ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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11月のストイキックポジティブス

11月のストイキックポジティブス

Crackersboat

STスポット(神奈川県)

2011/11/08 (火) ~ 2011/11/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

ズンズン
KENTARO!!さんのダンスが以前から好きで、
ちょくちょく観に行っているのですが、
なんだか正直、ずいぶん遠くまで来たなァ、と思ったりします(笑

ホント「ズンズン行こう」っていうのがピッタリする感じで、
止まることを知らないというか、毎回観ていていろんな印象が
極めて簡素なステージ上から次々生まれてくるところが
とても素敵だなあと思ったりしています。

今回のSTスポットは、わりと幅が狭い印象だったのですが・・
(以下、ネタバレって程の事でもないですが、↓で・・)

ネタバレBOX

奥行きのある会場の入って左側に観劇列を作って、
横幅を持たせて、「ああ、ここではこんな風に使っていたんだ」
と感心したり、、

それはつまり、ダンサーとしては当然端から端までの
横移動が増えるわけですから、
観客からするとダンサーの前後への移動時のうねり
なんかもすぐ近くから観えるわけで。

当日パンフには「これを書いてる時点でまだフリは考えてない」みたいに
書いてあったのですが、
何を魅せたいかの方向性はだいぶ前から決まってたんだろうなぁと、
思ってみたり。

途中、ソロなのに、違うリズムの音が左右から響くみたく
混じり合うように聴こえて、
そのうちの一つのリズムを拾いながらも
もう一方の音もすこし気にするみたいな感じ(あくまで自分の印象ですけど・・)、
なんだか最近自分がよく聴く音楽に似ていて、
微妙なニュアンスの動きにいっぱい見どころがあって、
それを間近で見られるのがとても楽しかった。

「みんなもっともっと、音と自由に遊ぼう!」って
体全体で跳ね回りながら叫んでいる感じがして、
やっぱ・・・いいな、なんて、思ってました(笑



スーパーソニックジェット赤子(大往生) 他【公演終了致しました!ご来場ありがとうございました!】

スーパーソニックジェット赤子(大往生) 他【公演終了致しました!ご来場ありがとうございました!】

ミジンコターボ

王子小劇場(東京都)

2011/11/03 (木) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

あとでもう少し細かく書こうかと・・
短い中に見どころがぎっしり詰まっていたので、
あとでもう少し細かく書きます・・。

儂が燃えて死ぬまでの噺(大炎上) 他【公演終了致しました!ご来場ありがとうございました!】

儂が燃えて死ぬまでの噺(大炎上) 他【公演終了致しました!ご来場ありがとうございました!】

ミジンコターボ

王子小劇場(東京都)

2011/11/03 (木) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

もう一度見るかもしれないので・・
あとでもう少し詳しく書きます・・

遊園地再生事業団『トータル・リビング 1986-2011』

遊園地再生事業団『トータル・リビング 1986-2011』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2011/10/14 (金) ~ 2011/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

ただなぜみんな80年代について語りたがるんだろうか?
「古い」と言われると、確かにその通りなのですが、
それは80年代的(に見える)作家さんに共通する感覚のような気もします・・。

ただ、それはそれで現在もっとも影響のあると思われる方々が
80年代の影を引きずっている(ように見える)ので、
自分としては、リアルタイムで進行している
芸術文化を紐解くうえでの一般教養として
80年代を学ぶということには一定の理解を示しているつもりです。

ちなみに今回は、2011年とバブルの時代とを結びつける、
というものでしたが、舞台の上に出てくる若い人たちが
「70年代よりは80年代」
という向きで80年代に向かう、というのがちょっと、
自分には違和感が残りました・・。

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まぁ、自分の興味が逆に昭和初期~1960年代
(あくまで大雑把なくくりとして)あたりまでなので、
自分のあまり興味がない時代同士で比べられてもなぁ・・という気がしたのは確かです。
・・そもそもバブルの空気は両親が完全にスルーしていた大気だったので、
自分の家の中にはかつてそうした時代が存在したという実感もないですが・・。

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それよりかはいっそ役者の方々が40代以上の格好をして、
80年代を回顧する、とした方が分かりやすいのかな、と思ってしまいます。

