ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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グループ・アントルス『[àut]』

グループ・アントルス『[àut]』

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/20 (土)公演終了

満足度★★★★★

行けないかな、と思ってたけど・・
偶然家に来た兄貴の車で運んでもらって・・当日券で。劇場が家から近かったもので(苦笑

自分は逆にテクニックよりは物語の方が先に頭に浮かんできました。


ネタバレBOX

足元にある不気味な黒い塊。

なかにラジコンが内蔵されているのか、時折「ウィーン」という音を立てて男女の周りを巡ったり、男性の足にぶつかったり、後ろに回り込んだり。

音楽が時折変わる。

懐かしい音楽だったり、楽しい時もあるが、ふいに終わると不安に包まれたような表情で見つめ合う男女。

足が時折地面に吸い付くようで、ずっと重くなってしまったのか、自分の意のままに操れない。

成程。

あの黒い塊は、病気、あるいは怪我。あるいは不安そのもの。

慎重に間をとっていたつもりではいても、不意に運命とともに接近するその影をよけることは出来ず、二人の間を引き裂いてしまう。

やがて片方を闇の中に引きずり込んだまま物語は終わるのか?

観客席が明るくなってこれで終演かと思われた後抱き合う男女。

「死がふたりを分かつまで」・・?

いや、これは死んだ後の世界と見るのが正しいのではないのかなと自分は思った。

ここでは闇の意味は反転している。

それまでは、人生と言う闇。

やがて安らぎの中死という闇の中で睦み合う。

テクニックとしても高度、というかシンプル。最小限。

物語としても60分の中にすべてが凝縮されている。

まさに昔のサイレント映画のよう。

パースペクティブを強調した黒一色のシンプルなセットは昔の表現主義を意識しつつ完全に塗りつぶした贅沢な視覚だったのではないのかな。

帰りに外のポスターを見て思ったのは、
百年前(あるいは200年前)の場末の人生を美しい蒼い華に昇華することを目指した小品だったのではないのかということ。

美しい。チャップリンか何かのように。
ベネディクトたち/ミッドナイト25時

ベネディクトたち/ミッドナイト25時

ナカゴー

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

ベネディクトたち
両公演観てみて(あと北とぴでのとか)
思うけど、やっぱナカゴーが今一番東京っぽい?劇団のような・・

一番ポストモダン(ていう表現も古いのかな?
で前衛で、
あとダサさと雑さと訳わかんなさがあって。

でもこのベネディクトたちは
最近見た舞台の中では一番批評しやすい。

途中の語りとかラストとか、
わりと分かりやすく並んでいる。
で、Qより違和感が少ない(自分が男だからか(苦笑

逆にこれらをキッチリ分析できないようだと・・

あと、カッコよくやろうなんて気持ちがさらさらない。

今はカッコよくやろうなんて思ったら負けなんだよな・・
洗練は敵ってゆーか。

今、中高生(特に地方の)に一番観てみたもらいたい劇団のような気が。
何も考えずに。

で、文化祭でお化け屋敷やるより
校庭の端に小屋でも作って
演劇部に馬鹿にされそうな芝居うとうとしてほしいもんだなや♨

ベネディクトたち/ミッドナイト25時

ベネディクトたち/ミッドナイト25時

ナカゴー

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2014/08/30 (土) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

ミッドナイト25時
面白かった。

まさかハンバーガーガールがあんなことになるとは・・的な感じは一切ありませんでした。

ネタバレBOX

平成タヌキ合戦×注文の多い料理店(のシェフはゲス?
止まらない子供たちが轢かれてゆく

止まらない子供たちが轢かれてゆく

Cui?

アトリエ春風舎(東京都)

2014/09/03 (水) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

ジャンプとは正反対の芝居だけれど・・
凄く面白く観れた(苦笑

ちょうど観に行った日の新聞に小学生ふたりの飛び降りの記事があった影響もあったかもしれないけれど。

ネタバレBOX

文字通りの「逆転裁判」的な?展開かも。

ラストで全てを牛耳ってたかに見えた生徒が日和ってどうせ何も役に立たないだろう先生の所に駆け込んで他の生徒全員に見限られるくだりが面白い。

また、そこにドラマ的な味付けが全く加わっていない所にも。

中学・高校の演劇で観たいのはまさにこういう舞台なんだよな。

現役の先生にこそ生徒たちに上演を勧めてほしい。

そして先生たちもこういった舞台を評価して生徒たちを見返してほしい。

若いころに必要なのは、
出てくる全員が善人ではなく、
ただ悪人とも言い難いが
地雷原のように全員が這って進むことを余儀なくされる
仮面など5秒で剥される戦場での死闘。

