満足度★★★★
解説付き当日パンフあります
前回にはなかった北アイルランドに関する解説ありました。
出演者2人なのに、合計19役を映像込みで入れ替わり、時には対等、時には対峙と早替わり。だけど、全て別人に見えてしまう素晴らしさ。
かなり重い題材なのに、生き生きとした子供の目線で見る抗争とそこで生きる事の可笑しさと哀しさと無常さに惹き込まれる。
狭い劇場ここまで使うか、っていう位、使っているので前方席で見る場合、映像は一部見えづらい箇所もあり。但し、ある場面で前列ならではの汗被りは堪能出来ますw。
満足度★★★★
目まぐるしい2人芝居
信仰する宗教が異なる2人の少年が無邪気に遊ぶ姿を通じて北アイルランド内の不安定な情勢が浮かび上がってくる物語で、根底にはシリアスなテーマがありながらも、2人芝居で17役を演じるというアクロバティックな手法を用いることによってエンターテインメント性が高い作品となっていました。
偶然に知り合った2人が夜に映画を観に行ったり、秘密基地を作ったり、他のグループに喧嘩を売ったりとしている中、テロが起こって片方の少年の親がそれに巻き込まれてしまうことから、2人に別れが訪れるというストーリーで、子供の世界に大人の政治的事情が入り込んで来る様子が物悲しかったです。
舞台上で次々に役が替わって行き、場面によっては1人で2人の対話を演じることもあるのを声や表情だけで表現していて、それだけでも瞬時に誰を演じているのかがはっきりと分かる演技力に圧倒されました。
途中で壁に映される映画のパロディーも2人だけで演じていて、馬鹿馬鹿しさが楽しかったです。
鵜山さんが演出した作品は大きな劇場での物しか観たことがなく、個人的には演出手法がしっくりと来ないことが多かったのですが、この作品では映像や照明や音響の使い方もとても効果的で、演劇ならではの表現になっていて素晴らしかったです。
満足度★★★★
二人芝居で計17役を演じ分け。
これが本当に見事! 力のある俳優が演じれば、たった二人でも17役をきちんと成立させて物語を進行させられるし、むしろその演じ分けに演劇の、そして表現することの本質的な楽しさを見出すことができるんですね。
演出もとても良かったです。小劇場の空間を利用した舞台装置、俳優の芝居を的確に引き立たせる照明と音響の効果。舞台奥のスクリーンでは、映画の主人公に扮した二人が真剣なんだかふざけているのかよく分からない絶妙な力感の芝居をしていて、これも愉快でした。
北アイルランド紛争の苛烈さは物語の後景に退き、少年二人が戯れるファンタジーという印象が強く残る戯曲だと個人的には思いました。これが不満と言えば不満かな。
満足度★★★★★
演劇的に、さらに上へ
作品の面白さは初演で証明済み。密度も厚みも増してました!上演時間は約1時間25分。東京公演はインターネット直前予約もあります。