その人を知らず 公演情報 その人を知らず」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 20件中
  • グッバイ2008&ウェルカム2009
    海外古典を経て、東京公演最後にこの戯曲を持ってきたのは大正解。
    風習化していてみんなすっかり忘れているけれど、新年を迎える事それ自体は何もめでたくはないのです。どうあろうと時間は過ぎるもの。しっかり生きて、これまでの時間を生き抜いて来られた事こそを祝うべき。それこそ昔は生涯を全うする事さえ困難だった時代があった訳で。そんな中で一年を生きた事は何よりも尊い。観ていてそんな事を思いました。

    ネタバレBOX

    終演後の一発芸大会や振る舞われた料理、楽しませて頂きました。知人に会ったり初対面で御挨拶をしたり。みんな年末年始にこんな場所に来ちゃったお馬鹿さん達です。なんだか不思議な連帯感。演劇に足を突っ込んで良かったなー、とか思った。
  • 満足度★★★

    大晦日
    年越しバージョンは著作権が切れる瞬間の0時に時計が大写しになって、
    カウントダウンできるという、サービスぶり。

    多田くんの演出はいつもどおり、気が利いている。
    「古典」とよんで、おそれることはないなぁ。
    と実感。

    今回は夏目、2枚目に見えました(笑)。うれしい。

  • 満足度★★★★

    素直
    ものすごく直球な演劇。
    これでいいんだよなって思わせる。
    そして、これだけ直球な芝居を押し付ける(受け入れられる)土壌を作り上げている東京デスロックがすごいと思う。
    それと同時に、「完全なる固定客」が出来始めているということは劇団の冒険心が失われそうで怖い。普通は。
    しかし東京を出ることで、この劇団は素直さをとどめることは無いのだろう!
    劇団界に、必要な存在。

  • 満足度★★★

    3時間はあっという間。
    不思議な演出で3時間があっという間でした。
    面白い。

    ネタバレBOX

    組み合わせた机の上に窮屈に収まっている演出は、動け!!動け!!って本気で思わせてくれて、終戦後の開放感とか喪失感とかいろいろな感情を引き出してくれたと思います。

    しかし、朗読っぽさが抜けなかったのが残念でした。
  • 大晦日バージョン
    スピーカーがつかえない状況で
    ああ もってくるとは
    ふむふむ

    骨太で がつんとくる作品

  • 満足度★★★★★

    文句なし
    正月早々に09年ベスト観劇かもしれない。
    まったく難解ではなかった。意外だった。

    人がいて、生きていることの素晴らしさと哀しみ。
    それがただあるのみ。
    表現姿勢は極めてロックでありながら、
    『フォレストガンプ』や『ダンサーインザダーク』並に
    キャッチー。

    小道具や人の配置が
    絶妙な演出効果を産み、ハッとさせられること度々。
    暗喩のデパート。技のデパート。
    きちんとお金になる「見せ方」を目の当たりにした。

    09年はデスロックを追いかけて
    観客も東京を出てみるのも一興かも。

  • 満足度★★★★★

    自分が、その人を知っているかと問われた気分に…
    故・三好十郎の1952年の作品ながら、まるで古びた感じがせず、とてつもなく“いま”を考えさせられて、逆に怖い。戦争を背景に、信念や宗教や正義のありようを深く掘り下げた骨太な脚本も素晴らしいけれど、それをしっかりと甦らせた演出も見事だった。そして奇しくも、遠く、イスエラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区侵攻に思いを馳せながらの観劇に。いや、まったく遠くないね、ほんと近い出来事。

  • 満足度★★★★

    こびない天才
    多田淳之介氏は天才だと思った。

    前回拝見した公演は、その天才性に私が全くついていけず
    正直全くおもしろくなかったのだが、今回見て自分が浅薄だったと猛省。

    骨太かつ社会性のある脚本の解釈、
    現代に通ずるテーマの洗練、それを伝えるための演出。
    すごくおもしろかった。海外でもやって欲しい。

    隣のカップルが上演中「全然分からないねー」と小声で話していたが、
    休憩時間の過ごし方までプロデュースできたら
    もう少し伝わったのではないかなぁ、とも。