学生たちに凄くみて欲しい舞台だったと思う。
マナナン・マクリルの羅針盤

マナナン・マクリルの羅針盤

劇団ショウダウン

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

いろいろ注文を出そうと思えば・・
いくらでもありそうなんだけど、
昨年の5月に船場で観た一人芝居より
体幹とかいろいろとパワーアップしていたりもして、
その成長の軌跡に期待して・・

ただ、海外からの一人芝居、二人芝居なんかはきれることが無く余裕たっぷりだったりする。

その意味では昨年から成長している感じがあまりなかったのが凄く残念。

体幹も大事だけど、スタミナもな・・。

小さい体では大変だとは思うけれど(苦笑

3000円としては十分すぎる舞台だと思う、個人的には。

過去の公演のDVDも二千円台までだし、お手頃かなぁ(自分も一枚買った(笑

ネタバレBOX

二時間以上あったわりに少し色が足りなかった気がするのが残念かも。

カリブの海ならもうちょっとカラフルでにおい立つようでないと。

良く考えたら匂いの演出があっても良かったかも。

ブリテンの古い伝説?がどんなのを指すのかもちょっと突っ込みが少なくて物足りなかった気も。

ブリテン島の古い伝説なんていうとアーサー王伝説なんてのがあったりするけど、
ああいうのは最近流行のウクライナあたりに昔いたサルマタイ人の伝説が起源なんじゃないかという説もある。

サルマタイなんていうと草原の民族だから、海の伝説とは接点が無さそうで違和感がある気がしたりする。

ヨーロッパの強国の多くが元は草原・平野の民だから、
大航海時代の冒険と昔のその民族の歴史を絡めようとすると実は相当アクロバティックな手腕を見せないといけないのかもしれない。

そういう意味ではそのあたりがちょっとぼやけて描かれていた気がするのが残念。

細い文学作品でもなければ、そうした細かい設定の描き込みの差が、将来のブレイクの成否を分けるように思う。

それだけにもっとブラッシュアップの余地は大いにあるように思った。
瀕死の王さま

瀕死の王さま

札幌座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

ザリガニ釣りより面白い
なんとなく観に行ったら、凄く面白かった(苦笑

そうなんだよな、イヨネスコなんていうとフランスのエスプリ的な
シンプルで落ち着いた不条理を思い浮かべるけど、
所詮ルーマニア人なんだからもっと雑然としてガヤガヤして勢いのあるくらいでちょうど良い。
(マジメな顔しててもお前大阪人なんだろ的な←他意はありません。ただ大阪市内に入るとやたら口の中がパサつく話が耳に入る

ジプシーの行き交う平原と黒海の異国の船とが出会う場所@ドナウ・なんだからなぁ。

戦後感もどことなくあったし。

イヨネスコの舞台には大戦後の虚無感みたいのが漂ってないと、
なんか無機質な舞台に感じられて・・ミニマリズムが似合わないというのか、逆に(苦笑

近所の駒場の小学生たち(特に注射が嫌いな)におススメ。
自分も小学校のころ、この近くの東山の公園でザリガニ釣りに夢中になってないで
こういう舞台を観たかったな、なんてなぁ・・♨

ネタバレBOX

「瀕死の王さま」なんて言うと、
イヨネスコの年代的にはやっぱロートっぽく
オーストア=ハンガリー帝国の残滓っしょ、
という気もするんだが、なんとなく、
これはシングの西の国から来たプレイボーイっぽく
アメリカと、なんか日本の未来の姿っぽくアレンジしてる気もして、
そこが微妙に現代っぽくも見え(まぁそういうのは人それぞれだけど
そこがちょっと面白いなと言う気もしたりした♨

あと、最期に残るのが聴覚と言うところを
微妙に暗くなり過ぎずに演出している所も・・
いつのまにか、ちがう野原を歩いてる

いつのまにか、ちがう野原を歩いてる

JUIMARC

【閉館】カラビンカ(大阪府)

