満足度★★★★★
伏線回収もの
最近こういうの流行ってます?
演劇というか物語のネタとしては定番中の定番、時間巻き戻しモノ。
脚本の太田友和さんは30代半ばということで(公式サイトのプロフィールより)、演劇にかぎらず映像作品やゲーム内での演出などもバランスよく吸収してきた世代の作品という感じがする。濃すぎず薄すぎず、適度に脂っこくて観やすい。
今回、初めてマチソワ連続で観てみたら2回目になって気づくことも多かった。ただ結末を知っていると楽しげなOPのダンスのシーンから涙目になっている自分がいたのです。。。
三人(!)のミカンを演じた二人の女優さんがすばらしかった。ここが強烈に魅力的なキャラクターじゃなければ物語がまったく成立しないところ、共通点と相違点を巧みに演じ分けていた。こういう役はとかく勢いだけで押しがちだが脚本・演技双方の確かな技術に裏付けられている。
ストーリーの根幹に関わるキャスト5人組*2チームも、それぞれリアリティのある男女混成。
ファミコン(カセット)、シャイダー、テッカマンなどの世代特定ネタが単純に「昔のもの」として扱われていたのは、もうちょっと詰める余地があったように思う。
満足度★★★★★
また腕を上げたな!
何度か過去に行くことで「望みの現在」に修正するパターンかと思わせて以降の展開が秀逸で、眼から鱗がポロボロと。
また、終盤のそれぞれの状況とあるアイテムの合致は画龍点睛を打つ、的な。
次回公演が早くも待ち遠しい♪
満足度★★★★
よく練り上げられた劇です
「リプレイ」という小説があります。
中年を迎えた主人公が、ある偶然により、自分の過去に戻ってしまう。
一定の期間を過ぎると(しかもその期間は、どんどんと短くなっていくのだが)
戻った少しあとに「リプレイ」される。
彼は、過去の大リーグのワールドシリーズや、競馬の記憶から、大きな富を
築き、その「リプレイ」した世界で、実にさまざまな人生を送り、さまざまな
女性と暮らす。
しかし、最後の「リプレイ」で、彼が悟ったことは・・・
この劇を観ながら、この小説のことを考えていました。
過去を変えること、それは果たして、よりよいことなのだろうか。
よりよいとしても、その変化から派生する「悲劇」「不幸」は見過ごしていいものなのだろうか。
この脚本家も、似た感覚の持ち主であったことを喜びます。
巧みな展開で、何回も「あ、終わりかな・・・」という瞬間を裏切って、最後まで何度も「どんでん返し」
を提供してくれました。
役者さん達も、子供役と対の大人の役とを、よく演じ分けていましたし、
その合間合間に入る、「コント」風の、新作パン、SF作家の場面、経理課女子社員も、「脇」ながら好感の持てる
熱演をしてくれました。
ここに「大滝秀治」のような、「ただいるだけで雰囲気を作れる」重鎮がいたらという思いはあります。
若い人ばかりの劇団の「泣き所」なのでしょうが、あと何十回も公演を重ねることで、それは解消されますね。
めずらしく、最後に、涙腺が少し弛んでしまいました。
すてきな劇に、感謝。