満足度★★★
『フォーゲット・ミー・ノット』
良くも悪くも成井節。個人的にはそこからのもう一歩を期待しているんだけれど。役者陣は見事に世代交代。安理ちゃんがお母さん役だなんて!層の厚さは劇団の強みですね。
『きみがいた時間 ぼくのいく時間』
ストーリーや登場人物の感情がストンと腑に落ちる。阿部ジョーの柔らかい部分が秋沢里志というキャラにピッタリで、演技そのもののクオリティーの高さを感じさせた。初演よりブラッシュアップされて、全体的に観やすく仕上がっていたと思う
満足度★★★★
【フォーゲット・ミー・ノット】 母親の半生と自分の存在
成井豊さんの書下ろし新作戯曲で、今のところ「クロノス」シリーズ最終作。
本作の時間旅行の目的は、これまでの「大事な人の命を救うため」ということ
のような切実さはない。
「時をかける少女」でもヒロインを演じた木村玲衣さんは、
本作でも、底抜けに元気で明るいキャラクターが出色!
舞台で、「自然に可愛らしく底抜けに元気で明るい少女」を
演じるのはかなり難しい事と思う。
満足度★★★
観る順番は大事
ニ作品を同日に観劇。両作品とも楽しめたものの、『フォーゲット・ミー・ノット』を100%楽しむためには、『きみがいた時間 ぼくのいく時間』を先に観ていないと解らない点がありました。観られる日がこの日しかなかったのですが、出来れば、どの日もこの順番で観られるように日程を組んで頂きたかったです。
ちょうど一年前に上演された『クロノス』は涙なしには観られませんでしたが、今回は落涙には至りませんでした。過去に戻ってそのまま滞在できる「クロノス・スパイラル」は、すぐに未来に弾き飛ばされてしまう「クロノス・ジョウンター」に比べると、展開の変化に乏しく、悲劇的なドラマを生みにくかったのではないでしょうか。
あと、人が未来からタイムスリップして来たという現象を、登場人物がほとんど疑うことなく受け入れているように見えました。あまり簡単に現実と認めてしまってはリアリティが無くなりますし、逆に認めるまでの過程をリアルに描こうとすれば冗長になってしまいますので、そこはタイムスリップものの難しいところではあります。
しかし、複雑に絡み合う時系列にも全く混乱することなく物語を追う事が出来たのは、演出の妙と、役者さんたちの熱演の賜物だと思います。
満足度★★★★
【きみがいた時間 ぼくのいく時間】 39年間というタイム・パラドックス
2008年の初演を生で観劇、DVDでも観たこともあり、
どうしても初演の上川隆也の印象が強烈で目に浮かんでしまう。
(当時はまだ劇団員だった。)
初演時は、現代が1幕目でラストでタイムジャンプ。
休憩を挟んで2幕目が39年前の過去からまた現代までを描いていましたが、
過去に飛んでから、目的の時(主人公の妻の事故の時)まで
ひたすら待ち続け無くてはならないという、
本作の特長である「39年間待つことの重さ」が初演では出ていたと感じた。
再演である今回は、休憩時間をいれずに2時間強で演じ切るため、
少し短くしてある分、39年の長さと重さが、軽くなった気がした。
(もちろん2度目の観劇で筋を知ってるから短く感じることもあるかもしれないが。)
39年間というタイム・パラドックスが『解ける瞬間』、
そのタイム・パラドックスを生きていた人々の人生が一瞬で変わり
なかったことになってしまうという、
SFでしか描けない特別な「儚さ」、「切なさ」が感慨深い。
初演でも、今回も、特にそこが印象に残ります。
満足度★★★
フォーゲット・ミー・ノット
キャラメルボックスの役者さんたちもだんだんと代替わりしてるんだなぁ・・・と、ちょっと感傷的になったりして。
主人公が過去に戻りたい切実さが、きみぼくほど感じられなくて、物語としてはちょっと物足りない気がしました。
キャラメルならではの温かさは、とてもいい感じに伝わってきました。
満足度★★★★
きみがいた時間 ぼくのいく時間
何年も前にNHKでやったのを録画して、見て消せずにいた上川さんバージョンを見てから観劇しました。以前見た時は二人の運命だけを気にしていたのに、今回見直したら他の人たちの行く末が気になって仕方ないのでした。舞台でも同じで、秋沢が関わったために違ってしまった人たちはその後どうなったんだろうと・・・。そして映像では分からなかった事(当然ですが見せられているところしか見えない訳で)や、映像でしか分からないだろうこととかあって、両方見るとさらに面白い訳ですね。
満足度★★★★
フォーゲット・ミー・ノット
えーっと、あの人がああしてこうして、この人がこうだったから・・・ってやっぱり分からなくなってしまった。もう一度行って確かめたい!!けど、1970年のファッションが懐かしく、出て来る人がみんな温かく笑えるシーンもあって良かったです。