2014/08/29 (金) ~ 2014/08/30 (土)公演終了

満足度★★★★★

シンプルだけど・・
無理してない感じがとてもいい。

何にもなさそうな風の吹きぬけるある地方。
なんか阪神間っぽいような、それよりずっと西のどっかのような。

カメハウス×芝居処味一番

カメハウス×芝居処味一番

火曜日のゲキジョウ

in→dependent theatre 1st(大阪府)

2014/09/02 (火) ~ 2014/09/02 (火)公演終了

満足度★★★★

カメハウス
長旅と劇場の近くの猫カフェで若猫(♂)と遊んだりなどで体力を使い果たしたりなどで、
諸般の事情によりカメハウスだけなんとかミ観ることができた・・♨

アムステルダムの朝は早い

アムステルダムの朝は早い

劇団半開き

王子小劇場(東京都)

2014/08/27 (水) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

90分
週末旅に出る前に無理くり捻じ込んだんだけど、
とても良かった。

シンプルで力強い。

壊れている人間とそうでない人間の描き分けがとても上手。

ヒューマンエラー

ヒューマンエラー

青年団若手自主企画田上企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/08/20 (水) ~ 2014/08/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

建築現場の人たちを・・
デフォルメし過ぎてるんじゃないかなーって感じはあったけど、
凄く完成度が高い作品だと思った。

時間も短くて描写もあちこちバッサリカットされていて
観ていて気持ち良い。

割と重い鴨ってハナシをサクッと書いている所もGOOD。

ネタバレBOX

良くみるとさりげなく母子家庭が二組出てくるようだ。
施工主と施主。

・・いや、ひょっとしたら描写されていないだけで
全員そうなのかもしれない。

立場は全く違う二組だが、子どもの描写もだいぶ違う。
施工主の息子は子どもっぽく、もう一人の施主の方は繊細。

後に施主の息子は娘であることが分かる。

どうもお金持ちで放っておかれた息子の方は我儘になり、
逆に苦労して育った娘の方は父親不在の家庭の中で男のような外見をするようになったのかと推測してみた。

もしくは、将来一緒に住もうって言って先にバイク事故で死んで風になったっていう女友達(幽霊として登場?そのへんも描写は定かじゃない)が好きで男の子の格好をしていたのかもしれない。
思春期の女の子たちは、時に自分の好きな人間に合わせて自分自身を大胆にカスタマイズしてしまうことがある。
少し痛々しくもあるが、そういった若さも自分は好ましいと思った♪

これだけだとちょっとしんみりする話だが、物語の描写は全然しんみりしていない。
むしろ明るくサクサク進む。

何でかなって思うと、多分そんな文学的でない感じの現場の人たちが登場しているからかなって思う。
実際には新橋で飲んでるオッチャンたちより、現場のひとたちの方がよほど文学的であったりすることは疑問の余地が無いのだが。

ともかく、見かけ体育会系で内面は実は繊細であるような発言をするオッチャンたちが鋭い発言を繰り返すことで物語はテンポよく進む。

下らない話かもしれないが、美しい筋だと思った(笑

学校生活で演劇や読書に励んできた人たちには、
是非、土方とかで人生の研鑽を積んでほしいなぁと思った。
安全第一で。
キープレス

キープレス

劇団森キリン

アトリエ春風舎(東京都)

2014/08/02 (土) ~ 2014/08/07 (木)公演終了

満足度★★★

登場人物の誰に対しても・・
親の影響が大きそう、というのがちょっと・・まどろっこしいと言うか(苦笑

ネタバレBOX

見る限り、登場人物の5人中3人、心のどこかで親の愛情を渇望しているのではないかと見える気がする。

あと一人は愛情を渇望している。

もう一人は・・良く分からない(笑
逆に隠れマザコンっぽい弟君に何故惹かれるのかが良く分からない。あとなんであんなに鈍いのかも。

3人は幼少期に親の愛情を受けられなかったことがトラウマで幸せに踏み出せないように見えるんだが、そうだろうか?
描きたい主題はあくまで行間で、心理ではないと言われそうなんだが、
多少、物語の骨組みがシンプルすぎると、
行間も生まれにくいようにも感じる。

両親が不在でも感情の優しさを手に入れる人間は大勢いる。
物語の中に作者の希望が多く含まれすぎているようにも思う。
もっと素直に感じるままを描いた方が良いのではないかとも思う。
色彩をもっと増やした方が良いように思う。

