不道徳教室 公演情報 森崎事務所M&Oplays「不道徳教室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    当日券で観劇
    チケット予約したにも拘らず、入金締め切り日を間違えてしまい当日券で仕切り直して見に行った。
    川端康成の「みずうみ」が発想ということだが、昔「みんなのうた」で聴いた大貫妙子の「みずうみ」みたいな世界観かな、と勝手に予想していたら、当たり前だがそれは関係なかった。
    が、岩松作品にしては比較的分りやすく、都会的な現代文芸作品を見たような印象。面白かった。
    いかにも山の手にいそうなリセエンヌ風の女子高生3人組、制服姿も似合ってて可愛かった。
    舞台にいる二階堂ふみさんは、白目を剥いて滝修行してても違和感ない貴重な女優さんだ。毎回思うが、おそろしい子‥w!

    ネタバレBOX

    冒頭、暗闇の中からいかがわしい声が聞こえてくるものの、特別激しい何かが起こるわけではない。高校で現国教師の山城、教室で居残りさせられている生徒のあかねを軸に話が展開する。居残りの原因は課題作文の「将来の夢」が書けないからだと言うあかね。

    教室から一歩出ると、秘密の場所で仲の良い友達と自己満足のお笑いセンスを発揮して放課後の一時を楽しんでいる。あの放課後の楽しみ方は妄想よりも空想を好み、森の中では実在するのか想像なのかグレイという人物まで登場する。現実では大人になりたいが恋してる自分に夢見てる、実際は背伸び出来ない女子高生そのもので可愛らしかった。

    山城とあかねの、教室の窓から見える相手までの距離や、花屋のショーウィンドーから見えた姿とか、一つ一つの行動に相手の依存と必要度が上がっていったのか。そして越えちゃいけない一線を越してしまう。その一線の言葉のやり取りは穏やかではないが、美しい台詞遣いで透明感ある描写だった。季節は巡り、周囲の注目、公への密告、山城のストーカーという行為が露呈となるが学校生活はまだ続く。

    冒頭の「将来の夢」がここに繋がっていたのかは分らないが、卒業後の進路によっては仲の良い友とも離れるかもしれない、ずっと好きだった男の人は自分の元から離れていくかもしれない、女子高生の他愛無い恋愛感情と友情ごっこの亀裂。久子、弥生の処女性とあかねの非処女性からくる無意識の三者三様友情の境界線。自分達の感傷的な一面もあったのか、言葉に気持ちをのせて話す事を避ける気分のまま時間だけ過ぎていく。
    川端文学に関わらず、昭和初期の文芸作品とか読んでいると、美少女崇拝のような美少女信仰が顕著にあると思うが、この山城も少女美化みたいに、あかねへの思いが神聖化していたのかも。
    その対極にいたのが、リカコだったのではないのかなーと思った。

    森の中に吸い込まれていくかのようなあの場面は、山城はあかねに手をかけたんだろうか。

    岩松さんは変わらず面白い芝居をされる、それだけでもう満足。

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    2013/06/21 02:28

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