満足度★★★★
鑑賞日2017/01/09 (月)
現代と過去、夢とうつつを行き来する100分間の舞台は 、現代の世界では、「僕」と妻との離婚話が進んでいる様子で、かなりシリアスな状況。これに対して、大正時代のパートは、座敷童や山神、河童まで登場する、随分と牧歌的なトーン。
そして、現代・大正、二つの時代に共通するキーパースンが、「こどもの夢を叶える」サンタクロース。
幾重にも張り巡らされた伏線が、観客の予想の恐らく数歩先を行く形で回収されていく、極めて綿密なシナリオの作品です。
とりわけ結末が、ほのぼのファンタジーで締めくくるかと思っていたら、ダークファンタジーとは!
既視感のないストーリーに大変心惹かれました。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/01/07 (土)
観始めてすぐ、舞台の上を縦横無尽に走り回る俳優の身体と声に圧倒される。そうだった、そういう人たちだった、と改めて思い知る。
平成と大正の12月25日に起きた出来事を軸に、人の求めるものと信じるものについて描く。
土着性とスタイリッシュさが同居する中で、奇妙な痛みと切実さを感じさせた約100分。
満足度★★★★
鑑賞日2017/01/07 (土)
座席Q列9番
価格1,000円
2016年のクリスマス・イブ、「妻」のある身である「僕」が深夜に呼び出されて訪れた「彼女」の部屋で聞かされたのは彼女の祖父を中心とした大正時代の東北の村と「ある風習」にまつわる話……な物語。
その異色の取り合わせ(+α)によるレトロなファンタジー感と現代パートの結末(=全体の結末でもある)の切れ味のよさが好み。
満足度★★★
鑑賞日2017/01/03 (火)
Webサイトのどぎついピンクが示すように、柿喰う客とは数ある劇団の中でも特に独特の色を持つ劇団です。そのどぎつさを真に堪能するには、ある程度はステージと距離を取って鑑賞した方が良かったのかも知れません。今回は特典欲しさに極楽シートを取りましたが、本多劇場の最前列は、全体を俯瞰するには厳しく過ぎました。
サンタクロースに包丁で切り付けたり鉛玉ぶちこんだりと、敬虔なキリスト教徒が眉を顰めそうな別のスリルもありました。七味まゆみさん演じるそのサンタクロースの動きが秀逸すぎて、未知なるものへの恐怖、不気味さが充分に伝わりました。
しかし、あまり席が近すぎるのも考え物ですね。終盤近くまで必死に食らいついていましたが、振り落とされました。できればもう一度、後方の席から観てみたかったです。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/01/06 (金)
できればクリスマスの時期に観たかったと思いつつ観劇始めです。
七味さんvs玉置くんは最高か……!となるし、深谷さんの迫力にびびるし、夏さんは可愛く小憎たらしいし、葉丸さんとのスペクタクル対決見応えあるし、長尾さんは可哀想だし、いろんなものが詰まった駆け抜ける90分でした。牧田はほんとうに上手くなったね……(怒鳴る演技を見て)
満足度★★★★
柿喰う客さんの作品は何度か拝見しておりますが、今まで見た中で1番面白い作品だったと思います。身体表現と照明の使い方がクセになりますね。
劇団員が増えたことで、たしかに全体のバランスとしては賛否両論かもしれませんが、アフタートークで中屋敷さんが「主役も脇役も関係なく、全員で虚仮威という世界を作り上げるという意識を持つために、稽古中は同じ役をいろんな人がやって適性を図った」とおっしゃっていたのが印象的でした。今回は新メンバーが加わって初の本公演でしたが、これから先ますます進化していくことを期待しています。
満足度★★★★
9年目までやってた劇場サイズから、10周年から本多劇場レベルにスケールアップしての舞台ですが、まだまだこじんまりした感がありますね。今後、本多劇場レベルで、今までのスピード感と大きな見せ方ができれば、とっても面白演劇になると思います。
私はこれで良いとは思わないけど、どんどん続けていけば、良くなっていくと思う。
話の内容はとても好きです。
満足度★★★★
鑑賞日2017/01/07 (土)
劇団員を増やした事もあり若干のバラツキがあるし、相変わらず商業チックなノイズもあるものの流石の出来映え。古くからの劇団員のパワフルさばかりが目立つのは現段階では致し方なしか。古参の劇団員ならどの役もこなせそうで本編が既に乱痴気の雰囲気。新劇団員による次作での本格的な飛躍に期待!