ものごとは捉え方だと思う。
両親や周りに心配されない方が、
どの橋の下ででも野垂れ死にできるという気楽さもあるように思う。

5人のうち4人の若者の捉え方が悲観的過ぎるように思う。

きのう家族を失った人にでも、
爆発するような勢いで未来を指させる躍動感が若い人には欲しい気がする。
繊細さではなく。
交互に光る動物

交互に光る動物

ブルーエゴナク

王子小劇場(東京都)

2014/08/01 (金) ~ 2014/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

(ソフト)ヤンキー?っぽい登場人物たち・・
が出るところが面白い、と思う。

ネタバレBOX

舞台を観ていて感じたけれど、
やっぱり主宰の穴迫氏の演技、台詞がダントツに面白いと思う。

あとはやっぱり河原のホームレス?家はあるらしいのだけど一生フジロック気分でいたいオバサン?ボヘミアンの女役の平嶋氏。

舞台を観ていて感じたけれど、
作・演出の穴迫氏がこの二人の登場人物・キャラに特に魅力を感じたのだな、というのが伝わってきた。

まだ発展途上なのかなぁ、とも思ったけど、
最終進化形がこのあたりにあるのかな、と思えば、
他にあまり似た舞台が無いので好感が持てる。

ボヘミアンの女は独特。

こういった感じのホームレスっぽいオバサンは割とどこの町にでもいるんだけど(横浜のメリーさんとか、自分の町にも・・)
みんな一見似ていて全く違うようで、
自分からはどうしてそういった感じになるのか、
全く想像がつかないだけに余計に面白い。

どんなに想像してもそっちがチープになりそうで・・(苦笑

でも、ああいうのは出来たら、
男に遊んで捨てられた的な安易な描き方はしないで(若い男性っぽい発想かも
自分のことより大事にして愛していた子供が同級生に殺されたショックで家を出た、
とか、そんな風に描いた方が誰にでもダイレクトに伝わると思う。

そういう風にエッジにすると、地方の観客はそこで思考停止するかもしれないけれど、
東京の小劇場好きの観客にはその位しないと伝わらないのでは・・とも思う。
賛否両論があるくらいでないと。
挑戦しなければ。
東京用に少し変えないと、すぐに埋もれてしまう気が・・。

主宰のような台詞運びを全員が出来れば確変するのは間違いないと思うんだけど・・。
地方の(ソフト)ヤンキー演劇ってのは、記憶にないから。

全員ヤンキー、あとボヘミアンでも良いと思うんだけど・・。
まぁ、そうすると全く違う作品か。

地方には東京より良い素材がたくさんあるのは分かるけど、
それをプレーンに描くだけじゃなく、
荒くザラザラとエッジに描くようにした方が。

音楽が良かった。
妹の歌

妹の歌

ガレキの太鼓

王子小劇場(東京都)

2014/07/16 (水) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

もうちょっと救いがあれば良いような・・
でも、ちょっと重そうな主題?を軽く扱っているっぽいところは好感が持てたり。

ネタバレBOX

最後の夫婦の離婚問題に唐突に突入するところが面白い。

それまでなんとなく
「この二人合わないんだろうな」
と、感じさせるところが急に鮮やかに浮かび上がってくる。

こういうのはガレキは本当に巧い。
凄い。
だから逆に切なくもある(苦笑

二人とも一生懸命なんだろうけど、
どうしようもない二人の溝が、はた目から見ると哀しい位に明らか。

最後の奥さんの晴れやかな表情に一瞬救いを感じるが、
妹の眼からすると、
もう取り返しのつかない道を選んで戻れないことが見て取れる。

それはもう高校生には引き返せないことを暗示している。

「ダメ男」
という誰にでも読み解きやすいキーワードが
なんか上手く使われていないっぽい(女性にはこれだけで十分なんだろうが
感じがちょっと残念かなぁ。

男性はこういうの見ても割とピンと来ないかも。

優秀ではあるが夕日に共感できない(たとえだけど
夫のような観客が多そうな印象だからだろうか、男性には。
【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

【全公演終了しました。ご来場頂いた皆様ありがとうございました。】こんにちわ、さようなら、またあしたけいこちゃん。

なかないで、毒きのこちゃん

王子スタジオ1(東京都)

