公開審査
今年に関しては最後の公開審査が一番長く感じた・・(苦笑
2時間半、それぞれの作品のコメントに費やしたけど、
30分くらいで良かったように思う。
「面白かった」
「自分には良く分からなかった」
それで十分では・・今回の場合・・あの会場、空調キツイんだよなぁ・・(汗
最優秀賞の人以外については、
審査員の方々の読み込みが不足している分が多々あったようにも感じられなくも・・・あくまで個人的な感想として。
シライケイタ氏へのコメントの際には、
パンクバンドにコードの押さえ方の指導をしているように感じたし、
山下氏の作品のコメントの際には・・・なんて言ったら良いのか・・良く分からない。困った、正直。
個人的には、正直なところ、
一番好きなのはシライケイタ氏。男性目線で言うと。
観客賞としては個性で澤田氏。
自分が審査員だったら・・山下氏だったと思う。女性目線で想像して。
最優秀賞受賞作が嫌いと言うんではなく、
バランスを取り過ぎてて自分の性格に近すぎてこういうのは逆に受け付けないところが・・(苦笑
自分の感覚から一番遠いところをこういう賞ではチョイスしたいところだったなぁ・・。
山下氏の作品、1時間を「長い」と評した審査員がいたが、女性の方々がいる前であれは、言っちゃいけないことではないんだろうかという気がしなくも・・。
自分の奥さんや恋人とかに対して、
「話が長い。言いたいことは分かってる」
と言うんだろうか?
まぁ、作品とは別としても、こういうのに人生観が現われる気が・・。
自分の心の教科書には
「1時間どころか10時間でも俺は大丈夫」
と書いてあった(とさ♨
各作品へのコメントと最終投票の間のトイレ休憩の間に
小学六年生くらいの女子が現われて、
審査員たちに
「おじちゃん、おばちゃんたち、モテないでしょ?」
とか言ってくんねーかな、と思って外出て遅れて戻ってきたけど、
ボード見て、そんな夢みたいな話あるわけないか、と現実に引き戻された(苦笑
自分はこういう賞では、
目つきの悪い(が寂しがり屋である)捨て猫を
選んで引き取るみたいな話を聞きたかったんだけど・・期待した自分が悪かったんかなぁ・・。
満足度★★★★
個性満載での面白さ
たまたま、決勝進出のある芝居を、従前に観たものの再演として観にいったのですが、その空間や空気が面白く、チケットシステム(通常の1公演分の料金で4公演すべてを観ることができる)にも乗っかって、全部を拝見しました。
ほんと、個性の被らない4団体、たっぷりと楽しむことができました。
満足度★★★★★
「山の声ーある登山者の追想ー」
審査員の一人が言っていた
「大竹野戯曲でコンクールに出ると言う志がまず素晴らしい」
という言葉に、観劇前の自分の心情は尽きるように思う。
多少でも舞台の上の世界に思い入れのある人ならだれでも、
賞の付くコンクールに大竹野戯曲の、しかも登山もので臨むという覚悟に
息を呑んでしまうんではないんだろうか・・(苦笑
しかも演出家が出る二人芝居・・
これは、あの狭い「劇」小劇場のステージがボクシングのリングに変わるに違いないという期待を持たずにはいられないんでは(笑
いつもはチラシを見てもどんなんだかよくわからない舞台の連続。
そんな中で、劇場に向かう足取りがこれだけ軽い日。
自分はサッカーを見に行くと、目の前のサイドの選手がボールを持つといつも「勝負、勝負!」と大きく声をかけるんだけど、
きょうはそんな必要もないんだよね?
