満足度★★★★★
驚愕
シリアスと笑いの緩急が緻密な本と表現するキャスト陣、ここまで完成度の高いリアルな日常ドラマにはなかなか出会えない。たくさん笑ったし、じんわり泣いた。心の奥まであたたかくなるとっても素敵な作品。初めての劇団だったが、観に行って本当に良かった。
満足度★★★★★
意外や労使対立の劇
宮崎の小さな電気工事会社の労使対立を軸にした、悲喜こもごもの人間ドラマ。
観てつくづく思ったのは、演劇は緩急だということ。
“急”にあたるシリアスで重いシーンは方々の女性客からシクシクと啜り泣きが聞こえてくるほど痛切な反面、“緩”にあたるコミカルなシーンは電気工同士のしょうもないふざけ合いが極まって肉弾戦まで飛び出すほどで、その振れ幅の大きさに引き込まれた。
それも、緩、急、緩、急…と続く大きな流れがあるだけでなく、それぞれの緩や急の中にさらなる“緩、急、緩…”が畳み込まれているという念の入りようで、作劇のお手本を見る思いでした。
しかし、流行り廃りに捉われずにこうした普遍的な人間ドラマを作り続ける団体があるのは心強い。
この団体が今作で描いたのは人類が滅びない限り永遠になくならないに違いない、中間管理職の苦悩。上からは圧迫され、下からは突き上げられる者の憂いを管理職役の松本哲也が抑えた演技で見事に表現しており、その苦しい胸の内がひしひしと伝わってきた。
もちろん、コミカルなシーンもシリアスなシーンに負けず劣らず面白く、飄々としてトボけたキャラクターが素敵な永山智啓扮する中年電気工から同僚への「何か面白いこと言え!」というムチャ振りから始まるくだらないやり取りにはその都度笑わされました。
満足度★★★★★
社長…
劇中に一度も登場しなかった社長に思いを馳せ、私も もらい泣きしてしまいました。
とても好きな芝居だ とだけ伝えておきます
陳腐な言い方ですが 日常にドラマがあると思います
この芝居は日常そのものです けどモルトのように濃縮した日常です
満足度★★★★
また観たい
好きか嫌いかで言うと嫌いなタイプということは観る前から分かっていたが観劇後もその思いに変わりはない。どこにでもあるようなあるいは実際にあったかもしれないような話を何の捻りもなく律儀に描くことは反演劇とさえ言える。にもかかわらず何でもない言葉が胸を衝いたりとてもくだらないことで笑えたりで作者の才覚は嗅ぎ取れたし、作品自体は当方の感情を膨らましてくれた。今後は是非演劇だからこそできること演劇でなければできないことに果敢に挑んてもらいたいと思う。(反面今のスタイルを続けた方がいいのかもとも思うがどうなんだろう?)
満足度★★★★★
驚異の完成度。
折り込みチラシを見てこれは絶対に観に行くべきと、初小松台東。
タイトルにも書いた様に驚異の完成度。これこそ、ま・さ・に、THE演劇。
しかしながら、半面観劇後に何か自分にとって響くものがあったかというと正直ない。むしろ、掴もうとしても掴めない何かがあって、掴もうとした手が空を切る。
何でだろうと考えていたのだが、そのヒントはこりっちの「説明」にあった。
すなわち、
「これまでもそうですが、これからも、ぼくが体験してきたことを基本的には作品にしていくつもりでいます。だからと言って、とても劇的な人生を歩んでいる訳ではありません。普通の人生です。なので、小松台東の作品は、奇抜だったりロマンに溢れていたりはしないと思います。普通の日常、人間の機微を丁寧に、ユーモアも忘れず描いていけたらいいなと思っています。」
という松本さん自身の体験性に基盤があったからだ(ろう)。
故に、観劇後に、ある種の救われを感じるわけでも、なければ明日から頑張ろう、とかそういう気持ちになるわけではない。
そこが完成度の高さを「リアル」という点でおさえていると同時に、「リアル」であるが故にどこにも行けない/行かないという閉塞性で止まっている。どちらを強く受けとるかは人それぞれで、その意味で受取手である観客に余白を残している。
満足度★★★★★
みんな作業着
悪くない。
スーツ姿と作業着、どちらの方が生き物として美しいか、
と問われるなら、作業着という答えは疑いようもない気がする・・(笑