グッバイ2008&ウェルカム2009
海外古典を経て、東京公演最後にこの戯曲を持ってきたのは大正解。
風習化していてみんなすっかり忘れているけれど、新年を迎える事それ自体は何もめでたくはないのです。どうあろうと時間は過ぎるもの。しっかり生きて、これまでの時間を生き抜いて来られた事こそを祝うべき。それこそ昔は生涯を全うする事さえ困難だった時代があった訳で。そんな中で一年を生きた事は何よりも尊い。観ていてそんな事を思いました。
満足度★★★
大晦日
年越しバージョンは著作権が切れる瞬間の0時に時計が大写しになって、
カウントダウンできるという、サービスぶり。
多田くんの演出はいつもどおり、気が利いている。
「古典」とよんで、おそれることはないなぁ。
と実感。
今回は夏目、2枚目に見えました(笑)。うれしい。
満足度★★★★
素直
ものすごく直球な演劇。
これでいいんだよなって思わせる。
そして、これだけ直球な芝居を押し付ける(受け入れられる)土壌を作り上げている東京デスロックがすごいと思う。
それと同時に、「完全なる固定客」が出来始めているということは劇団の冒険心が失われそうで怖い。普通は。
しかし東京を出ることで、この劇団は素直さをとどめることは無いのだろう!
劇団界に、必要な存在。
満足度★★★★★
文句なし
正月早々に09年ベスト観劇かもしれない。
まったく難解ではなかった。意外だった。
人がいて、生きていることの素晴らしさと哀しみ。
それがただあるのみ。
表現姿勢は極めてロックでありながら、
『フォレストガンプ』や『ダンサーインザダーク』並に
キャッチー。
小道具や人の配置が
絶妙な演出効果を産み、ハッとさせられること度々。
暗喩のデパート。技のデパート。
きちんとお金になる「見せ方」を目の当たりにした。
09年はデスロックを追いかけて
観客も東京を出てみるのも一興かも。
満足度★★★★★
自分が、その人を知っているかと問われた気分に…
故・三好十郎の1952年の作品ながら、まるで古びた感じがせず、とてつもなく“いま”を考えさせられて、逆に怖い。戦争を背景に、信念や宗教や正義のありようを深く掘り下げた骨太な脚本も素晴らしいけれど、それをしっかりと甦らせた演出も見事だった。そして奇しくも、遠く、イスエラエル軍のパレスチナ自治区ガザ地区侵攻に思いを馳せながらの観劇に。いや、まったく遠くないね、ほんと近い出来事。
満足度★★★★
こびない天才
多田淳之介氏は天才だと思った。
前回拝見した公演は、その天才性に私が全くついていけず
正直全くおもしろくなかったのだが、今回見て自分が浅薄だったと猛省。
骨太かつ社会性のある脚本の解釈、
現代に通ずるテーマの洗練、それを伝えるための演出。
すごくおもしろかった。海外でもやって欲しい。
隣のカップルが上演中「全然分からないねー」と小声で話していたが、
休憩時間の過ごし方までプロデュースできたら
もう少し伝わったのではないかなぁ、とも。
戯曲もすごいけれど演出も・・・
比較的シンプルな舞台に逃げることのできない閉塞感を見事に表現した前半部分、一方箍が外れたような戦後の社会を旨く表した後半部分・・・。
目が覚めるような演出もすごければ、それを舞台に具現化する役者もすごい・・・。
満足度★★★★★
とにかく好き
終演後に距離感が掴めなくなる位、面白かった。
この作品は、私にとっては泣ける作品。
そういう風に、個人の感覚として、作品を捉えたことが、得、だった。
そういう風に、捉えることができて、
私にとって、作品がそう観えた、ことが、得、だった。
客入れの選曲から、照明から、好み。
脚本が面白い。本当に、面白かったし、面白く伝わって嬉しい。
満足度★★★
当日のパンフの説明は
かなり詳細に三好十郎について取り上げている。だから、観劇前に読むか読まないかで芝居の物語の読解力が相当、変わってくるはずだ、と思う。
それにしても、序盤のあの演出は何だ?
猿山に蹲るサルかと思った。だって机を7個寄せ集めた上にニンゲンが窮屈そうに乗っているんだよね・・。
以下はねたばれBOXにて。。
満足度★★★★
2009観劇始め
2009年は「その人を知らず」2回目の鑑賞で観劇始めでした。
三好十郎作品公共化で演出が変わるかなと期待していたのですが、演出は変わっていませんでした。
でも、2回目の観劇で、最初は戯曲の言葉が右から左へ流れてしまっていた部分もスッと頭に入ってきました。
なので1回目よりも世界にひたる事ができたと思います。
これで東京最後というのは寂しいですね。
2009年の初観劇
デスロックの科白がある芝居は初見。日の丸国旗をプロジェクターでなく、照明で作ってるあたりがニクイ。小説を聞いているというより、頭をつかまれて凝視せよと言われた感覚。
満足度★★★★
この物語の幹は、かなり太い
どんなに手を加えても揺るがないような「とっても太い物語」を感じた。
デスロックだからたぶん80分、長くても90分ぐらいかな、と思い出かけた。ところが、なんと休憩を挟んで180分に迫る長さであった。
確かにお尻は痛くなったが、物語には引き込まれた。台詞ごとにちょっと感動していたりした。
物語は強く、魅力的であり、それだけでも先へ先へとひっぱる力があったことは間違いないのだが、このような刺激的で予測のつかない演出だったから、よけいに、どうなるのか、どういう結末へ向かうのか、といった牽引力が増加したのだろう。それは、普通に舞台セットがないだけ、よりストレートにこちらに届いてきたこともあるのだろう。
ああ、面白かった。
満足度★★★★
演劇的な企みに満ちた3時間
何を書いてもネタバレになってしまう東京デスロック、というか多田淳之介氏の演出。
途中休憩10分の、計180分。
確かに長かった!
いつも長さを感じさせない多田演出が、今回ばかりは長さを感じさせました。
でもそれは三好十郎の戯曲に対して敬意を払っての事。
デスロックの場合、その戯曲を一切削らずに提示する事、そしてそれによって180分という芝居を提示する事で逆に客が試されているという部分もあって、そこで負けずに集中して見れるかどうかでこの作品の評価は分かれるんでしょう。
とりあえず観劇初心者向けではないことだけは確かですね。
あと、芝居の内容とは別に、上演が開始されると空調を切るアゴラなので、さすがに180分経つと寒かったのがつらかったです。。。
これから見る方は寒さ対策だけはした方が良いと思います。
満足度★★★
考えさせられる
三好十郎の脚本はすごかった。
この脚本ができたときは戦争がリアルの現実で
それだけに台詞にも嘘がなく、はっとさせられる
シーンがたくさんありました。
うっかりするとグロテスクな舞台になりそうですが
多田さんの演出で、すっと受け止められるお芝居に
なっています。
しかし3時間は長かったな‥
体調万全で臨まれることをおすすめします!