夜の部「スピーディーな通し狂言」
日本橋浜町明治座の近くに8年間程暮らしたことがあるが、久しぶりに行くと高層ビルが建ちあたりはすっかり変わってしまっていた。
明治座は先代猿之助が鏡山再岩藤を南座に次いで東京で初演した際の第一回公演を観ている懐かしい小屋だ。
先代は30代40代の役者として最も元気な時代、ここで古典の復活公演を次々に行ってきた。
スーパー歌舞伎で注目されることが多いが、彼ほど一俳優の立場で古典復活狂言の発掘に精力的に貢献した慧眼な人はいない。
甥の亀治郎に猿之助の名跡を譲ったわけだが、私の中には鮮明に先代の足跡が残っている。
歌舞伎はユネスコの世界文化遺産に指定されており、古典演目の継承も重要な責務である。
博学な先代はいまでも復活狂言の発掘や新企画への意欲は健在と見え、若き当代へのアドバイスに私は期待している。
天竺徳兵衛は歌舞伎座で先代の初演を観ている。それまで二世松緑の当たり役だったので、若々しく外連味たっぷりの新演出に目を奪われたものだ。
つづら抜けの宙乗りは延若の石川五右衛門が先に手掛けていて、「いつか違う形でやりますよ」と前々から挑戦したがっていた。
音羽屋型演出の古典にずっと挑戦してきた先代の面目躍如と言う作品でもある。
満足度★★★★
昼の部「受け継がれる当たり役」
明治座には数年前に行ったきり。
今年、猿之助が歌舞伎やるのはこれが最後と聞き、行くことにしました。
「傾城反魂香」が三代目猿之助四十八撰のひとつと聞いてへぇーと思った。
なんせ、こちとら(初代)猿翁十種の時代の観客だもんで(笑)。
吃又というと二世松緑の又平が一番印象に残っている。
昨年の暮れ、山の手事情社が通しで見せたがダイジェストとしてわかりやすく、いずれ、当代が通しで見せても面白いのではないだろうか。
文楽でもなかなか通しで出ないからそちらも観ておきたい。
「蜘蛛絲梓弦」は先代の初演を観ています。六代目歌右衛門や現藤十郎が扇雀時代も手掛けてますね。
先代で観たときより格段にショーアップされていて初演の時とだいぶイメージが違う。
頼光の家来がたくさん出るうえ、蜘蛛の眷属がたくさん出てきて派手な演出になっている。
満足度★★★★★
また行きたい!!
夜の部の
「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし) 」
に行ってきました。
この夜の部は澤瀉屋の演目だけあって、早変わりや宙乗りなど見どころが満載でした。
歌舞伎の初心者の方でも、肩が凝らずに見る事が出来る、数少ない演目だと思います。
歌舞伎をまだご覧になったことがない皆さんに、是非お勧めの演目です。
満足度★★★★
夜の部
市川 猿之助一門の十八番。華美でいろいろな話がきらびやかに演じられていて肩ががこらずに楽しめた。
明治座は、お土産コーナーも充実していて好きな劇場である。