確かに80年代に興味をもつ若い人は現在も存在するんでしょうけど、
彼らを先導役にして舞台を進めるのはどうかな・・と思ったりもします。

自分たちのすぐ上の世代の方々が過ごした時代なので、
興味はあるんでしょうけど、
そのさらに上には、もっとシンプル(素朴)で豊潤で、
悲劇的でドラマチック(時に深い憂鬱が支配した・・)だった数多くの時代があったので、
80年代は80年代に生きた人びとに結び付けてほしかった・・
というのが正直な感想です。

若い人には若い人の時代があるので、
過去と現代とを結びつけるのは
その時代に生きた人々の役目であるようについ感じてしまうのです・・

また、そういうところ(見た目だけで先入観がうまれてしまうところ)が
舞台の怖いところでもありますが・・

逆に若い人に現在と過去とを結びつけさせるなら、
のびのびと戦国時代あたりまでさかのぼって
好き勝手やってほしいものです・・。

もし、この舞台が、40代以上のカッコをした人たち
(回想も含め、出来ればすべて本当の40代以上で)
で構成されていれば・・印象はだいぶ変わるように思います。

自分は、とても素敵な舞台だなぁとは思ったのですが、
どうしてもそのあたりが引っかかってしまいました(苦笑

松田正隆『日々の、すみか』

松田正隆『日々の、すみか』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

のとや3F(東京都)

2011/11/02 (水) ~ 2011/11/02 (水)公演終了

満足度★★★★

言葉の断片について
会場に着いたらすでに人が大勢いたので、
狭苦しいなかで立って聴くならと、
了解を得た上で
思い切って昭和な雰囲気に満ちた
エレベーター前の階段の踊り場で
何とはなしにうろうろしつつ、
会場内の動きに耳をそばだててみました・・
(自分なりの地点的見方のつもり

街の音にかき消され、
言葉もごくまれに途切れ途切れにしか聞こえず、
それすらも
「こういう単語ではないか?」と、
かろうじて推測できる程度でしたが(苦笑
朗読会を会場の外から、
微かな空気の振動のみで感じとり
あとはドアのガラスを通して、
中の様子を伺うようにして眺め、
窓の夜景と朗読する姿とが溶け合っているのを認めるのは
なかなかに趣き深いものでした。

自分にとっての理想の朗読会とは
音楽のライブに近いもののように感じるので、
今回のように素晴らしい役者さんたちの発するコトバを
断片的な音色として、
埋もれた街の音の景色の中から掘り起こすのは、
なかなかに貴重な経験であったように思います。

・・まぁ、演技を観ることから解放された分
座席の制約からも解放されて
いろんな楽しみ方ができるということで・・。

バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!

バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!

バナナ学園純情乙女組

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2011/10/26 (水) ~ 2011/11/01 (火)公演終了

満足度★★★★★

乾燥
自分は、最初から学園で滝に打たれるつもりでしたので
特にレインコートも着ていかなかったのですが、
逆に敬遠されてしまったのか?(誰だって嫌がる人に水をかけたいのでわ?
思ったよりずぶ濡れになりきれなかったのが逆に心残りでした(苦笑

割と頑張って見よう見まねでヲタ芸?をしたり拍手をしたりしてたので
多少汗はかきましたが、帰りにぶらりと猫カフェ(自分にはスタバのような存在)に寄って猫たちと遊び、
さらにもうひと汗かく位の(湿気の)余裕はありました(笑

次からはもう少し頑張って良い席を取り、
さらには自然に水の標的(ターゲット)としてロックオンされやすい雰囲気を醸し出せるよう(具体的な計画は無いですが・・)、
精進しよう(滝だけに)と思ったりしました。

岡崎藝術座『レッドと黒の膨張する半球体』

岡崎藝術座『レッドと黒の膨張する半球体』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)

2011/10/28 (金) ~ 2011/11/06 (日)公演終了

満足度★★★★

視点
僕も何か書こうと思ったのですが、直前に書いた方が
すべて書いているように思うので遠慮します。

ちなみに自分が一番印象に残ったのは内田慈さんかなぁ。

以前の新国立の「タトゥー」なんかもそうですが、
なんていうか、ふつうの劇とか映画とかに出てる女優さんとかと比べると、
ハッキリ視点が違うように思えてしまうんですよねぇ・・(笑

別に難しい劇の方が偉いとかそういうんではなくて、
出演している作品を観ていると、
「常に自分が時代の一番先の舞台に出ていたい」
という、渇望というか嗅覚をもっているように感じてしまうのです。
(まるでマドンナのよう

