ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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LOVE02

LOVE02

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/02/05 (日) ~ 2012/02/13 (月)公演終了

満足度★★★

ぶらっと観てきました
結構おもしろかったです。

ハッピーでポップな感じは・・
以前の快快を思い出しました・・なんとなく。

渡辺美帆子企画展「点にまつわるあらゆる線」

渡辺美帆子企画展「点にまつわるあらゆる線」

青年団若手自主企画 渡辺企画

アトリエ春風舎(東京都)

2012/02/05 (日) ~ 2012/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

「雪」も面白かったけどこちらもなかなか・・
なんだか最近、アゴラより春風舎の方が挑戦的で面白い気が・・。

ただ、やっぱり「雪」なんかと比べると、
春風舎の他の作品でも、深みとハードさでは負けてる気が・・(汗

こんなにも間近であれだけの作品を作る作家が滞在してくれてるんだから、
これから同じ場所で上演する人たちはみんなガチで勝つ気で
舞台にDIVEして欲しいなぁ・・。

「点にまつわるあらゆる線」、とても面白かったですよ。

ただ、1週間前に同じ場所で上演された「雪」が
この時期上演されたどの日本の作品と比較しても
別格の趣きを呈していただけのことで・・。

揮発性身体論「EVANESCERE」/「 密かな儀式の目撃者」

揮発性身体論「EVANESCERE」/「 密かな儀式の目撃者」

金魚(鈴木ユキオ)

シアタートラム(東京都)

2012/02/03 (金) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

自分はとても好きですけど・・
ダンス1時間半+トークが1時間で、結局4時から7時まで、
土曜をほぼ使い切る感じでしたけど、
その甲斐はあったかなぁ、と思いました。
一日金魚。

ネタバレBOX

「静止」のようで静止ではない。

一瞬の後には、どこかに振り切れるかもしれない・・。

そんな緊張感のある刹那が多く観られて良かったです。

たとえば、自分がライブ等に行って踊ったりしているときの夢想。
(動いてるとき)このまま千切れるように弾けたまま静止して、一瞬の後に
また体の動きすべて逆回転しながら踊り出せれば
最高にカッコ良いのではないかなぁ・・みたいな(苦笑
止まった瞬間は、右か左か、上か下か、どちらに動き出すか分からない
可能性を持った瞬間のようにも思えるので、とても素敵なのです・・
(そんなにキレイではないですけど、できないわけではないんですよ、
もちろんプロの金魚のやってることとはレベルが全く違いますけど。
つまり、金魚のやってることは、自分が観たいと思っているものを
遥かに凌駕した、美しい静寂と重さを持った動きのように見えるので・・


体の中に、刹那がぎっしりと蠢きながら、次の駆動し出す瞬間を待っているとき・・・
とでもいうのか、
はたから見ていると静止しているだけとも見えるのですが、
そうした、どちらかに動くのを待っている瞬間というのは、
非常にスリリングで、
単純に体を動かし続けているのとは、次元の違う緊張感を与えてくれる気がします・・。

もちろん、そのうごきの中には、体幹がきっちりと定まっていなければなりません。
でなければ、ふわふわとした柔らかいものになってしまうから。

小劇場向けと言われればその通りで、
ただし、間近で見ると、その存在感に圧倒されてしまうようにも思います。

ふだん体をあまり動かさない人、というよりかは、
例えばブレイクダンスとか、体を動かし続けるタイプのダンサーの人なんかは、
こういったダンスの凄さを特に実感できるような気が・・。
(この前ライブに行ってブレイクダンス踊ってる人たちと飛び跳ねてた影響かな・・(笑

また、動きは激しくても、
そこにある感情はとてもクールでコントロールされているというのか、
まるで、野生動物の筋肉の動きを目で追っているとか、
蒸気が自分の意思で群れ踊っているとでもいうのか、
野蛮で激しい(←雰囲気として)動きの中に冷たい水脈が流れているようでいて、とても素敵です。

なかでも、自分には、前半の鈴木ユキオ氏ソロが圧巻!
後半も、それぞれの色が全く違う女性ダンサーたちの混じり合うような動きは、
宝塚なんかのラインダンスや何かとは全く違う魅力があって
とても見応えがありました。

静止・・と言っても、ボヴェ太郎氏や岩淵氏なんかのとは
全く違う刹那である気がして、とても興味深くもあり・・。
もしかして魚貝の森

もしかして魚貝の森

フルーツ宮殿

成城サロン(東京都)