だって、演出家が勝負を掛けてることは目に見えてるんだもの(笑
簡素な舞台。
さっきと同じ審査員がピーター・ブルックの名前を出したけど、自分も同感だった。
美しい。
冬山のように。
この世の果て、地獄。
あるいはそこと対極にある、生まれたばかりの赤子のまるまるとした温かみ。
夢と現実、生と死。
満足度★★★★★
「FESTIVAL/ONOBORI ートーホクをヌぐー」
アフタートークで審査員の一人が秋田出身だと言っていた。
実を言うと自分の方は東京生まれだけれどじいちゃんが秋田の隣の庄内の殿様の子だかなんだかで、死んだ親父が昔ちょこっと言ってたけど。
東京にいるけど東北にルーツがある人は非常に多いと思う。
東京に染まらない東北独自の表現は意外と東京で受け入れられるのではないのか。
関西で言うところの四国中国みたいに。
日本海側は鳥取でも石川でもどこでも手工芸が盛んだけれど、
秋田はとりわけ、土方巽を考えれば分かるように、
土俗的な身体表現で秀でている。
自分は特に秋田から次世代の土俗的な表現者が現われるのを待っていた(笑
内容はと言えば一見凄くバカバカしいモノばかりなのだけれど(笑
よくよく見れば、多少の秋田フリーク、東北好きを意識する人なら、
東北、とりわけ秋田の土俗的な身体表現の欠片をあちこちに見出すことは容易なんではないか。
この舞台のとりわけ素晴らしいところは、審査員の別の一人が言ってたのだけれど、
子どもにも容易に分かるくらいシンプルで、非常に象徴的な場面が中盤にさりげなく挿入されている所にあるように思う。
子どもにでもわかる。このことは非常に重要だと思う。
難しい演出・技巧を凝らしても、子どもに伝わらなければ意味はない。
今、誰が一番救いを求めているのかと考えれば子供だと思う。
親たちは子どもたちの不安や恐怖をテレビの刺激で誤魔化したつもりでいる。テレビで人は救われない。
NHKが社会問題とスポーツ中継にいくら多くの時間を費やしても、
これだけテレビが普及している国において自殺者は減らない。
眉間に皺を寄せて偏った報道をし、
スポーツへの熱狂で疲れを癒したつもりになっても人は救われない。
テレビで、津波や地震の恐怖を体感し、友達や家族と離ればなれになった子どもを救うことが出来ないのは明らかであるように思う。
・・じゃあ、どうするのか、と考えた末の結論がフンドシ・・?
これ以上素晴らしい演出があるんだろうかと思ったりする。
知らなかったかな?子どもってお尻好きなんだぜ(笑
NHKだってフンドシで報道すれば、日本中でどれだけの命が救われるだろうかと思う(苦笑
スーツでこの世の終わりのような顔をして
陰惨な事件ばかり報道しても、
「この世は地獄だ」と子どもたちに訴えているようにしか見えない。
シェイクスピアだってフンドシで上演すれば幼稚園でだって行ける・・鴨。
満足度★★★★
「FRIEND~踊る戯曲~」
「レベルが高い」
なるほどな~、と思った。
生音を使う、ということ。
意外とこれで舞台の上のリズムは天と地ほど違ったりする。
ミュージシャンでなくても生で音を出すと言うことはそれほど重要。
特に不条理劇なんかでは物語のガチャガチャ感を上手く観客に伝えやすいと思う。
自分は初演を観てないのだけど、初演を観た人には短いと感じたのか。
自分は初演を観てなかったので、逆にちょっと長いと思った(苦笑
上演時間59分だったけど、45分くらいが適当かな・・と体内時計で換算。
コンクールなのだから一つ一つのシークエンスをもっと短くしてカットアップしていった方が自分は好みかな・・。
一つ一つ数を数えるにしても、1の次もう8に飛ぶくらい贅沢に切り刻んで良いと思う。
審査員が満足している?みたいのが自分にはちょっと意外。
カラフルではあるんだけど、
良いな、というパーツが飛び過ぎている印象。
「なんでなのかな?」と思ったら、アフタートークを聞いて分かった。
自分が良いな、と思うところは全ておそらく直前になって演出家が変えたところであったのだな。
鮮度が命と言うことか・・。
小さな舞台にとりわけ多くの役者。
最初からちょっと懸念はしていた。
この小さな舞台で役者が動き回るには緻密なチームワークが必要。
全ての役者はそれを完璧にやってのけた。
素晴らしい。
その中で、演出家かつ主演のスズキ氏が微妙な(動きの上での)アドリブ・直前に変更した演出トリックを加える。
自分が良いな、と思ったのは全部そうしたところだったように思う。
舞台の上にスズキ氏の世界が良く表れていたと思う。
それを良いと見るか、どうかだと思う。
自分の観たい舞台と言うのは、基本、舞台の上の役者が全て変人というもの。
変人が一人なら一人で良いし、100人なら100人出てたって良いと思う。
舞台の上の人の数だけ色があると言うのが理想。
そういう観点からすると、舞台上にスズキ氏の色が大きすぎると言うのが、ちょっと不満かという気もした。
そうした面で光ってる部分をピックアップして音楽にのせてつなぎ合わせるなら、審査員に見せるなら45分もあれば十分だったのではないかと自分は勝手にカウントしてみた。
観客として、ファンとして音楽を楽しみながら観るなら2時間でも良いと思うけど。
今回はカナリアなPityman、大竹野戯曲の♨ドラゴン、ジャンプ好きには見逃せない?男道ミサイルと結構アクの強いのが集まってるだけに、その中ではちょっと色薄め?
柏木氏がもうちょい出張ってくれば・・という気はしたんだけど(苦笑