イルクーツク物語 公演情報 イルクーツク物語」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    当時のソ連そのもの!
    アルブーゾフ作品に触れるのは初めて!
    体制迎合型戯曲で、まさに当時のソ連そのもの!
    あの体制下で批判的なものはないのは、私にとっては不可思議!
    因みに1980年にソビエト連邦国家賞なるもの授賞している。

    ネタバレBOX

    印象的シーンは
    死んだ仲間セルゲイの妻ワーリャのために5人分の労働を4人でして、一人分の給料をあげようというシーンで、最終的には元恋人のヴィクトルの提案通り、ワーリャに亡き夫セルゲイの仕事をするようにさせアイデンティティーを形成させる。
  • 満足度★★★★

    格調高い群像劇
    いやー,この劇団の芝居は格調高く真面目だわぁ。しっかりとした演技,構成,ストーリーと隙を見せません。2時間30分という長丁場ですが,飽きることなく,集中して観ることができました。とても良かったです。いろいろな芝居を観ていますが,たまにはこーいう翻訳ものの真面目で硬い芝居も新鮮に感じて良いものです。

  • 芝居は楽しめました
    真面目な?芝居で良かったですが、
    終わった後、ドアを開けたり
    廊下の灯りを点ける等を行うスタッフが
    いないのにビックリ

  • 満足度★★★★

    見事な翻訳劇
    極めて上質な舞台。役者さん達の演技も演出も申し分なく、青春群像劇というよりメロドラマ(?)、大いに楽しめました。しかしながら、旧ソ連時代のプロパガンダが通奏低音のように流れていて、寒気もちょっと感じました。ショスタコのシンフォニーを聴いて感動しながらも・・・って、気分ですかね。

  • 満足度★★★★★

    丁寧な描き
    旧ソビエト時代、バイカル湖の南、イルクーツク近郊を流れるアンガラ川にある発電所の建設現場で働く者とその恋人が織り成す話。脚本が書かれた時代状況や、日本での初演(劇団民藝)のことは、当日パンフに記載されている。
    その内容は、女性主人公ワーリャ(舞山裕子サン)が苦難を乗り越え成長する様と、それを温かく見守る人々の交流が感動的に描かれる。二部構成2時間30分(途中休憩 10分)は“生きるため”を中心に、友情・恋愛・誕生・自立といった個々のテーマが織り込まれ、見事な絵柄を仕立て上げた。
    さて、ワーリャは、劇中で披露されるカルメンと姿を重ね合わせることができるが、そのラストは...。

    ネタバレBOX

    梗概は、発電所の近くにある売店で働く人気者ワーリャ... 「安売り女」と陰口を叩かれながらも自由奔放に振舞う。建設現場で働く男2人(親友同士)からも好意を寄せられるが、その悪い噂にも関わらず誠意を貫いた男と結婚した。双子の子供も生まれて幸せな生活も夫が事故死(近所の子供を助けるため溺死)するという不幸が襲う。失意にある彼女を建設現場の人達が助ける。その場面は、国情や時代といった背景を理解しないと感じ難いところもある。例えば、現代日本・資本主義における金銭感覚からすれば、5人分の労働を4人で行い、1人分を...。 富の再分配をイメージするような発想が出来るだろうか。その当時の国家体制だからこそなし得るような気もする。

    ワーリャの生き方は、一部と二部とでは異なる。特に二部は、結婚・妊娠・出産・死別を経て、発電所で働き子供達を育てていく、そんな力強さが感じられる。
    雰囲気も一部の若者らしい溌刺(はつらつ)、瑞々しさから、二部では落ち着いた大人、そして生活感が出ている。その演技は安定しており、キャストのバランスもよく安心して観ていられる。

    日本で女性の自立や自由が声高に語られるようになったのは1970年代になってからだという。この物語は1950年代のことが書かれており、青春群像劇でありつつ、自立していくという、当時としては新しい女性像を描いている。その意味できわめて先見性のある公演(脚本)だと思う。今、その物語を上演するということは、政府の成長戦略の主要施策“すべての女性が輝く社会づくり”を打ち出していることに呼応するのだろうか(取り合えず、その運用の善し悪しは別)。
    物語の展開は丁寧で、その心情描写も繊細である。公演全体は、細部を描くというミニマニズムを感じるが、その底流にある“逞しく生きる”という姿は、現代日本の女性へのエールにも見える。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    青春群像劇ってよりも三角関係・・・・?(^^;)
    って感じたかしら