2012/02/02 (木) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

何も考えてなかったかもしれないけれど
テンションはとても高かったです(笑

日本人なのにブラジル人じみた個人技を持った
黄金のカルテット?が織りなす暴走機関車は
どこに飛んでいくか分からない
ナックルボールのような危険性を秘めていて(というか剥き出し?)
・・・とてもスリリングでした(笑(褒めている

・・ちなみに役者でもないのにテレビになってしまった人はどうすればいいんでしょうか?(苦笑

ネタバレBOX

借金取りに追われたりして
パニックになった人は咄嗟に家のどこに隠れるだろう・・?
などと考えると、
アイデアに詰まってパニックになった演出家が
どのような行動に出るのかを考える良い指針になるかも・・?(笑

(これでもネタバレに書かないと、初めて観た人の面白さが逃げてしまうので)
半島にて

半島にて

オックスフォードパイレーツ

明石スタジオ(東京都)

2012/02/01 (水) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

結構好きかも・・
昔、瀬戸内海の小さい島に行ったとき。

次の舟が出るまでに間があったので
ぶらぶらとそのあたりを歩いていて
ノラ猫の母子を見つけました。

母猫と、子猫3匹。

3匹のうち一匹だけとても体がちっちゃかった。

・・何故かなぁと思いながら、
近くのお店で煮干しを買って猫たちにあげてみる。

すると、そのやせっぽっちの子は実はとりわけ臆病で、
エサをあげても自分がちょっとでも動くと
びゅうと車の下なんかに逃げこんでぶるぶる震えていて、
その間に他の子猫たちにみんなかっさらわれて、
なんにも食べられなくてひもじそうな顔をしていた。

自分はなんだかそれで余計に親心を刺激されて(笑
その子になんとかしてエサをあげようとしていて、
ほかのわりと体の大きな子猫を追い払ったりして(苦笑

舞台を観ていて、やっとエサにありつけて嬉しそうに食べていた
やせチビの顔を思い出したりしてました。

あの子まだ生きてるのかなぁ・・。

臆病なノラ猫がかわいいというの、凄く分かる気がして(笑


舞台の内容については、あとで書き足します・・。

ある女

ある女

ハイバイ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/18 (水) ~ 2012/02/01 (水)公演終了

満足度★★★★★

落語のよう
頭の中をもう少し整理してからネタばれに書きます~

ちなみに菅原氏バージョンです。

でも、結構評価厳しい気が・・なんでだろう?
混んでたから?
以前と比べて客層が変わってきたから?(なんとなくですけど

それはともかく興味深かったですよ。
本田劇場の奥の方で観てたら何やってるのか分からなかったですけど、
このくらいの広さの劇場でちょうどいいのかな?(まぁでかいスクリーンで3Dで飛び出してたらそれはそれで面白いけど

こういう題材を扱う作家さんが少ない、というだけでも十分上演する価値はあるような・・。

ネタバレBOX

27才女と年輩者の不倫話から突き進むから苦笑系になってしまうけれども、
これがもっと若い女の子と、その子にタカるホスト君(屑)とのやり取りから
後半部につながっていたら、
あまりにもそこそこにあって、誰も笑えなかったに違いない
(そこを、「女の子っておっちょこちょいな所、あるよね」的な余裕でクスリと笑える程度で済ませられる人は・・・現実のクズ君(実際には整った顔立ちであることが多い)たちのことについてあまりにも無知と言われてもしょうがないような気がする。(内心)ブチ切れたことのある人なら、割と凍りついてしまう気が。以前、キラキラしてたはずの女の子が、わずか一年で引きこもって自殺未遂を繰り返してたなんて話を、付添い(付き添ってもらってやっと外に出られる状態だった。元気なころから母娘仲良しだったけど)の母親から聞かされたこともあったなぁ。だいぶ昔の話だけど。

そんな荒れ果てた現実を、わりと不思議な設定、謎映像、ぽかんとした表情でくるんで飛ばすと見せかけて、後半にひょいと、観ている人の懐にほおり込んでくるあたり、なかなかにハードボイルドな演出と言って良いのではないかと思います。
『雌鹿 DOE』ワークインプログレス ファイナル

『雌鹿 DOE』ワークインプログレス ファイナル

指輪ホテル(YUBIWA Hotel)

森下スタジオ(東京都)

2012/01/27 (金) ~ 2012/01/30 (月)公演終了

満足度★★★

個人的には
色々なイメージが飛び交っていて凄く楽しめました。
何年も前ににしすがもで観た記憶をうっすらと思い浮かべながら、
今回も同じ高い天井ながら、この高さをずいぶんと贅沢に使えるようになったんだな、と思いながら・・。

ただ、海外に持っていくとなると・・どうなんだろうか?