そういう意味では、この人が出ているというだけで
「俺にはわからない何かもっと別のものが作品の中に隠れているのでわ?」と
思わせられてしまう、観ている側も試されてしまう
凄い女優さんですね(苦笑

鳥ト踊る

鳥ト踊る

はえぎわ presents 真夜中

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/10/26 (水) ~ 2011/10/31 (月)公演終了

満足度★★★★★

26日(男×女)、31日(男×男)
自分は初演を観ていて、物語を覚えていたので
公演の順番を見ながら、
おそらくA:男×女がオーソドックスなバージョン、
B:男×男がはえぎわ的なバージョンではないかと予想し、
とりあえずわかりやすいようにと
オーソドックス版からはえぎわ版に流れるような形で観てみました。

両方観終わり、どちらを最初に観ても良かったかな、という気はしましたが、
最初に予想した作風は大体当てはまっていたように思いました。

自分が物語をなぞっていった流れを説明します。

まず、男×女編を観ながら物語を復習します。

・・次に、男×男編を観ながら、作者がどこを見せたいのか
男×女編と比べながらあぶり出していきます。

すると・・男×男編は、一見アゴラっぽくない際物にも見えそうなんですが、
よくよく見てみると、あえて男同士を役者を選んだ
作者の意図が見えてくる気がするのです・・(たぶん

以下、ネタばれへ↓(汗

ネタバレBOX

「鳥ト踊る」は、扇風機に髪が絡まった女と、それを見つけた見知らぬ男の話です。

以前、青の奇跡で観たときには、
地下に降りて行って、入るといきなり狭い会場で
そんな訳の分からない光景を目撃してしまい、
びっくりすると同時に
物語の舞台そのままにもみえる会場の雰囲気と溶けあって、
とても楽しめたことを今でも覚えています。

今回、駒場という、残念ながら怪しくなく(苦笑
しかも初演と比べれると割と広い会場だったため、
空間の面では初演に比べるとジャンク感が少なく
そのため、空気としては不利な点はあったように思います。

ただ、男×女編は演技も雰囲気も会場の空気にもうまく溶け込んでいて、
脚本の中の「8 1/2」にヤンキーと小劇場感を混ぜたような
カオティックな不条理劇感をうまく出現させていて、
普通にすごく面白く観れました。

男×男編は、そういう意味では、会場からすると浮いている感が少しあった気がします。

というのも一見したところ、飲み屋で酔っ払った若い劇団員が男同士で
何の結論も出ない不条理劇を延々とやっているいるだけのようにも
観えたからです・・少なくとも上辺は。

ただ、よくよく男×女編と頭の中で比べながら観ていくと・・
いろいろと見えてくるものがありました。

男×女編では、身動きの取れない女が明らかに下の立場に見えました。
ところが男×男編では逆に、
身動きの取れない女役のほうが体格が立派であったため、
こちらが上の立場のような雰囲気が出ていました。

その意味で、男の「器の小ささ感」が凄くよく出ているのは男×男編だったように思います。


また、ここからは自分が勝手にそう解釈したというだけで、
作者の意図とは関係ないと断ったうえで言います、
(自分にはそうではないかと感じられたので
この物語のすべてが、フェリーニの「8 1/2」的な
一人の妄想の産物だと解釈した場合の話です。

男×男編では、両方とも同じ人物であることを暗示するために
女装しているのだと解釈することが可能だと思われます。

つまり、扇風機に髪の絡まった女(女装した男)は、
創作に悩む男が妄想の中で生み出した虚像で、
そのため、女装しているのが観客からはひと目で分かるものの、
男は自分が生み出した妄想の中にいるため、
その不自然さに気づかないとも考えられる。

そう思いながら観ていると・・
物語の最後のほう、
男が去り際、
女に言い聞かせるように「大丈夫」と何度も言ってから、
ヤンキーの「林先輩」に殺されてしまう(直接は描かれないが・・)シーンがあります。

そこではじめて、それまで男の妄想ではないかと感じられていたものが、
実は女の妄想だったのではないかとカチッと切り替わる。

女にとって重要なのは、男なんかでなくヤンキーの「林先輩」で、
男が「林先輩」に殺されるのというのは、
実際に人殺しがあったというよりかは、
女が「林先輩」の器のでかさ(笑)を再認識するというメタファーにもみえる。
(その点、AとBとで、物語の最後の女の反応が微妙に変わっているようにみえます

