桜の森の満開のあとで 公演情報 桜の森の満開のあとで」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★

    プレビュー&本公演
    時間の合間にプレビュー(殆ど通し稽古風景=前半)を拝見、本公演はたまたま時間が出来たのでこちらも観る事ができた。
    feblabo二度目、以前一度短編集のようなものを観たのが初見だったか・・。
    今回は主宰池田氏の執筆による「会議モノ」。大学の政治学(だか)のゼミで教官はゼミ生にモックスという、ディベートのような模擬会議を行なわせる。学生は12人程度。内容は、北陸のある架空の町には様々な職業や立場を代表した者で構成される「連合会議」が存在し、今回議題に上った(教官が指定した)のは「老人の選挙権剥奪」。で、議案に「賛成」「反対」「保留」の三つの立場を選択でき、賛成と反対の立場を取る者は勝てば最高成績Aが獲得でき、負ければD(不可)、つまり野心のある者は勝負に出るが、そこそこで良い者は「保留」に流れる、という具合な設定である。ゼミ生同士の人間関係も絡んで、今度行なわれるモックスでは何らかの「勝負」が予想され、そして当日議論はある程度出尽くして煮詰まる・・という前段でプレビューの「通し」を終えた。
    このプレビューの「切り方」は、後の展開が気になる効果も確かにあったが、そこまでの展開での無理さ・もどかしさが私には露呈して見えた。もっともそれも含めて、その後どう処理されたのかは気になった・・(その意味では私にはプレビュー観覧は効果をなした事に。)
    この議題そのものの難点に繋がるが、「老人の選挙権を奪う」、という提案そのものの動機が、普通なら最初に提示されるところ、ここでは後々になってそれが出て来る。それを必然化する感情的な対立がしばしば挿入され、息苦しいものになっている。何でそんな議論をやっているのか・・こんな議論しか出来なくなった日本の「民度」を示唆しようという狙いなのか?としても・・と実際つらくなる。それは「老人の選挙権剥奪」が正当性を帯びる特殊な状況が、後付けで少し触れられたりする中でも、すっきりせず残る。
    さてそこから、プレビューで見なかった領域に芝居は突入するのだが、このどんでん返しは中々気持ち良かった。とは言え、「すっきりしなさ」は残る。ただしここでのそれは「現実」に近い。人は正論より利害で動くものであったり、道理が通らなくても飯が食えていれば平気だったりする、というレベルで。
    このディベートの裏側に流れるストーリーがラストで一つの大団円に収まるが、ここは捻り過ぎていまいち、乗れず。そこはどんでん返し的に片づけなくても、平凡な結末でもいいではないかと思った。例えば、主人公が大学生活に引き戻そうとした友人が、モックスで彼女と反対の意見に立った事(どちらかが落第になる、そういう勝負をかけてきた事)の理由は、「気まぐれ」であっても良いし、「たかだか模擬会議の結果で成績が決まる事じたいおかしい」という持論をこぼしたっていい。その方がリアルでは・・ などと。
    しかし一風変わった会議劇であった事は確か。面白い事に今後も挑戦してほしい。

  • 満足度★★★★

    白熱
    討論物は好きではないが、なぜか観に行った。そして白熱の議論に引きずり込まれた。

  • 満足度★★★★

    観てきた
    好みの話題。南作品の最近の流れとは違うが、若々しい力を楽しめた。
    モックカンファレンスはminami produceの「はなのいろ」に近い感じを受けた。

  • 満足度★★★★

    スリリングな会話劇!
    ディベートとロールプレイがミックスしたようなモックカンファレンスなるものを初めて知った。会話劇にもってこいの題材ですね。緊密な芝居にワクワクしながらのめり込んでしまいました。

  • 満足度★★★★

    観ました
    告知が少なかったのか、あやうく見逃すところでした。
    最初は雰囲気に馴染めず会話についていくのがやっとだったが、途中からぐいぐいと引き込まれた。少し納得できないところがあったのと、役者さんのレベルに差があったように感じる。

