ぱち太の観てきた!クチコミ一覧

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ギプス不動産

ギプス不動産

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

熱演?
なんかいつものあひるなんちゃらっぽくない?
熱演ていっていいのか
本気でおかしくなってるのか分からない位いっちゃってる登場人物たちのなかで、
マトモな人たちばっかり貧乏くじを引いてるフシギ(笑

ツッコミどころ満載なのにみんなあまりにさりげなく、風のように
あっちの世界に入り込んでしまうので、
自分も舞台の他の登場人物同様にあっけにとられて
(心の中で)突っ込むスキを忘れてしまいそう(笑

コイツ、ボケてるふりをしてわざとやってるんじゃないの・・?
と思いながら、果てしなくボケ続けてるのを見て不安になり
自分の方がおかしくなってるのか、
自分も果てしなく突っ込んでるほうの登場人物になりかわって
口に出してソイツの不審さを口に出して確認できればどんなに良いか(苦笑

でも、あひる特有の
「いつの間にか夢に入っちゃった」感が時折覗かせたりして
ネバーエンディングストーリ―さながらに
「永遠にボケ続ける物語」の展開し続けるマコンド病院の、
でも怖いというより
どこかゆるくヌケ続ける
フシギなゆるふわっ感は健在で、
笑いながらも間違いなく終劇を迎える70分の夢の世界に身を浸してみたり。

HIPHOP侍vsレゲエ侍

HIPHOP侍vsレゲエ侍

男肉 du Soleil

シアター711(東京都)

2013/02/25 (月) ~ 2013/02/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

FEEL
なんか知らんが観客がいっぱいいた。

ちょっと前に代官山ユニットでみたERAとかがでてたイベントより人がいたんじゃないかという気がした。

・・いや、そんなこたぁないか(笑

でも、それくらいいっぱいいいた。

ゲームセンター寺尾@東大阪市(勝手なイメージ
も、下北で結構やれるんだぜ。みたいな(笑

ルル

ルル

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

野生生物博覧会
文字通り人間世界における
人の顔をかぶった?野生生物たちの饗宴を、
サッカー専用競技場のゴール裏のような客席で
眼前のリアルバウトを臨場感たっぷりに観られるのが素晴らしい。

日本の劇場もサッカー専用競技場的なこの観客席を見習って
もっと臨場感のある客席を考えて
より盛り上がる仕掛けを編み出した方が良いんじゃないかと思う。

毎日観ても良い位だと思う。

前売りは完売だけどちょっとずつ当日券も出てるみたいなので
まだ諦めるのは早いと思う。

観客全員が複数回観ていると、
客席も盛り上がりどころが分かってきて
劇場全体に一体感が生まれてきたらもっともっと伸びそうだ。

演出の人の監督した映画も見たけれど、
この方は、もう死んでしまった人びとの魂に
生命力を入れて膨らませ、
躍動感漲るスペクタクルな法螺話に仕上げるのが非常に巧いのかな、と思った。

「ファウスト」が日本に上陸するならぜひ観たい。上海やソウル位だったら
足を延ばして行っても良いかもしれない(P2.5や治安が不安だけど(苦笑

肉食の文化の作品という感じなので、
サッパリめの作品、ジャニーズ的なJ-POPじゃないとダメな人には
ちょっとキツいかもしれない(念のため

ネタバレBOX

寄生獣さながらに
猛獣が出てきたと思ったら、
その次にさらにその獣を殺す
紳士の顔をした激獣が出てきて物語を締めるラストが際立っている。

ルルは本能のままに生き、それによって輝き
相手によって自分の色をさまざまに変えることで
周りを泥沼に引きずり混んでいくが、
最後に切り裂きジャックと出逢うことでその人生の幕を閉じる。

ジャックに出逢う前にも何人かの狂犬じみた目をした獣のような男たちが登場し、
ラストの最終的な破滅への盛り上がりを加速させている。

そうした獣たちの中でもとりわけルルが
とびきりの怪物であるジャックに惹かれ、
彼の前では子どものように振る舞って死に至る演出は、
簡潔だが鋭く躍動感に富み素晴らしい。

タブロイド紙の記事に物語を与え、
豪奢なだけの舞台より遥かに輝く命を与えている。

スペクタクルで肉食の近松といったところだろうか。
ふりつけされたえんげき『君の知らない転び方』

ふりつけされたえんげき『君の知らない転び方』

ホナガヨウコ企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/02/16 (土) ~ 2013/02/25 (月)公演終了

満足度★★★★★

その日はわりと面白かった。
ダンスをみた、というだけでなくその日はわりと面白かった。

舞台をみる、ということがその時の気分によっても大きく左右されるから。

開演ぎりぎりに当日券で入ったら、入り口の近くの一番端っこの席で、
舞台をみるにはわりと見切れてちょっと、というところだったけど、
あとで考えてみるとそれも満更でもなかった。


作品は非常に練られている、という感じで、
何気ない日常の動きを音楽にするみたく、
音楽を物語にするみたいに。

夕暮れの
日が沈む前の景色を
昼の国の女の子から夜の国の女の子への手紙のなかに
溶かしこむように。

ちょっと見にくいけど、ま、いっか、と思ってるとそこにちびっ子(女性)がひとり。
出口の扉を開けようとしてるんだけど開かない。
男としては、目の前のレディの膀胱破裂の危機(推測)を救わなければとやわら立ち上がってその子の頭を撫でてカッコよく押したつもりがビクともしない(苦笑
必至になりながら鍵を何度も回して押したり引っ張ったりするが動かない。