女は「林先輩」に明日会ってこようか、と言う。
妄想から現実世界に戻ることを暗示しているようです。

日常の風景をきっちり切り取ることも確かに重要だし魅力的ですが、
意図したかどうかはともかくとして、
作品を見ながらこれだけいろいろと解釈できるというのは
面白い作品だからではないかと思います。

しかも、それにはえぎわらしいノイズがたっぷり混じっていて、
しかも鉄割チックな宴会劇にも似た不条理なので、
これは実はなかなかの傑作(怪作ではなく)なのではないかと
思ってしまったりもするのです。

僕はこの作品、とても好きですよ(笑
金糸雀喫茶館

金糸雀喫茶館

黒色綺譚カナリア派

秋葉原 カフェトリオンプ(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/09/16 (金)公演終了

満足度★★★★★

秋葉原には猫もいる
自分は夜にカステルッチを観てそのまま大阪に向かう予定だったので、
午後なんとか休みをとって見に行きました。

それにしても、以前から思っていたのですが・・
カナリア派の女優さんたちは、赤澤氏を筆頭にみんな男っぽい演技がよく合うなぁ・・と。

途中、自分が近所(走って3分!)の人気の猫カフェ(目当ての猫あり)にいって
30分ほど猫たちとオモチャでガッツリ遊んで(苦笑
また猛ダッシュで帰ってきたものの
牛水氏と升氏の2人会話劇の出だし5分を見逃すという
若干のハプニング(というかドジ?)はあったものの、
ほぼ昼の部を見られて、とても充実した午後を過ごせました。

今頃だったら皆さん途中ダッシュで猫カフェに行って息を切らせて帰ってきた(苦笑
客の顔も忘れてる頃かなぁ、と思ったので今更書きます。

その節はどうもありがとうございました!

あたらしい草

あたらしい草

chon-muop

RAFT(東京都)

2011/10/28 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

R・ブローティガンならたぶんきっと・・
ああ、さっきはすごくびっくりしてしまった。
だって、すごくきらきらしていたから。
夜の街がすごくキレイで・・。

舞台を観た後でこれだけ夜がきらきらしていることって・・
自分が覚えている限りでは、ユリイカ百貨店のetw
 ・・よく考えたら先週もetwに行ってきたばかりだった。
   夕日から夜にかけて空の色が変わるのを見に・・
での公演以来かもしれない。

ライブでは、わりとこんな夜がある。
ためしにひとつ挙げるなら、下北のleteあたり。

そういやleteは夜の散歩で横を通りがかり
外に少し漏れ出る誰かの演奏がふと耳に入るたび
(セロニアス・)モンクの幾何学的な曲(高桐院の庭を見ると
モンクのようだと思う)を換気扇から聴いていたというケルアックのことを思い出す。
それもまた夜を彩るステキな歴史だ。

・・そんなまるでオトギ話みたいなきらきらした夜・・

舞台が終わって劇場(RAFT)の外に出ると、
そこは僕には子供のころからわりと見知った街。

そういやまだよちよち歩きの時分、よちよちと駅(東中野)の改札を突破していってしまって
死んだオヤジにはえらく心配かけたっけかな(苦笑

そんな懐かしいけれどちょっと寂しい思い出も
夜のきらきらが少し彩ってくれている気がする
・・なんだか、また好きな劇場が増えてしまったかもしれない(苦笑

R・ブローティガンならこんなときどう書いただろうか?
なんてこと考えながら書き始めてだいぶ逸れてしまった。

でもまぁ、これはこれで良いんじゃないですかね、なんて思ったもので、
ハロウィンとはあんまし関係ない夜を過ごす舞台好きに読んでもらえたら光栄です(苦笑

【終演致しました】とりわけ雨をはじくベビー【ご来場頂き、ありがとうございました!】

【終演致しました】とりわけ雨をはじくベビー【ご来場頂き、ありがとうございました!】

トリコロールケーキ

しもきた空間リバティ(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★

妖精=オッサン説
なんとなく観に行ってみたら、
凄く面白かった(笑

やはり舞台の上の人がみんな少し変というのは面白いし、
それが過剰じゃない感じなので観ていて非常に心地よく感じます。

ひとり、おっさんだけが、プーで非常に親切という点を除けば
それほど変人ではない・・というところが凄く新鮮な気がして面白かったです。

最後あのおっさん、本当は妖精(つか寅さん?)だったんじゃないかぁ・・
なんて台詞も、なんだかアリなんじゃないかという気がしてよかったです。

三鷹の化け物

三鷹の化け物

ろりえ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2011/09/30 (金) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

