ミカエル 公演情報 ミカエル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/12/10 (土)

    最初は雑多な笑いから入って行くのに、ラストは真っ直ぐに人の迷いとか想いを鋭く描いてくる筆致は流石。前作『無情』は、激しく感情を揺さぶられが、今作はじんわりと沁み込んでくる感覚。外村道子が艶っぽくて印象的。キャスティングが上手いな。今作にぴったりハマってた。

  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/12/10 (土)

    面白くて笑えるのに心臓の下のみぞおちの奥あたりをギュッと掴まれるお芝居。
    男たちはガキっぽくてその場のノリで生きている感じで、女たちは計算高くて容赦なくて優しく乾いてる感じで、そういった本性剥き出しで交わす会話に心地よく吸い込まれていく楽しい時間
    ズレた人にちゃんとツッコんで、意見もぶつけて会話を成立させるから、見ていて胸がつかえずにおかしな人達を笑えるし、ノリや酷い有様も受け入れられる。
    とにかく会話劇としての脚本が上手くて、発せられる言葉が素晴らしい。
    見せたい自分と、見られたい自分と、求められている自分と、何もしない自分。誰かのためってことと、自分のためってこと。記憶を失って「0」の位置になれば、どれが本当の自分で正しい自分かわかるかも。男である自分には結構刺さった

  • 満足度★★★★

    ガス爆発
    主演の川島潤哉さんの演技に、観ている私も騙された。
    こうまでしないと相手の気持ちは判らないということか。
    そして判っても、それが幸せをもたらすわけではないということか。
    櫻井さんの”個人の超身勝手な理屈に普遍性を見い出す”視点が素晴らしい。
    主人公を取り巻くキャラの立ったユニークな人々が楽しい。
    客入れ時から劇中まで、BGMが好き、3ブロックに分けた空間の使い方が上手い。
    そして罵詈雑言は相変わらず“愛の証”。

    ネタバレBOX

    横長の舞台は3つに分割され、上手は友人の家、中央は喫茶店、下手はボロい部屋。
    川島(川島潤哉)はマンションのガス爆発により記憶喪失となった。
    妻の道子(外村道子)は、昔の楽しい思い出が残る部屋で暮らせば
    記憶が戻るのではないかと考えて、懐かしのボロアパートに引っ越してくる。
    ある日、町の喫茶店に入った川島は店の従業員飛鳥(後藤飛鳥)からひどく罵倒される。
    記憶を失う前の川島は、いったいどんな男だったのか、そして飛鳥に何をしたのか…?

    妻の前では理想のサラリーマンを演じ、飛鳥の前では奔放な自分をさらけ出す。
    結果妻からは物足りなく思われ、飛鳥からは振り回されただけと言われてしまう。
    求められる自分と本当の自分、使い分けは当人だけでなく相手をも疲弊させる。
    そんな現代人の処世術を皮肉に眺める視線が鋭い。
    周囲はただ面白がって情報収集するだけで、その心に寄り添うことはしない。

    彼の記憶喪失が本物かどうかが、最後に明かされる構成なので
    過去の再現シーンが無いことが物足りなさの理由かな。
    だが再現シーンで男の二面性を鮮やかに見せるのも良い気がするけれど、
    あくまで“川島自身”に添うかたちだったのも、それはそれでリアルな経過だった。

    喫茶店のマスター(澤唯)が絶妙の立ち位置。
    ダイナマイトボディ(古っ!)の伊達香苗さん、インパクト大!

    ラスト、妻と愛人の対峙に思わず泣きそうになった。
    一人の男の、全く違う面を愛した女二人が、傷つきながらもそれぞれを思いやる、
    “会話しない会話”の妙が素晴らしかった。
    これがあるから櫻井さんの罵詈雑言はやめられない。



  • 満足度★★★★

    見返り?
    この閉塞感がパない世の中で暮らす、ちょっと尖ってるんだけど現状を打破出来ずに悶々としてる若者以上中年未満の人間を描くのが上手い劇団だと思います。横長のステージをうまく使ってた。

  • 満足度★★★

    約90分
    物語全体の構図は割に明快なのに、ディテールの描き込み不足により分かりづらいところもあって、いまひとつ腑に落ちなかった。

    ネタバレBOX

    妻には理想の自分しか見せようとせず、愛人にはロクでもない本当の自分だけを見せていた主人公の中年男が、双方から不満を抱かれ、捨てられて孤独になる話。
    楽しかったと愛人の言う主人公との日々がどんなものだったのか、述懐だけでは上手くイメージできず、隔靴掻痒の感がありました。
    述懐するだけでなく、回想シーンも設けたほうが良かったのでは?

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