ポップカルチャーの文脈で捉えられる感のある
チェルフィッチュや快快などと違って、
今回の戯曲は完全に海外の作家であるので・・
演出は、イメージの豊饒さだけではなく、
完全に論理的に設計されていることも重要である気が・・。

~以下、ネタバレへ~

ネタバレBOX

自分も、1つ1つのシークエンスを見ながら、
ここはこういうことなんだろうな・・というのは何となくわかるものの、
唐突にカツラをかぶって神話めいた展開になったり、
料理教室になったりして、
観ていてバランスが悪いようにも思えなくもないかなと・・(汗

ポエジとグロテスクの結合などというと、
自分は何となくP・グリーナウェイあたりを思い浮かべてしまうのですが、
海外に持っていくのだとしたら、
やはりああした感じで、
なんでもいいのですが、例えば戯曲の構造なり、
言葉なりできっちりと構造として強固な枠組みがあった方が
逆に自由に作るより今回の場合は映えるのではないかな、と、思ってみたりもします。


ちなみに鹿は自分も大好きな動物で
(同じ好きでも猫やタヌキのグッズはないものの、牡鹿のネックレスは持っていたり)
最近特にdeer hunter とかdeer tracks とか、
鹿の名前を冠したバンドで好きな所もあり、
猫などだけではなく、鹿をテーマにした舞台がもう少し増えればいいな、とも思います。
青春のプロ

青春のプロ

ライオン・パーマ

王子小劇場(東京都)

2012/01/26 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

ぶらっと
観てきました。

王子に行く前に春風舎で観たヤン・アレグレが、
恐ろしくレベルの高い芝居だったので
B級感が溢れた雰囲気のこちらにハマれるか
ちょっと不安でしたが(苦笑
杞憂で、とても楽しめました。

今回は地方での劇団の話だったのですが、
こういったものは舞台が凄く好きな者にとっては、
とても気になってしまう話題だったせいもあるのかもしれません(笑

セットの朴訥とした?雰囲気といい、以前観た隕石少年トースターの
「パペット・オン・ザ・パニック」(自分が観たのは大阪での2007年版)
を思い出したりしました。

他の方が言っているように、
ちょっと無茶な展開がたくさんあるのですが、
それらがみんな劇団の味になっている不思議な良さがあると思います。

ちょっと台詞が詰まり気味な所があったのは、
役者さんというよりかは、
たぶん脚本が上がるのが遅くて、
台詞を役者さんたちが声に出すのを聞いてから
無駄な部分をカットしたり
すっきりとした言い回しに直す時間が無かったのかもな、と思ったりもしました。
というのも、面白い部分は早めに上がったと見えて、詰まるところがほとんどなかったのですが、そこまでではない部分(苦笑)は台詞がすっきりしていなくて、役者さんたちもちょっと聞き取りにくい部分があったからです。

でも、それはそれとして、
地方での劇団の話を誰にでも面白くするのは、
実は想像以上に難しい
(例えば・・てがみ座の乱歩の作品は素晴らしいですが、乱歩自体がもつ謎めいた雰囲気に負うところも多く、逆に予備知識も全くない地方の劇団を題材にしても、結局はどこにでもある地方の町の話である以上、相当に物語を作りこまなければ、観客を引っ張っていくことは難しい・・)
ように思われるところを、バスの乗客の話や、
地方のちいさな本屋での葛藤?など、
ムダとも取れる小さなエピソードをふんだんに絡めながら、
マジメに破綻なくまとめるよりかは、
多少破綻しても面白さを優先して
ネタをたっぷり盛り込むサービス精神というか、
おなか一杯のボリュームに仕上げようという心意気というか、
B級グルメの良さがこれでもかというばかりに出ていて、
そこも地方劇団の雰囲気ともあっているようで良かったように思います。

・・ちなみに隕石・・の方はまさにウェルメイドという感じできっちりまとまっていて(この劇団はいつも丁寧に作りこまれているのです・・)
ライオンの方は、まさにB級(どちらも褒め言葉です(笑

