若手演出家コンクー2012 最終審査
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
「公開審査会」・・長寿の秘訣はギャフンから~
難しいところだなぁ・・(苦笑
審査員の言うことは皆もっともだと思う。
皆舞台が好きで好きでしょうがないんだなということが良く分かった!(だから若い人たちが捨て身に見えないのが歯がゆいのかな
要は、今回は意外とず抜けた作品が出そうで出なかったのカナ・・(最後まで聞いてなかったんで分からないケド
広島・大阪の作品も、上演時間30分だったら分からなかったかも。
(コンクールでは30分以内にまとめることが重要。考えてみれば、就活の面接で30分も持ち時間があることなんてないんだから、30分って自分を見せる時間としては結構長大。35分以上だと、かえって「自分の持ち味を熟知してない」と判断されてしまう。審査員はどっぷり世界に浸かりたいファンでは無いんだからなぁ・・
鈴木アツトさんの作品も、きっちりまとめ過ぎて損をしていた気もする。
設定をもう少し普通にして面白くするか、
もっと馬鹿馬鹿しくするかの思い切りが足りなかったなぁ。
チョコレートケーキは・・空調を入れてくれないかな・・(本気(汗
最近どこも空調を入れないのが流行りなのか、
仕事帰りに観劇で蒸し風呂に突っ込む可能性があるというだけで
ビビって、他の舞台まで行く気がなくなってしまうなぁ・・
アゴラみたく暑かったら外出て、
隣のショップ99で飲み物買って1階でテレビ中継観れる環境だったらまだマシなんだけど・・(苦笑
自分は、外国が舞台の作品は、
「外国語から翻訳して日本語の台詞にした」
感が最低限必要なんじゃないかと思ったり、もしくはパラ定みたく
「妄想し過ぎて完全に自分の世界」
にした方がなぁ・・。
凄い作品なら暑さも気にならないものかもしれないが、
自分はいまだそのような作品に出逢ったことが無い(苦笑
同時期の上演だと、
演出なら、遊びに満ちた「人工vs自然」、
作品としてなら、人間モドキの暗躍する「寝惚けた日記帳」
の方が面白かったなぁ・・。
皆、固くやろうとし過ぎてかえって小さくまとまってしまった感あり(苦笑
役者は皆、熱演だっただけに残念(「箱」はもう少し熟達するか演出で魅せる工夫が欲しかった
公開審査会が一番面白いというのはどうだろうか(苦笑
一度作ったスキームに満足することなく、
それを笑い飛ばして打ち砕くパワフルな作品があれば
もうその時点で勝負はついていただろうにと思うとちょっと残念。
あと、掘り下げがイマイチだったり。
あと、セレクションの時点で傾向が見えなかったので
最終選考の基準も分からなかったんではないかと思ったり。
老人たちは、みんな荒々しいパワーに飢えてるんだと思う。
・・そうなるとサリとチョコに絞られてしまうからな・・で、サリ氏は上演時間長くしたためパワーもちょい削がれてしまったと・・惜しいなぁ。
審査員の誰かが
「短かった初演の方がスリリングだったんじゃ」と言っていたけど
↑実は自分も内心思っていたけれど、ここには敢えて書かなかったのだが(苦笑
作者がどう思ってるかはともかく、審査員にはお見通しだなぁと思ったり。
パワーあっての技巧だからね。
野獣みたいの来ないカナ。
野生の獣のように、全てを削ぎ落として逞しい筋肉だけ残った飢えた生き物みたい(舞台の話です)なの。
自然の生き物って美しいから、ああいった骨格に似た舞台作品を観たいと常々思っている。で人一倍繊細な(欲張りでスミマセン(汗
誰かアイツラをギャフンと言わせろよ。
そしたら彼らも強風に吹き飛ばされて喜んでる女子高生(きのう実際に渋谷でみた(笑)みたくキャッキャ言って大喜びすると思う(笑
人工vs自然
日本パフォーマンス/アート研究所
Vacant(東京都)
2013/03/09 (土) ~ 2013/03/09 (土)公演終了
満足度★★★★★
基礎編
応用編は無理だったけど、基礎編だけでもとても見応えがあった。
演出と言う面を考えてみても、
ライブ中に電話がかかってきて作業を中断して話をしたり、
いろんなアクシデントや遊びがあって
パフォーマンスとしても十分楽しめました。
台詞を喋る役者が出ていなくても十分に舞台作品として成立しているところが面白い(笑
やっぱりvacantは面白そうなものに目を付けるのが上手いなぁ・・。
focus#3 円
箱庭円舞曲
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/02/28 (木) ~ 2013/03/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
人にもよるのかな・・
演出に遊びがあって、滅茶苦茶楽しめた感(笑
若手演出家コンクール選考会途中で抜けて行ったけど、悔いはない(苦笑
通常の公演では、
「ストーリー6、遊び(よく目を凝らすとそうとわかる感じ)4、ドラマは意図して省く。ま、いんでない。こんな芝居あってもサ」
な感じな気がするケド、
今回は
「ストーリー0(ま、一応あるなって程度)、遊び6、魔法(使い)4。あとは実人生の1/3程度のドラマがあればいい」
な感じカナ。
要は凄く、凄~~く好みです(一般受けはしないかもしれないが(笑
もし、仮に、
高架下に掘っ建て小屋でも作って、そこで爬虫類を飼って暮らしたとしても、
これよりはドラマチックな人生だったかもしれんよ。
・・でも、ま、いんでない?
