満足度★★★★
二人芝居で計17役を演じ分け。
これが本当に見事! 力のある俳優が演じれば、たった二人でも17役をきちんと成立させて物語を進行させられるし、むしろその演じ分けに演劇の、そして表現することの本質的な楽しさを見出すことができるんですね。
演出もとても良かったです。小劇場の空間を利用した舞台装置、俳優の芝居を的確に引き立たせる照明と音響の効果。舞台奥のスクリーンでは、映画の主人公に扮した二人が真剣なんだかふざけているのかよく分からない絶妙な力感の芝居をしていて、これも愉快でした。
北アイルランド紛争の苛烈さは物語の後景に退き、少年二人が戯れるファンタジーという印象が強く残る戯曲だと個人的には思いました。これが不満と言えば不満かな。