満足度★★★★★
観客は、ほぼみんな担任教師になった気分で観てるんだろうな。
キュン死。あの気持ちを味わいたくて生きているはず。あの気持ちを演出したくて教師をしている。なのに、現実には味わうのは、なかなかに難しい。なのに演劇は、数十分で多くの人に味わわせ、共感を生み出す。舞台演劇の力と可能性を見せつけられた。腰が抜けた感じ。切なさが抜けない。我が家の長女も春には高校生。あんなクラスに出会えるだろうか。あんな友達に出会えるだろうか。あんな気持ちに出会えるだろうか。せめて、この舞台を観せてあげたかった。収録してないのかな。映像発売を熱望する。▶どの作品を観ても、藤松祥子さんは素敵だ。素で会えば爽やかで可愛らしい女性だけど、舞台の上では、なぜか一抹の寂しさを纏っているように見えて、たまらない気持ちになる。今回も陰を感じて切なかった。魅力的。
満足度★★★★
たいへんよかった。
前から一度観てみたい企画だった。前回は、すでに満員でだめ。しかし、今回はややフィバーが収まったのか、当日券が残っていた。初めての劇場であった。<br><br>会場には、全員が出演中であってもなくても奥の席で待機していた。ほかのひとの演技を最後まで、ずっと相互に鑑賞するといったシステムだったわけだ。
あった方がよいのか、どうかわからないが、左右にスクリーンがあって表情が浮かぶ。中央には、親切過ぎるが、日本語の字幕まであって、スゴい!
内容は、高校生時代にあったようなハイレベルの悩みや、哲学的な会話。その一方ではあらゆる世間話からのうわさ。わたしなどは普通に、彼女たちの世界はなぞ。
こういう演劇も、現代的でいいなあと思う。学校にいるときのままの彼女たちは美しい。最終回には、こちらまで感極まった。上手な演出でした。
ステージに、あがるとき、一瞬変身するさまは、印象的でした。
満足度★★★
新感覚の舞台
女子高校生たちの他愛ない会話が同時進行で繰り広げられる。さらに、その舞台をリアルタイムに撮影した映像が効果的に使用される。舞台の楽屋を思わせるセットを背面に置き、女優たちが舞台と「楽屋」を往復する様子も観客に見せる。舞台で進む複数の会話を同時に見せるのは平田オリザの「技術」である。それを本広克行のテイストで味付けられた舞台は、これまでの演劇とは違う、新感覚の戯曲と言える。
会話劇なのだが、丁寧に会話を追っているとたぶん、相当疲れる。台本が背後に投影されるという、これもかなり新しいテイストだが、おそらく作・演出側は台本を目で追わせるということは狙っていないだろう。高校生たちの学校生活の一場面をリアルに見せる、仕掛けであると思う。
これらを受け入れて楽しめるか、どうか。もう一つ、ももクロファンであるかどうか。これが、「転校生」を心から楽しめるかどうかの一つの鍵になるかも。
ここに登場した女優たちが、次世代の演劇文化を楽しく支えていってほしいと、おじさんは思うのだ。
ただ一つ、言っておかねばならないと思う。(おじさんの繰り言)
女優は、観客より先に感極まって泣いてはいけないよ。あ、でも、これも舞台や女優に感情移入できるお客さんであれば、たまらないポイントにもなる。
ともあれ、演劇にタブーはあってはならない。「転校生」をいろんな角度から楽しみたい。
満足度★★★
チャレンジグと感じた。
群像劇であったり、・会話劇であったり、学園モノであったりと、多くの要素がてんこ盛りな舞台だった。
一方で、広げた風呂敷を畳みきれなかったなあーと、溢れ落ちてる部分も有るように見えた。
だけど、これが本広さんが目指した結果なら、それは正解なんだと思う。
教室を表現するための劇場空間の使い方、ステージ後方の楽屋(もどき)を使った開場から開演までの流れ、とかは斬新だったな。