不道徳教室 公演情報 不道徳教室」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    不道徳さに、ドキドキ、憧れ、女子高生トリオのギャグやダンスも何ともかわいらしく可笑しくって良かった!
    不道徳さに、ドキドキ。
    ここだけの話、憧れも…。

    物語は、時間が前後に錯綜しながら進む。
    誰が誰を見たのか、手を怪我したのはいつか、
    だんだん時系列がわからなくなってくる…。

    しかし、相変わらず岩松さんの書くセリフは面白い。
    そして今回、岩松さんのいつもの芝居には無い要素である、
    女子高生トリオの友達同士のギャグや踊りが何ともかわいらしく可笑しくって良かった!
    こういうシーンを絶対楽しそうに演出してる、岩松さんを見てみたいものです。

  • 満足度★★★

    作文
    面白い。

    ネタバレBOX

    山城(大森南朋)…教師。あかねと付き合う。
    あかね(二階堂ふみ)…山城と付き合っていることを隠しつつ、久子らと仲良くする。
    久子(趣里)…学校の会長の娘。山城のことが好き。
    弥生(大西礼芳)…あかねと久子の友人。めがねっ子な板ばさみ。
    リカコ(黒川芽以)…ファッションマッサージ。山城を客として応対する。
    教頭(岩松了)…いろいろ頭を悩ますけど、飄々とした教頭。

    教師と生徒の恋って材料を、不穏な空気とコミカルな空気で彩った作品。序盤のリカコの店のシーンに到達するまでを描く。ここのシーンがけっこう印象的で、舞台の人間くささを匂わせる。

    ストレートな表現よりも、人間の生々しさとかもあっとした不安をじわじわ浸透させるような描き方。クセはあるが空気は感じる。そんな舞台。

    二階堂や趣里の女生徒な女演技は良かった。岩松の演技は、舞台へのいい味付けだった。
  • 満足度★★★

    岩松流「不道徳」
    川端康成の「みずうみ」をベースにしたそうで、高3女子と恋愛に落ちる「不道徳」教師が、道で擦れ違った風俗嬢(?)と語るシーンから始まって、高3女子にありそうな展開を含めつつ、岩松了の世界が展開される。ストーリーはそれなりに分かりやすいものの、言葉の選択が岩松ならではの味を持ち、独特の雰囲気を醸し出している。強烈に面白い、とかではないが、何だか不思議な2時間弱。
    女子高生役の女優陣はなかなかいい。

  • 満足度★★★★

    当日券で観劇
    チケット予約したにも拘らず、入金締め切り日を間違えてしまい当日券で仕切り直して見に行った。
    川端康成の「みずうみ」が発想ということだが、昔「みんなのうた」で聴いた大貫妙子の「みずうみ」みたいな世界観かな、と勝手に予想していたら、当たり前だがそれは関係なかった。
    が、岩松作品にしては比較的分りやすく、都会的な現代文芸作品を見たような印象。面白かった。
    いかにも山の手にいそうなリセエンヌ風の女子高生3人組、制服姿も似合ってて可愛かった。
    舞台にいる二階堂ふみさんは、白目を剥いて滝修行してても違和感ない貴重な女優さんだ。毎回思うが、おそろしい子‥w!

    ネタバレBOX

    冒頭、暗闇の中からいかがわしい声が聞こえてくるものの、特別激しい何かが起こるわけではない。高校で現国教師の山城、教室で居残りさせられている生徒のあかねを軸に話が展開する。居残りの原因は課題作文の「将来の夢」が書けないからだと言うあかね。

    教室から一歩出ると、秘密の場所で仲の良い友達と自己満足のお笑いセンスを発揮して放課後の一時を楽しんでいる。あの放課後の楽しみ方は妄想よりも空想を好み、森の中では実在するのか想像なのかグレイという人物まで登場する。現実では大人になりたいが恋してる自分に夢見てる、実際は背伸び出来ない女子高生そのもので可愛らしかった。

    山城とあかねの、教室の窓から見える相手までの距離や、花屋のショーウィンドーから見えた姿とか、一つ一つの行動に相手の依存と必要度が上がっていったのか。そして越えちゃいけない一線を越してしまう。その一線の言葉のやり取りは穏やかではないが、美しい台詞遣いで透明感ある描写だった。季節は巡り、周囲の注目、公への密告、山城のストーカーという行為が露呈となるが学校生活はまだ続く。

    冒頭の「将来の夢」がここに繋がっていたのかは分らないが、卒業後の進路によっては仲の良い友とも離れるかもしれない、ずっと好きだった男の人は自分の元から離れていくかもしれない、女子高生の他愛無い恋愛感情と友情ごっこの亀裂。久子、弥生の処女性とあかねの非処女性からくる無意識の三者三様友情の境界線。自分達の感傷的な一面もあったのか、言葉に気持ちをのせて話す事を避ける気分のまま時間だけ過ぎていく。
    川端文学に関わらず、昭和初期の文芸作品とか読んでいると、美少女崇拝のような美少女信仰が顕著にあると思うが、この山城も少女美化みたいに、あかねへの思いが神聖化していたのかも。
    その対極にいたのが、リカコだったのではないのかなーと思った。

    森の中に吸い込まれていくかのようなあの場面は、山城はあかねに手をかけたんだろうか。

    岩松さんは変わらず面白い芝居をされる、それだけでもう満足。
  • 満足度★★★★

    濃蜜
    現国の教師にあこがれる女子高生。先生に思いをはせる女子高生。…。そして変態教師??理事長に媚びる教頭…。
    謎の女性。そして見えない男。とにかく濃密な蜜の味!癖になりそう。「悲劇喜劇」に戯曲が載っているのでまた何回か読み返したいと思う。

  • 満足度★★★★

    余韻が長く続いて幸せ
    現代日本語の親しみやすそうな会話劇…では全くなく、説明ゼロでさらりと時空を超え、迷子になったまま最後まで抜けられない。最高。二階堂ふみさん…確かに「恐ろしい子…!」だった。演技も声もいい。十代なんて信じられない。古典戯曲もやって欲しい。

    私もパンフ(800円)とてもおすすめです。岩松さんと高橋源一郎さんとの対談があるのです。これが…すごい。ああ、やはりあの場面がクライマックスだよね!と、一人納得(勘違いの可能性最大)。

    ネタバレBOX

    カエターノ・ヴェローゾ「Cucurrucucu Paloma」。彼女を家まで追いかけた、あの瞬間。
  • 満足度★★★★

    幻想のような現実、あるいはその逆
    岩松了の作・演出作品は初めてで、意外な印象を受けた。幻想的というか、詩的な空気感。時間軸の交錯も多く、付いていくのが大変だったが、必死で付いていきたいと思わせるもので、物語が進むにつれてどんどん引き込まれていく。台詞の一つ一つが、実に丁寧に練り込まれている。工夫が凝らされた舞台装置も見事。役者陣では、大森南朋はもちろんだが、二階堂ふみの狂気と存在感にも驚かされた。趣里、大西礼芳も、黒川芽以も単なる引き立て役ではない。

    ただ、一般向けの娯楽作品というよりは玄人向けのアート作品。クスリとさせられる場面も少なくないが、難解さのほうが先行する。ミーハーな気分ではなく、覚悟をもって観に行くべき。パンフレットは800円と手頃な価格設定にもかかわらず充実しているので、これは購入必須。

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