昔の観劇のことなどを思い返しながら、
これだけ実は作るのが難しいと思われる題材で、
これだけふり幅大きくできた作品同士を頭の中に思い浮かべながら楽しむのは、
なかなか贅沢な気持ちになったりもして(笑
自分もまた、無名の劇団(スミマセン(汗
ばかり追いかけている楽しさを客席で、
同じように(劇中、出てくる地方劇団を追いかけて
他の町まで観に来ている人たちがいる、という設定があります)
体感できました(苦笑

無茶な所もあるけれど、味がある、まさにその通りだな、と思いました(笑

補足・・ちょっと時間が無くて今回は(も?)だいぶ読みにくいところがありますがご容赦ください(汗

眠りのすべて

眠りのすべて

アンスティチュ・フランセ東京

シアターX(東京都)

2012/01/27 (金) ~ 2012/01/28 (土)公演終了

満足度★★★★★

観てきました
当日券でも大丈夫でした(苦笑

観に行って良かった!

ドニが、スクリーンの上だけでなく、
舞台の上でも凄く魅力的な俳優だということがよく分かりました。

映画だけだと・・こんなにもチャーミングな身のこなしをする俳優だったなんて
感じるところまでは行けなかったと思います(笑

他にも、アリン・ブラズ・ダ・シルヴァさんという女性ダンサーの方とか、
初見でしたが、凄く優美で大きな円を描くような動きが素晴らしく、
ダンサーみなさん非常にハイレベルであり、
かつ照明なども含めて全体の作品として非常に洗練されてるな、と感じました。

ポエジ・・というのが舞台には必要というのがよく言われたりしますが、
今回の舞台は、コトバの少ないときにより一層、そのポエジがよく立ち上がっている
素晴らしい舞台だったのかな、と、思いました。

なかなか寝付きの良い人には感じられない
「睡眠障害」の青い闇の底のほうを・・
潜っていくと、こんな深淵に辿り着けるのかな、というのを、
言葉ではなく、優美な身体のmovementで柔らかに装飾していくさまが、
非常に美しくもあり、
逆に寝つきの良いことで人生損している(苦笑
みたいな、そんな気にさえなってしまいました。

単純にトリコロールとはいきませんが(笑
色を美しく使った、理知的な舞台であったように思います。

見てたら明日もまた行きたくなってしまいました(笑
ああ・・nadjaも良いんだけど。

乱歩の恋文

乱歩の恋文

てがみ座

シアタートラム(東京都)

2012/01/26 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

良くできている
なかば伝説化してしまった感のある江戸川乱歩について、
観劇後にこんなに爽やかな気持ちを抱かせる作品になるとはちょっと想像がついていなかったので
(てがみ座自体、みきかせ以来です・・(汗)
意外であると同時に興味深くもありました。

自分自身、中学生くらいのころから江戸川乱歩というと
筋肉少女帯とかそういったイメージが(勝手に)あって、
新青年でもどちらかというと牧逸馬とか、
池袋より鎌倉な、
エログロよりはスマートめな方?に走ってしまう感じで(普通そうだと思うのだけど・・)、
それほどガッツリ積極的に読んでいたわけではないのですが、
それでも幻想文学の中では乱歩は避けて通れない雰囲気でもあり、
そういった点でも乱歩は
自分には探偵小説家というよりかはむしろ幻想文学家でもあり、
また、有名な割に「・・ちょっとキツくない?これ(汗」
と、こっちがへこたれるようなものを割とよく書いている気が・・。

ただ、そういったものも割と無菌化されてきた感のある東京とか、
その頃はできたばかりのきれいな中高校(母校)の校舎であるとか、
帰り道の渋谷ではフレンチポップが流行っている(きらきらした音楽が街角に溢れた良い時代だった(苦笑)のに、「人面椅子」はちょっと・・
という当時の時代の感覚とは無縁ではない気が(苦笑

大正~昭和初期の浅草に生きていれば、こういった感覚も
それほどではない・・・こともない?