寝惚けた日記帳
劇団ハーベイ・スランフェンバーガーのみる夢
王子小劇場(東京都)
2013/03/09 (土) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
観に行って良かった
なんとなく予感がして、予定を無理くりして観に行って良かった。
イキウメの「散歩する侵略者」の初演を初めて観たときのような感触。
場面の限定された会話劇なのに、飽きずに観れた。
夢の描写が、いわゆる不安系とか、そういうんではなしに
メビウスと原宿系が合体したみたいな(笑
甘くてカラフルなイメージとか、
南Q太の漫画に出てくる夜みたいなイメージだったりするのが新鮮だった。
別にいちいち説明しなくても、ブレイクする要素が全て詰まっている(笑
敢えて売り込まなくとも、自分がチケ手に入らなくなる日は近そうだ(苦笑
頑張ってエンゲキを若い人たちに広めてください。
若手演出家コンクー2012 最終審査
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★
「親愛なる我が総統」
こういうのは、観る人の人生観によって評価が大きく変わる作品ではないかと思う。
例えば目の前に言葉も通じないし習慣も違う、マスコミをみる限り野蛮で敵意に満ちた異なる民族の一人がいて、
ソイツを殺さないとお前を殺すぞ、と同じ国の人間に言われたとする。
自分は、歴史も文化も自分の国を心から愛していて、
マスコミの報道によると今、その異民族に滅ぼされようとしているらしい。
家族もいて、自分が死ぬと裏切り者として罵られて路頭に迷うかもしれない。
涙を流し謝りながら殺す人間がいる一方で、
自分と同じように泣き笑い苦しむ人間を殺すくらいなら死んだ方がマシだと
自分の中の神に従って迷わず死を選ぶ人もいる。
どちらに感情移入するかで、評価は分かれると思う。
自分は強力な軍隊を作り上げたドイツ人の言語より、
何のまとまりもなくすぐ侵略され、
ロマンの血が滾るポーランド人の言語を迷わず学びたいと思った。
殺す側に多少でも感情移入するということは、実は極めて危険なことのような気がする。
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人間である限り、誰かが誰かより生きる価値があると信じる理由はない。
教養があろうと無かろうと、
自分の命が、目の前の人間を犠牲にしても守られる価値があると信じる人間(政治家など)だけが、
他のすべての人間に劣る。
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そのことをハッキリと認識するようになったのは、
昨年のFTのヨッシ・ヴィーラーのレヒニッツあたりからなのだけど・・(苦笑
ただ、そのヨッシ・ヴィーラーも実は銀行に支配されたスイス
(報道自由度ランキングは上位だが、資本主義に対する懸念の発言は封殺される表現の自由の無い国
の出身なので、反ナチスの姿勢も多少は割り引いて考える必要があるかもしれないけれど・・(苦笑
ただ、被害者の声というのは割と通りやすいけれど、
加害者の声と言うのは聞かれないことが多いので、
そういう意味では上演する価値がある気もする。
出来ればドイツ軍とかじゃなく、
もっと最近の、アメリカとニカラグアとかそういったところを観たい気もするなぁ・・。
エルサルバドルの司教やなんかを殺害した特殊部隊を育て上げたアメリカ軍の兵士たちが、
「悪魔と呼ばれながらも実は人間」
的な存在として描かれたり・・って皮肉。
※ちなみにナチスとかユダヤ人虐殺などは自分もずいぶん昔から興味があって
本などを読んだりポーランド語を勉強したりしていたので、
割と自分にとっての題材の新鮮さが少なかったりとか、
あるいはポーランド人同士の会話から、
「これはポーランド語にしたらどういうイントネーションになってるんだろうか、
逆にドイツ人にドイツ語で質問してるときとの言葉の差が
感じられないナ」
・元はそれぞれの言葉で話しているため、