女の子は泣きそうな顔をして母親のところに行き、母親と一緒になって劇場のスタッフに電話をかけてやっとドアは開いた。

自分はわりと汗だくになった(苦笑

終演後にそのちびっ子の母親なのか関係者っぽい女性が、
さっきはありごとうございますと言ってくれたのだけれど、
自分は全然役に立たなかったので、
「頑張ったんですが、すみません、開けられなくて」とか何とか言ったような気がする(なさけな(笑

ちょっとビックリしたのは終演後のアフタートークでその女性がゲストだったこと。
ちょっと笑った。

終演後、近くの古本屋で物色していると、さっきの女性らのグループがこっちのほうに呼びかけてるみたいで、
何かな、と思ったら、さっきのちびレディが本棚の向こうにいたらしく(その古本屋には絵本もあるのだ)見えないけど、
声が上がったなと思ったら、ぴゅうと出て行った。

なんかさっきの様子と違ってすっかりピンピンしちゃって子供っておもしれーなと思った(笑

なんか、そんなことをぼんやりと思い出してみると、その日はわりと満更でもなかったかな、という気がした。

ちなみにその古本屋では、自分は絵本でもファンシーな何かでもなく、
戦前のアメリカのシアターギルドの本(そこは洋書が多い)を買った。

自分にはあんなちびっ子みたいな可愛気は一生できないな、と思った(昔からこんなだったのだ(苦笑

感想と言って良いんだか分からないケド、
自分にとってこの作品の想い出は、手に汗握る(笑)膀胱破裂の危機の回避と
密接な関係があるように思われたので、何となく書きます。

でも、ダンスをみる、ということは、作品を分析するためではなく、
「その日がわりと満更でもない」ことのしるしのためであるようにも自分には思われ
こんなちいさなアクシデントも評価に含めちゃっても問題ないようにも思われるのです・・。

必至になってノート片手に作品分析してたら、
こんな感想一生かかっても書けないからなぁ。

俺は・・・まぁ、立派なことを書いて人から評価される人生より
こんなふわっとした人生の方が良いや(仕事はしっかりやるが(苦笑

モー・ル・プラデック「Professor」

モー・ル・プラデック「Professor」

TPAM・国際舞台芸術ミーティング

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2013/02/16 (土) ~ 2013/02/16 (土)公演終了

満足度★★★★★

説明を見ても良く分からなかったけど・・
観たら良く分かった!

ダンスなのだけど、演劇的要素も大きいみたい。

 劇団 マウス オン ファイア サミュエル ベケット『消滅するまえに…』

劇団 マウス オン ファイア サミュエル ベケット『消滅するまえに…』

シアターX(カイ)

シアターX(東京都)

2013/02/13 (水) ~ 2013/02/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

当日券
最初から予想はしていたけど、
シンプルながらも、あまりに濃密な作品群のため、
100m無呼吸で走り抜けるような、
息継ぎなしでずっと海に沈むような時間だった(苦笑

削ぎ落としながらも、
内に見える心は豊かで、
闇夜でありながら、目に入る光は啓示に満ちていた。

戯曲自体は、以前に何度か読んでいたが、
海外の劇団を見て、
音や光を交えながら豊かに語る様子に
自分が予想もしなかった言葉の向こうの豊饒さを見せつけられた思いだった(笑

ウィリアム・ブレイクやレンブラントの名前がプレトークにあったが成程と思った。

確かにウィリアム・ブレイクなどは自分も好きだけど、
後期ベケットを読み解く上では
常に心の中に置いた方が良いビジョンかと思った。

ベケット批評の本はあまり読んだことが無いが
(歴史とかでもそうだけど、自分は概説や批評的なものを読むことはあまりなく、
その分の時間があるなら、原作やその当時の時代に書かれたものを読み直すことが多いので・・・
自分もぼんやりと近いイメージではないかと薄々は感じていた画家たちの描いた景色を、
ハッキリと戯曲の向こうに配置する勇気を
この舞台は与えてくれたようにも思う(笑

また、この劇団の人びとが、
ベケットの戯曲の技巧的な面よりはむしろ、
ベケットの人となり、
母親に対する思いなど、
非常に個人的な感傷を掘り起こすことに
心を砕いていることにも感銘を受けた。

ベケットの戯曲は、
高度に感覚的で難解な代物であるというよりはむしろ、
戸を叩いて響く音がその時の感情によって微妙に揺れ動くような、
子供のように素朴でアナログな感性と、
死を前にして心惹かれる
宗教的な啓示とが
隣り合わせで存在することに特徴があるようにも思ったりする。


特にベケットの自伝的な感傷(母親への感情など)が込められた作品群をこうして並べたときには、
一見素朴で時に幾何学的な想像力に満ちたイメージの列の中から、
ベケット本人の温かみが泉のようにあふれ出ていることを感じる。