以下、ネタバレへ~

ネタバレBOX

物語のほぼ全てを、奥さんの平井隆子の視点から描いているのが
共感しやすく、また爽やかな感のある理由でもあるのかな、と。

乱歩を・・
探偵小説をたくさん作った、猟奇的な物語の創造主というよりかは、
潮風に導かれて渡った島で
島の子供たちに話を聞かせたり、
海の匂いを嗅ぎながら、古くから伝わる言い伝えに耳を傾けたり、
物語の世界に身を浸すことを純粋に愛した青年として描いています。

人づたいに紐解かれる物語の世界に包まれていることが何よりも好きで、
ワクワクしながら次の展開を待つ子どもたちの瞳を前にすれば
何か語って聞かせずにはいられない。

自分も瀬戸内海の島々などをまわってみたとき、
海に近しい島の空気というのが、
非常に濃密な蜜のような何かを含んでいることに気づきました。

海の流れというものは、古くからの人の魂の流れでもあります。

その流れのなかに生きるということは、
まるで精霊の流れのなかで眠り、神話の世界を生きているみたいな
そんな不思議さを感じました。

乱歩が、
島で物語を採集しているときに出逢った隆子と結婚し、
自分の紡いだ物語をその隆子に語らせて、
自分の耳で、その音を聞いてから校正していたというのも、
どこか自分の物語に島の香りを封じ込めたかったのかな、とも思ったりします。

考えてみれば、
大阪の海の道の上流に瀬戸内海の島々があるみたく、
浅草を含めた東京の海の道の上流には、鳥羽があったりします。

遠く離れていても、物語を紡ぎながら、
乱歩は自分に物語の息吹を教えてくれた島のことを
忘れたことはなかったのではないかな、とも思うのです。

はっきりと台詞で読まれることはないのですが、
乱歩の世界が、誰によって最も大きく支えられてきたのか、
というのが良く分かる、良い芝居だったと思いました。
カーキとオリーブ

カーキとオリーブ

キシん

名曲喫茶ヴィオロン(東京都)

2012/01/26 (木) ~ 2012/01/28 (土)公演終了

満足度★★★★

やはりヴィオロンでの公演は良いです
同じ役者さんでも、オフオフやあくとれで観るときとは
だいぶ違います。
光とか、ニジムようで、まるで写真か思い出の中の風景を見ているみたいで。

現実なのか、夢の中なのか分からないところをふんわりと魅せられるのは、
ヴィオロンならではなのかな、と思ったりもしました。

・・ただ、喫茶店じたいライブや舞台に人気過ぎて、
昔みたいに夜ぶらっと行って、ぼんやりクラシックを聴いてみる、
みたいなことが最近ずっとご無沙汰なのが残念(苦笑

舞台の中にはいっぱいヴィオロンのこと、出てくるんですけどね・・。

オーシャンズ11

オーシャンズ11

宝塚歌劇団

東京宝塚劇場(東京都)

2012/01/02 (月) ~ 2012/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

思った通りで
きっちりと作られていて、面白く楽しめました。

今回は2部構成なだけあって、いろんな男役のバリエーションの楽しさがあって
見応えがありました。
・・・・その分女役の方は印象が弱めだった気も(苦笑

そういえば去年大阪の知り合いが
「(宝塚には特に興味はないけれど)オーシャンズ11は観たい」とか
言ってたのを今になって思い出しました。
(↑別に誘われてたとかそういうんじゃないです・・・世間話として)

・・・なるほど。会場もいつもより女性が多かった気が・・(苦笑

でも、素直に男性も凄く楽しめる良くできた舞台です。
今からだとチケット取るのがちょっと大変ですけど。

あと、こういうクセのある脇男役陣の魅力満載の舞台の方が、
「オレが主役」的なファッションに目が行きがちな男性には
かえって服装で遊ぶことを勉強するいい機会でもありますし(苦笑
                  ↑もちろん自分もたいへん勉強になります(笑

劇団 太陽族『異郷の涙』

劇団 太陽族『異郷の涙』

一般社団法人 日本演出者協会

あうるすぽっと(東京都)

2012/01/23 (月) ~ 2012/01/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

とても面白かったです
あとでもう少し書きます・・・きょうは五反田団で力尽きた・・(苦笑

びんぼう君

びんぼう君

五反田団

アトリエヘリコプター(東京都)

2012/01/17 (火) ~ 2012/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

五反田団の良さがよく出てる舞台
土日出社の代わりの平日休みにもかかわらず
直前まで休みか分からなかったため前売り券もなく、
その結果、前日から当日券4連続の最後にあたり、かなり疲れてましたが(苦笑
それをすっかり忘れるくらい面白かったです(笑

