一歩先、君に出会う日 公演情報 PocketSheepS「一歩先、君に出会う日」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    よく練り上げられた劇です
    「リプレイ」という小説があります。
    中年を迎えた主人公が、ある偶然により、自分の過去に戻ってしまう。
    一定の期間を過ぎると(しかもその期間は、どんどんと短くなっていくのだが)
    戻った少しあとに「リプレイ」される。
    彼は、過去の大リーグのワールドシリーズや、競馬の記憶から、大きな富を
    築き、その「リプレイ」した世界で、実にさまざまな人生を送り、さまざまな
    女性と暮らす。
    しかし、最後の「リプレイ」で、彼が悟ったことは・・・

    この劇を観ながら、この小説のことを考えていました。
    過去を変えること、それは果たして、よりよいことなのだろうか。
    よりよいとしても、その変化から派生する「悲劇」「不幸」は見過ごしていいものなのだろうか。

    この脚本家も、似た感覚の持ち主であったことを喜びます。
    巧みな展開で、何回も「あ、終わりかな・・・」という瞬間を裏切って、最後まで何度も「どんでん返し」
    を提供してくれました。
    役者さん達も、子供役と対の大人の役とを、よく演じ分けていましたし、
    その合間合間に入る、「コント」風の、新作パン、SF作家の場面、経理課女子社員も、「脇」ながら好感の持てる
    熱演をしてくれました。

    ここに「大滝秀治」のような、「ただいるだけで雰囲気を作れる」重鎮がいたらという思いはあります。
    若い人ばかりの劇団の「泣き所」なのでしょうが、あと何十回も公演を重ねることで、それは解消されますね。

    めずらしく、最後に、涙腺が少し弛んでしまいました。

    すてきな劇に、感謝。

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    2012/10/14 20:59

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