〈NIPPON 文学シリーズ〉第3弾 KAAT神奈川芸術劇場×地点 共同制作作品
〈NIPPON 文学シリーズ〉第3弾 KAAT神奈川芸術劇場×地点 共同制作作品
〈NIPPON 文学シリーズ〉第3弾 KAAT神奈川芸術劇場×地点 共同制作作品
実演鑑賞
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2013/03/07 (木) ~ 2013/03/26 (火) 公演終了
休演日:3月11日〜14日、18日、22日
上演時間:
公式サイト:
http://chiten-kaat.net/
期間 | 2013/03/07 (木) ~ 2013/03/26 (火) |
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劇場 | KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ |
出演 | 安部聡子、石田大、窪田史恵、河野早紀、小林洋平、青戸知(『駈込ミ訴ヘ』)、庸雅(『トカトントンと』) |
脚本 | 三浦基 |
演出 | 三浦基 |
料金(1枚あたり) |
1,000円 ~ 3,500円 【発売日】 一般 3,500円 2演目セット券 6,000円 U24チケット 1,750円 (24歳以下対象/枚数限定/要身分証明書) 高校生以下割引 1,000円 (高校生以下対象/枚数限定/要生徒手帳) シルバー割引 3,000円 (満65歳以上対象/要身分証明書) プレビュー公演 一般 2,000円 24歳以下 1,000円 |
公式/劇場サイト | ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。 |
タイムテーブル | 公演日時 2013年3月 7日(木)19:30 駈込ミ訴ヘ ☆プレビュー公演 8日(金)19:30 駈込ミ訴ヘ 9日(土)19:30 駈込ミ訴ヘ 10日(日)16:00 駈込ミ訴ヘ ◎託児あり 11日(月)【休】 12日(火)【休】 13日(水)【休】 14日(木)【休】 15日(金)19:30 トカトントンと 16日(土)19:30 トカトントンと 17日(日)16:00 トカトントンと ◎託児あり 18日(月)【休】 19日(火)19:30 トカトントンと 20日(水)16:00 駈込ミ訴ヘ ◎託児あり 21日(木)19:30 駈込ミ訴ヘ 22日(金)【休】 23日(土)19:30 駈込ミ訴ヘ 24日(日)16:00/19:30 トカトントンと 25日(月)19:30 駈込ミ訴ヘ 26日(火)19:30 駈込ミ訴ヘ |
説明 | 本作品は、KAAT神奈川芸術劇場と地点が企画段階から制作過程を共にし、劇場での一ヶ月以上に渡る滞在稽古と、神奈川芸術劇場舞台技術課が主力となったスタッフワークによってつくられる、本格的な共同制作作品です。「公共劇場の発信力を高める大きな可能性」(読売新聞)として、既に高い評価を得ています。今回は、2作品の同時期に上演、3週間に渡るロングラン上演という新たな挑戦に挑みます。地域の拠点劇場としてより完成度の高い舞台作品の上演を目指すこの試み、その成果をぜひ直接確かめにいらしてください。 天皇制と玉音放送、キリスト教と聖書 ――日本《近代》への不断の探求 玉音放送の直後に聞こえた「トカトントン」の音に苛まれ、復興へ向かう社会の中で、ひとり虚無感を克服できない日本人―。『トカトントンと』は、戦後保留にされ続けてきた問題として天皇制を改めて捉え直す作品です。一方『駈込ミ訴へ』は、ユダがキリストを裏切るまでの心の揺れ動きを、一人語りの手法で描いた小説『駈込み訴え』の舞台化。この作品でテーマとなるのは、キリスト教です。 西洋社会の基盤となっているキリスト教は、西洋の近代、そしてそれを直輸入した日本の近代を把握するための重要な要素の一つです。芥川龍之介や太宰治といった日本の近代化に自覚的であった作家たちの興味もまた、聖書とキリスト教に向かいました。近代以降現代に至るまで、芸術が立ち向かうべき核心の一つがこの「キリスト教」にあると言っても過言ではありません。 