2014/07/15 (火) ~ 2014/07/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

一見、王子スタジオだけかな、と思うんだけど・・
実は会場の外まで含めての公演なのかとも思ったり。


・・演劇公演って言うと、演出家の憧れっていうのかあるのか分からないんだけど、
才能のある人、変わり者の人生とかに焦点が当たったりするんだけど、
ル・クレジオなんかを読めばすぐ分かると思うんだけど、
優れた文学って言うのは意外と
田舎の、才能なんて欠片も無い、でも誠実な人間がさらりと
あちらこちらに登場するものだ(苦笑

変わり者が美しい凡人の人生を描く、それが文学。

自分の親にしたって、
才能とパワーのある目立つ甘い父親より、
どちらかというと、才能なんてないかもしれないし自分に厳しい母親の方が、
愛着が出てしまう気がする・・。ナイショだが(苦笑

でもまぁ、休日とか、よくお袋の手伝いしながら
こども電話相談室とか一緒に聴いてるんだけど、
こどもを心から(損得抜きで)可愛がるって、
結構な才能だと思うんだけどなぁ・・みんな口ではキレイなこと言うんだけど。

直木賞やノーベル賞なんかより価値はあると思うよ(笑

ネタバレBOX

あくまで「稽古」の公演だからね。

その稽古がリアル稽古のていなのかはともかくとして。

休み時間の会場前の感じ、向かいのコンビニの並び(笑

「カオが怖い」とダメだしされてちょっとしょんぼり並んでいる感じも含め公演なのか、リアルダメ出しなのかと想像してしまった♨

余計な小道具?を持ってきてのダメだし(苦笑

ラストの方、近所の花火大会の影響なのか道行く人のたまに見える浴衣姿、バスのライト、色んなものを含めて、ライブっぽさが滲み出ている。

凄く面白い。

物語が、というよりか、
出演者、演出家それぞれの母親像が
瞳の中に一瞬垣間見えるところとか。

ああいうのは数メートル先じゃないと見えない気がする。

・・届いたかな、届いたかな、いや、今回もムリだったのかもしれない。

でもまたもう一回頑張る。若さ。

ファン・ペルシみたいにはなれないかもしれない。でも跳ぶ。
朝日を抱きしめてトゥナイト

朝日を抱きしめてトゥナイト

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/07/11 (金) ~ 2014/07/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

あれ、自分としては・・
別に☆5でも良いような・・。

どうとらえるかは人それぞれだけど、
アニメーションに物語のすべては凝縮されていると自分は想像してみた。

一瞬?十か月?
の朝日を待ち続ける間の夢。

そんなんで良いんじゃないのかなぁ。

まちまち子。待たれていた子。待って待って待ち焦がれていたあなたのおばぁちゃん。

もう死んじゃったけれど、天国であなたのこともっと待っていたと思う。あなたのひいおばぁちゃん。

でも、私たちがみんな死んじゃったら、今度は私たちがあなたの心の一部になるの。まち子。

じゃあ、一人しかいなくても、子どもの心の中には「まち」があるみたいなもんさね。

人の生と死。

待って待たれて、生まれたと思ったら、親たちはもう子どもの心の中。

マトリョーシカみたいなもんかね。

でも、どっちもどっちに含み含まれ。不思議な円環。

シンプルだけど、なかなかない発想で面白いな、と思った。

こういうのは楽しめるかは人それぞれだけど。

宇宙ピラミッド

宇宙ピラミッド

超歌劇団

タイニイアリス(東京都)

2014/07/12 (土) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ゆるっと始まって
そのままゆるゆる。最後はちょっと良い感じ。

ちびっ子たちには結構ウケていた。良い子だなぁ・・♨

将来大人になっても、帰り道そこらへんで見かけた道端でキスしているホストたちみたいなクズにはならないに違いない・・(笑

いかん、またいらんこと言った(苦笑

夏といえば! に捧げる演劇儀式 〜愛と絶望の夢幻煉獄〜(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

夏といえば! に捧げる演劇儀式 〜愛と絶望の夢幻煉獄〜(ご来場下さいまして、誠にありがとうございました!!!!!!!!!)