具体的には・・
前日雨の中当日券に並んでBEIRUTで踊って汗だくで雪の中
ずぶ濡れで家に帰り、翌朝は雪かきしてから日比谷で宝塚の当日券に一時間並んでから
いったん帰って雪かきを済ませ、
再び日比谷に戻り、オーシャンを観劇後に池袋で太陽族、
最後に五反田団・・・(我ながらよくやるなぁ(苦笑

でも、不思議なことにこうしてぎゅうぎゅうで予定をつめた時に限って
全て面白くて(どれかつまらなかったらその時点でへこたれてしまう(苦笑
今朝宝塚の11時の列を見たとき
「観たかった舞台を3つ見逃さずに済むかもしれない」
と感じた予感が、何かの運命に導かれたものだったのかもしれないという
気持ちを確かなものに変えてくれたりもするのです・・・(笑

(以下、感想はネタばれへ・・)

~1/25記入分~

P.S.
ちなみに自分が似てるなと思ったものは・・
「ねこちゃん」(鼻ホームランの森)・・あたり?
・・いや、ただの宣伝です(笑
関係者とかそんなんじゃないですが、素敵すぎなタイトルだったんで・・なんとなく(苦笑
でも、似てるんじゃないかなと・・ほんと何となくですけど。

ネタバレBOX

今回は、五反田団の良さがよく出た舞台だったと思います。

ある意味「貧乏」という名前のファンタジーを描いたものでもあります。

・・けど、この幻想にも似た風景は、
おそらくつい最近まで日本にあったものにヒントを得たものなのかな、
とも思うのです。

それは、途中で3人が月の動きに気づく場面により強く表れているようにも思います。

現代の(たぶんは現実の人間をカリカチュアライズしているとも思われる)
お金持ちの友達は、
「リアルおままごと」という名の、およそ自分には現実感のない幻想
(共働き?の両親にひとりぼっち家に残されたときに見ている昼メロ?の続きのようでもあります)
でのみ生き生きと動きます(苦笑

ただこの子は、2畳よりはるかに広い家に住みながら、
実際に2畳に住んでいる親子より
遥かに狭い空想の世界でしか遊べていないのです。

それは、人形あそびになった瞬間、
2畳をはるかに飛び越えて(笑
びんぼう親子が飛び跳ねていることで気づきます。
(お金持ちの子は当然(笑
2畳の中でのみ、悲惨な物語のなかを生きます(苦笑

お金持ちの友達は、
親子よりはるかにリアリティをもったキャラクターの造形の人形を駆使しながらも、
想像の世界では2畳を飛び越えることはないのです。

そして、想像の中だけでのドラマチックだけれどひどく悲観的な世界でだけ、
眼を(恐怖などで)輝かせるのです。

・・まるで、今いる自分の冷え切った世界以外はすべて地獄だとでも
言い聞かせるみたいにも、見えてしまいます。

それは、悲惨な海外のニュースで
自分の幸せを確かめようとしている
現在の多くの人たちと同じなのではないでしょうか。

びんぼう親子は、テレビも何もなく、
切った爪をびんに溜めておいて
そのうちそれに火をつけることを考えて楽しむくらいしか娯楽は無い(苦笑
のですが、
親子で月が動いていることを一緒に感じる事が出来ます。
それは、金持ちの友達がきっと一生かかってもできないことです。

一応、言っておきますが、ここでの「びんぼう」は、
現在の日本のリアルな「びんぼう」というよりかは、
おそらくは近代の日本に感銘を受けた多くの外国人が感じた
かつて日本に存在したゆったりとした気風、
------------------------------------
中谷宇吉郎氏の随筆には、
江戸っ子と地方の行商人の両パターンで
外国人に風趣豊かに話しかけるエピソードが紹介されています
-----------------------------------
に近いもののように感じます・・。

・・別にびんぼうになればみんな幸せになると思っている訳ではないのですが、
ただ、こうした貧乏でも、どこかあくせくしない
ゆったりとした気風がもう少し今の日本にもあれば、
もう少し子供たちがのびのびと暮らせる社会になるのかな、とも思うのです。

ちなみに、自分も昔キン消しなどで友達らと
エキサイトしまくりながら遊んだりした世代なので(笑
人形遊びのくだりはとても楽しめました(笑

あんなにも生き生きと必死に人形遊びに加われる父親は、
大人の世界では落ちこぼれかもしれないですが、
子どもにとっては、
この冷え切った世界で頼れるただ一つの温もりなのかな、
とも思うのです。