  • 戯曲もすごいけれど演出も・・・
    比較的シンプルな舞台に逃げることのできない閉塞感を見事に表現した前半部分、一方箍が外れたような戦後の社会を旨く表した後半部分・・・。

    目が覚めるような演出もすごければ、それを舞台に具現化する役者もすごい・・・。

    ネタバレBOX

    机にぎゅうぎゅう詰めで乗せられた人々の窮屈さと、その中でも凛とした声が開場に響き渡ることのある種の違和感が、時代を見事に表現していたように思います。

    赤いボールやチョコレートの本土空襲もわかりやすく鮮烈。

    また、終戦のどこか統一性の失した開放感の表現には目から鱗が落ちる思いがしました。

    音や光も含めて、終盤まで、見事に芝居を見せきった演出の技に瞠目。

    一方で戯曲が内包するテーマの普遍性がルーズになるどころか鮮やかに浮かび上がる演出でもありました。決して奇をてらった表現ではないのです。

    前述の通り役者達の力も十分で
    ほんと、3時間があっという間でございました。

    終演後のおまけ(お正月イベント)も実直で暖かくて・・・。
    大満足の新年初観劇でした。

  • 満足度★★★★★

    とにかく好き
    終演後に距離感が掴めなくなる位、面白かった。

    この作品は、私にとっては泣ける作品。
    そういう風に、個人の感覚として、作品を捉えたことが、得、だった。
    そういう風に、捉えることができて、
    私にとって、作品がそう観えた、ことが、得、だった。

    客入れの選曲から、照明から、好み。
    脚本が面白い。本当に、面白かったし、面白く伝わって嬉しい。


    ネタバレBOX

    国歌とか、出てくると、頭で考え始めると、鈍ってしまうけど、
    私にとっては単純な家族愛であったり、恋愛であったりの話でもあるし、
    もっと、言葉にしづらい、生き方の話であったり、えー難しいな。

    集団の話ではなかったのです。
    あくまでも、個人の話だった。
    私にとって。

    だから、こんなに面白かったのだろうな、と思います。
    いやー、観劇初めが、デスロックで、しかも、東京最後で、
    で、最後にこの戯曲をやってくれたことが、本当に、嬉しい。
  • 満足度★★★

    当日のパンフの説明は
    かなり詳細に三好十郎について取り上げている。だから、観劇前に読むか読まないかで芝居の物語の読解力が相当、変わってくるはずだ、と思う。
    それにしても、序盤のあの演出は何だ?

    猿山に蹲るサルかと思った。だって机を7個寄せ集めた上にニンゲンが窮屈そうに乗っているんだよね・・。

    以下はねたばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    まず、あらすじを抜粋。
    キリスト教信者となった片倉友吉は太平洋戦争のさなか、「殺すなかれ」という聖書の教えを守って出征を拒否し続けます。友吉に洗礼をほどこした人見牧師も翻意を促しますが効き目がありません。非国民を出したと、その家族にまで迫害は及びます。


    そして敗戦・・・民衆の態度は一変し友吉は反戦の英雄として迎えられます。人見牧師は教会を再興し、人見の妹治子は支配階級に翻弄された兄を目のあたりにして信仰を捨て、強固なまでの信仰心を持った友吉は見方によってはエゴイズムになる。

    友吉の父は迫害により自殺し、弟は投げやりになって出征を志願し死亡。母は友吉の潔癖すぎる正義感によってヤミ米を食べずに栄養失調で死んでしまう。

    戦争と言う題材を一人のキリスト教信者を客観的な観点から描いた作品。

    「ニンゲン、どいつもこいつもくだらねぇ。」なんてセリフが飛び出すけれど、

    そうなんだよねー。だってニンゲンだもの・・。

    総評・・言わんとしてる軸は良く解る。解るが演出の仕方が好みではなかった。たぶん・・「なんだろー?」と思った観客も少なくないはず。
    そう・・・なんだろー?なんだよね。演出が。

    正月早々、重い題材ではありました。

  • 満足度★★★★

    2009観劇始め
    2009年は「その人を知らず」2回目の鑑賞で観劇始めでした。
    三好十郎作品公共化で演出が変わるかなと期待していたのですが、演出は変わっていませんでした。
    でも、2回目の観劇で、最初は戯曲の言葉が右から左へ流れてしまっていた部分もスッと頭に入ってきました。
    なので1回目よりも世界にひたる事ができたと思います。

