも無い気が。

でもまぁそんなことどうでも良いのかも。
人生は霧。
臘月記

臘月記

虚飾集団廻天百眼

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/06/29 (日) ~ 2014/07/03 (木)公演終了

満足度★★★★★

自分はとても好き
アングラというと現代口語演劇全盛の今はちょっとダサいというイメージかもしれないけれど、
それは単にパッとしない人たちがパッとしない作品を作ってしまうことが多いだけなんだよなぁ・・。

アングラはきちんと作ればカッコイイよ。
ただし湿っぽくならないように。

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少なくとも観るだけだって、つまんない服着て代官山歩いてるよか、
観劇帰りに血糊ちょっと残ったまま帰る方が断然イカしてるんじゃないか?

血糊ちょっと残ったまま電車乗ってたって、
少なくともホームレスの人に臭いから降りろって説教してるサラリーマンのオッサンよりか
全然人間的だと思う(縄張りかっつの
自分は良いと思うんだけど。

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その当時は最先端でも、今は見慣れた日常。
形だけ真似してもダサくなるのが当たり前。
別に再現するだけならお金とって見せるほどのものでもないんだよなぁ・・YOUTUBEにアップする程度で・・。

そもそも口語演劇を作れば最先端かっていうと、そんなことは無いんだよなぁ。
ダサい奴の作る作品はマームの真似しても所詮時間潰しでしかないんだよなぁ。

廻天百眼は結構前から、すべてではないケドちょくちょく観てるし、岸田作品も読んでいる。
その上で言うと、今回の作品はとても良く仕上がっていたと感じた。

作品自体は、何よりとてもシンプル。

役者の動きを生かすために戯曲があると言うか、
役者たちが遊ぶための玩具が戯曲。

・・うん、それでいい。

玩具にしてバラバラに引きちぎってしまうくらいで構わない。

岸田作品はベケットよりは寛容なんじゃないかと思う。
同じ位優れてはいるが。

いや、正確に言うと深いところで結びついている。
老いらくの生についての憧れがどこかに秘められている。

劇中に出てくる政治的な要素はより表面的なモノのようにも感じる。

観客席の最前列にいる女性たちも含め、役者の若い女優が
若さなんて不要と言う言葉に共感していたように見える。

これって、とてもシュールなんじゃないかなぁ。
そして今の多くの若い女性の気持ちを代弁しているんじゃないのか。

日本において、女性の若さと言うのは最強の道具であると同時に、
自分たちを傷つけ血を滴らせる刃でもある。

それは、今も昔も変わらない。
いや、むしろ消費社会の発達した今の方がその被害・負担は大きいかもしれない。

男性の読み手にとっては、
過去の政治的背景を濃厚に反映した伝奇ロマンではあっても、
現代の若い女性たちにとっては、
生涯女性としての血を滴らせた、
もうこの世にはいない大先輩でもある。

若さなんて不要。
ならいっそ、人目につかないところで枯れていたい。

逆説的であると同時に美しい詩だ。

女性にとって、永久に若くありたいと言う気持ちと、
瞬時に枯れ果てたいという渇望は
正反対ではあるが同じところから来ているんではなかろうか。

ロリコンだらけの日本男性たちのただなかで。

ネタバレBOX

この舞台の面白さは、
男優が演じる男性が、傀儡のような動きをするのに対して、
女性が演じる男性の方はもう少し人間らしい動きをする。

ある意味この演出はとても日本らしいとも言えるかもしれない。

女優が語る女性としての言葉には艶やかさがあるものの、
男優が語る台詞は傀儡のような動きを伴にして多少ぎこちなく発せられる時がある。

台詞よりかは動きによって。

生き生きと死体を演じる女優たちの動きによって。

何を感じるかは人それぞれかもしれないけれど、
自分はこんなにも瑞々しく爽やかな絶望に久々に出逢った気がして、
ちょっと胸のすくような気がした(苦笑
へんてこレストラン

へんてこレストラン

柿喰う客

北とぴあ スカイホール(東京都)

2014/06/27 (金) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

今のサッカー日本代表より
阿吽の呼吸は出来ている・・間違いなく(苦笑

観てて分かるなぁ・・なんでこの役者のリズム急に変わってったのにもう一方の役者、観客席を見ながらついてきてんの?みたいな。

能の世界?

子供にうまく伝わるか良く分かんないケド・・子供の方が敏感なのかもね。

子供が客席に一杯いる中でのノイズ感で行くのって、普通の役者は大変だと思うよ。つまりこれだけできてたらっていう、一つの到達点を示しているのかな。

でもうまくやるだけじゃつまんない。イレギュラーがなきゃ子供は退屈しちゃう(苦笑
どうやって、阿吽でできちゃうこととイレギュラーのバランスを取るかってことだよな。職人技?

ナカゴー特別劇場vol.12『ノット・アナザー・ティーンムービー』

ナカゴー特別劇場vol.12『ノット・アナザー・ティーンムービー』

ナカゴー

北とぴあ カナリアホール(東京都)

2014/06/26 (木) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

あれ、ひょっとして・・
ブレイクした?

地方でこれをやったらバカにされるかもしれない。

でも東京だから全日完売になって観客席も盛り上がる。

ひょっとしてゴキコンよりダサいかもしれない。

けどそのダサさが今や時代の最先端(柿食う客のように?