とても柔らかくて温かく、
いまの日本にかけているものを多く含んだ素晴らしい芝居だったのではないかな、
と自分は感じてました。
アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】

アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】

The end of company ジエン社

d-倉庫(東京都)

2012/01/19 (木) ~ 2012/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

川の流れのように
また、こっそり観に行ってきました(笑

今までとだいぶ雰囲気が変わっていて、なかなか面白かったです。

・・ちなみに観劇前にアンケート書いていて改めて気づいたのですが、
自分はジエン社の第一回公演以来、たぶんすべての公演を観ている・・
らしい(1こはちょっとすぐ思い出せない・・)のに気づいて、
なかなかに感慨深くもあったり・・(笑

そして気を引き締めなおして観た舞台がなかなかに斬新でもあるようにも見え、
前回公演と比べてもかなりの挑戦をしているようにも思われて、それが嬉しくもあったり(笑

「きっちりとまとまっているの?」
と、言われるなら・・はい、そうですとは言いにくい(苦笑

ただ、もし今現在思い、悩み、探し求めていることを
そのままこのような形の舞台にのせようとするのなら、
それはきっちりまとまっていなくてもしょうがないのではないか。
むしろ逆に、まとまっていることの方が不自然にも思えます。

現在進行しつつあるさまざまな事象に対して、
きちんと分析し終わるのを待ってからでは、熱が失われてしまうし。

作者の、不器用なところも良い。
いつも個性的な役者達と絡み合って、旨い味を出しています。

今回は、あちこちで人の流れと、
時や、川の流れとがリンクして、
舞台のあちこちで澱んだり、蠢いたり、突然動き出したり、分散したり、
まるで早春の小川のせせらぎでも見ているみたいで、
物語の筋とはまた別に、
代理店や社会のカオスや震災後の人びとの心の移ろいを、
春の草原でも見るみたいに捉える楽しさがあったように思います。

そのあたり、まだ未完成な雰囲気はありましたが、
他の劇団ではちょっと見られない新しさ、
即興音楽でも聴くみたいなリズム感があってとても良かった。


ちなみに、自分も昔、就職活動をしていたとき、
代理店やテレビ局の人たちの話を聞いたことがありました。

その時、常に前に進み続けなければ息をつげない代理店の仕事の終わりのなさ、どんな商品も、それがクライアントの売りたいものであるならば、全身全霊で肯定し続けなければならない営業という仕事の途方もなさ(考えてみれば、そんなにも素晴らしい商品が日本国中に溢れているなんてことがありうるんだろうか・・)に気づいたように思います。

そして、「謝罪」とい名のパフォーマンスが日夜繰り広げられるこの硬直化した社会。

ほかにもいろんな、健全とは言い難いようにも思われるこの社会のなかの
当たり前にもなっているいくつかの現象について、
私見をうっすらと交え、
同じ登場人物の中のいく人かの心の声を通して
スケッチしたり、交差させたりしながら、
答え(のようなもの)を探し求めている。

自分はけっこう好きですけどね、こういうの(笑

でも、最初の地点(公演)からずいぶんと遠くまで旅してきましたね。
・・・もう海は見えた?(笑

吐くほどに眠る

吐くほどに眠る

ガレキの太鼓

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★

重い気持ちを重いまま・・というのは
あまり好きではないかも・・(汗

何か過ちを犯したと思うのなら、
「復活」のようにすべてをなげうってそれに尽くさなければ・・
それこそ「人生の第二章」は決して始まらないのではないのかなぁ、と、思ってみたり(昨日宝塚を観たばかりなので余計にそう思ってしまう(苦笑

そういえば以前、学生時代の友達が列車に飛び込んで自殺して、
・・・なんでこんなみんな簡単に死んじゃうんだろうなって思ったら悲しくなって
葬式終わった後でふとソイツのカオ思い出して無茶苦茶悔しくなったりして
みんなで飲みながら泣いたり(苦笑
でも、今になってソイツのこと思い返すと・・・フシギなことに
葬式の日の教会の上の突き抜けるように晴れ渡った青い空のことしか・・
思い出せないんだよなぁ・・(笑

オヤジの死もずっとそばで見ていたから余計にそう思うのだけれど、
「死」とかいうものは自分にとっては凄く透明で、
それは自殺であってもそうで。
暗さというよりは明るさに近い気がしてしまう。