    これで東京最後というのは寂しいですね。

  • 満足度★★★★

    濃い
    重く濃い内容でしたが長さは感じなかったです。演出も好きな感じでした。

  • 拝見しました
    おつかれさまでした。

  • 2009年の初観劇
    デスロックの科白がある芝居は初見。日の丸国旗をプロジェクターでなく、照明で作ってるあたりがニクイ。小説を聞いているというより、頭をつかまれて凝視せよと言われた感覚。

  • 満足度★★★★

    この物語の幹は、かなり太い
    どんなに手を加えても揺るがないような「とっても太い物語」を感じた。

    デスロックだからたぶん80分、長くても90分ぐらいかな、と思い出かけた。ところが、なんと休憩を挟んで180分に迫る長さであった。
    確かにお尻は痛くなったが、物語には引き込まれた。台詞ごとにちょっと感動していたりした。

    物語は強く、魅力的であり、それだけでも先へ先へとひっぱる力があったことは間違いないのだが、このような刺激的で予測のつかない演出だったから、よけいに、どうなるのか、どういう結末へ向かうのか、といった牽引力が増加したのだろう。それは、普通に舞台セットがないだけ、よりストレートにこちらに届いてきたこともあるのだろう。

    ああ、面白かった。

    ネタバレBOX

    終わって考えたのは、今、この芝居が我々に示すものがあるとすれば、それは何なのかということだ。

    空気の読めないほどの主人公の盲進は、一見、世界から戦争がなくなることに通じるような気もするのだが、逆に戦争に進めるのもそういう盲進(あるいは妄信)がなせることで、主人公のことを手放しで「良い」と言うことはできない(主人公が徴兵拒否に立脚するのが「宗教」ということもあり)。
    主人公よりも、空気を読みすぎる一般の人々、簡単に転向してしまう人々にこそ、問題であるということなのであろう。この戯曲が発表されたその時点ではそのことは、多くの観客が痛いほど感じたと思うが、今、それがピンとこない我々も考えなくてはならないのではないか、と思ったりした。

    それにつけても、とてつもない長台詞と、無理な体勢などなど、役者は大変だなと思った。

    今回は、日の丸のもとにある、数台の机がセット代わりだったが、戦中は、それが整然と置かれ、隣近所や公権力との密接感、閉塞感が感じられ、戦後の雑然と机が置かれる様は、戦後の混乱期を思わせた。
    机が孤立してそれぞれに乗るシーン(しかもぐらぐらとしていたりする)に、家族や地域のつながりの解体を感じたというのは考え過ぎだろうか。
  • 辛かった…
    私には難しかった…

  • 満足度★★★★

    演劇的な企みに満ちた3時間
    何を書いてもネタバレになってしまう東京デスロック、というか多田淳之介氏の演出。

    途中休憩10分の、計180分。
    確かに長かった!
    いつも長さを感じさせない多田演出が、今回ばかりは長さを感じさせました。
    でもそれは三好十郎の戯曲に対して敬意を払っての事。
    デスロックの場合、その戯曲を一切削らずに提示する事、そしてそれによって180分という芝居を提示する事で逆に客が試されているという部分もあって、そこで負けずに集中して見れるかどうかでこの作品の評価は分かれるんでしょう。
    とりあえず観劇初心者向けではないことだけは確かですね。

    あと、芝居の内容とは別に、上演が開始されると空調を切るアゴラなので、さすがに180分経つと寒かったのがつらかったです。。。
    これから見る方は寒さ対策だけはした方が良いと思います。

    ネタバレBOX

    幕で覆われた舞台。
    デスロックの場合これが開くと何が飛び出すのか、というワクワク感がたまらないです。
    他の劇団の場合は単に大掛かりなセットとか、キレイな美術が隠されているだけかもしれませんが、今回のデスロックは学校の小さい机6つくらい(?)の上にぎゅうぎゅうにおしくらまんじゅう状態で体育座りで座っている役者の群れ固まっている状態が提示されます。
    そしてその後方には十字架状態の夏目さん。その上に投影されているのは日の丸。

