満足度★★★
なぜ?
素人の老人が、それぞれの人生を背負って舞台に立つ。
そこには役者のプロには決して出すことのできないものが内包される。
その点に関しては、素晴らしいと思える部分もあった。
だが、なぜこの戯曲なのか?
蜷川さんの想いは理解できなくもないが、
演じる側にそれは伝わっていたのだろうか、、、
いや、その想いは共有できるのだろうか、、、
みた
高齢者の方々の頑張りに心打たれました ☆(ゝω・)vキャピ
みたいな感想は大きな勘違いというかおごりで、いたわろうものなら笑い飛ばされ蹴飛ばされるような力があった。
ばばあもじじいもキラキラしていた。
見に行ってよかった。
満足度★★★★
暴走老人
前半、説明文通りの展開。
現在は老婆の姿になってしまった、かつての女性達が魅せる終盤の激しい輝きを放つ強烈なラスト。男優達の軽やかな動きと狂言回し的な台詞のやり取りが可笑しい。
過激だけど毅然とした女達の強さと迫力ある刺激的な舞台でした。
このような硬派な演目が、今の時代に合っているかは分らないけどゴールドシアターだから出来る舞台なのかも。
約70分。
満足度★★★
エネルギー溢れる老婆達
老婆達が法廷を占拠するという過激な物語を、熱さとユーモア、少しの諦念を持って描いていて、役者達のエネルギーに圧倒されました。
真っ暗な空間の床に格子状に整然と並べられた水槽の中にうずくまる役者達がモノローグ的な台詞を繋げて語る静謐なシーンから一転して、法廷のセットへ一気に切り替わるという、蜷川さんらしい手法が盛り込まれた序盤に続き、アナーキーで個性豊かな老婆達が裁判官や弁護士を現状に対して何もしていないと次々に断罪していくシーンが展開し、心に切実な思いを秘めつつ奔放な振る舞う老婆達の姿が爽快でした。
最後には自分の孫ですら殺してしまう物語にギリシャ悲劇の様な厳かさを感じました。クライマックスで一斉射撃を受ける時に若返った姿になる場面で、ネクスト・シアターのメンバーと入れ替わるのがとても鮮やかで印象に残りました。
体制側の人間を演じた男性陣が(おそらく)演技ではなく実際に台詞が出て来なかったり呂律が回ってなかったりする度に女性陣から「聞こえない」、「はっきり喋れ」と野次られているのが物語的にもマッチしていて、この劇団ならでは強い表現になっていました。
詩的な台詞や当時の左翼運動的な回りくどい言い回しの台詞が多く、物語としては捉え切れない部分もありましたが、体を張ったパワフルな演技に引き込まれました。
満足度★★★★
ゴールド&ネクストは鉄板
ファクトリー「楽屋」より過激な部分にややひるむが(笑)、やはりだだ泣き。「蒼白の…ハムレット」と同様、ネクスト・シアターの若者との共演によって、1971年と今が肉感を伴って繋がる。そう、肉なんだな。血と汗が滴る。
鴉婆役の田村律子さんが素晴らしい!千年もの昔から積もり積もった怒りが老いた声に宿り、ゆるりと、でも力強く歩き、立つ姿から目が離せない。私の胸の中にも、彼女たちと同じ笛があるはずだ。
しっかし…ハレンチだよな~(笑)。パリ公演の反応はどんなだろう!