モルディブの星 モルディブの月 公演情報 モルディブの星 モルディブの月」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
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  • 満足度★★★★

    この数年活動を停止していた劇団東京イボンヌが活動を再開するということで、その公演を観てきた。作品は主演女優がダブルキャストで、孝島佑香が主演を務めるのが『モルディブの月』、坂口彩が主演を務めるのが『ノルディブの星』で、他の役はシングルキャストで話の内容は全く同一。主演の女優が変わるだけで舞台がどう違ってくるのか、それを楽しめる貴重な公演であった。

    主人公は宇都宮でキャバクラ嬢をしていた田中布美。キャバクラを辞め、海と星の美しさに惹かれてモルディブに行きダイビングのインストラクターを目指していたが、子供が欲しくなって日本に帰り結婚し一児の母に。しかし、夫を愛しているわけではなく子供が欲しかっただけの布美は専業主婦に飽きてきていた。そこで地元の飲み屋で知り合った会社員と仲良くなり、布美は再び自由を求めて子供を連れてモルディブに。彼女には、新たなパートナーとして会社員だった男がそばにいた。
    途中、布美の妹や宇都宮のバーのマスターなどの絡みもある、90分の作品。

    フライヤーに「何かを選んだら何かを手放さなければいけない」「人生は、選択の繰り返し」と書かれていたが、まさにその選択の苦悩をしんみりと演じていたのが主演の女優二人。孝島佑香はどちらかといえば精神的な表現に長けていて静的な雰囲気で、反対に坂口彩は動的な演技で田中由美を演じていて、共演者はそれぞれの持つ雰囲気に引っ張られて月と星を自然と演じ分けていた。
    個人的な好みのから言えば、坂口彩の演技に見入っていた。
    それと、男優陣でモルディブのインストラクター役を務めた森山太と、布美の夫役を務めた米倉啓は、独特の存在感があって興味深くその演技を観させてもらった。

    過去の東京イボンヌの作品の『無伴奏』にどこか精神的に通じるところがあるように感じたこの作品。演じる女優を変えて再演したら、さらなる発見があって面白そう。

    この公演を機会に、東京イボンヌの活動再開を祝したい。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/01/30 (水) 19:30

    価格3,800円

    【月・初日】
    マチネの「星」のヒロインは結婚後が「感情が死にかけている(が、時々爆発する)=鬱的」な印象だったのに対してこちらは「終始イラついていてトゲトゲしい」みたいな。
    また、序盤に「間違い探し」的な小さな違いがあり、福島さんと話してみたらマチソワ間で修正した由。この修正によってワカり易くなり、ツッ込みどころも解消されたと思う。

    【余談】
    音楽は台詞で名前も出てくるラヴェルを中心にデイヴ・グルーシン(「黄昏」だよ♪)、ジョージ・ウィンストン(そして最後はバッハ?)のピアノ曲にアレはポリス?
    「マ・メール・ロワ」というのはマザーグースがモチーフのビアノ曲集で、タイトルもほぼ直訳。(綴りは古式)

    ネタバレBOX

    【修正箇所】
    バー「シープ」での場面、「たった今、アキちゃん帰ったところ」というマスターの台詞がアキちゃんから「妹さん」に変わったことで関係が早めにワカる。(でないと中盤(?)でアキが田中を「お義兄さん」と呼ぶまでワカらない)

    マチネの「星」では吉行からペンダントを貰った布美がすぐにパッケージの蓋を開けていて、購入時に包装することを薦められて従った筈では?……と思っていたのが「月」では開かずそのままカバンに入れており、納得。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2019/01/30 (水) 14:00

    価格3,800円

    【星・2日目】
    内容がクラシック音楽とさほど密接ではないのはこの団体を初めて観た第2回公演「ブレス」(2008年11月)に近いか。
    そして連続ドラマに喩えればプロローグのモルディブの場面は月9っぽかったが、ヒロインが結婚して5年経ち夫との関係に悩む本編は水10のような感覚?(私見)

    ある憎まれキャラの行動原理が澤村伊智原作・中島哲也監督「来る」の妻夫木聡が演じた役と通ずる気がしたり、そんな理由で結婚するとそういう末路かと思ったりも。
    また、イイ人二人とヤなヤツの人物造形がリアルで「いそー!」みたいな。
    ちなみにヤなヤツを演じた方はカーテンコールで全く別キャラだったので一安心。(笑)

    小道具は使わずすべてマイムで表現されるが、バーのマスター堀が拭いているグラスやヒロイン布美の夫・田中が冷蔵庫から出して呑む缶ビールなどを筆頭に、あたかもそれらが見えるようだったのもお見事。

    ネタバレBOX

    「子供が欲しい」という理由(だけ?)で結婚するのは愛情が二の次になってしまい、その後の結婚生活が味気ないものになってしまうというのはホント他人事でなく、身につまされた。(爆)
  • 満足度★★★

    鑑賞日2019/01/31 (木)

    31日ソワレ「モルディブの星」(90分)を拝見。

    ネタバレBOX

    個人的偏見を全開で言わせて頂くと、航空会社や旅行会社がスポンサーの、番組改編期の2時間スペシャルドラマ!てなテイストの作品です。
    随分と甘口のカクテルのようなストーリーだなぁ…すれっからしの観劇オジサンの正直な感想です。

    とはいえ、実は結構、満足して帰路につきました。
    なんでかというと、カフェバーというアットホームな空間に相応しい、役者さん達のオトナの演技に魅了されたからです。
    とりわけ、ヒロイン役の坂口彩さん。安らぎを得ての朗らかな表情~現実に苦悩する表情、への行きつ戻りつには、すれっからしの観劇オジサンでさえ、素直に感情移入させてもらいました。

    最後に配役について記しておきます。

    東京から来た会社員・吉行
    …樋口大悟さん(経歴を拝見しました。頭が下がる思いです)

    田中布美(「モルディブの星」ヒロイン)
    …坂口彩さん(卓球の福原愛さんが美人度UPしたような方)

    布美のふたごの妹・亜紀
    …河村早映さん

    行きつけのバーのマスター・堀
    …本田和大(ほんだ・かずひろ)さん

    布美の夫・田中
    …米倉啓(よねくら・ひらく)さん(演技を超えた?!サイコパスぶりに驚愕!)

    餃子屋2代目・深川(亜紀の彼氏)
    …鈴木将元さん

    モルディブのダイバーインストラクター・明知
    …森山太さん(何気に巧い!方です)

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