日射し 公演情報 日射し」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 20080616
    (○´ω`○)ノ

  • 満足度★★★★★

    一粒で二度おいしい
    今回はRAKENOH+の長堀博士による脚本(3度目の提供)、前半の朗読劇風のパートはそちら寄り、それが途中で一転して SPIRAL MOON 寄りになるという「二段階構造」で、どちらもよく観ている身には盆と正月が一緒に来たよう?(笑) 
    この2つのパートの場面転換もアイデアが凝らされており、前半の布に覆われた抽象的なものが、短時間で次々と布が外されてリアルな日本家屋が出現するのにはビックリ。 
    そんな中で描き出されるのはある家族の物語。前半で家族の歴史を語っておいて、後半は三姉妹が集ったある日のひとときを切り取って見せるという構造、座敷童(笑)のようなフシギな登場人物もからませて、適度な笑いもはさみながら、持ち味であるふんわりとしたあたたかさに包まれるような感覚が心地良い。
     
    なお、18日にE列8番でリピート

  • 満足度★★★★

    ほわあんと温かく
    日射しが温かい気持ちにさせてくれました。リーディングと芝居を混ぜた構成も効果的だったと思う。

    ネタバレBOX

    副題を「すいかとそうめん」にしてもよさげ。三姉妹がみんなスイカ買って実家に来るって、可笑しいけれどさすが姉妹ですね。

    見終わってみると姿を見せない猫っていうのも意味ありげだなと思いました。
  • 満足度★★★★

    陽だまりの中で。
    家族がテーマです。

    ある家族の風景を描いた作品。
    セットは淡い色の布で一面を包み柔らかい雰囲気を演出しています。

    冒頭、女性3人がリーディングで、物語を進めていきますが、全体的に優しく丁寧に丁寧に仕上げた作品です。

    公演中なのでネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    3人の姉妹を軸にして両親の結婚に至った経緯や兄・太陽が3歳で亡くなった後の家族、3人の姉妹の生き様などを、とても優しく柔らかく描いてゆきます。

    3人の姉妹はそれぞれ独立し育った家から離れてゆきますが、自分たちの生活に追われて実家とは疎遠になっていきます。


    母の臨終には結局、父しか間に合わなくて父はずっと母に「ありがとう。ありがとう。ありがとう。」と何十回も何百回も何時間も言い続けていた姿を目のあたりにした姉妹は、あんなに父に愛されていた母は幸せだった。としみじみ思うのです。



    母が居なくなって父が一人になっても姉妹は「お父さん、大丈夫?不安だね。」と言葉はかけても、父の元には帰らず、やがて半年が経ちます。


    ここでセットの布は外されバックには茶の間が出現します。
    中々の工夫です!




    父の誕生日に実家に集まった3人は不思議な体験をします。

    父が以前好きだった同級生のさよこの話を聞かされ複雑な心境になりますが、同時に自分たち3人の現在置かれてる環境も見直すきっかけとなります。


    一方で先天性の病で亡くなった兄・太陽はずっとこの家に住んで家族を見守っています。


    会社でリストラされても強がってるひじりに対して太陽は「いつも前向きな自分にも後ろはある。」と慰めてやったり、ひなたが縁側で物思いに耽ってる場面ではひなたの頭にそっと手を触れてナデナデするシーンもあり、涙を誘います。


    非常に繊細で美しく、ちょっとしたシーンの演出が見事です。


    黄泉の国からのさよこの出現は現実と曖昧さのギリラインですが、この部分、観客の感覚に委ねる演出も素敵です。

    明らかにさよこは死んでおり、死んださよこが今でも父を見守っているのです。。
    かつての父を思い遣ったがためにさよこが出した別れの経緯についても、姉妹は知る事になり、そのさよこのセリフで「家族」の大切さを再確認する事につながります。


    場面は変わり・・・
    太陽が亡くなって直ぐに母は父に別れを切り出しました。

    「あなたの心には別の女性が居る事を知っていました。太陽が死んだ今、別れたほうがいいと思います。」


    父は言います。
    「太陽は死んでも私たちの近くにいます。太陽が発した光が日差しとなって、私たちの家を暖かく照らしてくれている。私たちはきっと、大丈夫です。もっともっと幸せになれます。この陽だまりの中で一緒に生きていきましょう。これから沢山の家族と共に。私たちはまだまだ大丈夫です。どうか、これからも宜しくお願いします。」

    そうやって、この家には明るい日差しがいつも照らされているのです。




    ああ、何と強い日差しなのでしょう。




    美しく希望に満ちた作品でした。

    こうゆう暖かな作品を観ると、家族が欲しくなるんだよね。。

  • 満足度★★★

    舞台上の空気が心地良い
    芝居の方は、初日かと思うほどセリフを挟むタイミングがずれたり、とちったりと残念なところが目立ちました。
    いい本なのですが、ストーリー展開において少々役者間のやりとりに擬古ちないところが気になりました。
    個人的には、もっと芝居が長くてもいい、出来れば更に話が盛り沢山なイベントがあれば、もっと深い一つのストーリーが完成したと感じました、

    ネタバレBOX

    始まりはリーディング公演なのかと思っていましたが、途中からなんとも見事な舞台美術が登場します。
    舞台美術好きな私には、心ウキウキな展開でした。
    田舎の民家を再現した舞台が、生活観が漂っていて芝居を作った関係者全てに感謝です。
  • 満足度★★★

    全体としては・・・
    いい感じの作品だと思うのですが・・・。

    ネタバレBOX

    冒頭3姉妹が朗読のような感覚で語る自分達の両親の話。
    そこにはとても誠実な両親の像が描かれる。

    最初の男の子は幼少の頃に亡くなり、愛情一杯に育てられた娘達だが、成長した3姉妹はやがて家を離れそれぞれ独立した道を歩む。

    どこかおっとりした長女。
    しっかり計画を立て、それに向け努力をする次女。
    自由に我が道を行く三女

    キャラもしっかり描かれ、物語は淡々と進む。

    妻の死に際しても、不器用なくらい誠実さ一杯に描かれる父親。
    なのに、娘達が自分の誕生日に久々に集まってくれた日、娘達には何も告げず家には居ない。

    代わって、突然家の中に居る謎の若い女(お嬢)とその付き添いの男(爺)。
    どうやら父親の不在について事情を知っている様子。

    本人不在の実家に見知らぬ人間が居れば、当然まず
       「あなた誰!、父は何処?」
    となるはずだが、どうも一番気になることはするりとはぐらかされ、そのままストーリーは新たな展開に進む。

    お嬢が語る父親の結婚前の恋愛話。
    そこにもまた、誠実な逸話があるんだけど・・。

    う~ん、何だろ、この・・、どことなく、ちぐはぐな印象。

    演じる役者の人物像、描かれるキャラと、その後の展開が何となく馴染まない。
    ストーリーとして意外性はあるものの、どうもそれまで描かれたキャラとしっくり来ない。

    父親はどうしてるのか、その女は何物なのか、ディテールの部分は結局明かされず、最後まで曖昧な印象で、それは(舞台を観て)察せよ、という感じ。

    結末を曖昧にしたままの作品もしばしば見かけるが、やはり何となく消化不良のような感じが残った。

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