満足度★★★★
「女殺油地獄」観劇
話そのものは近松戯曲なのに、貨幣価値は現代、変形マイムなのにすっごい緻密な動きに魅せられる、シンクロナイズ油ダンス。ビデオドリームみたいな油映像もなかなか変で面白い。古典文学なのにクズダメンズの与兵衛の衝動的な行動が今っぽい鬼畜さが見えたりして。面白かった。約90分。
満足度★★★★★
素晴らしい演劇!
野崎参りは,印象的な始まりだった。遊女・小菊は,なじみ客による舟遊びの最中のようだ。しかし,わがままな彼女は,船は乗り心地が悪い,もはや,野崎参りもあんた一人でいけばいいと騒いでいる。この場面は,意外とおもしろかった。客はたいがい遊女にバカにされて,振り回されるものなのだろう。
次におかしかったのは,野崎参りの場で,与兵衛は喧嘩に巻き込まれ,人妻のお吉が助けるところだ。亭主が,娘に何があったか尋ねた。すると,楽し気に二人で裸になって,一つ部屋に閉じこもったままであるという。確かに,子どもにはそのように見えたが,悋気な亭主は邪推するのだ。
最後の見せ場は,油まみれになったお吉のセリフだ。子どももいるのだから,後生だから命だけは助けてくれ!というのを無視して,与兵衛は残忍な人殺しに徹するのだ。その罪を隠して,しゃあしゃあと法事の席に出て,悪事が暴露されていく。近松門左衛門の世界は意外にも現代的なシーンが多かった。
満足度★★★
残虐の海でうごめく人間
あまりに残虐ということでかつては海外で上演されなかったというシェークスピアの「タイタス・アンドロニカス」。スローモーションで役者を動かすなど、独特の動きで舞台を彩る安田雅弘が、どうこの戯曲を料理するのか、と思って吉祥寺へ出かけた。
殺戮、強姦、復讐。まともには取り組めない。目を引いたのは和服の衣装だ。布をうまく使って手首を切り落とした状態を表現するなど、多彩な工夫がある。さらに、役者の絶叫。スローモーションを得意とするこの劇団に、この演目はツボにはまるものなのかもしれない。
残虐の裏に見え隠れする人間の愚かさ。テロリストの作り方、という中身なので、受け入れがたいお客さんもいるかもしれない。