ドッグヴィル

ドッグヴィル

東葛スポーツ

3331 Arts Chiyoda(東京都)

2013/02/07 (木) ~ 2013/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★

キエる鎌田氏(別に消えはしないが
途中からのノッてきた?感し。

最初は割と硬めだったかも。体の動きとかも。観客が多かったから照れもあったのかもね。

途中、画面(会場前方にスクリーンで映し出されているドッグヴィルの映像がある
見て、ガラスの向こう(フリースペースなんですぐ外が元校庭の広場)に眼をうつすと
「部活動でUFOを呼んでるっぽい」うる星やつらのオープニングに出てきそうなちびっ子たちがサイリウムを凄い勢いで振り回したり何本も放り投げたりして、
「をっ、UFO近づいてきたかな?」
とか思って、ふと舞台上に眼をもどしたら、
「あ、なんかぽくなってきてる」
て、なってた・・気がする(笑

なんでかな、て思ってたら、ラスト(以下ネタバレへ

ネタバレBOX

ネタばれってほどでもないのかもしれないけど、
ラスト50年代ハリウッドミュージカルっぽく
微妙な(上手くないことはハッキリ分かる(笑)ステップを踏みながら
外のUFO少年アブドラジャンたち(皆若そうだがたぶんラムちゃんも好きなのだと思う)のなかに飛び込んでいくあたり、
たしかに体が鈍ったまま外に飛び出ていくと
よっぽど葱を日ごろから大量に摂取していない限り
風邪ひきの憂き目を見るのは明らかなようにも思われたので納得
(別にそんな理由だけじゃないのかもしれないが

面白かったけど、
体の中にHIPHOPが染みついた男肉B-BOY(クラブでアンビエントでバク転するちびっ子たちを日ごろから苦々しく思っているなど)たちは
「チェっ、なんでぇ(こんなのがもてはやされるのか」
など、ど根性ガエルに出てくる登場人物みたいなボヤキを口に出すことは必至と思われる(すべて想像(妄想)だが

場所がほぼアキバなだけに2次元のたとえが頻出してしまったがご容赦願いたい。

帰りに近くのハナマサで泥葱を山盛り買って帰ったらお袋が大層喜んだ(もうないと思う

・・ちなみに最後の方で出てきたナカゴーの鎌田氏が
キエるマキュウの某氏の体型にほんのりと似ているような気がほんのちょっとだけしたりした。
Anamorphosis アナモルフォーシス

Anamorphosis アナモルフォーシス

青年団国際演劇交流プロジェクト

アトリエ春風舎(東京都)

2013/02/07 (木) ~ 2013/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

分かるようになってきた気がする
やっぱりフィリップ・ケーヌは最高だ。

・・ただ、なんで観客がみんな最後まで起きているのかはちょっとよく分からない(苦笑

キノコやクラゲが好きな人にはおススメ。

ネタバレBOX

劇場に入って舞台上にドラムをみた瞬間、確信した。

「このドラムは演奏しない!それがフィリップ・ケーヌだ」

予感は的中した。

彼らしい作品を日本の俳優を使って直近で観れる幸せ。

去年の横浜でも感じたが、
彼の作品を鑑賞するためにはなるべく近くで見た方が良い
(ただし作品の世界に没入して寝る危険性あり

自分は濃いめの珈琲をたっぷり飲んでのぞみました。
IN HER TWENTIES 2013

IN HER TWENTIES 2013

TOKYO PLAYERS COLLECTION

王子小劇場(東京都)

2013/02/06 (水) ~ 2013/02/11 (月)公演終了

満足度★★★★

風景
男性的・・・というよりは上野氏の視点なのかな、とも思う。

ネタバレBOX

例えば、アフタートークで言われた
「女性は過去を更新するが、男性は過去にこだわる」というようなこと。

自分の視点からすると、これは全く逆のようにも見える。

人生も性格も、人それぞれなので、何が浅いとも、幻想とも、言い切れないように思う。

結末について言うなら、たぶんに上野氏の願望が反映されているのではないかという話が、やっぱりアフタートークにあったが、それは自分も感じた。

ただ、自分との見たい物語と言うのは、たぶん上野氏の願望とは正反対のようにも思う。

物語のなかで、20代の後半、女性が過去に付き合った男性のことを引きずって無理しているように見える場面があったが、
これは、上野氏の願望とも言えるのかもしれないとも思ったが、
自分が観たいと思う場面はまったく逆だ。

どちらかというと、男性のことなど完全に忘れて(笑
燃えるように毎日を過ごす女性の姿の方が、観ていて自分はスカッとする。

同じ男でも、感覚と言うのはだいぶ違うと思う。

・・じゃあ、男のことでクヨクヨする人生が駄目なのかというと、そんなことはないと思う。

自分は初演で観ていたので、話の手触りはおおよそ分かっていたので、
今回は落ち着いて自分を主人公の母親、
或いは飼い犬の視点で、物語を見つめてみた。

母親は離婚をして、たぶん主人公よりはずっと大人で、
遠くに離れたり、時折すぐ近くから、
自分の娘のことをどんなふうに見つめていたんだろうか?

