満足度★★★
観る順番は大事
ニ作品を同日に観劇。両作品とも楽しめたものの、『フォーゲット・ミー・ノット』を100%楽しむためには、『きみがいた時間 ぼくのいく時間』を先に観ていないと解らない点がありました。観られる日がこの日しかなかったのですが、出来れば、どの日もこの順番で観られるように日程を組んで頂きたかったです。
ちょうど一年前に上演された『クロノス』は涙なしには観られませんでしたが、今回は落涙には至りませんでした。過去に戻ってそのまま滞在できる「クロノス・スパイラル」は、すぐに未来に弾き飛ばされてしまう「クロノス・ジョウンター」に比べると、展開の変化に乏しく、悲劇的なドラマを生みにくかったのではないでしょうか。
あと、人が未来からタイムスリップして来たという現象を、登場人物がほとんど疑うことなく受け入れているように見えました。あまり簡単に現実と認めてしまってはリアリティが無くなりますし、逆に認めるまでの過程をリアルに描こうとすれば冗長になってしまいますので、そこはタイムスリップものの難しいところではあります。
しかし、複雑に絡み合う時系列にも全く混乱することなく物語を追う事が出来たのは、演出の妙と、役者さんたちの熱演の賜物だと思います。