ルル 公演情報 東京芸術劇場「ルル」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    野生生物博覧会
    文字通り人間世界における
    人の顔をかぶった?野生生物たちの饗宴を、
    サッカー専用競技場のゴール裏のような客席で
    眼前のリアルバウトを臨場感たっぷりに観られるのが素晴らしい。

    日本の劇場もサッカー専用競技場的なこの観客席を見習って
    もっと臨場感のある客席を考えて
    より盛り上がる仕掛けを編み出した方が良いんじゃないかと思う。

    毎日観ても良い位だと思う。

    前売りは完売だけどちょっとずつ当日券も出てるみたいなので
    まだ諦めるのは早いと思う。

    観客全員が複数回観ていると、
    客席も盛り上がりどころが分かってきて
    劇場全体に一体感が生まれてきたらもっともっと伸びそうだ。

    演出の人の監督した映画も見たけれど、
    この方は、もう死んでしまった人びとの魂に
    生命力を入れて膨らませ、
    躍動感漲るスペクタクルな法螺話に仕上げるのが非常に巧いのかな、と思った。

    「ファウスト」が日本に上陸するならぜひ観たい。上海やソウル位だったら
    足を延ばして行っても良いかもしれない(P2.5や治安が不安だけど(苦笑

    肉食の文化の作品という感じなので、
    サッパリめの作品、ジャニーズ的なJ-POPじゃないとダメな人には
    ちょっとキツいかもしれない(念のため

    ネタバレBOX

    寄生獣さながらに
    猛獣が出てきたと思ったら、
    その次にさらにその獣を殺す
    紳士の顔をした激獣が出てきて物語を締めるラストが際立っている。

    ルルは本能のままに生き、それによって輝き
    相手によって自分の色をさまざまに変えることで
    周りを泥沼に引きずり混んでいくが、
    最後に切り裂きジャックと出逢うことでその人生の幕を閉じる。

    ジャックに出逢う前にも何人かの狂犬じみた目をした獣のような男たちが登場し、
    ラストの最終的な破滅への盛り上がりを加速させている。

    そうした獣たちの中でもとりわけルルが
    とびきりの怪物であるジャックに惹かれ、
    彼の前では子どものように振る舞って死に至る演出は、
    簡潔だが鋭く躍動感に富み素晴らしい。

    タブロイド紙の記事に物語を与え、
    豪奢なだけの舞台より遥かに輝く命を与えている。

    スペクタクルで肉食の近松といったところだろうか。

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    2013/02/28 23:51

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