宗教劇団ピャー! !

pit北/区域(東京都)

2014/07/09 (水) ~ 2014/07/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

何だかよく分からなかった
・・んだけど、割と面白かった。

なんでかなー、って思うと、
「あれ、これって誰かの夢なんじゃないか」
と思った。

夢だったら支離滅裂なのは当然。

でも、個々のイメージが強ければ割と見れる。と、思う。

ネタバレBOX

子供が喜びそうなシークエンスがあったかと思うと、
途端に泥沼になる。

意外と真理を突いているようで、
偉人の名言を茶化したかのような出で立ちで、
急に世界の終わりのようなモードに切り替わる。

サッカーで言うなら、緩急しかない。
80分を通しての哲学のようなものは皆無。

でも、底に流れる不安はつながっているようにも見える。

それをうまく説明しようという言葉は無い。

でも、まぁそれで良いのかも。

世の中の、上手く状況を説明した大人たちの言葉のほとんど全てが的外れだ。
簡潔に何かを説明できるならわざわざ演劇をやる必要は無い。
詐欺師か政治家になれば良い。

ひょっとしたら台詞は必要ないのかもしれない。
舞台上で役者個々人が慰め合い、殴り合うきっかけの為に存在するにすぎないのかもしれない。
でも、それは日常の人間社会の中でもありふれた光景なのかもしれない。
大抵の会話が他人にとって不可解で無意味だ。
ただ、それぞれのグループがその約束を分かり合ったフリをして人生を消耗する。

地方に持っていったら、大抵のいい年をした大人たちが怒って途中で立ち去りそうだという意味で、
今最も東京らしい劇団と思って間違いないと思う。

これからも、「こんな舞台を観るのにお金を使うなんて」と言われる舞台を作ってほしいものだなぁ。
逆に作品を作り続けると言うことは、この作品以外のすべてが無意味と言う事にもなりかねないから(勘繰り過ぎか(笑

一見、フェリーニのようで、姿勢はパンクなんじゃないかなぁ・・要望を言うなら、もっともっとパワーを!
ツヤマジケン

ツヤマジケン

日本のラジオ

王子小劇場(東京都)

2014/07/01 (火) ~ 2014/07/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

ゆるふわ
・・と思いきや。

日本の演劇もこんなところまで来たんだなぁ・・

ある意味凄く日本的かもしれない。

非常に複雑な脚本だが、女優へのあて書きかもしれない。

つまり一期一会。

ネタバレBOX

最後はガンツ。

出てくる女性がみんな友達であり恋人であり敵であり霧。

対して出てくる男性は3人だが、うち二人は典型的な単純な男性。
二面しかないという意味で。

残る一人だけが、霧の中の寂しい殺人者。
夜が明けたらおそらくもうこの世にはいない。

登場人物はすべて、打ち解けたようでいて誰にも心を開いていない。

それを孤独と言うのか。

夜が更けるごとに女性たちは徐々に姿をかえ始める。夜叉のように。
「友達」とお互いを呼びながら、至る所で嫉妬の炎が燃える。

自分の恋が叶わなくても、
相手を墓場まで自分に縛り付ける秘密がほしい。

男性が何も考えずに「好き」と言うところの単語は舞台上では全く
発せられることは無く、
代わりにLOVELESS的な相手を拘束しようとする単語が矢のように飛び交う。

相手の一挙手一投足を、自分の感情を押し殺しながら冷静に観察しながら、
弱みを見せると直ちに襲い掛かる姿には容赦がない。

この女子らの言葉による野蛮で無慈悲な応酬を見ると、
隠れた殺人者の方が余程紳士に見える。

ラストがまた非常に興味深い。

銃声と思われる音が10回。
舞台に舞い戻るのは女子高生一人。

最後に生き残ったのは殺人者なのか、女子高生なのか?
銃声=死者の数だとするとどちらかが生き残ったはずだ。
この子が生まれ変わったらこうなりたいと思った姿なのか、実際の生きている姿なのか。
たぶん前者なんだろうなぁと思いながら、殺人者は姿を現さないので後者と言えないことも無い気が。

でもまぁそんなことどうでも良いのかも。
人生は霧。
臘月記

臘月記

虚飾集団廻天百眼

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/06/29 (日) ~ 2014/07/03 (木)公演終了

満足度★★★★★

自分はとても好き
アングラというと現代口語演劇全盛の今はちょっとダサいというイメージかもしれないけれど、
それは単にパッとしない人たちがパッとしない作品を作ってしまうことが多いだけなんだよなぁ・・。

アングラはきちんと作ればカッコイイよ。
ただし湿っぽくならないように。

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少なくとも観るだけだって、つまんない服着て代官山歩いてるよか、
観劇帰りに血糊ちょっと残ったまま帰る方が断然イカしてるんじゃないか?

