僕の東京日記 公演情報 僕の東京日記」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    上演時間2時間30分!
    今回ほどスタッフの丁寧な案内に感激した事はなかったですね。
    とにかく、大塚駅の方から劇場案内が出ており、受付に行ったら行ったで会場までスタッフが案内してくれて、懇切丁寧に対応して頂きました。

    以下はネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    さてはて・・・勿論ここでは上演時間について触れなければならないでしょうね。

    小劇場上演時間2時間内という、なんとな~く、無言のうちに出来上がっちゃってるこの掟に逆らうかのごとくの2時間30分!


    これが長く感じるか短く感じるかは芝居の内容によります。

    ドラマはとあるアパートの中での出来事です。
    良くも悪くもこのアパートから離れて壮大な場所に移るという事はありません。
    1960~1970年代のベトナム運動から始まって学生運動、更には街にたむろするフーテン、ヒッピーと現在の団塊世代の方達が主役となっていた時代の設定です。
    このアパートでは下宿屋風に大家が皆の食事の用意をしている所をみると家賃+食費がセットのようです。

    このアパートには、女優になりたいという雇われママや強制的に学生運動に加担させられた学生、チンピラ、普段は公務員だがそれ以外はヒッピーという二つの草鞋を履く男・・・と様々な若者が見えない明日に向かって模索する姿を描きます。

    たぶん・・・あの時代の人間関係や背景は実にリアルに表現しているのだと感じる。
    が・・・とにかくアパート内での出来事が延々と続くのである。

    壮絶なクライマックスも、まさに樹海レベルの磁場が狂うような出来事もなければ、脳が溶けそうになる熱い出来事もないのである。
    かといって、「父さんの背中、けっこう小さかったんだね。」みたいな哀愁を漂わせるシーンもないのだ。
    スポコン魂丸出しの生きてる事が精一杯って状況でもないし、ダイナミックな展開もなければ極限状態に陥る訳でもない。

    とにかくアパート内での会話劇を延々と丁寧に紡いでいく手法だ。

    今、フライヤーを確認しながら記憶の呼び水をたっぷり与えても、コメディだったのか、それとも何かを心理的に訴えたかったのか、ただ単にあの時代はこうでしたと説明したかったのか、今もって分からない。

    ワタクシにとっての芝居とは、時代の説明だけなら、じつにどうでも良い事なのだ。
    説明だけならニュースやビデオで理解できる。


    どこまでも暴走するくらいのロマンチック・エンジンやあまりの恥ずかしさに鼻から血を噴出すような設定に「ああん」と我ながら会心の色っぽい溜息を漏らして卒倒する物語か、夏空に呵々大笑するような物語か、あるいは、死体を数えるくらいの陰気な声で妖怪たちが宴をしている場面とか、そういう怒涛の設定が欲しいのだ。

    だって、芝居ってそうゆうことが出来るからお芝居なんでしょ。


    今回の芝居はあの時代の背景と人情溢れるアパートでの出来事。というのが正解なんだろうか・・。



    良くも悪くも大きなうねりはなかったです。

  • 永井脚本
    若い役者に、この芝居をさせるのは、主宰の考えありきなのだと思います。
    多分、役者さんたちは、時代背景等、勉強したのでは…。
    問題は、観客側の“知識”ですよね。
    別の劇団で「用語集」が、配られたことがありましたが…。

  • 満足度★★★

    評価の基準
    後で気がつきましたが、この公演は「革命」と「自由」の2本公演でしたが、自分が観劇させていただいたのは「革命編」でした。当時をよく描写していますし、観ている者に伝えたいこともちゃんと伝わってきます。ただそれは、いい年した自分だからだと思います。若い方には、これは厳しい作品です。この作品は脚色をあまり加えず、リアルな当時の姿を描き出そうと試みていますので、作中の台詞も出来るだけ忠実に当時の会話を再現していますが、若い方にこの試みが正しく伝わるかどうか・・・、演劇の中に使われる言葉が当時の会話に非常に近いのですが、当時の人たちにはその言葉一言で通じる共通認識を前提にしていたから会話になっていたので、何も知らない方にはこの言葉からイメージをつかめるか疑問です。セクト、内ゲバの一言で当時の学生運動に身を投じ続けた者と脱落していった者の心情、背景がありありと思い浮かびますが、予備知識の無い方がその会話に最後まで集中するにはキツイものがあります。本作品には解説を加える余地は無いので、前説で作品の世界に入りやすくなる予備知識、解説を若い方のために設けてみたほうが良かったのではないかとも思います。意欲のある公演だけに、いい評価にしても悪い評価にしても妥当な評価が与えられずに扱われるのではないかと心配です。

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