飼い犬のラッキーは、
自分が子供の頃から一緒に育ち、
自分はもう老いさらばえて(まぁ犬だし何もできないし話せないし、人間の男はボンクラばっかだし(苦笑
次また生きて会えるか分からない目の前の主人公の女の子の元気のない様子を
どんな眼でみていたんだろうか?
(母親が離婚した主人公にとっての父親はラッキーだったのかな

自分が女性の心理について分かるのか、と言われると・・
まぁ、ちびっ子のころ遠くの公園の砂場まで出張って大きなトンネルを掘って
帰ってきていた(苦笑
ころから全然変わっていないので(苦笑
多分ラッキーの方が相当な感性をもって
主人公を包めることは明らかなのだが(自分は日本語が使えるくらいしか取り柄が無い(苦笑
まぁ、それでも女性の複雑性を察することができない自分を浅いとも思わない(笑

自分は、ただ女性を
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正確に言うなら、
10人の女性が「集団としての女性」として演じる「ただ一人の女性」を、
----------------------------------------
風景のように観測しながら、
「・・・そんな人生もあるのかもしれないな」
とだけ思う。

当事者の女性や、その親友にしか分からない、微妙な機微があったとしても
自分はラッキーより外から、
彼女の10年を、風のように感じながら、
余白の分だけ気ままに夢想するだけ(笑

・・・その距離感が女性の観客には少し不満に思えたりもするのかもしれないが、
男性の演出家があえてそこまで細かく描く必要もないのかな、とも
男性の観客としては思ったりする。

あくしゃもん

あくしゃもん

田上パル

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/02/06 (水) ~ 2013/02/13 (水)公演終了

満足度★★★★★

凄く面白い
それだけで良いかな。

牧師が特に良い。
10年前に何を悔い改めたのだろうか?

strange

strange

ニットキャップシアター

ザ・スズナリ(東京都)

2013/02/01 (金) ~ 2013/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

イスタンブールの子どもたち
今年は青組、グリクル、デスロック、サンプル、地点、伏兵コードなど・・
最初から印象的な公演を観る機会に恵まれたけれど
(無名な劇団が少ないのは毎年1~2月は海外のアーティストの来日が続くので自分もそれにつられて・・(苦笑
個人的には、観ていて一番背筋がゾクゾクする瞬間を感じたのはやっぱり
ニットキャップシアターかな、と感じた。

京都のヒラカタ・ノートを観たときから、構成の上手さは感じたけれど
(・・いや、良く考えると巧みではないけれど、それを観客に納得させるだけの手腕をその頃から持っていた、ということなのかな?
途中のアゴラのあたりから、イメージの豊潤さが前面に出始めて、
今回はそれに、シンプルでありながら太い線が
時間と空間と心の深度とを5次元的に走っているようで

個人的に感じたテーマ(とでも呼ぶべきものがあるならば
は、サンプルを思い起こさせ(死と再生
構成の巧みさ、洗練さはデスロック、
素材の黒さは伏兵コード、
軽やかさは地点。

それでいながら、
今回はあえて少し色彩を落として(といっても人物の周囲の色彩を落としたということで
心の闇の中に深く沈みながら、
アフタートークのごま氏の言葉を借りるなら、
「河の澱みに漂うボールに、流されながら途中で近づいて、また流れるうちに離れていく」
ように、被写体となった素材に微かに触れて、
また水の表面に戻っていくような。


ネタバレBOX

この物語のラストシーンは、
ばらばらになった仮面(心)が、奥さんと思われる女性によって、
紐で一つに結ばれるところから始まっているのだけれど、
結び合わされた仮面に自分の心を投影するとき、
仮面の持ち主である主人公の男性が、
かろうじて蜘蛛の糸のように一本の紐で現実につなぎ合わされると同時に、
その瞬間、
ごま氏が想像力の翼を広げて、
時空と心の距離を飛び越え、
深淵のなかのこちらの姿を認め、
また水面に浮上していく姿が見えたような・・(笑


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ごく一般的な感覚として、
仮面は、自分の心を映す鏡であることは分かってもらえると思います。

役者の顔じゃなく、仮面をかぶった役者の身体が登場するということは、
観客の心が仮面に投影されるということです。

ダンスなどにおいて仮面をかぶるか、かぶらないかというのは、
非常に重要なファクターで、
劇などでこのように仮面を非常に巧く使いこなすということは
非常に稀だし、
自分ももっとこういう作品を観たいと常々思っていました(苦笑

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この物語は、ごま氏が知り合いの男性が失踪していたときのことを
想像しながら作ったとのことです。

自分ではなく、
他人の心の闇を想像するというのは非常に難しいし、
根気がいる作業だと思います。

それを、こんなにも豊潤に
(色彩豊かというよりかは豊潤と言った方が近いように思う
形作るというのは非常に素晴らしい。

京都やその近辺には、
ギャラリー宮脇(そういえば先週行ってきたばかり)やNOMAといったような、
心の闇?(分裂とかそういったものをそう呼ぶならば)を傑出した美の一部として
提示してくれる場所が多いけれど(通常の作家の作品が霞むような
この舞台作品も、
溢れる想像力という点においては、それらに全く劣らない(ただ、構成などの面でも通常の作家の遥か上を行っているようで


あと、ごま氏は今回、ダンスの振付や音楽、能や狂言の要素など、
色々な要素を取り入れているものの、
背骨が全くぶれないで豊潤なままでいられるところが素晴らしい。

そういうえばこの公演を観た後、代官山でトルコのアーティストたちのライブをみたんだけれど、
そのライブの最後で
ステージ上のゲストの日本人の女性ダンサーが
「アルバニア人・・」から読み上げて(トルコ人たちも自分のコトバで読み上げる)
色んな人種を読み上げて最後に
「イスタンブールの子供たちは虹のよう」
と歌っていたのだけれど、
ああ、なんかこの作品もイスタンブールかもな、と思ったりした(行ったことないんだけど(苦笑



