満足度★★★
ペットといってもこの劇中の人たちには最早家族なんだろうな。結局狂っているのは人間の方なのかもと、ちょっとゾクリとしたりして。犬を飼っている友人の感想を聞いてみたい気がする。
【犬を拾いに】「物語が繋がっている」という感覚は何となくわかる気がするが、それを他人に強要するのは宗教的な感じがして気持ちが悪い。個人的には「居るだけ」というキーワードが結構刺さった。
【グッドバイブレーション】これが一番好きだった。ボールをぶつけることくらいしか為す術のなかった佐野木が切ないなぁと思っていたが、最後にカーディガンを投げることでそれまでの思いに決別した紗英と、それを瞬時に理解した佐野木との共犯者めいた感じにぐっと来た。
【漫画の世界】まさに狂気の世界。理由なんてないんだろうな。とにかく怖かった。
【賛美歌】結局苛烈な処罰感情は自分に向けられたものだったのね。深谷とは手段は似通っていても目的は真逆で、それに気が付いてしまったラストが切なかった。
『狂犬百景』大変見応えがありました。やっぱりゾンビよりも人間の方が怖いよね。ゾンビ映画は観たこと無いけどさ。
満足度★★★★
「狂犬百景」を見下ろす
初演と構成は同じですがが色々変えてる部分もあり
かなり違う感覚で拝見できました。
地続きの臨場感から、見下ろすように狂喜と滑稽さを
冷ややかに観察しているよう感覚だから
怖さよりも、面白さの雰囲気が強くて見易いです。
そこは、ハセガワさん特有の台詞の賜物です。
次は5月ですか、どこか中劇場とか大劇場で
企画投げればいいのに、プチ公演期待かな?
満足度★★★★
”狂人百景”
謎の狂犬病が蔓延して、犬にかまれた人間がゾンビ化するという事態が発生する。
ここで描かれるのは人を食う犬ではない。
“食われるかもしれない”という状況下で、次第に感情の振れ幅が大きくなり
狂気に至る人間の思考回路だ。
1~4話のうち、3話の緊張感が素晴らしかった。
満足度★★★★
初MU
短編ではあるが、作者の思い描く架空の「狂犬な世界」での幾つかのエピソード4編、となっている。つまり、全体として「狂犬な世界」を構成する、規模は違うが「火星年代記」的な、一つの未来形、あるいは「あり得るもう一つの世界」を提示する一まとまりの出し物だ。
「百景」の名の通り、作者によれば「狂犬」エピソードは百あるのだとか。その事を言わせるだけの、創作意欲の源泉がこの架空世界である「狂犬な世界」にはあるのだろう。
個人的には、「初」のMU式文体に不慣れのせいか?、台詞が入って来ず、前半の二編は意識が途切れがちになり、目の前の現象が何であるのか、分類すれば喜劇か悲劇か、そこで起こっているのは対立か迎合か、さえも判別しづらい(中々味わえない)状態となった。
後半二編では、はっきりした感情、激した感情を乗せやすい台詞と展開があり、俳優から発した「感情」をよすがに、芝居に入ることが出来た。
満足度★★★★
MUのダーク編
再演だが初演は観てない。狂犬がゾンビ化した東京の3ヶ所で起こる出来事を、最後にまとめる4話構成の短篇オムニバス。3話の味わいはそれぞれに違って面白く、しかし、それらをまとめる最後の4話が見事である。面白いのではあるが、好きか、と訊かれるとちょっと困る作品だと言える。
満足度★★★★★
MUはJoy Divisionなのか、New Orderなのか
初演は予約していたのだが、風邪をひき、咳が酷いので断念した。
その後、「いつものMU」の感じをあてはめながら戯曲を読み、ニヤリとしながら観に行けなかったことを悔やんだ。
そして、まさかこの作品が再演!
作・演のハセガワアユムさんによると「リブート」的で、ある意味、ここまでのMUの「集大成」であるという。
期待は高まるしかない。
(以下ネタバレボックスですが、思いつくままに書いてしまったので、とんでもない長文になってしまいました)
満足度★★★★
演劇と現実の境は朧げ
新種の狂犬病が広がりつつある世界。
1話から4話を通して舞台上には簡素なセットにより建物の中の世界が形作られ、外の世界は常に舞台装置より奥の暗闇の中に存在することになる
観客の視覚には、決して外の世界は見えないのだが、登場人物の台詞や変わりゆく姿で脳の中にそれぞれに世界観が作り上げられていく
自分で補完して作り上げた世界はもう自分のものだ。舞台から目を逸らしても存在し続ける。
センスの良い言葉選びの台詞と、悪い意味で自分に正直な登場人物たちの人間模様にクスリとさせられながらも気がつけば、舞台の裏にある世界だったものがスルリと自分の頭のなかに入ってきている。そうなったらもはや客席と舞台の隔てなどは意味をなさない。
登場人物たちはみんな何かに心を囚われている。観客が頭のなかに登場しない犬達を作り上げていくように、心の中で自らを縛り上げるものを育み作り上げていく。
作り上げた物に囚われ、そして自分に正直に行動する。それがこの世界での「狂う」ということなのではないか。
結局みんな屍となり腐りつつある過去の自分と戦っている
満足度★★★★★
ゾンビ映画的設定で描かれる人間模様に、ニヤリ&ズシン
上演時間は約2時間10分。
受付は開演1時間前、
開場は30分前(チケット記載の整理番号順)。
本編もさることながら、
スタッフワークも劇場の椅子などの環境もよくて楽しかったです。
団体の公式ツイッターが公演前に
その日の当日券の有無、
開場時間等ツイートしてくれていて、
三鷹駅からのバスの乗り場と時刻表も書いてくれてるのがとても親切でした。
(以下、
自ツイート転載でしつれいします)
狂った犬がうろつく街に住む人々のあれこれ話。
男と女の面倒くささ、
人の本性が出て、それがピリピリするし滑稽。
上演時間は2時間10分だったけど、途中、
薄暗がりでの場面転換ありな連作短編なので、
肩の力を抜く時間あり。面白かった。
当日パンフに配役と各話のあらすじ&
登場人物のソコソコくわしめな説明が載ってそうだったので
ほとんど読まないで観劇。でも平気。
2話の暗転明けに女性が多めに出てたとき
区別つくか戸惑ったけど、
話始めたら各々個性的で
すぐ区別ついた。
前に観たことある方々も、わりとすぐに気づけた。
なんで今日マチソワじゃないんだろう(当日券買ったのに!)ってくらい
面白かったので、来週も来れたら来よう。
上演台本も販売。
値段は覚えてないけど高くはなかった筈。
早めに予約したから初演の台本データ送られてて、
聞くとなんか色々違うところあるらしいのですぐに読むのは勿体無いなぁ。