ドイツ語とポーランド語での元の会話を念頭に置きながら、それを日本語に訳していることをイメージする必要があったりする。自分も言葉を勉強したとき分かったが、ポーランド人にとってのポーランド語というのは、非常に重要な要素で、一般の市民の手紙の一つ一つが、日本で言うなら昔の作家のような言い回しを使っていたりする。
とか、わりと一般の人にとっては小さなこと(と言っても自分にとっては大きなこと)が気になってしまうので・・(苦笑
↑これが「演出」という面でどうしてもマイナスになってしまうこと。テキストは変えられなくとも、言葉の違いを観客に明確に分からせるような演出上の工夫がどうしても必要だったんじゃないだろうか。繰り返し言うようだけれど、ドイツ語とポーランド語の違いは非常に大きい。ドイツ語と違って、ポーランド語のように非実用的な言語を誇りを持って話す(生み出すのは数学者やピアニストなど)国で、科学技術や強固な軍隊を生み出すドイツとは大きく異なる。ドイツ人とポーランド人との違いをもっと分かるようにする必要があったのではないかと凄く思った。
ミシェル・トゥルニエの「魔王」ぐらいぶっ飛んだものだったら文句も無いんだけどな・・(苦笑
あと、メチャクチャ暑かった(汗
個人的には、(地方の)日常のシークエンスを上手く舞台の中に編み込んでいるという点も含めて、
やっぱり当初の予想通り大阪・広島の2作品に
(自分の中では)絞られたカナ、という気がする。
本当なら、ここにピンク地底人を含めて3作品位でちょうどいいんじゃないか、と思ったりする。
東京の2作品に思ったより演出上の遊びが無く、ちょっとがっかりしてしまった、正直な所(あくまでコンクールなので、今回だけは正直書きます、スミマセン(汗
若手演出家コンクー2012 最終審査
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★
「青鬼」
物語としては凄く面白い。
地方の2作より面白いのではないかなぁ。
ただ、このコンクールは(他の時にも大いに言えるのだけれど
どの作品を先に観るかによって印象がだいぶ変わってしまう。
前日に「箱」を観て、脚本の色をコラージュする演出的な面白さに触れてしまうと、
舞台上に水槽を配置するだけの「青鬼」の演出では物足りなくなってしまう気もする。
脚本が面白く、特徴的な女優・男優にも恵まれたため
シンプルに魅せて、食材の良さを最大限に堪能させたい気持ちは非常に良く分かるだけに、辛いところだなぁ・・(苦笑
これからまた下北行ってきます。入れるかな・・。
若手演出家コンクー2012 最終審査
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
「箱」・・お洒落な小品
HPをみたら最後に選出が決まったというので、正直ちょっとナメてる部分があったことをここに告白しておきます(苦笑
ただ、観てみてその先入観は間違っていたことがはっきり分かりました。
ピンク地底人と本選を争ったというので、
「ピンク地底人(こちらの公演も観ています)と一緒に議論される」という作品が
どんなものかな・・と気にしながら観てみると、
なるほど、ほんのちょっと似ている気がする(笑
よく見ると全然違うのだけれど、
アフタートークを聴いて、
「どことなくちょっと似ている」と感じた理由がなんとなくわかった。
ひとつひとつのシークエンスの長さ、つなぎ方がちょっと似ている気がしたのだ。
もちろん、良く見ると全然違うのだけれど。
この作品は題名にもハッキリ分かる通り「箱」を題材にしている。
その視覚的な分かりやすさ(テーマはともかく(笑
が、ほんのちょっとピンクに先んじた理由かもしれない。
ただ、その分かりやすさゆえに、
ピンク(「長い人生の陰影」とでもいうべきものを音でザッピングしたものと自分は捉えました)とでは
微妙に好みが分かれ、選考現場では票が分かれたのではないかな、という気がした(推測です
この作品自体は、まだ4作品観たわけではないのでハッキリとは言えないけれど、
多分他のどの作品にも劣らない作品であろうと思われます(何となくピンク地底人がなければこちらに票が集まっていたようにも思うので。それはピンクにも同じことが言えますが(苦笑