  • 満足度★★★

    すごかった
    あんなに激しい会話劇は初めてでした。
    途中で何度も「これはお芝居ではなく現実?」と思いました。

    ネタバレBOX

    喫煙シーンが多すぎるので、☆を一つ減らします。
  • 満足度★★★★

    白熱した机上議論
    近未来における日本の地方都市の在り方を示唆するようだ。前提は、あくまで大学における授業であり、架空の地方都市という設定を確認しておかないと、現代の法制度などと整合性がとれない。
    タイトルに惹かれて観劇することにしたが、直接的な関連性ではなくその背景に隠されている危うさ、悲しさが垣間見える。

    ネタバレBOX

    大学ゼミの卒業試験「モックカンファレンス」(通称モック)は、模擬会議のこと。この会議では一定のルールのもとに会議を進め、成績評価されるという。
    この卒業試験は、集大成としてそれまでの年間成績がどのようなものであっても、この卒業試験で優秀と認められれば「A」評価になるという。
    この大逆転の可能性が、この公演のドキドキ感を膨らませる。

    卒業(モック)試験の題材は、高齢者から選挙権を放棄させる条例である。この街の状況が次から次に顕わになり、地元の危うさが露呈してくる。
    ゼミ成績がかかっているため、利益代表役(例えば商店会、漁業連、農業連、行政職員)として喧々諤々と相手(賛成・反対)を論破しようと熱演する。

    この議論は高齢者対策(高齢者の行政に対する口封じ)が声高に問われる。公演の表層とは別に、安保法(案)、原発、特別特区(正式名称別)...今日本が抱えている問題をしっかり考えさせる。学生議論を通じ観客にもその問題提起をしている。

    この登場人物は指導教授(市長役)も含めて12名である。どうしてもこのシチュエーションだと「12人の怒れる男」(1957年・アメリカ)や「12人の優しき日本人」(1991年・日本)という映画を思い浮べてしまう。ここでも映画同様、全会一致が原則だからである。

    物語を面白くするため、家庭の事情で大学に通学しなくなった友人を参加させ、単位を取らせる設定もある。事情とは、卒業試験という恩恵で単位が取得できるか、という興味を持たせる。実に上手い演出である。

    ところで、個人的にはラスト...高齢者から選挙権を奪い、逆に若者は被選挙権を失うという動議のようなもの。一件落着のような...老人・若者の歪な平等感を説くが、若者は行政、ひいては為政への主体的な関わりから遠ざかるようであるが...。責任ある立場、それを牽制する立場などが必要であると思うが自分の勘違いであろうか。

    最後に、タイトルであるが、坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」は、東京大空襲の死者たちを上野の山に集めて焼いたとき、折りしも桜が満開で、人けのない森を風だけが吹き抜け、その寂寥感を書いたものだという。この公演でも切り口は弱者切捨ての発想のようであった。その象徴する言葉...姥捨...言い換えていたが本音といったところ。その響きは本当に悲しい。
    終わってから、年代果林さんと話をさせていただいたが、総じて若い役者が多くて勢いがあるとか。生き活きと演じており好ましい。

    12人ひと幕の濃密な会話会議劇は素晴らしかった。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    ラディカルなダイアローグの面白さ
     タケカワゼミでは、モックと呼ばれる模擬会議を通じて試験も授業も行われている。(追記後送)

    ネタバレBOX

    この1年間行われてきたのは、北陸州石川県安宅市という架空都市での法や条例の長所・短所について、各々が受け持った役割に応じた人物を演じつつ議論を展開することだった。無論、ディベートのように勝ち負けがある。
     モックには以下の様なルールが存在する。
    ① モックの結論は全会一致であるべきこと。
    ② 保留は投票権放棄と看做される。
    ③ メタ発言は減点対象とされる。
    ④ 各々が演ずべき役は年度開始時に設定。各々が自らの演ずる役の人物設定は、会議開始前に決めて提出しなければならない。(これは会議中に各自に有利な設定がされるのを防ぐ為)尚、会議中の呼称は、演じている役の通称名を用いる。
    凡そ、このようなルールに従って卒業試験が行われる。今作は、その卒業試験を巡ってのモックがメインディッシュなのだが、これが実に面白い。テーゼは「65歳以上の老人の選挙権を取り上げる」是か非か? 
  • 満足度★★★★

    会話劇
    会話劇と銘打った公演は数あれど、なるほどこういうことか、と思わされたのは初めて。気持ち良いテンポと距離感で目が離せない100分だった。

  • 満足度★★★

    みてきた
    タイトルからは500マイルくらい離れてた気がいたしました。

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