ロスト・イン・ヨンカーズ 公演情報 ロスト・イン・ヨンカーズ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    家族の幸せって
    難しいなぁ、と、改めて思いました。
    とりあえず、主人公のジェイとアーティーの笑いの取り方tが
    たまんなかったです。あと、キャラクターで一番好きなのは
    ベラかなぁ。深い共感を覚えます。

    ネタバレBOX

    自分の妻が難病にかかり、その治療費捻出のために
    ほとんどの財産を使い果たしてしまった、主人公二人の父。
    運良く、南部で見つかった、戦争のための鉄クズを収集する
    出稼ぎの仕事が見つかり、その期間中、二人を自身の母に
    預けるが、それからが大変。

    主人公二人にとって、祖母はほぼ赤の他人。それだけでも
    キツいのに、お菓子屋の店番やら厳しい家のしきたりやら
    辟易とするものばかり。

    しかも、親類は若干発達障害のきらいがある、「大人になれない」
    ベラ、厳しくされた子供の頃のトラウマから、実家に戻ると過呼吸に
    なってしまうガート、裏稼業に手を出しているといわれるルイなど
    問題のある面々ばかり。二人の明日はどうなる…? みたいな
    話ですね。

    物語の鍵を握るのはベラ。大好きな映画の席で出会った男性との
    結婚を夢見る彼女が、家族全員が集う席で、自分のような女性には
    幸せに、女性の幸せをつかむことは難しいのか、と問うシーンは
    重く突き刺さって正視できませんでした。

    ラストは…どう解釈すべきなんでしょうね。新しくできたベラの友人に
    図書館勤務の知的な兄がいて…というオチ。また同じ結末を
    繰り返してしまうのでは、という危惧もあるけど、映画館の案内係の
    男と違う家庭環境の男性という時点に、今度こそは…という希望も
    感じますね。

    そもそも、絶えず興奮状態が続いて落ち着くことが出来ないベラには
    これまで友人がいたためしがないのですから。そこに、ニール・
    サイモンの、皮肉っぽい雰囲気を漂わせながらも、最後は優しい
    視点を感じましたね。
  • 満足度★★★

    見ました。
    休憩込みで3時間近くの舞台、上演時の制約でもあるのか前半から丁寧過ぎてもう少し短縮しても良かったんじゃないかなーと。
    深刻に見えて、真面目な一家の時々クスッと笑えた普通なお話。

    歳をとっても親は親、子は子のそれぞれの年輪。
    一瞬でその場の空気を変える家長の威厳ある存在感と肉親への愛情、ピュアだけど本能な欲を隠せないまま成長してしまった中谷嬢、松岡=アメリカンな仕草で漢気ある態度。家族を見守る兄弟もかわいい。
    ガトーも普通ぽいが、実家に戻り母親と面と向かうと緊張で上手く話せなくなり、あの症状がちょくちょく出る気持ちはなんとなくわかる。長野さん面白かったし上手かった。
    椅子を使って、一家の喜ぶ姿が統一されていたのが微笑ましかった。

  • 満足度★★★★

    ニール・サイモンの目の優しさが好き
    三谷さん同様、私も、ニール・サイモンは大好きな作家なので、これまでもかなりの作品を拝見していますが、この作品は未見でしたし、内容も全く知りませんでした。

    キャスト名を拝見し、勝手に、松岡さんと中谷さんが主役かしらと思っていたのですが、家族劇で、誰が主役というのでもなく、強いて言えば、孫役の二人が一番重要人物だった気もします。二人の目を通して語られる、父親や、叔母や叔父や祖母の物語といった趣。そして、この二人の子供達の存在が、彼らに影響を及ぼして、ギクシャクした家族関係が少しだけ好転するというストーリー構成が、実に秀逸な舞台でした。

    このまだ子供の年齢の孫兄弟を演じられた、浅利さんと、入江さんが、とにかく、ものすごく魅力的でした。

    確執がある家族だけれど、そこに、作者の、人間を観る温かい目があって、各登場人物それぞれが、苦手な家族に対しても、どこかで、愛情深く相手をみつめている様子に、感銘を受けます。

    最近、昔、一人っ子の私をさんざん羨ましがらせた、友人の兄弟関係が、無残にも打ち砕かれている事例が多く、仲良しの兄弟関係が、これほどにも破綻するのかという現実を直視することばかりなので、たとえ、芝居とは言え、人間関係が破綻しないよう努力しているこの一家の物語は、大変清々しく、心に沁みました。

    ネタバレBOX

    厳格な母に育てられた、この家族の兄弟達は、皆、どこか、精神的なバランスを欠き、エディは、大人になっても泣き虫で、母親になかなか本音を口にできず、結婚後は、母とは疎遠になっている。そのエディが、亡くなった妻の入院費などで、金欠になり、出稼ぎに行くので、息子達を、母親に預かってもらう算段をしに、久しぶりに、ヨンカーズの母の家にやって来たところから、この物語は始まります。

    苦手なおばあちゃんだけれど、父親の仕事のために、やむなく、祖母の世話になる道を選ぶ、幼い兄弟。このジェイ(ヤコブ)と、アーティ(アーサー)の二人のやりとりがとても愉快で、観ていて、気持が和みました。

    誰にでも気さくで、明るいベラ叔母さんは、でも、軽度の知的障害があるのか、精神的に未成熟で、感情の起伏が激しく、これまでは、友人も恋人も皆無という淋しい生活を強いられて来ました。