    戦時中の日本。
    徴兵を拒否したキリスト教の男が非国民として迫害され、その家族も迫害され。問い詰める軍部や庇う神父等が、かなり抑揚を抑えて句読点で敢えて区切らないで早口に言うセリフをかなりの速さで繰り出します。
    どの人にも見せ場となる長セリフがあって、一心不乱に長セリフをマシンガンのように叩きつけるように投げかける。でもセリフ自体を聞かそうというよりは、その言葉の力や勢いを伝えようという様な気がします。
    長セリフには歌謡曲が被さる時が多いのですが、曲のボリュームは大きめで時には役者のセリフをかき消します。
    でも、それでもしっかりそのシーンで伝えたい事は伝わってくるのが多田演出の凄いところ。いや、観客が判ってなくても、理解できてなくても雰囲気がつかめていれば大丈夫という割り切りが潔いです。

    第一部は空襲と終戦で終わりますが、空襲は小学校の玉入れ使ったような赤い小さい布の玉が、かなりの勢いで舞台の上から役者に投げられます。
    当たると結構痛そうです。
    役者たちは机を防空壕に見立てて身を隠します。
    混乱と絶望と緊迫感の内に第一部が終わります。
    第一部の最後は役者たちが机を投げ捨てて、部隊の床のマットをはがして大騒ぎする絵で幕が降りて終わり。

    10分の休憩を挟んで第2部なのだけど、始まり方に第1部とあまりのギャップがあって戸惑いました。
    幕は降りたままで、工場の経営が悪化した事に対する労働組合の集会での風景。集会で集まった人々に語りかける様に、観客に語りかける。しかも、第1部はかなり難しい言葉が多くて客がセリフを理解するのを拒否している感すらあったのに、第2部では普通に口語調で、普通の演劇のように語りかけてきます。
    そして、そんな労働組合の英雄として主人公が招かれます。
    しかし・・・。
    彼は自分がした事で多くの人に迷惑をかけたと後悔していて、組合員に檄を飛ばすか、徴兵拒否という英雄的行為に対する英雄的話を期待していた組合執行部の思い通りの事を言ってくれません。

    戦後になってもなかなか居場所を見つけられない主人公。
    夏目さんはずっと十字架にかかったままです。戦争は終わっても十字架は外されてないのです。
    第2部始まりは黒い幕で覆われていた舞台の幕が開くと、中は壁に白い幕。
    途中で白い幕も外されます。
    すると、そこに出てくるのは大きな鏡を6枚くらい並べたもの。
    客席に対して真正面に置かれているために、観客はイヤでも自分自身の姿を、そして客席全体を見ざるを得ない事になります。
    これはかなり新鮮でした。

    最後、主人公は十字架から解き放たれて終わります。

    正直なところこの作品を理解できるだけの頭が自分にはなく、混乱したままの状態です。
    でも、これを「わかった」と言う人がいたらそれは何もわかってないのだと思います。
    このわからなさを引き受ける事がこの舞台の正しいあり方のような気がします。

    難しい言葉に突飛な演出。そしてそれらを現出させる役者に加えて今回は観客までその演出に引き込んだ。
    この演劇的な企みに満ちた3時間は、個人的には長くつらいものだったけど、そこまで含めて東京デスロックの作品なのだと考えると、「演劇って何だろう?」と考えさせられてしまいます。

    とりあえず、東京最後の公演なので年明けにもう一回見に行って目に焼き付けて来たいと思います。
  • 今年の観納め
    いい観納めでした。全く長さを感じられず。年越しも行こうかと思ってる。

  • 満足度★★★

    考えさせられる
    三好十郎の脚本はすごかった。

    この脚本ができたときは戦争がリアルの現実で
    それだけに台詞にも嘘がなく、はっとさせられる
    シーンがたくさんありました。

    うっかりするとグロテスクな舞台になりそうですが
    多田さんの演出で、すっと受け止められるお芝居に
    なっています。

    しかし3時間は長かったな‥
    体調万全で臨まれることをおすすめします!

このページのQRコードです。

拡大