母親のことなど
ちょうど観劇の前日、苦労して建てた墓に父親の納骨をした。
そのせいか観ていてふと母親(こっちはまだ生きてる)のことを思い返してた。


死ぬ前に毎日病室に通っていた時、
オヤジの好きだった服を必ず着ていたこと。

旅行に出かける前と帰ってきたあとには、
父親が心配しているだろうからと
必ず仏壇に挨拶するようにと口酸っぱく言われること(苦笑

納骨で線香をあげとき、
きらめくような夕日に包まれて緑の中、
凄くほっとした顔をしていたなぁ・・(苦笑


思い返すとキリが無いけれど、
あの下らないネタの応酬の中で笑いながら
ふとそんなことを思い出していられるのは、
ろりえの作品がいつも、深刻な悲しい気持ちほど、
笑いの中に包み隠してしまおうとしているように感じてしまうからなのか。

いろいろ元気づけようとしても、
「いつも一緒にいたお父さんのいる向こうに、私も早く安心して行きたいわ」
なんて寂しそうに言っているのはウチとおんなじなんじゃないかな、とか(苦笑

でも、まぁ、そういうしょんぼりしたのを絶対そのまんまやんない、っていうかむしろ
ほとんど笑いや怪獣の渦に呑み込まれてどっかいっちゃってる(笑
って、ところが凄くろりえらしい気がする。

だって、悲しんでばかりじゃ暗いでしょ。

怪獣、お笑い、夕日に自転車?
チープかもしんないけれど、
自分の好きなガラクタみたいなオモチャ
でも、俺の目には凄くキラキラして写るぜ!

そんな等身大の自分を元気に目いっぱい詰め込んでみました。

そんなひねくれたサービス精神?を
勝手に感じてしまっていっつも気になってしまうんだよね(笑

とりあえずこれからも、素直なフリして目いっぱいひねくれてる感じで(邪推
目いっぱい楽しんで行ってってください、みたいな感じです(苦笑

ダッチプロセス 【ご来場ありがとうございました!】

ダッチプロセス 【ご来場ありがとうございました!】

ナカゴー

王子小劇場(東京都)

2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了

満足度★★★★

はらわた
なんていうか・・

私事ですが、観劇前の仕事で対応してた行事で急病人・ケガ人が何人も出て
走り回って対応してフラフラだったせいか・・(苦笑
ハンバーガーのにおいもそうですが、ラストの展開なんかも
わりと胃にくる感じで・・(笑

でもそれを別にすれば、
登場人物がしたり顔で言ったことが
くるくるとひっくり返ってループするところや、
ざわついた動き(そのなかに小ネタが不毛にちりばめられていたり・・)が、
「なんでこの動作?でくるっとまとまるの?」
という感じで妙に意見が一致したかと思ったら、
なんだかとんでもない吐露が唐突にでてくることによって
離反する登場人物たちが、
これまたなんだかよくわからない動き?でなだめられてるみたいなんだけど・・
「え、ちょっと待て、そこ納得するところじゃないだろ!」
と、心の中でツッコミを入れてみたり。

わりと「心の中にツッコミ職人」的な心意気を持っていれば(笑
物語がボケ倒している?せいか、
かなり楽しめるように感じました。

強靭な胃と心のツッコミ職人の二つに自信のあるかたにはお薦め?

ただ・・やはりハンバーガーは本物ではなくて、
「リラックマ的なものが付属したカワイイぬいぐるみなんか(一例)にすれば、
においもしないし、舞台とのコントラストになっていいんじゃないかな」
と、これは自分の心の中のツッコミ職人ではなくて、源さん的な何かが申しておりました(苦笑

なお、ノートを持って行って「この役者の演技は・・」
などとやっていると、最後にはノートはぐちゃぐちゃになり、
はらわたが煮えくり返ってしまうかもしれません(そんな人は来ないか・・

Kと真夜中のほとりで

Kと真夜中のほとりで

マームとジプシー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2011/10/14 (金) ~ 2011/10/24 (月)公演終了

