満足度★★★★★
普遍的な物語
数年前に
すでに参加したことのある物語。
どんな内容かもしっていました。
あの時、号泣したことは今でも、ありありと思い浮かべることができます。
おぼんろが無名からちょっと有名になってきてしまっている今、
原点に戻ってこの物語をしてくれたことを本当に嬉しく思いました。
凄いなと思う事は、
あの時と変わらない感動と衝撃を与えてくれたという事。
思い出は美化されてしまうもので、
前回が良すぎれば、それを超えたものを作り出すのは難しいと思います。
難しいはずなのに、
やっぱり、よかった。
この物語が普遍的なモノだからなのか。
きっと、次に見ても、その次に見てもやっぱり
よかった。
ってなるのではないかな。なんて思いました。
2016年10月
心の底から再びこの物語に参加できたことを幸せに思うのです。
満足度★★★★★
念願の狼少年!
おぼんろの原点、やっと出会えた。先に戯曲を読んでの観劇だったが、冒頭のシーンから、文字では感じられなかった思いが立ち上がった。わかばやしめぐみさんの言葉、ひとつひとつが胸に突き刺さった。これが役者の力量というものなのだろうな。
どこにいてもしあわせと感じるのは自分の心持ち、考え方次第なのだということはわかっている。それを荒っぽいながらもストレートに見せつけられ、若さのある作品、若い団体に上演されている(好まれている)のも納得。今後再演を重ねながら少しずつ変化もあるだろうし、原点は原点として存在しながら姿を変えていくのではないか。普遍的であることは不変とは限らない。おとぎ話とはそういうもの。
まさにおとぎ話なのだけど、自分の現状と重ねてしまい、いつものように別の世界の景色は見えてこなかった。その代わり彼の内なる光、キンキラキンのラブが確かにそこに見て取れた。この物語、大切に育てて行ってください。また会う日まで。
満足度★★★★★
劇団おぼんろ:『狼少年ニ星屑ヲ』
遥か昔、何処の国とも何処の村とも知れない、みんながいつでも泣いている、小さくて、不幸せな村があった。
その村では、生きているうちにたった1度だけ、不幸せなこの村を逃げ出すチャンスがある。
それは、25になる年の、収穫祭の晩、海の向こうから、 舟が迎えに来て、その舟に乗ってその村を出ること。
「逃げだして、しあわせになろう」
おかあさんたちもそうしたように。
今年25になる母も父も知らず、その村で育ったたくまは、村の外にきっとあると信じる幸せになれる場所を目指し、この村から逃れようとするが、その果てに待っていたものとは...。
劇団おぼんろの原点であり、おぼんろが掲げている『キンキラキンのラブをあなたに』が、生まれたのもこの『狼少年ニ星屑ヲ』。正真正銘の劇団おぼんろの原点の物語。
当時のまま敢えて手を加えていないので、今のおぼんろと比べると、荒ぶった言葉もあり、切っ先鋭いナイフのような空気もあるけれど、既に今のおぼんろの色、おぼんろの物語の世界が其処にはある。
5年ぶりの再々演。劇団おぼんろに出会って約1年半の私が、ずっと観たいと焦がれていたのが、このおぼんろの原点である『狼少年ニ星屑ヲ』であり、私にとっても思い入れの強い物語である。
いつもは5人のおぼんろが、今回は藤井としもりさんが出演出来なくなり、4人で紡ぐ。
出演出来なくなった藤井としもりさんだけでなく、主宰であり、作、演出、語り部でもある末原拓馬さん、語り部のわかばやし めぐみさん、さひがしジュンペイさん、高橋倫平さんにとっても、大切に愛している物語であることが、観ていて身に犇々(ひしひし)と伝わって来た。
思いが溢れ過ぎて、上手く言葉が見つからず、いつもの書き方と違った書き方になるのだけれど、敢えてこのまま溢れるままに書いてみたい。
物語半ばまでは、笑いっぱなしだったのに、気づけば切なくて、切なくて、居たたまれないほど哀しくて、ぼろぼろと涙が溢れ、嗚咽が漏れそうになる。
周りからも啜り泣きの声が聞こえた。
たくまを助けるために、薬草を取りに戻ったりんぺいが、村を騒がす盗賊と思い込んだ村人たちに石の礫を投げられ続け、自分の家で薬草を握ったままこと切れる場面は、残酷と言えば、あまりにも残酷で悲しいのだけれど、しかしと思う。
最後まで、愛する誰かのため、大切な友のために、揺らぐことなく相手を信じ抜いて、これで友が助かると、友を思いながらこと切れた最後は、りんぺいにとっては幸せだったのではないかとも思うのだ。