別にこのまま優勝しても何らおかしくないと思いました。
それくらい、洗練された作品であるように思われました。
若手演出家コンクー2012 最終審査
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
「絶対の村上くん」
今回の作品は自分は一度大阪で観ていました。
なので、以前と比べて作品がどう変ったかは勿論、東京の観客の反応も少し気になったり。
物語の構造としては非常にシンプルな二人芝居なのに、
だからこそというのか、
心理的には非常に複雑な愛憎が絡み合い、
どこまでが現実で、どこまでが夢なのか分からない作り。
少し、年末に春風舎で山崎氏が上演していた「マボロシ兄妹」を思い浮かべたり。
今回観て、改めて作者の独特な世界が良く分かった気もする。
春.一夜にして
KARAS
シアターX(東京都)
2013/03/03 (日) ~ 2013/03/04 (月)公演終了
満足度★★★★★
春
そういえば生前、工藤先生に
「一番好きな作家は?」と聞かれて迷わず「トルストイ」と答えた気がする。
それを聞いた工藤先生は残念そうに「シュルツはどうだい?」と言った。
シュルツはとても良い。ポーランド語の凄さを引き立ててくれる。
現在の、味もそっけもない日本語より遥かに詩的な言語を当時自分は発見した気がしていた。
それでもなお、トルストイの真っ直ぐさ、明るさが自分の心の中にいつもあった。
工藤先生はその後も何度もシュルツのことを口にしていたと思う。
先生が死んでから、自分はシュルツがずっと好きになった気がする。
自分にとっては、たぶん他の多くのポーランド文学愛好家と同様に、
シュルツと工藤先生とは不可分だ。
劇中にたびたび訪れる闇の中で、
昔通っていた今はなきマヤコフスキー学院からの帰りの夜道を思い出していた。
工藤先生もそこでポーランド語を教えてくれていた。
先生はお金持ちには見えなかったが、口の中にはとても豊かなリズムが満ちていた。
大企業に勤めてお金儲けのことばかり口にする人たちには、一生手の届かない世界が、その向こうにあることがまだ若い自分にもわかった。
世界は詩で形作られている。
勅使河原氏の手が描き出す、闇夜の蝶が現れては消える様子。
2匹の蝶が現れては消えるのが、シュルツとゴンブロヴィッチのように見えた。
次に見えた蝶は工藤先生のようにも。
作品を生み出した人びとも、その作品たちをこの国に伝えた人も、今はもうこの世になく。
ただ、その言葉を風のように体の上にのせ、糸のように舞台の上に紡ぐさまを眺めるばかり。
瑞々しさとは何なのか?
人間の生命力というのは、死を引き立てる花に過ぎないのか?
あるいは逆か。
シュルツは灰色のこの世界の一瞬を、永遠のように引き伸ばし、広げ、
冬と春は一夜にしてせめぎ合い、
やがて冬は過ぎ去るが・・
それは夢の中で語られる物語のようでもあり
やがて物語は、混沌のなかで
世界の「価値が創られている深部のプロセスを記録」する・・。
シュルツとウィトゲンシュタインは似ている。
ふたりとも長い冬を生き、世界の測深器(ゾンデ)になろうとした。
シュルツはウィトゲンシュタインやゴンブロヴィッチのような天才ではなかったかもしれないが、天才ではなかったがゆえに、誰も到達できなかった刹那の最深部に到達できたと見ることもできるのかもしれない。
ゴンブロヴィッチもシュルツのその素晴らしさを十分に理解していたからこそ、お互いに尊敬しあっていたのだろうと思う。
もし、若手の演出家の人で、他の若いうちから活躍する作家に比べて自分が劣っていると思ってしまう人がいるとしたら、それは大きな間違いだと思う。
一瞬にして全てを見抜くような能力と言うのは、世界を測る上ではマイナスになる。
例えば世界の価値とでもいうものは、往々にして一冊の哲学書より多くを一体の仏像の中に見出せるものでもあるように自分には感じられるから。
同じ仏像を何年も見続けることなど、天才には難しい。
ギプス不動産
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
熱演?