満足度★★★★★


人の死について、考えてみる。
また、音楽について。
あるいは木漏れ日のように、浮かんでは消える景色について。

お別れを言って別れるのは、人生の中ではそう多くはない。
いつの間にか、溶けるように消えて、もう二度と会わないことのほうが多い。

・・ある日突然、自分の前から消えてしまった人たちのことを考える。

たとえば自分の父親について。
病室での最後の会話を思い出す。

たわいもないある一日の出来事。
久しぶりに家に訪ねてきた人の話。
父親は「よかったな」と言っていた。
笑っていた。

それは、景色。
音はあったのだろうが、父親が言ったその声がはっきりと思い出せない・・。

記憶の中の景色は、音の海に溺れて消えるだけ。
水面の景色はきらめくけれど、ゆらめくばかりでとりとめもない。

ときに音が舞台の台詞をかき消すというのは、
自分にとっては酷く自然に感じられる。

考えてみれば、記憶のなかの美しい景色にはっきりとした声が必要なのか?

上演する2時間ほどの時間は、
自分のなかの記憶を探す旅でもあるように思う。

思いの鳥

思いの鳥

CAPTAIN CHIMPANZEE

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/09/28 (水) ~ 2011/10/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

ちいさな舞台ですがそのちいささが素敵です。
ここのところ毎回観ています。

細部までしっかりと作られていて
最後まで安心して
劇の世界の中に身を委ねられるところが
素晴らしいです。

そこここにある、
 劇的ではないけれど
  人の温もりのある
町中のひとたちの声を、
 ざわめきの中から
  ひとしずくひとしずく
   ていねいにていねいに、
それこそ手の指の間からこぼさないように
 注意ぶかくすくいあげて、
そのきらきらとしたところを
 舞台の上でしっかりと描き切っています。



以前、自分が町中で見た
ちいさなおばあちゃんのやっていたお店
(あれは京都だったか・・

小さくて、きれいではないけれど、
みているだけですごく温かな気持ちになれる
ハギレがあったりして・・

その布は、ディオールとかそうした高級なものとは
違うけれど、もっと美しくて優しいものが
含まれているように感じる・・。

ひとりでやっているこのお店のおばあちゃんの人生は
どうだったんだろう?

今ひとりでやっているこれまでのこととか、
その布を見つめながらつい、想像してしまう。



キャプチンの中にはそうした、
どこにであるけれど
目を凝らさなければ決して見れない
おばあちゃんのお店の中に香る
人生のようなものがある気がしてとても好きなのです。

ルネ・ポルシュ『無防備映画都市―ルール地方三部作・第二部』

ルネ・ポルシュ『無防備映画都市―ルール地方三部作・第二部』

フェスティバル/トーキョー実行委員会

豊洲公園西側横 野外特設会場(東京都)

2011/09/21 (水) ~ 2011/09/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

あまり難しく考えすぎないほうが
良いように思います。

自分は、昔から映画が好きなので、
ケンブリッジから出ている
「The films of Roberto Rossellini」(Peter Bondanella著)を読んでいて、
今回も行く前にその本のあちこちに付箋を付けて観に行きました(苦笑

ロッセリーニはネオリアリズモの作品のイメージとは対照的に、
金持ちの子息で
魅力的でハンサムであり、
映画監督としてよりかはプレイボーイとして運命づけられ
飛行機とレーシングカーが大好きで、
たぶん女優目当てで映画界に飛び込んだ、
というような、今回の舞台そのままの人物であったようです。

それこそ自分がこの劇を見る前に行った明日館の朗読会で、
関東大震災から衝撃的な早さで立ち上がった
築地小劇場のシーンとはすべてが対照的。

そのこともまた、この作品が
芸術の揺籃期のひとつのシーンについての
想像力を膨らませた風刺であり批判でもあったように
自分に強く感じられた原因のひとつであったかもしれません。

自分はもう少し先の本やロッセリーニ、あるいはファシズムや戦争、
あるいは後に続くヌーベル・ヴァーグについて考えてみたいと思います。

そうするきっかけになるだけの力が、
あの舞台から湧き出るイメージにはあるように感じます。

観客一人ひとりのそうした考え始めの一歩を、
ポレシュは与えたかったのではないかと思います。

七福神!

七福神!