鉄卜全

鉄卜全

鉄割アルバトロスケット

ザ・スズナリ(東京都)

2013/01/16 (水) ~ 2013/01/20 (日)公演終了

満足度★★★★★

観に行ってきたよ
今回は、気のせいか初めて観るネタが多かった気がする。

浅草にいそうなオッサンたちが
たくさんいた気がした(笑

やっぱり鉄割は良いなぁ。

めくるめくセックス 発酵版

めくるめくセックス 発酵版

シンクロ少女

王子小劇場(東京都)

2013/01/17 (木) ~ 2013/01/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

フィジカルな愛とおやすみプンプン
正直言うと、自分の両親が、父親が死ぬまでいつもずっと一緒にいるのを見ていたせいか
(父親が元気で、自分も一人暮らしをしていたころは
自分が家に帰ると両親二人で一緒にテレビを見ていたのをよく見たし、
父親が死ぬ前は母親が行ける限り毎日病院にも行っていた。
仕事が終わって病院に行くと毎日母親が父親の横にいたし、
仕事が遅くなっても、いた。
・・まぁ数え上げればきりがないんだけど)
自分の中での愛の基準が高めなのもあるのかもしれないが(苦笑
あくまで自分にとってはなんだけど、
この舞台の上には、最後の例外を除いては愛は存在しなかった。

・・どれが愛で、どれが愛じゃないか、だなんて
偉そうに言おうだなんて気もないんだけど(汗
あくまで、「観客席で自分が肌として、目の前のものが愛として感じらたかどうか」と言うことで。

ネタバレBOX

舞台の上で男性の優しさと見られるものは、
自分がよく目にする、
「自分はこんなに優しい」
と、口では言いながら
それまでの彼の人生を通してみると
優しさとは違う、
何かのしたたかさ、問題回避能力とでも言えばいいのか、
ある意味で弱さの裏返しのようなものであったりする。

また、舞台の上で男性の純粋さと見られるものは、
独りよがりの理想の押し付けであり、
自己愛や宗教以外の何物でもないもので
(両方とも別に嫌いって程じゃないケド(苦笑
簡単に女性に対する敵意や
その女性が好意を寄せている(と見られる)男性への嫉妬・殺意に反転する
実は極めて危険な代物だ
(僕の中ではただのテロです。そういう女性とも一生関わりたくないと思えるほどに(そんなんで死んだら、あの世で亡父に申し訳が立たん(苦笑

なお、見当はずれの嫉妬からくる暴力は、
優しいだけの人間として描かれているハズのキャラクター(男性主人公の弟)にも
男性の一般的な姿として描かれているようである。

子供への愛でつながっていると思われる夫婦は、
(これが一番愛に近いのかもしれないが)
なんか父親はSMクラブに入り浸ったりしてみている。
欲望や好奇心を抑えられないという意味では、
やっぱり弱さと受け取られても仕方がないように思う。



一人、自由人?としてジローなる人物が登場する。

実際、目にすると凄く鬱陶しい人物ではあるのだけれど、
多分、本人もそのことを意識している。

一見、無神経で雑だが、
多分登場する男性のなかで一番気配りができて
仕事が良くできる人間だと思われる
(仕事は多少無神経になれるくらいでないと務まらないと思う

やることは大雑把だが、一番傷つきやすい人間だと想像した
(逆に仲良くなると一番大変なタイプかもしれない

後輩が自分勝手な思い込みでフラれて
自分に当たっても、
イヤな顔ひとつしない。

ハッキリ言って苦手なタイプだが(苦笑
人間としては理解できる。

少なくとも他の男性キャラのように、
自分の弱さ(誘惑に勝てないのを含む)やコンプレックスを言い訳にして
ゲームやSMクラブに逃避したりしない
(ジローがゲームをしているのは楽しいからだけだと思う

この物語の男性登場人物の中で、
もっとも女性に心情が近いキャラクターだと自分は思った
(たぶん脚本家は一部の女性の心情を、敢えて男性に代弁させているのではないか(笑
少なくとも、悶々とする後輩に「おやすみプンプンでもみて寝てろ!」とハッキリ言える(なんて優しい言葉
そういえばラストシーンでなんか、その後輩が本読んでいたようだったけど、
あれは「おやすみプンプン」だったのかなぁ・・。



女性と交流がある男性キャラクターのなかには、
強さとみられるは箇所はほとんど描かれていない。

唯一、主人公と思われる男性が、
弟の恋人に言い寄られてもそっけなくする場面(男性の態度は終始冷め切ってる)が一見するとそのように見えるが、
あれは強さではなく、
相手の心に対する無関心だと思う。