血糊ちょっと残ったまま電車乗ってたって、
少なくともホームレスの人に臭いから降りろって説教してるサラリーマンのオッサンよりか
全然人間的だと思う(縄張りかっつの
自分は良いと思うんだけど。

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その当時は最先端でも、今は見慣れた日常。
形だけ真似してもダサくなるのが当たり前。
別に再現するだけならお金とって見せるほどのものでもないんだよなぁ・・YOUTUBEにアップする程度で・・。

そもそも口語演劇を作れば最先端かっていうと、そんなことは無いんだよなぁ。
ダサい奴の作る作品はマームの真似しても所詮時間潰しでしかないんだよなぁ。

廻天百眼は結構前から、すべてではないケドちょくちょく観てるし、岸田作品も読んでいる。
その上で言うと、今回の作品はとても良く仕上がっていたと感じた。

作品自体は、何よりとてもシンプル。

役者の動きを生かすために戯曲があると言うか、
役者たちが遊ぶための玩具が戯曲。

・・うん、それでいい。

玩具にしてバラバラに引きちぎってしまうくらいで構わない。

岸田作品はベケットよりは寛容なんじゃないかと思う。
同じ位優れてはいるが。

いや、正確に言うと深いところで結びついている。
老いらくの生についての憧れがどこかに秘められている。

劇中に出てくる政治的な要素はより表面的なモノのようにも感じる。

観客席の最前列にいる女性たちも含め、役者の若い女優が
若さなんて不要と言う言葉に共感していたように見える。

これって、とてもシュールなんじゃないかなぁ。
そして今の多くの若い女性の気持ちを代弁しているんじゃないのか。

日本において、女性の若さと言うのは最強の道具であると同時に、
自分たちを傷つけ血を滴らせる刃でもある。

それは、今も昔も変わらない。
いや、むしろ消費社会の発達した今の方がその被害・負担は大きいかもしれない。

男性の読み手にとっては、
過去の政治的背景を濃厚に反映した伝奇ロマンではあっても、
現代の若い女性たちにとっては、
生涯女性としての血を滴らせた、
もうこの世にはいない大先輩でもある。

若さなんて不要。
ならいっそ、人目につかないところで枯れていたい。

逆説的であると同時に美しい詩だ。

女性にとって、永久に若くありたいと言う気持ちと、
瞬時に枯れ果てたいという渇望は
正反対ではあるが同じところから来ているんではなかろうか。

ロリコンだらけの日本男性たちのただなかで。

ネタバレBOX

この舞台の面白さは、
男優が演じる男性が、傀儡のような動きをするのに対して、
女性が演じる男性の方はもう少し人間らしい動きをする。

ある意味この演出はとても日本らしいとも言えるかもしれない。

女優が語る女性としての言葉には艶やかさがあるものの、
男優が語る台詞は傀儡のような動きを伴にして多少ぎこちなく発せられる時がある。

台詞よりかは動きによって。

生き生きと死体を演じる女優たちの動きによって。

何を感じるかは人それぞれかもしれないけれど、
自分はこんなにも瑞々しく爽やかな絶望に久々に出逢った気がして、
ちょっと胸のすくような気がした(苦笑
へんてこレストラン

へんてこレストラン

柿喰う客

北とぴあ スカイホール(東京都)

2014/06/27 (金) ~ 2014/06/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

今のサッカー日本代表より
阿吽の呼吸は出来ている・・間違いなく(苦笑

観てて分かるなぁ・・なんでこの役者のリズム急に変わってったのにもう一方の役者、観客席を見ながらついてきてんの?みたいな。

能の世界?

子供にうまく伝わるか良く分かんないケド・・子供の方が敏感なのかもね。

子供が客席に一杯いる中でのノイズ感で行くのって、普通の役者は大変だと思うよ。つまりこれだけできてたらっていう、一つの到達点を示しているのかな。

でもうまくやるだけじゃつまんない。イレギュラーがなきゃ子供は退屈しちゃう(苦笑
どうやって、阿吽でできちゃうこととイレギュラーのバランスを取るかってことだよな。職人技?

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