    現代では選択肢も多くて、あぁ何となくよくある話のひとつかなぁ・・・。
    とか思いますが、時代背景とソ連という情報を加味すると深いかなぁって感想。

    ただ上記記載した時代背景や状況説明等を劇中にて巧く説明などしてくれてたら嬉しかったかしらねぇと

    ・・・・・アフタートークの回では作者長男さんが来日されたそうで・・・・新聞の記事読んで少々驚かされたデス(^^)

  • 満足度★★★★★

    私には初めての作家の作品でしたが
    とても見ごたえがあり2時間半が短く感じられました。

  • 満足度★★★★

    草創期の「夢」
     アンガラ川(ロシア、シベリア南東部を流れる全長1779Kmの川)では大掛かりな工事が行われている。発電所を建設しているのだ。完成すればこの川の水はせき止められて大きなダムができる。

    ネタバレBOX

    ここで働くエクスカベーターチーム(パワーシャベル)班長のセルゲイ、親友ヴィクトルそして食品マーケットでレジ打ちの仕事をしている美人のサーニャの3人を中心に、ソ連が未だ夢の国であった当時の人々の生活を描く。大型機械のエクスカベーターは1台で何と14000人分もの仕事をこなし、この機械を動かす当地チームは全国でも模範クラスの優秀なスタッフ揃いだ。ただ一人、怠け者のラプチェンコを除いて。
    ところで美しいサーニャには、安売りサーニャの仇名がつけられ、誰とでも深い関係になる女というイメージが持たれていたが、取り敢えず現在はヴィクトルのステディという具合に観られている為、街に屯する若者からの冷やかしも、彼と一緒なら問題はない。実際、2人は一見上手く行っているように見えていたのだが、結婚などの深刻な話になるとヴィクトルは、彼女の浮いた噂が気になり本気になれない。どうも彼には女性に対する不信感があるようである。それは、生みの母が亡くなった後、父と一緒に暮らす女の所為で父が変わり果ててしまったことと連関しているらしい。いずれにせよ、ヴィクトルが、実質的にセルゲイに彼女を紹介することになったことから、親友同士は恋敵になってしまった。彼女は、自分を本当に愛してくれるのがどちらかを見極めようとする。結果、選ばれたのはセルゲイ。それ以前に彼女のステディとして自他共に認められていたヴィクトルは除け者になってしまった訳だ。だが、彼には当初そのことが意味する所が充分に理解できていなかった。セルゲイは理想家肌の性格の良い男であった為、サーニャも彼を信頼し本当に彼一人を愛するようになってゆく。かつてカルメンような生き方を理想としていたとは思えない変容ぶりであった。結婚後、めでたく子供に恵まれた2人だが、何と男女の双子であった。子供達は順調に育ち、仕事も夫婦仲も上手く行っていたが、セルゲイは、子供達が生まれた産院の前で知り合った子供アントンが手製の筏に乗って釣りをするうち転覆したのを見て助けに行き、子供を救えたものの、本人は帰らぬ人となってしまった。
    一方自分の不手際からサーニャを逃したものの、未だ彼女を諦めきれないヴィクトルは、彼女の住まいの窓明かりを見ながら長い夜を何度も過ごしていた。夫を亡くした彼女の為にインテリのロージクの提案で4人で5人分を働き、給与は5人分出して貰ってそれをセルゲイの給料としてサーニャに渡すという提案に賛成した皆の好意のお蔭で彼女の生活は困らずに済んだのだが、暫く時間が経つとヴィクトルは異論を唱え始めた。彼女が生きる意味を皆の好意が奪っているのではないか? というのである。インセンティブが無くなれば、人間は死んだも同然。この意見には道理もあった。
    人が他人を愛することとはどういうことか? 友人と恋人との間に引き裂かれた恋を人はどう生きるか? その時、本当に愛しているとはどういうことか? 人の幸福とは利他的なものではないのか? などイデオロギーが目指したのとは異なる次元、即ち普遍性のレベルで上演しようという努力の見られる作品。
  • 満足度★★★★★

    ソ連時代の労働者
    ソ連というと革命とか共産主義とかKGBとか粛正とかいろいろ身構えちゃいますが、等身大の労働者を生き生きと描いたステキな作品でした。歴史のある劇団だけが持つ、安定した雰囲気のステージを堪能。

    前日に行なわれたというトークショーに居合わせたかったな。

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