なんかいつものあひるなんちゃらっぽくない?
熱演ていっていいのか
本気でおかしくなってるのか分からない位いっちゃってる登場人物たちのなかで、
マトモな人たちばっかり貧乏くじを引いてるフシギ(笑
ツッコミどころ満載なのにみんなあまりにさりげなく、風のように
あっちの世界に入り込んでしまうので、
自分も舞台の他の登場人物同様にあっけにとられて
(心の中で)突っ込むスキを忘れてしまいそう(笑
コイツ、ボケてるふりをしてわざとやってるんじゃないの・・?
と思いながら、果てしなくボケ続けてるのを見て不安になり
自分の方がおかしくなってるのか、
自分も果てしなく突っ込んでるほうの登場人物になりかわって
口に出してソイツの不審さを口に出して確認できればどんなに良いか(苦笑
でも、あひる特有の
「いつの間にか夢に入っちゃった」感が時折覗かせたりして
ネバーエンディングストーリ―さながらに
「永遠にボケ続ける物語」の展開し続けるマコンド病院の、
でも怖いというより
どこかゆるくヌケ続ける
フシギなゆるふわっ感は健在で、
笑いながらも間違いなく終劇を迎える70分の夢の世界に身を浸してみたり。
HIPHOP侍vsレゲエ侍
男肉 du Soleil
シアター711(東京都)
2013/02/25 (月) ~ 2013/02/27 (水)公演終了
満足度★★★★★
FEEL
なんか知らんが観客がいっぱいいた。
ちょっと前に代官山ユニットでみたERAとかがでてたイベントより人がいたんじゃないかという気がした。
・・いや、そんなこたぁないか(笑
でも、それくらいいっぱいいいた。
ゲームセンター寺尾@東大阪市(勝手なイメージ
も、下北で結構やれるんだぜ。みたいな(笑
ルル
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
野生生物博覧会
文字通り人間世界における
人の顔をかぶった?野生生物たちの饗宴を、
サッカー専用競技場のゴール裏のような客席で
眼前のリアルバウトを臨場感たっぷりに観られるのが素晴らしい。
日本の劇場もサッカー専用競技場的なこの観客席を見習って
もっと臨場感のある客席を考えて
より盛り上がる仕掛けを編み出した方が良いんじゃないかと思う。
毎日観ても良い位だと思う。
前売りは完売だけどちょっとずつ当日券も出てるみたいなので
まだ諦めるのは早いと思う。
観客全員が複数回観ていると、
客席も盛り上がりどころが分かってきて
劇場全体に一体感が生まれてきたらもっともっと伸びそうだ。
演出の人の監督した映画も見たけれど、
この方は、もう死んでしまった人びとの魂に
生命力を入れて膨らませ、
躍動感漲るスペクタクルな法螺話に仕上げるのが非常に巧いのかな、と思った。
「ファウスト」が日本に上陸するならぜひ観たい。上海やソウル位だったら
足を延ばして行っても良いかもしれない(P2.5や治安が不安だけど(苦笑
肉食の文化の作品という感じなので、
サッパリめの作品、ジャニーズ的なJ-POPじゃないとダメな人には
ちょっとキツいかもしれない(念のため
ふりつけされたえんげき『君の知らない転び方』
ホナガヨウコ企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/02/16 (土) ~ 2013/02/25 (月)公演終了
満足度★★★★★
その日はわりと面白かった。
ダンスをみた、というだけでなくその日はわりと面白かった。
舞台をみる、ということがその時の気分によっても大きく左右されるから。
開演ぎりぎりに当日券で入ったら、入り口の近くの一番端っこの席で、
舞台をみるにはわりと見切れてちょっと、というところだったけど、
あとで考えてみるとそれも満更でもなかった。
作品は非常に練られている、という感じで、
何気ない日常の動きを音楽にするみたく、
音楽を物語にするみたいに。
夕暮れの
日が沈む前の景色を
昼の国の女の子から夜の国の女の子への手紙のなかに
溶かしこむように。
ちょっと見にくいけど、ま、いっか、と思ってるとそこにちびっ子(女性)がひとり。
出口の扉を開けようとしてるんだけど開かない。
男としては、目の前のレディの膀胱破裂の危機(推測)を救わなければとやわら立ち上がってその子の頭を撫でてカッコよく押したつもりがビクともしない(苦笑