    やくざなルイ叔父さんは、ギャングの手下らしく、裏社会のお金で、結構羽振りは良い様子。他に、呼吸困難になるガート叔母さんも、その原因は、厳格な母親。

    家族に対して、殊更厳しく、愛情深い言葉ひとつ掛けない祖母は、昔、二人の子供を亡くしたせいで、家族に対して、過剰な対応をしてしまう。

    こうして、大人達には、それぞれ、屈折した精神事情があるのですが、幼いジェイとアーティは、そんないびつな家族関係をものともせず、すくすくと、順当な成長をして、その二人の成長に、大人達が刺激を受け、少しだけ、関係が改善に向かう様が、本当に素敵です。

    ニールサイモンの戯曲は、いつも、こういう等身大の人間がリアルに描かれ、お互いの関係がホンの少し好転するかなという、とても良い匙加減で幕となるところが、堪りません。

    敬愛する作家の作品ということで、三谷さんの演出も、きめ細かく、愛情深く、とても素敵だったと思います。
  • 満足度★★★★★

    圧倒
    事前知識を何も入れず観劇したので、コメディだと思っていたら後半とことん泣かされた。とにかく中谷美紀さんが凄いの一言。中谷さんと草笛さんの2ショットにひたすら圧倒された。
    笑えて泣けて、心にズッシリとした重みが来るけれど後味は悪く無い。むしろ爽やか。上質なものを観たという満足感大です。

  • あっと
    舞台装置から手が混んでいて、
    とても可愛くまるで別世界にいるようでした。

    俳優さんはみんな魅力的で、
    引きつけられるものがありました。

    中谷さんの可愛らしいさ、
    松岡さんの男らしいさ、
    お互いがお互いのキャラクターの良さを引き立たせていました、
    さすがです。

    とても面白かっです。

  • あら…
    大好きな中谷美紀を見たくてチケットと取り作品を見ましたが、美しさとは違う弾けた演技でした。クールな中谷美紀を見たかったけどこれもありかと思いましたが、少々疲れて序盤眠ってしまいました。

  • 満足度★★★★

    今までとはちょっと違う
    パルコ、三谷さんとくれば自ずと・・・

    ネタバレBOX

    ちょっと気の利いたコメディだと思ったのだけど、なんだろう、なんかいつもと違う。色々あった家族、それを乗り越えて今まで通り、にも見える。でも確実に変わったものがある。それは、本当に静かな変化。でも確かに変わっているのだ。笑える場面が多いとか少ないとかじゃない。喜劇というものの本質を観た気がしました。
  • 満足度★★★★

    予備知識なしでも楽しめました。
    予備知識が全くなく、「中谷美紀さんを生で見てみたい」というだけでチケット取りました。

    ネタバレBOX

    美しいご婦人役だと思っていたら、ずいぶんコミカルで元気の良いお姉さん役でびっくりです。声色も変えていたので、始めは中谷さんと認識できなかった位です。浅利陽介くんが冷静につっこみを入れているような、お二人のかけあいが特に楽しかったですね。浅利君は脇役が多い若手俳優さんとしか思ってなかったですが、顔も小さいし色白で可愛らしくて、お芝居がとても上手かったです。私はこの作品で彼が一番印象に残りました。弟役の入江甚儀君は初めて拝見しましたが、もしや初舞台なのかな?堂々としていたし頑張っていたし、良かったです。この二人が演じたおかげか、この兄弟が大好きになりました。 草笛さんの気難しい老婦人ははさすがに落ち着いていて、安心して見ていられましたし、呼吸がうまくできないおばさまも笑いがその都度会場に沸き、お父さんが通路を使ってちょくちょく登場する演出も座席に恵まれ、とても楽しめました。松岡さんはTVのまんま、結構体格の良いお兄ちゃんでした。声が大きくて、それが弱気な兄弟くんたちと対照的に感じられて目立っていたと思います。しかし彼はあんまり「お芝居をしている」という感じではなかったですが…。存在感はさすがにありました。

    2日前に「滝の白糸」を観劇しており、クライマックスの流血場面が強烈に眼窩に残っていて(良い意味で)眠れない位だったので、この作品は単純明快で心温まるストーリーで何も頭を使わず軽い気持ちで観れました♪

    おまけで、美術セットがいかにも欧州のお部屋!って感じの雰囲気で、ドアやランプや棚や写真立てや椅子、それぞれ全部きれいで可愛らしくてとても気に入りました。
  • 満足度★★★★★

    笑って、泣いて、実は弩シリアスで。
    観劇前、「事前情報シャットアウトで観劇派」の私としては、
    キャスト順が中谷美紀、松岡昌宏、本がニール・サイモンと聞いて、
    「勝手にこじゃれたコメディかなんかだろう」とタカをくくっていたのですが・・・
    誠に申し訳ありません。

    中谷美紀さんも美人ヒロイン役だろうと思っていたら、
    確かにヒロインではあるけれど、これまでのイメージには全くなかった
    常にハイテンションでアメリカのコメディにはまった演技に、参りました。
    全くの別人になってる。(役者なら当然かもしれないが。)
    笑えるし面白いし、そしてクライマックスが強烈。
    それまでの演技あっての結末。
    重いけれど、前向きではある。
    確かに三谷作品にはない「引出し」で、この作品を選んだ目はさすがです。

    草笛さんも難しいところを少ないセリフと出番で、実に的確に表現されて、
    小林隆さんも滑稽なほどの弱さ、優しさがにじんで実に人間らしくて。
    松岡さんは、いきがっているけれど妹や家族には優しい。
    甥っ子の二人は子供の役だけれど、大人がやることで逆に説得力が出てくる。

    この後、12月にもKAATで観る予定なので、今から楽しみです。



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