これからの時代、東京でなんかやるんだったら、カッコ良くしないことだろうなぁ。そんなん後からついてくるんだから。

つぎとまります・初夏

つぎとまります・初夏

劇団肋骨蜜柑同好会

pit北/区域(東京都)

2014/06/26 (木) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

初夏
前観た時よりずっと良くなっている。

正確には意図が伝わりやすくなっている。

ちっちゃいことばかりだけど。

凄く良い。

バッジもらった。「初夏」

少年期の脳みそ

少年期の脳みそ

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2014/06/20 (金) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

チリのマリアシアターを見た後で見ると・・
なんかもっと良く分かってきた気がする。

しっかし、女性同士ってやっぱ凄い。
例えば誕生日プレゼントで相手が何を貰ったら嬉しいのかがすぐ分かったりする。

細かい会話を全部覚える事が出来るから?

男性の脳とはやっぱり違うのかな?

ネタバレBOX

チリのマリアシアターは女性が男役をやったり男性が女性役をやったりしていた。

この玉田企画、細かい演技に目が行きがちだけど(逆に(苦笑
根本的なところで、
女子高生役を高田郁子氏が、
男子高校生役を由かほる氏が演じている。

両方とも、高校生役を演じるぞ、と、それっぽく見せようとも思っていない。
この二人は両極で、それ以外の配役も、それほど
役の年齢に見た目を合わせよう!と意気込んでいないように見える。

なんでかなぁ~♪(なんでだろッ
と、見ながら考えてみると、
何のことはない、この見た目は
それぞれの登場人物の精神年齢・性別を表しているのだと分かる(たぶん

由かほる氏演じる男子高校生が(まだ)女性のままなのも頷ける。
この男子高校生の精神が女性のままなのも、
何のことはない、ホモでも何でもなく、
男子高校生の制服を着せられているだけで(ちなみに自分の学校に制服は無かった(笑
まだ自分のことを男だと認識していないからだと思う。

実際、他の女子高生たちと意気投合するって程でもない。
好きな女子がいないから、男らしくなろうと思う必要も無いんだと思う。

ある意味、この男子高校生が思春期を一番体現しているのだとも言える。

もうすでに老子の域に達しつつある女子高校生がいる一方で、
男っぽく下らない思い違いで地団駄を踏むことも無い男子高校生もいる。

高校生活って、何のことは無い、ジャングルライフみたいなもんなんかな、と思う。
見た目と精神年齢がまったく一致しない。
キンギョの人々vol.3「穴の宇宙」

キンギョの人々vol.3「穴の宇宙」

突劇金魚

突劇金魚アトリエ(大阪府)

2014/06/01 (日) ~ 2014/06/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

八尾とはまた違って・・
不思議な舞台美術。

自分は土曜の夜行ったのだけれど、
立地とかを見ると夜行った方が雰囲気があっていいのかな。

上演時間も75分で見やすいかな。

万博設計04「幽霊’」

万博設計04「幽霊’」

万博設計

八尾市文化会館プリズムホール 小ホール(大阪府)

2014/06/20 (金) ~ 2014/06/21 (土)公演終了

満足度★★★★★

やっぱ舞台美術が・・
面白かったな。

上演時間二時間はちょっと長かったかも・・

時間堂スタジオ赤羽(仮称) オープニングイベント

時間堂スタジオ赤羽(仮称) オープニングイベント

時間堂

時間堂スタジオ赤羽(仮称)(東京都)

2014/06/13 (金) ~ 2014/06/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

吹けば飛ぶようなの
投げ銭に入れてきた(笑

こういう気軽なの、良いなぁ。

スタジオの立地も不思議だし。

行く途中、隣の公園に愛嬌のある猫がいて、
物語のように妊婦さんらが
「野良猫っぽくないね」
と話してるのが聞こえた(笑

大長編 男肉 du Soleil 『ロンリーガール&ブギーロボ』

大長編 男肉 du Soleil 『ロンリーガール&ブギーロボ』

男肉 du Soleil

シアター711(東京都)

2014/06/05 (木) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

騒ぐ
3列目までは余裕で舞台に駆り出されちゃうのね(笑

平田オリザ・演劇展vol.4

平田オリザ・演劇展vol.4

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/05/31 (土) ~ 2014/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

先に武士編、次にOL編
男性の方が分かりやすい気もした。

女性編の方は、逆にちょっと分かりにくいかも(苦笑

食べながらでも核心をついた議論がなんか可能になっちゃう
女性ならではの女子会がリアルに感じられた・・たぶん(笑

もう一方のOL編も観てみたいなぁ・・なんとか来週。

骨肉の城

骨肉の城

劇団どろんこプロレス

参宮橋TRANCE MISSION(東京都)

2014/06/07 (土) ~ 2014/06/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

自分は逆に結構・・
好きかもなぁ・・

ネタバレBOX

女性(娘役)を子猫だと思ってみる。

母猫に遠くに捨てられて、でも必ず帰ってくる。

男性(王子)を子犬だと思ってみる。

躾のために暗闇に閉じ込められて。

人間とは何なんだろうか?

動物の方が余程情が深いというのに。

人間と動物を隔てるものは何なのか?

奇妙だ。答えが見つからない。

この物語に対する答えは決まっているようにも思う。

家を出ること以外にない。

子どもに対する愛情が無い、正確に言うなら、愛情と言うよりかは全く違うものを愛情と呼んでいるクズと、まだ感受性の豊かな子どもたちとは、全く別の生き物だ。

全ての親が、すべての子どもに愛情を持っていると言うことはない。
ただ、愛情さえあれば大丈夫かと言うとそういう訳でもない。

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