その証拠に、
寝たきりだったはずの奥さんが起き出すと、
急に従順な下僕に変貌する。

男性の強さがほとんど描かれないからこそ、
終盤のプロレスによるフィジカルなやり取りが映える。

夢の世界から抜け出てきた奥さんは無言だが、繰り出す技が言っている(笑

的確に相手の急所をつく攻撃(致命傷になるかもしれない
武器(椅子)を使った極めて危険な攻撃(ちゃんと外れるようにはなっているんだろうけど(笑

夫もそれに耐え、容赦無い攻撃を繰り出す。
しかし、そのどれもが、微妙に相手の急所を外れているようにも見える。

女性のそれに比べると、相手を倒すための攻撃ではなく、
自分の熱量を伝えるための攻撃に見える。

女性は、相手に激情のままにぶつかって、
それでも相手が最後まで自分の前に立っていられるのかを品定めしているようでもある。

別にDVを推奨している訳ではなく、
胸を真っ赤にしながら女性の平手打ちに耐える
(しかし顔を殴られると耐え切れずに倒れ込む(笑
様子に、それまで感じなかった、
男性の強さと弱さが表れているようにも感じた。

男性が弱いままだと、愛は成立しない。

女性の容赦ない攻撃に耐えきって最後まで立つ人だけが、
サイゴに愛を語るに値する。

舞台はそう語っているようにも見える。

前回公演で割と賛否があったような気もするので、
今回はざっくばらんに書いてみました。

でも、この劇団、実はマジメな内容にも関わらず
敢えて扇情的なタイトルを付けるのは、感想も書きづらいんでやめてほしいなぁ・・(苦笑
王子じゃなかったら、自分もたぶん足を運ばないかもしれない・・(汗


追記・

宗教に似た感情を「愛」と呼ぶ人々(主に男性)も存在する。

そういった人たちと話すとき、
自分たちの熱情を「愛」と呼び、自分の両親の話などしても
「そんなのは愛じゃない」と言う。

そしてそういった人たちに限って、何故か極端な暴力に向かおうとする
(友達だったんで止めたが。
冷静に戻るまでは、共感してくれるのが友達だと言わんばかりだった。
このように、何故か特に若い男性は阿呆が多い(個性的な人物もその分多いが

「コイツらの親は、子どもたちがこんな意味不明な表情・目つきをしているのを見て
心配しているんじゃないか?その心配を無視して
信仰めいた愛(自分が捉えるところの)に突き進むことが、『愛』なのか?」

日本語の通じなくなった彼らに疑問に思うことは多い。

その誰もが、正気に戻ってみると(洗脳が解けたのか?
いたって気のいい連中ばかりであったりする(あ、なんか戻ってきたな、でも元気なくなったな、と思う(苦笑

自分は奇跡的に呑気な男子校で中学高校と過ごしたので
そのころは全く気づかなかったが(苦笑
大人になってみると、特に20代のうちの男性は
一見、穏やかそうに見えても
おかしな男性ばかりだ・・。

自分が40代になった時、
30代の男性についても同様のことを思うかもしれないので
まぁ、聞き流してほしいんだけど・・(そういうの軽く聞き流してほしい、でも言う(苦笑
F/T12イェリネク三作連続上演 『レヒニッツ』 (皆殺しの天使)

F/T12イェリネク三作連続上演 『レヒニッツ』 (皆殺しの天使)

フェスティバル/トーキョー実行委員会

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2012/11/09 (金) ~ 2012/11/10 (土)公演終了

満足度★★★★★

今更だけど・・
観てきました。

なかなか感想を書くのは難しいです。まだまだ勉強中・・ちなみに最前列でした。

「限定解除、今は何も語れない」+「あと少し待って」

「限定解除、今は何も語れない」+「あと少し待って」

A級MissingLink+三角フラスコ

王子小劇場(東京都)

2012/11/24 (土) ~ 2012/11/26 (月)公演終了

満足度★★★

みてきました
「限定解除・・」の方は・・たとえば「震災タクシー」なんかに比べてもちょっとイマイチというか、もう少しユーモアが欲しかったなぁ。
A級missinglinkの方は・・頑張って単独で「悲惨な戦争」を持ってきた方が良かったんじゃないかとふと思った(スミマセン(汗

・・勿論、頑張ってるのは分かるんだけど、
気のせいか地方から来ている劇団の人は
狭い会場(王子自体は好きなんだけど
をどう使いこなして観客の前にスペクタクルを展開するのか、
という視点が少し不足してるんじゃないかな、と
今まで王子で観た地方の劇団についてよく思う
(例外は大阪のを更にブラッシュアップして持ってきたピンク地底人くらい・・?

たぶん地方だと、割と立派な会場(大阪ならアイホールとか芸創とか
が(東京に比べると)安価で借りられたりするんだろうけど(金額は知らない
こっちではずっと狭苦しい空間の中に、
今まで以上のスペクタクルを展開することが必要になる。

正直な所、地方の劇団ほど、
東京での(ちいさな空間での)公演に備えて、
わざと小さな空間に限定した(大きな空間をわざと半分に区切っても良いんだし←大きな空間を使い切りたい気持ちは分かるが、それだと持ち運べない。面じゃなくて空間で囲むような舞台だったら小さな空間に詰め込める鴨・・
持ち運びいやすいサイズにパッケージした鉄板公演
(面白くかつ役者の特徴(←これ重要)も、すっと伝えやすい
を準備しておくことが必要不可欠だと思う。