ベビー・ピー

京都大学西部講堂(京都府)

2011/07/29 (金) ~ 2011/08/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

ずいぶんむかしに
ベビー・ピーの『みんなボブ―ルックス最高!』を観て以来、
ウッドストックの野原に吹く風のような空気を、
出町柳駅で降りるときに感じるようになってしまった(苦笑

何か遠い昔、迷子になった場末の路地で視たような、
どことなく懐かしくて自由で無茶な思い付きが、
舞台の上にいつでも転がっている気がして、
この劇団の舞台が自分はとても好きです。

今回も、屋根やテントにのぼったりしたかと思えば、
フェリーニの夢を体でなぞろうとでもするみたく、
闇の中から飛び出てまた消えてく。

見るたびごとに作風がどんどん変わり、
「みんなボブ」とはだいぶ違ってきているけれど、
リアルタイムで東京とは全く関係なく進行する京都時間を
夏ごとに体感できるようでそれもまた良いです。

背水の孤島

背水の孤島

TRASHMASTERS

笹塚ファクトリー(東京都)

2011/09/09 (金) ~ 2011/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

重量級
TRASHMASTERSOULから
毎回観てますが、どの作品も素晴らしいです。

今回は特に、時流の暗さの中で
重量級のストーリーと、超絶舞台美術がガッチリ噛み合って
凄みを増している気がします。

相変わらず、前半から後半へ、目の眩む転換。

矢継ぎ早に繰り出される会話の中で国家の存亡が決まるスリリングさには、
地震を経て現実感がようやく追いついてきた気さえしました。

3.11から半年が経ち、いよいよ舞台上にカタストロフィー的ともいえる
重い作品が出始める幕開けになったんじゃないかな、とも感じます。

アルジェの男

アルジェの男

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2011/09/16 (金) ~ 2011/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

二度目
8月上旬の暑い宝塚で観劇して以来、
なんとかもう一度観たいと思っていた公演だったので、
東京公演の後半に滑り込めてほっとしました(苦笑

というのも大阪でひとつ宿題をもらえたから。

最初に観たとき、隣り合わせたオバさんと話をしていて、
(再演だからか)「話(の筋)、若い人には古いんじゃないかしら?」
なんて、心配そうに聞かれました。

ただ、自分にとっては話が新しいか古いかは問題じゃなく、
そこに魅力的な人たちが存在していることがより重要で、
「古いかもしれないけれど、目新しいだけの作品よりずっと素敵だ」
って、こたえていました(優等生的?

そこで改めて、自分のコトバが嘘になっていなかったか、
もう一度しっかりこの目で確かめるため、
劇場で観なおしてみたいと思っていたんです。

改めて観かえしてみて、
登場人物のひとりひとりの描写、演技が、
非常に素晴らしいことが再認識できました。

大阪の時は主人公のジュリアンに行きがちだった目を、
東京では周りの登場人物にも向けてみると、
非常に少ない描写だけでそれぞれのキャラクターを
描き切っていることに改めて気づかされます。

また、ひとつひとつのシーンが非常に印象的で美しく、
簡単な輪郭では表せないところ
(なかなかどう言ったら良いか難しい・・コトバが足りずスミマセン(汗

ネタバレBOX

自分が特に惹かれたのは
盲目の娘アナ・ベルが死を決意して湖に向かうシーン。

文字通り、自分がいつまで経っても届かない遠く、
その見えない目でいったい何を見つめていたのか・・
悲しみともあきらめともつかない何かもっと別の透明でほの暗い何か・・
アンリに自分を重ねると、何か底の見えない湖のなかを彷徨うような不安と、
大事なものを失う、刺すような痛みとを胸に感じていました。

ひとつひとつはどこにでもある話かもしれない。

でも、人生はどこにでもあるような話の連続で、
そのどれもがかけがえもないから
誰もひとの人生に偏差値なんてつけられない。

どこにでもあっていい。古い話で構わない。
そこに人生があって、人が生きているのなら、
自分はそれだけで十分なんです。

宝塚は、携わっている人たちが愛情を持って接しているから、
触れるものすべてにそうした人生の手触りが感じられるのだと思います。
ファントム

ファントム

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2011/08/12 (金) ~ 2011/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

やはり人気公演だけあって・・
ちょっとチケット取るのが手間でしたけど、それだけの価値のある作品だったかな、と思いました。

中でも魅力的だったのは、やはり蘭寿とむさんの少年のように透き通った純粋なエリック(ファントム)。自分の醜い顔をみて逃げてしまう女の子に「怖がらせて悪かった」と言える絹のような心の優しさ(優しさにもいろいろあるので・・)、美しさを、十二分に感じさせてくれました。

まぁ、なんというか・・毎月宝塚を見ていると、見た目はおっさんになっても、心だけは少年のようにまっすぐでいたいと思うものです(友達からは気持ち悪いと言われそうですが・・(苦笑

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