そのりんぺいの無償の愛に触れた時、この村から逃れて、キンキラキンのラブを見つけて、幸せになることだけに目を奪われて、一緒に育ったりんぺいと一緒に『キンキラキンのラブを見つけに、此処を出よう』と誓ったことを忘れかけていたたくまの心も、りんぺいによって救われ取り戻すことが出来たのではないかと思ったり。
人はあまりにも不幸だと、メーテルリンクの『青い鳥』のように、幸せがすぐ隣にあることに気づかない。
なぜ人は、失くしてからでないと、大切なもの、大切な人が此処に居たことに、幸せや愛がすぐ隣に、すぐ目の前にあったことに気づかないのだろう。
『大切なものは目に見えないんだよ』とは、サンデク・ジュペリの『星の王子さま』の言葉だけれど、大切なものは目に見えないけれど、確かに其処に在って、その在処はその人の心のなかにあるのだなと気づかされる『狼少年ニ星屑ヲ』。
キンキラキンのラブは、いつだって自分のすぐそばにある。その事に気づけたなら、この世界から戦争や悲しいニュースなんてなくなるのにと思う。
引き裂かれるほどに、切なくて、哀しくて、儚くて、けれどため息の出るほど美しいキンキラキンのラブに溢れた物語。
泣いて、泣いて、泣き切って、外に出て見上げた空は、曇っているのに、何故だかとても清々しく美しかった。
おぼんろの紡ぐ物語は、その結末はとてつもなく哀しくて、切なく見えるのだけれど、その底にはいつも一筋の、一粒の希望の光がある。
その事に、いつもほっと胸のうちが安堵し、温かく包まれ、キンキラキンのラブを掌(たなごころ)にそっと包んで、持ち帰る。
誰の心にも巣食う思いであり、これは、私の物語なんだとも思う。
キンキラキンのラブを胸に抱えて、劇団おぼんろ秋の収穫祭公演、『狼少年ニ星屑ヲ』の幕が下りた劇場を後にした。
文:麻美 雪
満足度★★★★★
約100分(前口上込み)
人間の綾に満ちた、身につまされる物語。
自分だけの幸せなんてない。みんなで幸せにならない限り、自分の幸せもない。
柄にもなく、そんなことを考えてしまった。
おぼんろの芝居はいつも、観客の私に柄にもないことを考えさせる。
これが物語の力ってヤツか?
満足度★★★★★
ガンバレわかばやしめぐみ!
おんぼろ、おぼんろ、の原点がわかった。好カード(^o^)
劇団の珠玉は、ビョードロだと思われます。作中人物で毎回抜群の存在感は、『弁士』だろうか。その低音の魅力、圧巻です。下北沢落語でもかつぜつの良さが発揮されていた。その『弁士』は、どうも、本公演に謎が隠されていたのだ。
本日の公演は、10*30と言ってみなに、一日違っている指摘を受けていた。
満足度★★★★
祭りに参加できる者は参加すべし 花四つ星
今作の内容については、終演後アップする。純な思いで観れる人には
ブーケを差し上げたいような。赤心に帰ってみるべき作品。
満足度★★★★★
狼少年二星屑ヲ
たくまがほかの演目(と言っても私はまだ3本目なのですが)と全然違う役だよと誰かが言ってたので、屈強な若者にでもなっているのだろうかと想像していたらそうではありませんでした。が、なるほど。初日は私の体調が悪かったせいか、2日目で分かったことがあったりして泣けてしまいました。しかし最近は涙より鼻水が出て困ります。語り部たちが目の前を駆けて行ったり、背中をかすめて行ったり、へたすると蹴られたりの狭さが武器ともなっているような舞台でした。
満足度★★★★
隣の芝生は青い?
初日観劇。昨日見た演目とは真逆のファンタジー。
否、寓話。
可愛くて切なくてキラキラした時間。
子供の時、母親の読み聞かせにワクワクした時のような気持ちになれる。
今回、としもりさんが居なくて4人なんだけど、10役くらいあった?って感じるほど多彩だった。特にめぐさん、じゅんぺいさん早替えすごい。(=衣装さんもすごい)
今回の倫平さん、なんか好きだなー。
#おぼんろ #狼少年ニ星屑ヲ
満足度★★★★★
久々のキンキラキンのラブ物語
この芝居を最初に観たのは5年くらい前だったか。地下のせまーい空間で、椅子を2列並べただけで、舞台となる場所はたった2m×5mくらいだったような。でも、その物語はとても切なくて心に残った。2回目はバージョンアップしてさらに深く印象的な感じ。今回は、物語は同じだけど、随分軽いノリがいっぱいあって、演出によって随分変わるものだなと感心。最後の感動はそのままで、仕事に疲れた自分にはストレス発散もできる楽しめる芝居だったと思う。