満足度★★★★
女体Sシリーズは第1作のみ、漢字三文字シリーズは「世迷言」以来。久々に柿喰う客の「現在形」を目にする事ができた。(大晦日夜の部の時間帯のお陰。)
中屋敷氏のテキストのノリ、役者の発語のノリ、一つの癖になりつつあるか。昔ばなし的な「語り」の台詞はそれ自体は意味内容が簡易なものゆえ、色々とアクションを沿えたり物言いを「型」に嵌め込んだりしている、という風に見える。(つまり、中身が薄いから勢いやノリで箔をつけねばと思っているらしく見える。)
ただ、息の合った動きや台詞のリレーの「型」、リズムが(好みか否かは別にして)密度の濃い流れを作っていて、そのリズムを壊す(ずっと流れているバック音楽もそこで途切れる)ことで、場面の変化が際立つという事がある。この「際立たせる」手法は、目くらまし的だが作者の「物語」世界には有効な文体でもあろうかと今回見ながら思った。
伏線がそれと知れずに潜伏し、ラスト近く浮上して解消される、という仕掛けが今回もあったが、荒唐無稽でもそれなりに楽しめた(伏線回収の快感があった)のは、サンタクロースという存在を日本の明治維新後の「欧化」された場面に登場させず、地主小作関係がなお残る農村に、欧米的なそれを換骨奪胎して存在させた点にあると思う。伝承物語の翻案の域を出ない本作も荒唐無稽さを目一杯盛り込もうという意志は感じ取れ、そこを応援したくなった。
が、どこか綺麗に「まとめ」ようとする底意も見えて、そうしなくとも成立する劇であって欲しかったのも本心。最後の礼まで「操られた動き」に仕立てていた。「作り事」である事など断らずとも、判ってると言うに・・。
が、村人C~∞や、座敷童役などの「周辺組」による息抜き場面の面白さはやはり「型」の作りとの兼ね合い。ストーリー語りにはさほど重要ではないが、芝居にとってはこの「茶々」が大事なアトラクション。
で、「型」に埋没したかに見えていた俳優らがいつしか心情をリアルに見せ始める後半。「型」で武装して「感情表現下手」を糊塗していたのでなく、俳優には「型」をこなしながら心情もスピーディに表現する高いハードルを課している、が真相かと推察し始めた頃には芝居は終盤。
本心を言えば、今ある力みを3割程度でいい、抜くことで「動き」や「変な物言い」につぎ込んでいるエネルギーを感情表現つまり存在の信憑性(演技論になって来るが)にシフトし、それで成立する芝居を書き、また演じてほしい。
本当の本当の気分を言えば、柿喰う客(あるいは中屋敷法仁)が本当に言いたい事をまだ言えずにいて、周辺をなぞってるか、「まだ本気を出していない」レベルの芝居を「ごめん、今回は書けんかった、今度絶対書くけん」と謝りつつ忙しく駆けずっている姿、を見せられている気分は拭えない。(結局褒めてない。)
満足度★★★★★
鑑賞日2016/12/31 (土)
12月31日(土)、大晦日21時からの回を観劇。12月に見た、11本の中では、一番好きかな。面白かったです。役者さんも素敵です。帰りの電車の中、幸せ気分でした。また、終演後の年越新春イベント(23:00~翌0:40位)、楽しめました。紅白歌合戦、パフォーマンスも含め、良かったです。他、引きつった笑いのセンスに引きつりました。
満足度★
鑑賞日2016/12/28 (水)
価格4,800円
無差別、天邪鬼、以来の観劇、にして、今年最後の観劇。新メンバーが入って色々と一新...
かと思いきや、いつもの柿喰う客でした。(良くも悪くも)
新しいメンバーが入ったのならば何か新しいものを見せて欲しかった印象。変わらないというよりも成長が見えないと言った方がいいのかもしれません。
ちょっと今年最後の観劇にしては残念な感じではありました。