ウィングフィールドじゃなく、アイホールでやる規模のものを
サイズダウンを感じさせずに王子に移すイメージ・・?(滅茶苦茶難しいけど(苦笑

それが無理なら、世田谷区民に署名運動させてトラムに地方劇団枠を設けさせるとか・・(苦笑

小さな劇場で大きな劇場以上のものを生み出すのは題材によっては非常に難しいことはあると思う。

出来れば、わりと地方の劇団が呼ばれて公演している
王子(に限らず小さな空間)での話題の公演(東京の劇団による)は
参考にわざわざ観に行った方が良いのかも(舞台美術の人が使い勝手を学ぶ上でも

初雪の味

初雪の味

青☆組

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/12/28 (金) ~ 2013/01/06 (日)公演終了

満足度★★★★

壱番屋
自分も鎌倉に行ったときはよく小町通りのこのお店に行って煎餅をお土産にしたり、
ミルクホールで珈琲を飲んだり、
古本屋に寄ったり、
CAFE GOATEEではたまにライブもやっているので、
気になった人がいると
鎌倉の空気の中で音が聴きたいから、
わざわざ下北のラカーニャとかじゃなく
こっちに出張したりもする。

でも、正直、鎌倉駅周辺よりかは
逗子や長者ヶ崎の方がずっとのんびりした空気が流れているなと思ったりもする。

この舞台となる家は、鎌倉と言っても
駅からだいぶ離れたところにあるみたい。

きっと小町通り近辺よりずっとのんびりした空気が流れているんだろう。

ネタバレBOX

登場する兄弟(+妹)が、母親(+その弟)が駅から離れた家を手放して
駅から近いところにあるマンションに引っ越すのを嫌がっている気持ち、
分かる気がする。

でも、舞台の最後の方で
その母親が死んでから幽霊になって、彼女の弟に向かって語りかけるように、
家がなくなっても、
結局は人のところに家族は集まってくるのかな、とも思う。

この舞台は「家」の物語であり、かつ、
家からの旅立ちの物語でもあるようだった。

ちなみに以前から思っていたのだけど
作者はこれだけ年輩の方も含め役者たちを舞台上に巧妙に配置できるなら、
そろそろ子役に挑戦しても良いんじゃないかと思ったり。

ちなみに今回も男性キャラはイマイチだったなぁ・・
(演技云々ではなくキャラ設定という意味で
「男役の岡田あがさ氏」のような益荒男を一人配置するだけで
ぐっと自分好みに(なり過ぎる位)なる気もするのだけど・・
男性キャラがみんなあんまり無邪気過ぎるんじゃないかと・・こんなもんなんですか・・ちょっと世間の平均が良く分からないんですけど。
夕顔のはなしろきゆふぐれ

夕顔のはなしろきゆふぐれ

維新派

デザイン・クリエイティブセンター神戸(旧神戸生糸検査所)(兵庫県)

2012/07/12 (木) ~ 2012/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

2012年のベスト10に入れるとなると・・
維新派の舞台は関西の人ほどじゃないけれどそこそこ観ている気がする。

・・でも、年間のベストに入れるとなると、いつも躊躇してしまう(苦笑

というのも、東京に住んでいる訳だし、
土日に仕事が入る可能性も普通にあるので、
いつも直前まで日程が固まらず予約できない。

そのため、舞台の良い席は大抵埋まっていて、
東京公演(FTや早稲田)なんかではお蔭様で良い席も取れたりもするのだけど、
本領を発揮していると思われる東京以外の公演では
良い席を取れたことが無く、消化不良のことが多い
(端の方がお気に入りの方がお気を悪くしてしまいましたらスミマセン(汗

今回は、中途半端に予約して事前に席を割り振られるよりか
当日券で行って席を選ぼうとしたら、
受付の方に席は選べない的なことを言われたので、
さすがに結構な金額を払って観るのだから、
神戸だったらこのままトリトンカフェにでも行って夕暮れの景色でも見ながら
ご飯でも食べた方が良いかな、と思ってちょっと引き返しかけたら、
なんか多少は選べるという。

それでも端っこの席だったので、
観れたは観れた(その時は満足した)けど、
舞台セットの構造からすると、
終演後に客席の後ろの方からあちこち見て確認もしたけれど、
やっぱり舞台を完全に観れたとは思えない。

それで消化不良だったところへ、
その週末同じ関西で観たミジンコターボの「シニガミと蝋燭」は、
偶然キャンセルも出て良い席だったうえに、
ちびっこたちもたくさん出てきて、目の前で心から楽しそうに踊っていたし、
舞台の中に素晴らしい真心が溢れていたので、
なんだか感動して涙が出そうになってしまった(普段は涙もろくないと思うのだが(苦笑

自分の中での観劇体験としては圧倒的に上だったのは間違いない。

実際に同じ条件で観れればどちらが上か分からないが(これが微妙なところで
仕事をしていて絶対確実な日程を相当前に予約できない以上、
自分にとって関西では、維新派より大きな感動を受けられる劇団が
一定数存在してしまうということになる。

そのため、作品の評価として5つ星を捧げるのには何のためらいもないものの(それだけの完成度があるのは間違いない
年間のベストにあげるなら、どうしても前述のミジンコターボや
新進のピンク地底人やナントカ世代(関西では席にだいぶ余裕あり)などなど・・に、別にお世辞ではなく
普通に席を譲ってしまうことになる(自分の中での受け取り方の違いになるのだろう

