暮れゆく箱庭の中で 公演情報 暮れゆく箱庭の中で」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    登場人物の全容が解ってからの展開、意味していたコトは面白く、良かったのですが、それまでがリピートの多さなども含めての作り方がもったいなく感じました

    ネタバレBOX

    風紀委員が同じパターンで何度も登場するところなど、最初は一人だけ、次は二人、そのあとに三人登場させるとか、三人出てくるが前倒しみたいに、前の人の口上中にかぶって登場するとかの変化があれば、もう少し違った印象になったのではないかと思います。
  • 満足度★★★

    タイトルやチラシは叙情豊かな感じを思わせるが、内容は難解にも思えるような。人によって解釈や楽しめ方が分かれそうな作品ではないだろうか。
    正気と狂気を行き来するような展開の先にあるのは…。
    (上演時間1時間20分)

    ネタバレBOX

    舞台は素舞台に近く、クッションのような椅子が数個あるのみ。
    物語は1人の少女が学校(教室)から帰らないため、男子生徒が一緒の帰宅を促す。何回か同じようなシーンが繰り返され、その合間に学校の風紀委員なる者たちが自己アピールを兼ねたパフォーマンスをする。このシーンが冗長に思え、劇全体のコンセプトや雰囲気を曖昧にしていたようだ。

    登場人物はクラスメイトと担任教師と先に記した風紀委員(3人)である。ラスト近くに解ってくるが、それまでの内容は主人公自身の経験・投影した姿のようでもある。劇中で語られる分身(ドッペルゲンガー)であるとすれば、現在と過去のバージョンがお互いを照らし二重人格的な描き方になっている。一方、現世ではなく、苦悩・苦痛からの逃避を試み臨死的な世界にいるとすれば、自分自身を別の場所から俯瞰しているとも思える。”こちらの世界へ”という台詞が意味深であった。
    一つの舞台からこれだけ解釈・印象の異なる作品を作っている手腕は素晴らしい。人の底深さ、底知れなさを覗いたようで少し不気味に思った。

    具体的には少女・朱音(天野麻菜サン)の心の嘆き、その流れを静かに受け止めているが、いつの間にかぐにゃりと歪められてくる怖さ。クラスの男子生徒・蒼太(石田達成サン)が親から虐待を受ける、女子生徒・真白(鶴田まこサン)が担任との不倫やその過程で起こる援助交際などは、朱音自身の体験か妄想か?一種のサスペンス風に展開しているところは面白い。ラストは、先に記したような朱音の脳内をあたかも現実のように表現させて行く。それまで見たシーンを幾層にも絡め深層の世界に誘い込むような感覚にさせる。

    しかし、描きたい内容をある程度ストレートというか素直に展開させなければ、観客にその意図は十分伝わらないと思う。例えば、シリアスなシーンと風紀委員のコミカルなシーンが交互というのはどうだろうか?緩衝と緊密の落差狙いであれば、ワンパターンの多様で冗長であり違和感を覚えたのは残念。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    物語の展開がまだ見えない序盤は、多くのパーツがファジイに動き現れる。
    最大の鍵である主人公の精神世界と障害が見えると物語りの霧が晴れ渡る。
    確かに面白い展開で見ごたえはあるものの、序盤の展開なり当日パンフなりで
    もう少しわかり易く匂わせてくれると優しかった。
    散らばったパーツが一つになる醍醐味も良いが、
    序盤のモヤモヤ感も居心地悪い。
    相対的には良く出来た物語で役者さんもキャラの濃いいい顔ぶれで面白かった。
    次に何を出してくるのか楽しみなところ。

  • 満足度★★

    高校生らの話であるが・・・・
    割と出尽くした感の強い設定に
    方向性の定まりきらない風を受けた1時間20分

    う~ん・・・かな

    ネタバレBOX

    幼い頃に父(本当のか だらしない母の情夫だった可能性も示唆アリ)により
    家庭内暴力を受けて解離性同一性障害となった女の子が
    分裂した自我を高校内という設定で実際の現実世界に出る人格を抽出する話・・・
    で あってるかなぁ・・・・と
    暴力を受ける男性人格の方の声が大きすぎたかなぁとは感じた

    風紀委員3人組と下半身のだらしない男性教諭は
    どう精神世界と関わっていたのか
    現実なのか理解は不透明でしたなー

    いろいろと説得力と透明化が・・・・と感じたデス
  • 満足度★★★★

     序破急の内、破までは帰ろうか? と自問する程、陳腐な展開。尤も下らないギャグや女子の子供っぽい振りをしたじゃれ合いの中に若い女性が笑えるよういなネタは仕込んである。いずれにせよ急に入った途端、総ての意味が明らかになってくるので途中までの冗漫は一種のカモフラージュ及び状況の深刻さを際立たせる為の対比と解釈しよう。(追記2017.12.8 01:40)

    ネタバレBOX


     何れにせよ、多くの観客が理解不能な作品ではないだろうか? 問題は主人公の朱音が多重人格者であることに気付くか否かなのである。これに気付けば問題は氷解する。舞台は、学内の余り誰も寄りつかない場所か、彼女のクラスで展開する。そのクラスで消える人々がある謎や風紀委員が矢鱈登場する謎、そして茜の親友であり、優等生、スポーツ万能の真白が担任教師と不倫関係にあり而も彼に貢ぐ為にウリをしているという不可解にも解が得られるのである。
     クラスで消える人々の謎は簡単であろう。総てが、朱音の別人格だからだ。だから、彼女を守る男子は、彼女と性的関係も無いのに、彼女が常に隠していたリストカットの傷を知っている訳だし、彼女を守る盾として女性より膂力の強い男性なのである。また真白がウリをしているのは、彼女の女性の武器である肉体を売って男に貢ぐという汚れ役を代替わりすることによって朱音を守って居る存在なのであり、更に深読みすれば、大人と権威の象徴として描かれている教師自体がもう独りの朱音の分身である。そうであることによって朱音の内部に社会が完成し、分裂体としての自己の安定性を得るからだ。
     これらの代償行為(自己欺瞞)を指弾するのが風紀委員たちである。これも簡単に理解できよう。従って彼らも実際に存在してはいない。
     さて、基本的な種明しはした。ラストをどう解釈するか? それは各々で考えて頂きたい。

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