必至になりながら鍵を何度も回して押したり引っ張ったりするが動かない。
女の子は泣きそうな顔をして母親のところに行き、母親と一緒になって劇場のスタッフに電話をかけてやっとドアは開いた。
自分はわりと汗だくになった(苦笑
終演後にそのちびっ子の母親なのか関係者っぽい女性が、
さっきはありごとうございますと言ってくれたのだけれど、
自分は全然役に立たなかったので、
「頑張ったんですが、すみません、開けられなくて」とか何とか言ったような気がする(なさけな(笑
ちょっとビックリしたのは終演後のアフタートークでその女性がゲストだったこと。
ちょっと笑った。
終演後、近くの古本屋で物色していると、さっきの女性らのグループがこっちのほうに呼びかけてるみたいで、
何かな、と思ったら、さっきのちびレディが本棚の向こうにいたらしく(その古本屋には絵本もあるのだ)見えないけど、
声が上がったなと思ったら、ぴゅうと出て行った。
なんかさっきの様子と違ってすっかりピンピンしちゃって子供っておもしれーなと思った(笑
なんか、そんなことをぼんやりと思い出してみると、その日はわりと満更でもなかったかな、という気がした。
ちなみにその古本屋では、自分は絵本でもファンシーな何かでもなく、
戦前のアメリカのシアターギルドの本(そこは洋書が多い)を買った。
自分にはあんなちびっ子みたいな可愛気は一生できないな、と思った(昔からこんなだったのだ(苦笑
感想と言って良いんだか分からないケド、
自分にとってこの作品の想い出は、手に汗握る(笑)膀胱破裂の危機の回避と
密接な関係があるように思われたので、何となく書きます。
でも、ダンスをみる、ということは、作品を分析するためではなく、
「その日がわりと満更でもない」ことのしるしのためであるようにも自分には思われ
こんなちいさなアクシデントも評価に含めちゃっても問題ないようにも思われるのです・・。
必至になってノート片手に作品分析してたら、
こんな感想一生かかっても書けないからなぁ。
俺は・・・まぁ、立派なことを書いて人から評価される人生より
こんなふわっとした人生の方が良いや(仕事はしっかりやるが(苦笑
モー・ル・プラデック「Professor」
TPAM・国際舞台芸術ミーティング
KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)
2013/02/16 (土) ~ 2013/02/16 (土)公演終了
劇団 マウス オン ファイア サミュエル ベケット『消滅するまえに…』
シアターX(カイ)
シアターX(東京都)
2013/02/13 (水) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
当日券
最初から予想はしていたけど、
シンプルながらも、あまりに濃密な作品群のため、
100m無呼吸で走り抜けるような、
息継ぎなしでずっと海に沈むような時間だった(苦笑
削ぎ落としながらも、
内に見える心は豊かで、
闇夜でありながら、目に入る光は啓示に満ちていた。
戯曲自体は、以前に何度か読んでいたが、
海外の劇団を見て、
音や光を交えながら豊かに語る様子に
自分が予想もしなかった言葉の向こうの豊饒さを見せつけられた思いだった(笑
ウィリアム・ブレイクやレンブラントの名前がプレトークにあったが成程と思った。
確かにウィリアム・ブレイクなどは自分も好きだけど、
後期ベケットを読み解く上では
常に心の中に置いた方が良いビジョンかと思った。
ベケット批評の本はあまり読んだことが無いが
(歴史とかでもそうだけど、自分は概説や批評的なものを読むことはあまりなく、
その分の時間があるなら、原作やその当時の時代に書かれたものを読み直すことが多いので・・・
自分もぼんやりと近いイメージではないかと薄々は感じていた画家たちの描いた景色を、
ハッキリと戯曲の向こうに配置する勇気を
この舞台は与えてくれたようにも思う(笑
また、この劇団の人びとが、
ベケットの戯曲の技巧的な面よりはむしろ、
ベケットの人となり、
母親に対する思いなど、
非常に個人的な感傷を掘り起こすことに
心を砕いていることにも感銘を受けた。