2012年のベストはまだまだ検討中(汗)なので、実際にどうなるのかは分からないけれど、
2012年の年間のベストに維新派を選ばずに他の関西の小劇団を選んでいるとしたら、
それは別に宣伝でもなんでもなく
自分の演劇体験として実際そうだったということになるし、
維新派一辺倒(かもしれない)東京の関西演劇に対する眼も少しは変わってほしいな、という自分なりのメッセージのつもりでもあります。

当たり前と言えば当たり前のことなんですが。

ただ・・「シニガミと蝋燭」は維新派と同時期の上演だったのに、
東京の観劇にきてる人が圧倒的に少ない・・というか、いるの?
っていう感じだったのには(自分の回だけだったのかもしれないですが)
ちょっとショックを受けました。

舞台で素敵な作品と出会えるのは素晴らしいが、
現実とのギャップを見ていると辛くなる。

維新派は素晴らしい。

でも、それと同じ位素晴らしい志をもった若い人たちもいるなら、
その人たちにもそちらに対する以上の(時にはそちらを優先する位の
注意深さで耳を傾ける気持ちは無いんだろうか・・?

まぁ、公演から半年以上経ったんで
その当時感じたけど敢えて書かなかったことを
改めてこっそり書き直してみました(苦笑



ちなみに以前のコメントは以下~

今回は野外公演じゃなくて完全に建物内にセットを組み込んでいたせいか、
いつもより黒田武志氏の存在感を感じる舞台だったように思います(笑

もちろん、観劇前後の劇場前でのライブやパフォーマンスも含めて
楽しめました。

 ツレがウヨになりまして

 ツレがウヨになりまして

笑の内閣

京都大学吉田寮食堂(京都府)

2012/05/26 (土) ~ 2012/05/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

今考えても・・
演技云々はともかくとして、
着想も、公平であろうと苦闘しつつ考え抜くところも4とても素晴らしかった。

公演のまえの金曜日には、
アバンギルドでViolensのライブを見たんだけど、
この週末で賀茂川をちょっと上るだけで
散歩がてら
極度の洗練から究極の泥臭さ(でも凄くしなやかな思考)と、
川の流れとともにゆったりと味わえたので、
すでに暑くはあったけれど
5月の素敵な週末を味わえた気がして楽しかったことを今でも覚えている。

・・2012年のベスト10入れたいなぁ・・(笑

ワンサ

ワンサ

スクエア

ABCホール (大阪府)

2012/05/25 (金) ~ 2012/05/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

今更だけど・・
最終日に観てきました。

地域ネタ?を混ぜていてスクエアらしくて面白かったです。

バルブル

バルブル

げんこつ団

駅前劇場(東京都)

2012/12/12 (水) ~ 2012/12/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

NKH(日本気配放送
出てくる人間は一見変人が多いけど、
よくよく見ていると「分かるな」ということが多い気がする。

あんまりキャラ設定とかは出てこないケド、
ひとりひとり、特に男性キャラを見ていると、
「あんまり一般的な演劇作品には出てこなさそうだけど、世間には時折見かけそうな」キャラクターが
そこここに紛れ込んでいたりする気もするので、
自分としては男性の(特に俳優に)じっくり見て欲しい気もしたり・・。



ネタバレBOX

最後の方に、唯一の肉親である母親が死んでずっと引きこもってる(でも本人はあんまり気にしていない感じの
男性が出てくるが、
この人はNHKではなく、NKH(日本気配放送)に受信料を払っている。

そうすると、家のあちこちに何らかの気配を感じ、
心配してやって来たバイトの先輩(魚をさばいているのでみんな魚臭いらしい)
を含め、頻繁に気配を感じて一斉に振り向く。

心配してやって来てるのに、みんな生臭くって、
主人公も生臭いのが嫌だとバイト行くのを嫌がって、
でもそのうちでは気配があちこちにあって、みんな気配がするたびに一斉に振り向く!

・・・意味が分からないけど、
男たち(中身は女性)が振り向くたび、
自分とお袋が、オヤジが死んでから、
(ふたりとも霊感チックなものもないし、たぶん父親もニコニコして死んだから化けて出ることもないせいか)
「ぜんぜん出てこないね」
「お盆とかって出てこないもんなのかね?」
「ちょっとでも気配がすれば戻ってきたって気もするのにね」
とか、しょんぼりして話したりしていることを思い出して、
「気配」とかって、他人にとっては意味不明でも、
親族にとっては確かに受信料払ってもみたいものなのかもしんないな、
などとおもったりして、
表向きにはその引きこもりの男性に共感する余地は無いのだけれど(感情があまり表には出てこないし、目つきも変(苦笑
なんか色々想像してみるとそいつらのシュールなやり取りの中に
作者の意図みたいなものが見え隠れする気がしたりして
(この人、ひょっとして本当に「NKHあるからお袋死んでも平気だよ~」とでも思ってるんじゃないか、と思ってしまうあたりがまた凄い(これを女性陣で作っているから余計ブラックなのかも
まぁ、面白いなと思ったりもしてみたり。

運命の理不尽さに抗う為には、
不条理で行くしかない、とでも見えるような・・。

気のせいか1年ぶりのせいか、いつになく挑発的な雰囲気にも
見える気がして、そこがなかなか良いな、と言う気もしたり(笑

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