自分が男だからそう思うのかもしれないけれど、
自分が兄の立場だったら・・
自殺で死のうが死ぬまいが・・・妹を恨んだりはしないだろうなぁ、って思ったりするんだけどねぇ。

・・どうなんでしょうね?(苦笑

NMS_10『アイ・アム・ウェイティング・フォー・ザ・マン』

NMS_10『アイ・アム・ウェイティング・フォー・ザ・マン』

石原正一ショー

ACT cafe(大阪府)

2012/01/13 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

夜公演観てきました
詳しくは後で・・(汗

アゴラで公演するとしても(予定はまだ出てないですが・・
やっぱりこの公演は中崎町にぴったりなゴドーなんじゃないかな、と(笑

あとでもうちょっと書きます・・知恩院の手作り市にこれから行かなきゃ・・(汗

クレイジーハニー

クレイジーハニー

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2011/08/05 (金) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

そういえば・・
今更なんですけど、自分も観てたんだな、と思い出しました・・(苦笑

観てきたことだけのアピールのためにあえてここに書く意欲はなかったのですが、
2011年の他の人たちのランキングから興味を持った
九州の人たちのコメントを見ていたら・・
この作品についても、非常に率直で納得できるコメントがいくつも散見されたので、
「ああ、自分も頑張って書かなければ・・」
と思ったりもしたので(汗

自分も今までいくつか本谷作品は(これも含めて)観ています。

一度などは会場に行って当日券とっくに無くなってるな・・と思って帰ろうとしてたら
チケットを原価で譲ってくれた親切な人がいて(その節はどうもありがとうございました、見知らぬ人(汗)観れたこともあったり・・。

今回の作品はどういう位置づけなのかな・・と思っても、何を書いてみても
(実は)長澤ファンなんじゃ?とか(つか自分ほとんどテレビみてないんで顔も知らない・・)今回は本谷作品に厳しいんじゃ・・?みたいになりそうで、どうしたもんだか・・(考えすぎ)と思いあぐねてるうちに・・
「まぁ、観てないってコトで良いのかな?」
とも思ってたんですが、なんだか先ほどの九州の方たち、この作品以外の昔のコメントもみてみると・・・一見厳しい口調なんですけど、みてて自分も涙が出るくらい、ひとつひとつの作品に細かく改善できるようなポイントを書いてたりするんですよね。まさに温かい叱咤という表現がぴったりくる感じで。

そういうのをみてると、
「地方公演のあるものは特に、東京に住んでる人たちはしっかりと
感想(出来れば今までの(東京公演しかなかった)作品との比較も含めて)を書かねばならないんじゃ?」
と思ったりもしたのです・・それが駄作であれなんであれ・・(苦笑

この作品・・今更何か書けるのか、次もっと頑張るのか(苦笑
はちょっと自分自身まだよく分からないですが・・も少し頑張って書く努力をしてみます。まぁ今更書いても意味ないのは承知の上で・・。

破産した男

破産した男

東京タンバリン

あうるすぽっと(東京都)

2011/10/06 (木) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

凄く洗練された舞台で
とても面白かった。

でも、フランスというとああいった分析的な?小説の印象が強い気がする。
フランス語の文法見てもそれはうなずける。
語順なんか正確には文法では決まってない、でも、たぶんセンスの上でという意味でのみはっきり語順が決まっているポーランドなんかが、ロマンチックな血潮が煮えたぎる文学が強いのもコトバゆえ・・?

自分がどちらを好きか、というなら、勿論ポーランド(シェンキエビッチとか、コトバの響き、文章の味わいといい・・でもだいぶ忘れた(笑

でも、フランスでしか生まれなさそうなロジェ・グルニエなんかも、恐ろしいほど魅力的な・・・まさに「文学」の存在する絢爛たるフランス(文学のない国は多数あるようだ・・)、これからどこに進んでいくんだろう・・?

いや、なんていうか、非常に勉強になりました!

自分も大好きな役者さんたちの演技も堪能させてもらいました(笑

ふたりぼっち~さよならだけどさよならじゃない~

ふたりぼっち~さよならだけどさよならじゃない~

Twink

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2011/10/09 (日) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★

何も考えずに
素直に観て、楽しめた舞台でした。
着替えのシーン含めて、観客を盛り上げよう、笑わせようという気持ちが溢れた良い芝居でした。

・・ゴールデン街劇場って、昔からこんなサービス精神の神様的なものがいつも狭い楽屋の隅っこなんかに生き続けている気がして、大好きな劇場です(笑

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