ベケットの戯曲は、
高度に感覚的で難解な代物であるというよりはむしろ、
戸を叩いて響く音がその時の感情によって微妙に揺れ動くような、
子供のように素朴でアナログな感性と、
死を前にして心惹かれる
宗教的な啓示とが
隣り合わせで存在することに特徴があるようにも思ったりする。
特にベケットの自伝的な感傷(母親への感情など)が込められた作品群をこうして並べたときには、
一見素朴で時に幾何学的な想像力に満ちたイメージの列の中から、
ベケット本人の温かみが泉のようにあふれ出ていることを感じる。
ドッグヴィル
東葛スポーツ
3331 Arts Chiyoda(東京都)
2013/02/07 (木) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★
キエる鎌田氏(別に消えはしないが
途中からのノッてきた?感し。
最初は割と硬めだったかも。体の動きとかも。観客が多かったから照れもあったのかもね。
途中、画面(会場前方にスクリーンで映し出されているドッグヴィルの映像がある
見て、ガラスの向こう(フリースペースなんですぐ外が元校庭の広場)に眼をうつすと
「部活動でUFOを呼んでるっぽい」うる星やつらのオープニングに出てきそうなちびっ子たちがサイリウムを凄い勢いで振り回したり何本も放り投げたりして、
「をっ、UFO近づいてきたかな?」
とか思って、ふと舞台上に眼をもどしたら、
「あ、なんかぽくなってきてる」
て、なってた・・気がする(笑
なんでかな、て思ってたら、ラスト(以下ネタバレへ
Anamorphosis アナモルフォーシス
青年団国際演劇交流プロジェクト
アトリエ春風舎(東京都)
2013/02/07 (木) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
分かるようになってきた気がする
やっぱりフィリップ・ケーヌは最高だ。
・・ただ、なんで観客がみんな最後まで起きているのかはちょっとよく分からない(苦笑
キノコやクラゲが好きな人にはおススメ。
IN HER TWENTIES 2013
TOKYO PLAYERS COLLECTION
王子小劇場(東京都)
2013/02/06 (水) ~ 2013/02/11 (月)公演終了
あくしゃもん
田上パル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2013/02/06 (水) ~ 2013/02/13 (水)公演終了
strange
ニットキャップシアター
ザ・スズナリ(東京都)
2013/02/01 (金) ~ 2013/02/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
イスタンブールの子どもたち
今年は青組、グリクル、デスロック、サンプル、地点、伏兵コードなど・・
最初から印象的な公演を観る機会に恵まれたけれど
(無名な劇団が少ないのは毎年1~2月は海外のアーティストの来日が続くので自分もそれにつられて・・(苦笑
個人的には、観ていて一番背筋がゾクゾクする瞬間を感じたのはやっぱり
ニットキャップシアターかな、と感じた。
京都のヒラカタ・ノートを観たときから、構成の上手さは感じたけれど
(・・いや、良く考えると巧みではないけれど、それを観客に納得させるだけの手腕をその頃から持っていた、ということなのかな?
途中のアゴラのあたりから、イメージの豊潤さが前面に出始めて、
今回はそれに、シンプルでありながら太い線が
時間と空間と心の深度とを5次元的に走っているようで
個人的に感じたテーマ(とでも呼ぶべきものがあるならば
は、サンプルを思い起こさせ(死と再生
構成の巧みさ、洗練さはデスロック、
素材の黒さは伏兵コード、
軽やかさは地点。
それでいながら、
今回はあえて少し色彩を落として(といっても人物の周囲の色彩を落としたということで
心の闇の中に深く沈みながら、
アフタートークのごま氏の言葉を借りるなら、
「河の澱みに漂うボールに、流されながら途中で近づいて、また流れるうちに離れていく」
ように、被写体となった素材に微かに触れて、
また水の表面に戻っていくような。