なぜ社会は成熟しないのか。なぜ未だ解決されぬ苦しみがあるのか。太宰治は天皇制とキリスト教という大きな社会システムをとりあげ、それに対応できない個人を描写することで、現実を批評しようとしました。しかもその語り口は軽快で、聞く者を楽しませようという捨て身のサービス精神に溢れています。 この太宰スピリットを手がかりに、『駈込ミ訴ヘ』と『トカトントンと』という二つの作品を同時に上演します。現代社会を日本固有の天皇制と西洋的価値観であるキリスト教という両面から照射しようという野心満々の演劇です。 チェーホフに長年取り組み、近代についてこれまで一貫して考えて来た三浦基が、より明確な〈戦後〉という切り口から日本の近現代を考える本作。モスクワでチェーホフ作品の上演を成功させ、2012年5 月にはロンドン・グローブ座で招聘公演が行うなど、ますます活躍の幅を広げている地点の最新作です。 『人間失格』のイメージが払拭された新しい太宰像 『トカトントンと』初演では、「太宰の現代的ポテンシャルを最大限引き出した」(村井華代)、「歴然と、毅然としてアクチュアルな問題」(佐々木敦)と、太宰文学の色褪せない魅力を伝える舞台として高く評価されました。『人間失格』に代表される暗い私小説作家としての太宰治ではなく、戦中戦後を生きた冷静な職業作家としての太宰治の姿がそこにはありました。 原作『駈込み訴え』は、自らも義太夫を習い、「役者になりたい」と書いた太宰治の語りの技が余すところなく発揮された小説。新作『駈込ミ訴ヘ』が『トカトントンと』とはまたひと味違った太宰治の魅力あふれる舞台になることは間違いありません。 必見! 山本理顕による舞台美術 両作品の舞台美術は、建築家・山本理顕が手がけます。横浜を拠点に現代建築の第一線で活躍し、国内では横須賀美術館のデザイン、海外では中国・天津図書館やスイス・チューリッヒ国際空港のデザインを手がける山本。『トカトントンと』の舞台では、風を視覚化するパネルと、斜面によってつくられた死角により、戦後の心象風景を表現することに成功しました。2本立て上演となる今回、二つの異なる世界観をどのようにデザインするか。2年目の挑戦はますます見逃せません。尚、美術のみならず、照明・音響・衣裳はすべて2作品とも共通のスタッフワーク。 ほんの少しの差異が大きな違いを生む「舞台」という区切られた時空間の醍醐味を実感していただける企画となっています。ぜひ2本あわせてご覧ください。 バリトン歌手・青戸知が「声の演劇」に参戦 『トカトントンと』では思いもよらない子役の起用で観客をあっと言わせた地点が、新作『駈込み訴え』ではオペラ歌手・青戸知と共演します。三浦にとって初のオペラ作品演出となった『流刑地にて』(2008年)に出演していた青戸は、日本を代表するバリトン・カンタンテ。特に近年は小林研一郎指揮によるマーラー歌曲、ヴェートーヴェン《第九》のソリストとして活躍しています。讃美歌をはじめとする教会音楽、あるいはキリスト教のもとに発展してきた西洋芸術の表象であるクラシック音楽が青戸の歌声によって表現されます。それは、俳優によって発声される「言葉」とどのように関係していくのか。メロディ、リズム、そして意味。すべてが音として感知可能なさまざまな要素が絡み合う、「声の演劇」をお楽しみください。 |
その他注意事項 | |
スタッフ | 美術|山本理顕 (山本理顕設計工場) 照明|大石真一郎 (KAAT神奈川芸術劇場) 音響|徳久礼子 (KAAT神奈川芸術劇場) 衣裳|堂本教子 (KYOKO88%) 舞台監督|山口英峰 (KAAT神奈川芸術劇場) プロダクション・マネージャー|山本園子 (KAAT神奈川芸術劇場) 技術監督|堀内真人 (KAAT神奈川芸術劇場) 宣伝美術・WEB製作|松本久木 (MATSUMOTOKOBO Ltd.) 制作|伊藤文一 (KAAT神奈川芸術劇場) 田嶋結菜 (地点) 広報|熊井一記 (KAAT神奈川芸術劇場) 営業|中里也寸志 (KAAT神奈川芸術劇場) |
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