満足度★★★★★
『待つこと、こらえること』
1回きりの特別公演。女性の美しくなりたい願望を抉る。それを笑いに転化した強烈な仕上がり。電話で問い合わせる女性とオペレーターのやりとりを、役を交換して繰り返す。それがスピードを上げドライブ感がハンパない。3かき723さんと310あ01さんが互いにマシンガンのように浴びせる台詞がまるで暗号のよう。意味なんか聞こえて来なかったのが、だんだん届いてくるから不思議。そこにト書きのような()がカッコと語られ、女優のリアルな告白まで…。マヤドリの榊菜津美さんとレベッカさんがキュート。二人が踊り出す♬GIVE ME ACCESS🎶が脳内スパイラル。レベッカさんの笑顔が堪らない。その二人を茶化すタカハシカナコさんに爆笑。笑い過ぎて感謝されてしまったよ。
まるで
だまし絵のような舞台。視点を変えたり、見るところを変えれば全く違うものが見えてくる。緑子はまるで桐島。なのに…もしかしたら…。そう、この「もしかしたら」が巧みに仕組まれている。油断すれば迷子になる。誰かが壊れているのか、みんな正常なのか。あなたにはどう見える?
満足度★★★★
迂遠の虜
ここにいない緑子と接点のあった二人の男女と兄による会話劇。ただし読み解くのは至難だ。目の前で展開する言葉のやりとりと行為は、しかし不思議と何らかの背景に裏付けられているように見える。
終盤、男の不可解な言動が始まり、女はそれに対して奇妙な対応をする。男の不可解さがポジで女の奇妙さがネガなのか、その逆なのか・・ 女のそれだろうと類推する。やはり女性目線で書かれた芝居であり、「男」は現象として現前し、女がどうふるまったか、が焦点化されているのだ。
簡素だが一定の具体性を持たせた装置と、十全な説明未満にとどめた台詞、注意していないと意識されないが場の空気を支える音響、全体にストイックな作りは好みである。
今回「素人」「プロ」について意識したという主宰の言であるが、素人性すなわちありのままの自分自身(の心?)だとすれば、今後の発展は作者の心の探求次第という事になるのだろうか・・。
今回再々演という事で、初演から関わる三名によるトークは興味深かった。色々なことを考え、独自な製作を行う西尾氏主宰の鳥公園の「発展」の形は予測しようもないが、ともあれ「発展」されんことを。
満足度★★★★
4会場目の引き算と足し算
芸創、3331、劇研、アゴラと初演再演ともに東西ツアーで違う空間で戯曲を変えずに演出を変えていくのを観てきて、今までで一番俳優が演技だけをすればいい形になっていた気がする。美術、映像、照明、音という技術が今までで一番シンプルに、けれど高度に熟練されていっている。
今まで見えてなかったものがさらに見えてきて、そうだと思い込んでいたものが違うんだって思った。
自分の思っている存在はそんなに確かなものなんてなくて、他人にとっては違うものに見えたり無かったりする。簡単になりかわる。
そんな当然かもしれないことの怖さを感じてならない。
満足度★
「意識高い系」ってこういうの??/約80分
ダラダラとしてとりとめがなく、面白くもなんともないのに、勿体をつけた脚本・演出でお高く見せてる金箔演劇。
こういう劇が崇拝される傾向って何とかならんのか!?
満足度★★★★★
ゆるやかな会話劇
白の板にテープルとイスとベットのセットながらも、物語の冒頭と最後に登場する、劇中の絵が登場し、物語を盛り上げながら、餃子やビールを食べて飲みながら、会話劇が進んでいくというまったく新しい会話劇としては、よかったですね。とてもゆるやかだった、80分でした。